「見てくれは綺麗」窮鼠はチーズの夢を見る @花さんの映画レビュー(感想・評価)
見てくれは綺麗
主体性のない主人公がコンニャクの如くプルンプルンと微振動してるのを眺める映画でした。
原作の水城せとな先生の描く人間性って、全漫画作品に共通する魅力の一つなんだけど、今作は人間の心理描写が1ミリも描ききれていなかった。
原作を読んでいなくても、キャラ変更で大事なところが抜け落ちてんだろうなと感じた。
だって、主役の恭一の心理がさっぱり掴めない。
誰にも感情的になれないって、ソシオパスだよ?
流されるってレベルを超えた何かしらの疾患があるよ。
自分の選択の結果が現在でしょう?
なんで、そんなに無責任で軽率な人間なの?
今ヶ瀬はもっと訳わからない。
うまく相手の寂しさに漬け込んで、優しさを享受しようとしている阿呆にしか見えない。
2人で何やかんやヤるのは構わないけど、女性はもらい事故みたいになってるよ。
きっと、原作では違うでしょ?
読んでないけど、関わり方が違うし、別れ方も違うと思うんだ。
だって、こんな三文芝居みたいな脚本で漫画描かないからね。水城せとな先生は。
だって都内で一人暮らししててる人の家具ってあんなに高価なの?
照明もお洒落だな〜。
探偵があんなお洒落な車、乗り回すかな〜。
着ている服もいちいち新品のようにパリッとしてるし、生活感の無い部屋とか、お茶する喫茶店ですらいちいち小綺麗なんだよ。
それが嘘くさい。
地に足が着いてない世界観。
キャラもペラペラ。
背景もペラペラで。
そんな中で演技しなきゃいけない俳優さんの身にもなってくれよ。
監督は足フェチかよ。
登場人物男女みんな細いの。
折り畳み式ですか?ってくらいみんなバンビちゃん。
絵が綺麗すぎて、没入感が皆無。
演出も酷い。
特に最後。あまりに唐突にキャラが変貌するからビックリ。
監督には原作をきちんと熟読いただいて、物語のテーマが何だったのかを教えていただきたい。
かくいう私は原作を読んでいないので、水城せとな先生の描きたかった窮鼠を堪能したいと思います。