「【”移民の歌。褒め称えよ、彼らの忍耐と信仰を・・” 逆境の中、お互いに助け合い、夢を叶えようとする”人種の坩堝の大都会”で前向きに明るく、健気に生きる若者達の姿が沁みます・・。】」イン・ザ・ハイツ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”移民の歌。褒め称えよ、彼らの忍耐と信仰を・・” 逆境の中、お互いに助け合い、夢を叶えようとする”人種の坩堝の大都会”で前向きに明るく、健気に生きる若者達の姿が沁みます・・。】
ー ”移民の歌”と言えば、レッド・ツェッペリンの名曲だが、今作ではあのような、呪術的で蠱惑的なメロディーではなく、ポップな曲が中南米からの移民たちが逞しく生きる姿を彩っている・・。ー
◆感想
・序盤は、やや凡庸。近作で言えば「キンキー・ブーツ」のような高揚感がない・・。
・だが、彼らの住むワシントン・ハイツだけが停電になり、40度を超える暑さの中、彼らを長い間見守っていた老婆、アブエラが心臓発作でこの世を去るシーンから、哀しいがこのミュージカルは、俄然面白くなる。
ー NYの大都会で、移民の街だけ、停電が三日も続く・・。あの夜の彼らの街だけが、闇に閉ざされる俯瞰の光景。ー
・そんな中でも、彼らは蝋燭を灯し、明るく振舞う。
ー そして、ウスナビの店で売っていたスピード籤が9万6千ドルの大当たり!けれど、誰も名乗り出なくって・・。その後に分かったアブエラの、死しても彼らを守ろうとする優しき心が沁みる・・。そして、ウスナビの運命も大きく変わって行くのである。ー
・親世代の故郷、ドミニカに帰る事を夢見て、小さなコンビニを経営するウスナビ:父親がドミニカの海を航行するアメリカ海軍の船に書かれていた"US-NAVI"から命名・・(アンソニー・ラモス)とファッションデザイナーになる夢を持つヴァネッサ(メリッサ・バレラ:ウツクシイ・・)の出会い。ウスナビは、彼女の美しさにヤラレルが・・。
ー ウスナビが手を尽くして、彼女が収入の不安定さから、一度は断られたアパートメントの契約を取り交わすところから、急速に・・。ウスナビの優しさ、助け合いの心が彼女に届いたのだな・・。ー
・進学する事で親に金銭的負担を掛ける事に悩むニーナ(レスリー・グレイス)と、無理をして彼女の支援をする父親の姿。
ニーナの父親の元で働いていた実直な青年ベニー(コーリー・ホリンズ)との恋も、彼らが逆境の中、逞しく生きる姿として前向きなトーンで描かれている。
ー CN監督か?とホンの少しだけ思ったビルの壁面での二人のダンスも良かったよ。ー
◆冒頭から、”ドミニカの海岸”で子供達に話をしていたウスナビが、愛する女性の夢を叶えるため、移民の街に残る決断をしたシーンからの、実は”現実世界”で子供達に話をしていた・・、と言う設定の妙と、
”パパ・・”とウスナビにイロイロ聞いていた女の子の母親が現れるシーンは、沁みたなあ・・。
<不法移民の2世として、様々な逆境の中、自らの存在意義を自らの夢を叶えようとする事で、見出そうとする若者達の姿を、暗いトーンではなく、
”君らには、明るい未来があるのだ!君らは移民ではない、立派なNY市民だ!”
と言う、優しく温かい視点で描いたミュージカル作品である。>
こんにちは!!
キラーチューン、欲しかったですよねぇ。実は正にThis is meがキッカケでこのテの作品を好きになったので♪
本作は歌推しというよりは会話ありき(!?)で歌に乗せてたような感じですかね。
引き続き、良いミュージカル作品に出逢いたいものです。