「後半の盛り上がりが熱い」劇場版 誰ガ為のアルケミスト 髙橋佳純さんの映画レビュー(感想・評価)
後半の盛り上がりが熱い
ゲームをプレイされている方は観て損はないと思います。
初めは正直、ゲーム内に出ないキャラが主人公というところに違和感というか、不安のようなものがありました。
女子高生とタガタメって世界観違くない?と思って観ていたのですが、ちゃんと観たら納得する内容でしたし、むしろそこがよかったです。
まず冒頭から迫力のあるアクションシーン。
やっぱりバトルシーンは映画館で観ると惹き込まれますね。
そしてリズやエドガーと主人公の出会い。
ここが一番びっくりしました。
ゲームと雰囲気が違って、異世界から来た主人公にエドガーは冷たいですし、女に優しいはずの彼が変わっていて驚きでした。
けれど、異世界転生もののように変に主人公に期待するのではなく、信頼出来ない初対面の相手への反応としては自然ですし、これがかえって主人公に共感できる状況になりました。
絶望的な危機感の中で期待を裏切られたら、確かに冷たくしたくもなります…。
でも、勝手に召喚しておいてひどくない?と、主人公にどんどん同情して物語は進みました。
カスミ頑張れ!の気持ちです。
そして中盤に進み、キャラとのふれあいを見ていると、エドガーを変えれたのはカスミだからだったんだろうなと思いました。
カスミはまだ異世界から来てこの世界の絶望を味わってないですし、しっかりぶつかっていける子だから、エドガーの心にも響いたんだなと。
カスミ自体はリアルで自分に期待できない環境に切なさを感じていた分、自分以上の絶望を目の当たりにして、だからこそ強くあれたのでしょう。
そういう心境の変化や葛藤がよくわかる内容でした。
この時点で既にカスミを応援したくなっていて、エドガーとの関係にもどかしさを感じていました。
(カスミの話を聞いてエドガー)
そういうモヤモヤのおかげもあり、主人公を引き立てる流れや設定がとてもお上手で、平凡な子だからこその魅力が素敵でした。
そしてそして後半の主人公たちが共闘するシーンは最高ですね!
本編ではすれ違っていた人達や、アルケミストとファントムとの関係性。
正直ここの複雑な問題を取り上げたのは素晴らしいと思います。
死んでなお兵器として呼ばれることへの怒り。
すごく悲しくて難しくて、この葛藤や悩みを描いたのは本当に心にささりました。
都合のいい設定にせずに、ちゃんと向き合ってる辺りに、キャラを大切にしている作品だということが感じ取れました。
また、ゲーム内登場キャラが攻撃するときに、ゲームでお馴染みの台詞が聴けるのが熱いですね!
ここで初めて、やっぱりタガタメの映画なんだと実感して、じわじわと込み上げてくるものがありました。
「残念でした、これにて終了です」が聴けて嬉しかったです…
そしてそして、ロギとディオスの共闘は熱すぎます!
ここにセツナさんも入ってくるとは…泣きそうでした。
しかもアルマとレベッカもチラ見せ…ありがとう!
本当にファンの期待以上をいく!
とまあ興奮が冷めきらないですが、
この辺りでしめたいと思います。
だらだらと感動のままに書いてしまいましたが
本当に充実した濃いお話となっており、
ゲームファンは特に楽しめると思います。
時間以上のボリュームが詰まっていて、とても胸熱な作品かと!
ただ一点、冒頭のザインの顔芸で
ワクワクとドキドキが笑いに変わってしまったので、そこを考えて星を1つ引かせてもらいました。
ザイン様にその顔はあかん…と思います…笑
とはいえ、全体的にクオリティが高く、
大変面白かったです!
会場特典もかなり豪華ですし!
リズとカスミ可愛いですし!
観に行かれてはどうでしょうか!
ゲームファンは是非!