劇場公開日 2019年4月12日

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「この現代における、正当な宗教改革を提言している。プロテスタント批判映画です。」魂のゆくえ tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この現代における、正当な宗教改革を提言している。プロテスタント批判映画です。

tさん
2019年11月3日
PCから投稿

ジョーカーよりも更にタクシードライバーっぽい・・・っていうか、この映画の方がよりリアルかもしれない。

めちゃくちゃ宗教映画っぽいけど、宗教映画みたいなチャチで分かり易い救いはありませんので、ご安心を笑。

まあしかし宗教的な論争を引き起こすことは必須。

なぜならこの映画は、ピューリタン革命時にカトリックを批判した時と全く同じ論理でプロテスタントを批判した映画だからである。

ピューリタン革命において、清教徒たちは、カトリック教会の「汚職」や「行きすぎたお布施集め」(要は、お金にがめつい教会)を批判した。

そして現在。
アメリカではプロテスタント教会が、かつてカトリック教会がしていたことと全く同じことをやってしまっている。
政治献金やら、巨大な企業の広告塔やら、メガチャーチ作ってウォールマートみたいなこと始めたり・・・かつてカトリック教会のように、すげーお金にがめつい組織になってしまったではないか!

この映画は、現代版の宗教改革だと言える!

皮肉なことに歴史は繰り返すのである。

元々、資本主義はキリスト教プロテスタントからはじまったと言われている。
資本主義は、人間に対して富と繁栄をもたらした。
しかし結局のところ、かつてあった「隣人愛」「神の国の実現」というプロテスタントの理念は忘れ去られ、資本主義登場以前の弱肉強食の世界に戻りつつある。

もはや資本主義なんていうものは存在しておらず、この世界は神の国を壊そうとしている弱肉強食の世界に成り下がってしまっているのではないか・・・。

次はどんな宗教改革がなされるのでしょうね。

t