黒い司法 0%からの奇跡のレビュー・感想・評価
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製作も兼ねるマイケル・B・ジョーダンの逞しさ
1980年代のアメリカ、アラバマ州で、黒人というだけで犯してもない殺人の罪を着せられ、死刑宣告を受けた被告の無実を勝ち取るため、次々と立ちはだかる差別の壁に跳ね返されながらも、正義と平等のために前進して行く黒人弁護士、ブライアン・スティーブンソンの実話である。ある種見えている展開も、ディテールを丁寧に積み重ねることで、スリルと感動を与えてくれる演出にまず感謝したい。しかし、何よりも、スティーブンソンを演じるマイケル・B・ジョーダンの透明感が、すべてを力強く牽引して行く。ジョーダンはプロデューサーも兼任している。ジョーダンと言えば、ロング・シリーズをやはりそのフレッシュな魅力で再生させた「クリード チャンプを男」や、マーベルのスマッシュヒット「ブラックパンサー」の敵役等がまず頭に浮かぶが、「ブラック~」のライアン・クーグラーと組んだ初期の代表作「フルートベール駅で」では、白人警官が誤って発射してしまった銃弾に倒れる黒人青年を演じて脚光を浴びた。今やセックスシンボルとして注目される彼が、だからこそ、今も根強い人種差別をテーマに掲げる姿には、意外性と同時に逞しさを感じないではいられない。
あなたは無罪だ
過去に、レンタルで観ました💿
マイケル・B・ジョーダン演じるブライアンの決して諦めない姿勢が胸を打ちます。
ジェイミー・フォックス演じるウォルターは最初は彼を拒絶しますが、段々と感化されていき戦う意欲を取り戻していく⋯❗
しかし同時に、死刑が執行されるムショ仲間もいる。
黒人差別は見ていて心が痛みます。
映画なので脚色されてるでしょうが、それでもラストは良かったですね🙂
嫌がらせに屈しないエバを演じたブリー・ラーソンも凛としてました🫡
実話であることが恐ろしい
黒人であるというだけで、生まれた時から犯罪者だと、劇中で言われていた言葉に胸が痛みました。
人種差別で理不尽な判決を下し、当の真犯人は野放しのまま、関係の無い人を死刑にして納得していた事が信じられません。
数々の嫌がらせや脅迫にも負けず戦った事は素晴らしく、エンドロールで流れる実際の映像は涙しました。
主人公ブライアン(マイケル・B・ジョーダン)が冤罪を証明する!
内容は人種差別を扱っています。
テンポが良い
演技が良い
演出がよい
そして没入感があります。
セリフに感心したりしながら、物語の展開も納得できる流れで満足しました。
なまぬるい
今まで観た差別モノ、権力モノ、に比べ設定全てが中途半端。
差別シーンもどうにもならない悔しいシーンもどんでん返し倍返しシーンも
盛り上がりに欠ける。
やりなおーし と監督に言いたい。
差別と偏見に挑む勇気、そして真実と向き合うことの大切さを知る
白人女性殺害の冤罪を着せられた黒人男性と、彼を救うために奮闘する若手弁護士の戦いを描いた映画です。実話を基にした本作は、重く見る者の心に深い感動と真実を突きつけます。
本作は、アメリカ社会における深刻な人種差別問題を容赦なく描いています。警察や司法制度における偏見が、いかに多くの冤罪を生み出しているのかを、克明に明らかにします。
真実と希望に満ちた感動作です。差別と偏見に挑む勇気、そして真実と向き合うことの大切さを教えてくれる、必見の作品です。
理不尽な世界
元になる実話から映画化されたお話。
これが全て事実だとすると、アメリカでのblack lives matter のあの人々の反応も納得できる。
冤罪で死刑になるなんて恐ろし過ぎる。
最後に勝利するのが分かっていても見ていて辛く感じた。
冤罪で別人が捕まっているという事は、冤罪となった人物や家族の問題だけでなく、真犯人が野放しになっているという事なので、この男が犯人だと信じていた被害者の遺族の心理も知りたかった。
全体的に見て後悔はない映画。
アメリカの若きマンデラ
劇中何度も繰り返し強調される「アラバマ物語」の地、という喧伝が、差別という問題の視点を問うようで興味深く、苦々しい。
「アラバマ物語」の主人公はアメリカ人が考える理想のヒーローであり、そんなヒーローを生んだこの地に地元の人間は誇りを持っているように描かれている。
そんなヒーローの正体とは、黒人青年の無実の罪を孤立無援で弁護する一般人である。クリプトン星人でも、ウェイン産業の会長でもない。偏見に屈せず司法の正義を全うしようとした、弁護士だ。こんな皮肉って、あるだろうか?
今、ここアラバマで、ろくな裁判も受けられず、乏しい証拠で死刑囚監房に入れられた黒人たちがいるのに?
冒頭から繰り出されるメッセージに、どうしても心を掻き乱される。
モンロー郡の白人たちは、「アラバマ物語」を嬉々として語る。虚構の正義に酔いしれ、自分達は正義の人であると信じて疑わない。
今そこに存在している差別は、とうの昔に消滅したかのように。
しかし死刑囚監房のジョニー.Dは静かに呟く。
「これがアラバマだ」
真実以前に、事実すらも形骸化し、噂が世界を形成し、町の平安と引き換えに正義は息を潜め、脅迫が偽りの罪を構築する。
見たいものしか見えない、残酷な世界。
その絶望が苦しい。その怒りが切ない。その達観が哀しくて、胸に迫る。
あって当然の権利すら届かない人のために、主人公・ブライアンは奔走する。自らも屈辱的な仕打ちにあい、それでも明白な事実から目を背けようとする人たちに、自らの良心を問う。
今なお根深い差別の中で、ヒロイズムではなく公正さのために。
「ただ赦しの気持ちを持って、失敗だけでその人を断じないで欲しい。失敗だけがその人の総てではないのだから」
記憶を頼りに書いたけれど、ブライアンはそう言った。失敗は、もっと言えば「罪」は、誰にでも訪れる可能性がある。その「罪」は確かに存在するが、その「罪」はあくまでもその人の一部であり、その人全体に寄与するものではない。
「貰えて当然の人よりも、貰える資格がないような人にこそ与えるべきなのが慈悲であり、慈悲とは公正さである。」という内容の事をブライアン本人は語ったそうだが、これは今なお黒人に向けて容赦のない差別を行っている人に向けられた、二通りのメッセージであるように思う。
一つは額面通り「偏見に惑わされず、目の前の人物の行動を、それを指し示す事柄を、公正さを持って考えて欲しい」という願い。
そしてもう一つは、「偏見に惑わされ、公正さを失った自らの過ちを認めることは、あなたの総てを否定するものではない。だから勇気を持って過去の過ちに向き合って欲しい」という、差別してきた側への願いだ。
原題「Just mercy」の意味するところは「慈悲」であり、その反対は「邪険・冷酷」である。
相手の意思を汲み取ろうとせず、意地悪い扱いをする事だ。
そういう態度を、どうか改めて欲しい。
そんな願いが込められたタイトルだ。
タイトル通り、ジョニー.Dをはじめとする囚人たちやその家族、コミュニティに生きる黒人たちの思いを汲み取り、闘い続けたブライアンこそ、本当のスーパーヒーローだ。
そしてその闘いは、今も続いている。
シン・アラバマ物語 と 邦題を変えるべき
三権分立が大事な事は言うまでもない。しかし、先ずは行政と司法が癒着する事が問題なのだが、それは司法の更新が無い事が理由。そして、それが三権分立の最大の欠点だと僕は思っている。勿論、弾劾裁判がある事はわかっている。だがしかし、それが機能していない。また、12人の陪審員制度も見直さなければ駄目だ。
また、死刑制度も直ちに廃止すべきだと思う。それが、正義だと思う。
ヨーロッパで死刑制度が残る国は白ロシアだけである。あのロシアですら無い。
勿論、日本にはある。従って、脱亜入米なのだろう。これでは大日本帝国の頃の日本の方がしっかりしていたと言われかねない。
続・アラバマ物語?いやいや、シン・アラバマ物語でこのあと、新・アラバマ物語と続く。しかし、アメリカはアラバマ以外でも死刑制度は生き残っている。
だから『アメリカ物語』を制作するに至ってもらいたい。ここで語られている事は
『正義VS絶望』や『正義VS貧困』ではない。『正義 VS 間違った司法』つまり、少なくとも当該事件の場合『正義VS司法』にもだどりついていないと言う事だ。
普通は認めたくない類の映画だが次回作を期待して用いる最大の譲歩をして評価する。
なぜなら、白人の言い訳ストーリーになっている。それも、シン・アラバマ物語とディスる所以である。
最低な時代
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主人公は弁護士を目指してた学生時、ある黒人の死刑囚Aと出会う。
やがて弁護士になって無実黒人救済団体に入り、そのAと再会。
Aは無実だったが、もう諦めモードに入ってた。
当時のアラバマ州は黒人差別がひどく、多くの黒人が無実の罪で収監されてた。
Aも何の物証も裁判もなく、たった一つの目撃証言だけで殺人罪で収監されたのだ。
これを知り、主人公は再審請求を求めて無実の証拠を集め始める。
実は事件の日にAの息子の友人BがAを目撃しており、Aの無実は明白だった。
しかし警察からBに圧力がかかり、Bは証言を取り下げてしまった。
また主人公のところにも警察から圧力や、正体不明の脅迫電話が来る。
主人公はめげず、唯一の目撃証言をしたCを訪ねる。
Cも服役しており、警察の強烈な圧力で嘘の証言をしてたことを白状する。
良心の呵責に長年苛まれてたCは、再審請求裁判でも事実を述べてくれた。
他にもこの事件で正義を貫こうとしてクビになった元警官や、
Cが自責の念に長年苛まれてたのを知る精神科医が証言してくれた。
しかし裁判所の判断は、証言に信憑性なしとまさかの再審請求棄却。
主人公はこれを州の最高裁に訴えると共に、TV局に取材・放送してもらった。
また検事に対しても、立場を守るより共に正義を守ろうと必死で呼びかける。
州の最高裁は再審請求を認め、また再審請求では検事自ら再審を認めた。
こうしてついに再審が始まり当然の無罪。おめでとう~。
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劇場で見た。かなり評価が高かったので楽しみだった実話ベースの話。
どこまでが事実でどこからが創作なのかは分からないが、
たとえおとぎ話であっても、正義を貫き通す弁護士には心動かされる。
それにしても糞みたいな差別やな、1990年代でもこんな感じやったのか。
今じゃかなりマシになったと思うけど、人種差別は根強く残ってると聞く。
早くこういう意味のない優越意識が社会から消えることを望んでやまない。
実話ベースは重い。黒人というだけで有罪、死刑という恐ろしい時代。い...
実話ベースは重い。黒人というだけで有罪、死刑という恐ろしい時代。いや、まだまだ昔の話ではないのかもしれない。
立ちはだかる権力。明らかな間違いもたかがメンツのために認めない横暴。
米国🇺🇸のことと思ってはいけない。日本も同じです。袴田事件など全く同じ構図。
他人事ではない。いつ私がそうなるかも…。
社会の闇を知ろう。本作、絶対に見るべき映画です。
❇️マジで怖い自分が犯人にされたらと思うと…ゾッとする
黒い司法0%からの奇跡
1987年代🇺🇸アラバマ州モンロー郡
ジョージア州ジャクソン
デラウェア州サセックス
白人の女性を殺害したとして、無実で逮捕された黒人木こり。全く関係のない男を無罪にする為、戦う新人弁護士とその妻の奮闘記。
無罪の調書を集める弁護士夫妻。
裏で脅しや強迫をしてくる真犯人を知る黒幕?
木こりの無罪と戦う人達の実話に基づくストーリー
◉86D点。
❇️マジで怖い自分がいきなり犯人にされたらと思うと…ゾッとする😱犯人は誰やねん❗️
🟡ポイント
1️⃣いきなり感情移入する。
★彡いきなり冒頭で白人の刑事に職務質問され銃を向けられてすぐ犯人扱い‼️木こりの黒人が可哀想⁉️
2️⃣囚人でなくても人種差別が見え隠れする。
★彡弁護士でも面会の前に服を脱がされる嫌がらせなど刑務所内での環境悪さを示唆しています!これもヤバい!
3️⃣強迫される家族も巻き込み戦う弁護士。
★彡妻子の身の危険も危うくなる。
★彡申請する書類や証言する証人に圧をかける。
4️⃣証言した囚人も汚職警官に超パワハラや脅しの被害者!
★彡警察のでっち上げもほどほどにしろ💢
マジでムカつく警察‼️感情移入もMaxへ!
5️⃣罪を犯してない人は無罪‼️
★彡こんなの当たり前の話なのに、免罪事件は今も警察のアピールの為に、免罪被害はあるのだろうか?
🌀みる前に実際の事件の内容。
「ウォルター・マクミリアン冤罪事件」である。1986年11月、アラバマ州モンローヴィル郡にて女子大生ロンダ・モリソンの他殺体が発見された。容疑者として逮捕されたウォルター・マクミリアンはパルプ材の商売で生計を立てていた黒人だった。物的証拠はほとんどなく、容疑の根拠になっていたのは別の殺人事件で逮捕されていたラルフ・マイヤーズというならず者の証言のみで死刑宣告された免罪事件が基になっている。
アメリカの恥部
かなり重いテーマでシリアスな内容ですが、各人の描写も丁寧で且つテンポがよいので、ドラマ性、エンタメ性も十分です。
しかし、90年代なんて、つい昨日まで、おそらく今だに人種差別による冤罪死刑囚がこんなにたくさんいるなんて、アメリカって殆ど前近代的専制国家みたようなもんで驚かされます。
難しいかなぁ
原題は「Just Mercy 」。日本語に置き換えるなら黒い司法とはならない。「どうかご慈悲を…」が相当なのではなかろうか。もしくは原題をそのまま使った方が合うだろう。日本人には人権差別ってことにあまりに疎い気がする。人種差別問題を考える中で大きな影響を与えるのが奴隷制度。奴隷とは人以下の存在であり、家畜同然の扱いをされることなのだと思う。原題同様に何人かのレビューを拝見したら、死刑制度や司法のあり方に話がずれていた。確かに感じ方は人それぞれ、冤罪など言語道断だし、自分たちの住む国の司法制度を見直す良い機会になっただろう。だが作品は最初から最後まで人権差別に苦しむ人々を描かれている。または人々の心かな。演技に関して良いコメントがたくさんあり、それらに賛同します。M・B・ジョーダンが内なる葛藤や声に出せない心情をとても上手に演じてくれていました。最高裁からの再審請求が可決された際の裁判でのセリフもとても胸が熱くなりました。
私自身も人種差別への理解は難しいと感じているが、生まれながらに推定有罪の扱いをされる不条理への怒りや不満はどれほどのものなんだろうか。さらにそんな歪んだ社会へ正義を掲げて飛び込んで行く勇気など、想像を絶します。日本国内にも似たような事例はあるだろうけど、イジメとは質が違う気がします。またこの作品が実話に基づくものだという。そこにも脱帽してしまいます。
最近知ったのだが、江戸時代の身分制度「士農工商」はなく、その差別は存在していなかったらしい。かつての日本に奴隷のような扱いを受けた人は存在しただろうが、そういう人種や身分は果たしてあったのだろうか。話がずれたけど、差別について考えるべきは差別なき世界。人類は差別なき世界を手に入れることはできるのだろうか…もしくはせめて身の回りに起きている理不尽な現実に直面した際に、立ち上がる勇気を出せるだろうか。人々の優しさは確かに存在している。
理不尽すぎて重く、つらい、
見てよかったとは思う。
白人連中の良心もないような理不尽な時代、いや、こういうことは「今も、この現代も」あるものかもしれない。
それが当たり前にも考える感覚に、あきれもする。
逆の立場ならどうか、そんなわけわからん理由やこじつけや言いがかりで牢屋に入って納得できるか。
白人の立場でさえ、「そうしてしまっている」良心の呵責ややましさを感じるもんだろう。
肌の色以前に「人として」、「普通に」考えられない人種がいることに、憤りを通り越して、とにかくその理不尽さに、あきれもする。
それでどれだけの人の人生の時間を奪ってきたか。
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