「タイトルなし(ネタバレ)」フォードvsフェラーリ ソルトンさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
史実を基にした物語。作品を観る前にフォードやフェラーリの予習はせず、自動車メーカーって事くらいしか知らない状態での観賞。
事の始まりはタイトル通りで、フェラーリに「所詮2代目」と揶揄された事や、フェラーリの買収価格引き上げに利用されていた事を知って傷付いたフォード2代目がル・マン24時間レースでフェラーリを王者の座から蹴落とそうと立ち向かう物語。
とは言え大きな企業で、携わる人も多く立場や考え方も各々違っていたりでチーム一丸といった感じではない。トップに立つフォード2代目からすらもレースに賭ける熱量は伝わってこないし、実際にどうだったかは判らないが、憎まれ役に抜擢された副社長を中心に身内で揉め続ける。フォード2代目が開発されたマシンの凄さに泣いて歓喜したシーンが印象的で、ここからチーム一丸とっなってって展開になるのかな?なんて考えていたが、そうでもない。フォード2代目は重要なレース中にヘリで食事に行ってしまい、フェラーリがレースをリタイアしてフォードの負けが無くなった後ですら、副社長から嫌な提案がチームに突きつけられる。勿論、各々企業内での役割ってのが有るから悪い事だと思っちゃいけないんだろうけど、どうしても現場チームに感情移入して観ているから腹が立ってくる。作品を観た人は、みんな同じ思いだと思うが、彼らは何と戦っているやらって感じだ。
史実がそうだから仕方がないんだけど、物語は悲しい結末を迎えてしまう。この結末だからだろうけど、クリスチャン・ベールの家庭を深く画いている分、辛さもひとしお。
クリスチャン・ベールを久々に観た気がする。役を演じているからかもだけど、変わったな〜って思いました。
