「「解放感」と「寂しさ」と「すみっコ」と。」映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ ウシダトモユキ(無人島キネマ)さんの映画レビュー(感想・評価)
「解放感」と「寂しさ」と「すみっコ」と。
これまで羨ましかった「友達いっぱいの人気者」も、きょうび外出自粛となりゃあ家でひとりぼっちなわけで。
まぁ、ぶっちゃけ「ザマァ!」というか、「ひとり自営業になった頃にオレが持て余した寂しさを、ついに皆も味わう時が来たのだ!わはははは!!」って、思わなくもないよね。
でも、それでもやっぱ人気者たちは、巣ごもりしながらでも「オンライン飲み会」やら、「ツイートのバトン」やら、速攻でつながっていくもんなんだね・・・。
「ZOOM」とかいうオンライン会議アプリ。これは今後必須のインフラになるんだろうなって、早速ダウンロードしては設定なんかいじったりしてみるけれど、その途中にふと、「あ、でもオレ、オンライン飲み会とかする相手いないや。」って気がついちゃったりもして。
このコロナ禍は、安全とか経済だけでなく、「コミュニケーションの在り方」も変えていくのかなと思う。
学校や職場やサークルで、「顔を合わせれば仲良く話す相手」はいる。でもそれが、お互い巣ごもりした後に、「ZOOMやSNSを駆使してまで話す用事がある相手」か?って言ったらそうでもない間柄。今まで意識しなかったスキマによって離れていく人間関係が、誰しもきっと、多かれ少なかれあるんだろうな。
その「解放感」と「寂しさ」を比較して、「寂しさ」の方が大きい人を、ある意味“すみっコ”と言っていいと思う。だって「解放感」の方の人は、“自分の世界の真ん中っコ”だもんね。
この『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は、“ツルんでるすみっコたち”が、“ガチぼっちのすみっコ”に出会うお話。
チームすみっコは、ぼっちすみっコの仲間を探すべく、絵本の世界を奔走するんだけど、なかなか仲間は見つからない。
ぼっちすみっコは、いったいナニモノで、どうしてぼっちなのか?
ぼっちすみっコは、チームすみっコの仲間にはなれないのか?
そもそもぼっちすみっコは、ほんとうにぼっちなのか?
いろいろ考えさせられるところもある映画。
前評判がやたらと良かったので、ハードル上げすぎには要注意だけれど、
なんか最近心がササクレてんなって人には、良いデトックスになるかもしれないです。
この映画を観るあなたは、すみっコですか?真ん中っコですか?