おいしい家族

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解説

映画監督のほか小説家としても活躍する新鋭ふくだももこ監督が、かつて自身が手がけた短編映画「父の結婚」を長編化。妻を亡くした父親が再婚するまでの親子の日々を描いた原作短編映画から、舞台を離島に移し、エピソードやキャラクターを追加して家族の絆とそれに向き合う主人公の心境をより深く描き出した。銀座のコスメショップで働く橙花は、母の三回忌に実家のある離島へ帰るが、そこでなぜか父・青治が母の服を着て生活している姿を目撃する。驚く娘を意に介さず、青治は「この人と家族になる」と居候の男性・和生を紹介する。テレビドラマ版「この世界の片隅に」やauのCMなどで注目を集める松本穂香が主人公の橙花に扮し、長編映画で初主演を飾った。父・青治役は原作短編映画でも同じ役どころを演じた板尾創路、青治のパートナーでお調子者の居候・和生を「在日ファンク」のボーカルで個性派俳優としても活躍する浜野謙太が演じる。

2019年製作/95分/G/日本
配給:日活

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(C)2019「おいしい家族」製作委員会

映画レビュー

4.5これから楽しみな才能

2019年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

20代のふくだももこ監督はとても才能豊かな人だと思う。この映画の豊かな詩情とユーモアがそれを証明している。人間関係に対する感性が自由で新しい。父は母が亡くなった後、女装をするようになる。しかし、父にトランスジェンダー願望はない。男性と再婚するが、同性者というわけでもない。異性愛、同性愛、女装癖、トランスジェンダー、どこにも属さないような浮遊感のある存在として父が描かれている。そんな父は役割のとしての妻を引き受けている。妻や主婦という概念をジェンダーでなく役割と捉え直しているのが面白い。LGBTという言葉が定着したが、定着したことによってそこには新しい固定観念が生まれた。クィアは元々性的少数者を指す言葉だが、概念的には「規範から外れる」という意味合いだったのではないか。その意味で本作は新しい規範からもクィア的に立ち振舞い、自由であろうとしているように感じられた。これからが楽しみな監督だ。

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杉本穂高

4.0短編映画から長編映画化の幸福な成功例

2019年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

板尾創路が同じ父親役を演じたふくだももこ監督の短編「父の結婚」が、商業映画の製作体制を得て日活配給で実現したのが本作。元の短編も配信サイトで視聴したが、板尾は本作と変わらぬ役作りで中性感を醸し出し、ソニンのふてくされた雰囲気もいい。冨永昌敬監督作で撮影を多数務めた月永雄太が、流れるようなカメラワークで作品の洗練に貢献している。

さて、長編化にあたり大筋は変わらないが、舞台を離島に変更したのが大きなポイント。現実の常識や偏見とはかけ離れた、多様性を優しく受け入れる理想のコミュニティーにぴったりの、美しい海に囲まれたロケーションが活きた。モトーラ世理奈と三河悠冴が演じる若者2人のエピソードも新たに追加され、2人に関わることで主人公の心情の変化に説得力が増した。原作の魅力の肝をきちんと残しつつ、追加した要素でテーマをより効果的に伝える。長編化の理想的な成功例だと感じた。

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高森 郁哉

3.0不思議な感覚

2020年9月2日
iPhoneアプリから投稿

この映画はLGBTとかを表現している映画ではなく、家族のあり方そのものを表現していると感じた。

家族という狭い世界にも、それぞれが思うこと、考えることは様々だが、そこを理解出来るのが家族なのだと。

美味しい、というタイトルには疑問が残る。

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ちゃーるすとん

5.0今、観てほしいおいしい映画。

2020年8月24日
iPhoneアプリから投稿

ふくだももこ監督は、最新作にも松本穂香さんを主演に迎えています。
朝ドラの「ひよっこ」のメガネっ子役の松本さんを観て、彼女を見つけたと語っていたのが印象的です。
そのひよっこでの役柄とは全く違うヒロインなのだけど、
銀座でキャリアウーマンのヒロインが、
久しぶりの故郷の島に戻ると、、、。

俳優さんとしても大好きな、
板尾創路さんがお父さん役であるのが、
松本穂香さんと共に、映画の中で起こる驚きに、自然と入っていける映画になっていると思います。
ふとした台詞、島の人々、常に笑いのある、食べるシーンが美味しそう、「家族」、
監督の温かい人への眼差しを感じる、
今、観てほしいおいしい映画です。

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