宮本から君へのレビュー・感想・評価
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鑑賞料金は129分間の寿命
文具メーカーのマルキタで営業マンを務める不器用な青年宮本と姉御肌の女性中野靖子の2人の元に降りかかる悲劇と絶望、そしてそれらに決して逃げずに立ち向かった2人を描いた、2019年最熱量を持った作品。
新卒の若手営業マンの宮本がその不器用で頑固過ぎる性格ながら、恋に仕事にひたむきに頑張る姿やその仕事内容が自分に重なる部分があったり、ロケ地が会社の近くだったりと勝手な親近感を覚えていた2018年のドラマ版から一転、血だらけの宮本が飛鳥山公園を異様な雰囲気で歩く姿から幕開けた今作は全編通して生々しい表現や演出の連続で全く目を背けることのできない作品であった。
風間という靖子の過去、拓馬による無慈悲で暴力的なレイプ、守ると誓った宮本の失態、圧倒的な力の差で勝ち目の見えない拓馬とのケンカなどまるで自分が当事者かのような感覚に襲われ、恥辱や後悔、怒りなどの負の感情が津波のように押し寄せ、非常に息苦しく座りながらもその感情に合わせ手足が思わず動いてしまうような衝動に駆られた。
それに拍車をかける池松壮亮と蒼井優を始めとした役者陣の迫真の演技が素晴らしく、特に問題のシーンのあと1人取り残された靖子が呑気に眠っている宮本を目の前にして包丁を持ち出すシーンにおいて、靖子の顔を映さずに宮本の呑気な寝顔と激しく震える包丁を持つ手だけで靖子の感情を表現していて、カメラワーク、演技の両面から見て2019年の邦画作品のベストショットなのではないかと感じた。
また一切の同情の余地を持たせない見事なヒール役を演じた一ノ瀬ワタルの存在感が凄まじく、他のメディアで彼を見かけると若干の苦手意識を感じさせる程で本作以降の役者人生にも影響を与えそうな嫌われ役を見事に演じていた。
一貫してシリアスな展開だったが、井浦新演じる風間が靖子の妊娠をネタに宮本をゆすりにマルキタに訪れたシーンで、激昂した宮本が風間の股間を豪快に蹴り上げ、「止められるもんなら止めてみろ!!」と叫ぶ件が気持ちが入り過ぎて何言ってるのかわからないところが笑えて唯一胸がスッとしたシーンだった。
ラストの非常階段のケンカシーンは10年代の邦画作品でもトップランクの熱い喧嘩だったと思う。
間違いなく鑑賞中観賞後に精神的に体力的に大きなダメージを負うが、避けて通るべきではない製作陣の熱量がこもった作品。
あと今作ではチョイ役だったけど松山ケンイチ演じる神保が本当に頼りになるカッコいい先輩。
是非ドラマ版も観て頂いて、神保のカッコよさを感じてもらいたい笑。
こんな熱い映画を久々に見た
赤羽で昼から終電までひたすら梯子酒をした次の日に、二日酔いで重〜い...
いま最も憎むべき気持ち悪い悪
2人が凄すぎる!
ストーリーは熱すぎてちょっと引いてしまう所もある💦宮本の会社にユウジが来て大声で怒鳴りあったり、靖子の会社に乗り込んで「結婚しよう」の挙句大喧嘩。ドラマだなぁ、というか漫画だなぁの展開で、実際そんなことはいい大人はしないだろうなぁ🤔
靖子が布団を部屋から投げ捨てるところは理解不能だし、初対面の異性をたとえ送ってくれたからとはいえ、彼氏が一緒とはいえ、部屋に入れてはいけない、あんな結果になったのは気の毒だし、男が悪いんだが、靖子にもスキがある。自分の彼女が襲われてるのに酔っ払って寝ている男もどうしようもないが😫
と、性格激しすぎ人物達の話には少しついていけないところはあるが、池松壮亮と蒼井優の2人はホントに凄いっ❗️蒼井優はこういう喜怒哀楽の激しい役がとても上手い。池松壮亮はボソボソ話す役が多い気もするけど、今回みたいな感情を露わにする役までなんでも出来る、凄い役者だ‼️
非常階段のケンカのシーンも、弱い者が必死に立ち向かうリアル感が生々しく、痛々しい。ラグビー🏉のユニフォーム姿で全力疾走で殴られて倒れる場面も、池松壮亮が演ったんだろうけど、まさに体当たりの演技だ、痛そ〜😖
池松壮亮と蒼井優の熱演に星4つ⭐️⭐️⭐️⭐️
若い男子向けかな。
鈍感な「男性の脳内お花畑」みたいなお話。
女性は、男たちとはまったく異なる視界を持っていることに気づかない、男性側の鈍感さ。
そのような男たちの考える(空想する)、一方的な「男の考える純愛の形」の押しつけが、この映画の真骨頂なのかも知れません。
情夫と手を切りたくても完全には切れずにいる、だらしなくも情けないヒロイン靖子と知り合った宮本は、この女を守ろうと考えるようになります。
ですが、靖子は宮本の仕事先に呼び出されたことをきっかけとして、宮本の目前で強カン野郎に犯されます。必死で助けを呼んでも、宮本は深酒で酔い潰れ、ピクリとも動きません。
何が「守る」だよ、と靖子は宮本を憎みます。
しかし、ここからが空想ファンタジーの真骨頂なのですが、靖子は仕返しなど求めてもいないのに、宮本は勝手に仕返しをしようと暴走するのです。
強カン魔はゴリラのような巨大な男。
当然ながら返り討ちに遭い、一方的にボッコボコにされ続け、それでも闘いを諦めない宮本。
はたして彼女は彼を愛するようになるのでしょうか……ってな感じの、100%男性視線の男性向けお花畑ファンタジーというべき作品でした。
漫画版の「宮本から君へ」は、話が重過ぎ、展開がノロ過ぎて、私はほとんど読まずに(読めずに)放置していました。
しかし、ストーリー展開に何カ月も掛かる「連載漫画の最大の弱点」も、2時間に凝縮して表現すれば、それなりに熱を帯びたお話として成立するのだな、という点には感心しました。
俳優たちの熱演も、評価できる点でしょう。
というわけで、ふたたび元号も変わり、時代が一回転し、好景気の終わりと絶望の始まりを人々が予期しはじめた「今」という時代にふさわしい作品だとは、思いました。
熱すぎると笑いになるときがある
演出が違ったら良かったかも
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