劇場公開日 2021年7月30日

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「移民の国アメリカでもマイノリティーの中米移民の現実をラティーノの音楽・ダンス・情熱で人間讃歌に昇華させている。特に後半二場面の群舞は素晴らしい!」イン・ザ・ハイツ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0移民の国アメリカでもマイノリティーの中米移民の現実をラティーノの音楽・ダンス・情熱で人間讃歌に昇華させている。特に後半二場面の群舞は素晴らしい!

2021年8月2日
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鑑賞方法:映画館

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①正直前半二場面の群舞シーンはどこか既視感があり前評判ほどには乗れなかった。登場人物達の相関関係を理解するのにもやや時間が係る。②しかし、ラティーノミュージック&ダンスが全面に出てきたクラブでのダンスシーンから一気に盛り上がる。アパートの中庭での群舞シーンもそれに負けず劣らず素晴らしい。③ベニー役の俳優は自分で歌っているのだとしたら声が大変よろしい。アブエラ役の女優さんの独唱シーンは『サウンド・オブ・ミュージック』の修道院長さんの独唱に負けない名唱と言えるだろう。④両親や祖父母、またその上の世代、貧しさから逃れ仕事と豊かになる夢を求め移住して来た世代、未だに残る生活苦、マイノリティー移民に対する根強い偏見・差別を感じながらも親の世代とは違う新しい夢を追いはじめた若い世代。現実は辛く苦しいがラティーノ特有の明るさが全編に溢れて暗さを吹き飛ばす。その中で若い世代の夢がやがて確固とした形をとり始め映画の夢と同化して高揚して行く。⑥現代の『ウェスト・サイド物語』か。少なくとも『シカゴ』以来最も成功した舞台ミュージカルの映画化と言えるだろう。

もーさん