シノニムズ

シノニムズ

解説

2019年・第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で金熊賞を受賞。日本では「フランス映画祭2019横浜」(19年6月20~23日/横浜みなとみらいホール、イオンシネマみなとみらい)で上映。

2019年製作/123分/フランス・イスラエル・ドイツ合作
原題:Synonymes

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第69回 ベルリン国際映画祭(2019年)

受賞

金熊賞 ナダブ・ラピド

出品

コンペティション部門 出品作品 ナダブ・ラピド
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映画レビュー

5.0フランスだってイスラエルだってどこだってどう生きるかによる

2021年8月8日
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わあ、すごいシーンがある。セーヌ川の欄干に寄り添いながら主役、 Yoav(Tom Mercier)が辞書で学んだ言葉、形容詞を吐き新天地パリを修飾し表現する。セーヌ川はパリがどうだこうだと。。(忘れたごめん)。。。。。。物書きで行き詰まりを感じているエミールにとって、『こんな表現が存在するのか』とYoavの才能に感心して表現力が異なる彼に接近したくなる。Yoav は『まだ全部のパリを発見していない』というがエミールは自分の見解にそういうものが存在していないと。だから、表現できないわけだ。自国を逃避してきて、全てを失って衣食に困る外国人が観察するパリと富豪で上流育ちのパリジャン、エミールの観察力は視点が違って当然だと思う。芸術家、エミールはこのような苦労から出る、パリを描写できる表現力に憧れるだろう。私もそう思う。

Yoavはイスラエルからやってきて、パリでフランス人として生きようとしているようだが、フランスでの問題点も見つけ、イスラエルでも問題があるから同じようだと思ったように思える。響きのいい虚言をモットーにして自由、博愛を歌っているフランスで、現実をみろと。ちょっと安倍晋三の「美しい日本」という言葉を思い出した。美しく飾った言葉と現実の生きざまの狭間に気づきつつ結婚で市民権を獲得する。知り合いが「トランプ政権の時アメリカ市民権を獲得したくない」と、言ったが米国人になるための誓いとトランプ政権とのギャップに心の中がついていけないのを感じていたようだ。Yoav の心境だね。また、エミールは自分にない感覚、才能、経験を持っているバックグラウンドの違うYoavに愛情が湧くが。。

どこの国で生きていても本人次第と極端に言えばこうなる。監督はだから、『Synonyms 』というタイトルにしたと私は勝手に思っている。

まずパリに到着して、真冬に身の回りのものを全て盗まれるところがいい。自分のアイデンティティを捨ててやり直すということを意味してると思う。映画『Into the Wild 』の自分の所有物を全て捨てて山に入る主人公クリスを思い出させる。それにYoavの祖父もリトアニアから英国統治のパレスチナに全てを捨てて移住したとのことでイディッシュ語を一言も話さず、その伝統的なアイデンティティを捨てたようだ。

Yoavの父親が彼にわざわざ逢いにイスラエルから出てきたのには彼は閉口したようだ。郷愁心や家族への愛情をのぞかせる。ここから彼は変わっていったと思えた。最後に市民権を取るために学校で学ぶシーンがあるが、彼はここで自問自答し始める。ある女性がフランスの国歌を歌い次に彼が歌う。先生はフランス国家に宗教はない。無宗教で金は教育に行くが宗教団体にはいかないと。女性の自由意志を、DVについて、、、、本当?嘘? と先生は生徒に質問していく。みんなが、出身国の国歌(?)を歌うようなシーンがある。ここで、彼の心の愛着心が強くなっていく。何のためにフランス人になる?詭弁?本当?嘘?と。心の葛藤が激しくなる。

最後に、キャロラインの室内楽を聞きにいくが、そこで、楽団員に『フランスは沈んでいるんだ。虚構に気づけ、 傷が深く深くなる、自分の言うことを聞いて気づけ!!』もしこの言葉をエミールにいっても、彼はYoavの観察力、感性、概念には新鮮さを感じて引き込まれるが、現実的にはそう思っていないとおもう。現状維持でパリの危機なんか感じていない。楽団員もそうであり、パリジャンにとっては空想(そらごと)である。
エミールのところで『お前はラッキーだフランス人だから』。ドアを全身で何度も打つがドアは壊れない。このの意味はパリの壁は固く彼は心を入れることができないということかも。

蛇足

フランス語がわからない私には主役、 Yoavのフランス語力が入国当時どのくらいか知らないが、彼が小さい頃から、イスラエルでフランス語を習っていたように思えない。なぜかというと辞書を買って、そこからフランス語単語を学んでいるから。それに彼の筆跡は乏しい。ヘブライ語の文字とアルファベットでは大変違うから。いくらイントネーションやアクセントの物真似がうまいとは言え、イスラエル軍隊で、兵役を終えてきたようだから、すでに二十歳は過ぎているだろう。でも、イスラエルで学んでいたのは確かだろう。 彼は父親とスクリーンを見ながら電話で話した時ちょっと英語を使っている。フランス語がわかったらこの映画の鑑賞の仕方は変わるだろう。

実際はパリで、フランス語だけを話しても、6ヶ月のうちにパリジャンたちのフランス語は身につけにくいだろうし、仕事も取れないだろう。だから、イスラエル大使館で警備員として働いているのかもしれない(どう労働ビザをとったのか?)。またここでもアラブ人攻撃でイスラエルの兵隊時代と同じ。とにかく、語学は単語を覚えれば、上達することもあるだろうが、フランス語の音がどう使えるかであり、この点で、ヘブライ語のアクセントでフランス語を話しているかと察するしかない。(映画では、主役が流暢に話しているようなのでちょっと疑問だが(でも、キャロラインが指摘している。私は全くフランス語がわからないからコメントできない。)そうなると、フランスで移民、二級市民扱いされ、仕事が、イスラエルに関わりのある仕事になるか、ほかにフランス人ができない仕事になる。モデルは彼の軍で鍛えた肉体美が発揮できるが? 他国で仕事を取るのは難しいが、最終的に彼は2重国籍(フランスはこの制度がある)になったのか?

ひとつ感心なことは母国語を諦めることにより、フランス語を上達させようとすることはいい考えだ。頭の中でもフランス語で考えているようだから、独り言もフランス語になっている。

彼の肉体美は軍隊で鍛え上げたようで、全裸は均整がとれている美。キャロラインが惚れるのは無理がない。

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