「ちゃんとドンキホーテだった」テリー・ギリアムのドン・キホーテ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんとドンキホーテだった
公開中のSWでもカイロ・レンとして印象的な演技を披露した
アダム・ドライバー出演作と言うことで興味を持ち鑑賞
テリー・ギリアムはモンティ・パイソン
ドン・キホーテは人並みに知ってる程度です
未来世紀ブラジルは深夜映画で観た覚えが遠い昔に
あったかどうかと言う感じ
感想としては
まあなんともアッサリドンキホーテだったと思います
難解なイメージのある監督ですが定番古典が下敷き
なのもありすんなり理解していたと思います
英雄譚の読み過ぎで突然騎士道に目覚めてしまった
ドンキホーテと従者サンチョパンサのドタバタ大冒険ですが
懐かしの地で撮影をしている映像監督のトビーが
その学生時代に撮ったショートフィルムをふとしたきっかけ再び手にし
その地を懐かしんで訪ねると当時ドンキホーテに無理矢理仕立てて
撮影した靴職人のハビエルじいさんが未だその気になったままで
トビーを強制的にサンチョと思い込み巻き込まれます
世界観は中世感と現代感がゴチャゴチャになっていき
社長夫人とベッドインしかけたり謎の集落で捕まったり
ムスリム教徒が現れたりハビエルはギリアム作品らしい
イカれっぷりでいるのかどうかもわからんドルシネアを慕い
狂言回し的役割のトビーはだんだんまともな精神をやられていきます
ただトビーにはそのハビエルと知り合った村で知り合った
娘アンジェリカが思い出の女性と再開しるなどハビエルが
思い浮かべるドンキホーテや思い人の要素が段々集まってきます
まあこのゴチャゴチャ世界観には理由があるのですが…
結局現代社会の所属している会社の都合や上の命令で
信念を曲げに曲げられ自分らしさを失っていないか
といったメッセージ性はあるのかなぁという感じですが
やっぱりテリー・ギリアムのおふざけ感や不可思議感は
残りつつフワフワ話が進んでいく感じでした
展開はダラダラしてるんですが不思議と集中力が途切れる
事無くスクリーンを見ていられたのはやはりアダム・ドライバーや
ジョナサン・プライスの怪演でしょうか
とりわけアダムはいかんせん堅物カイロ・レンのイメージが
残っているので新たな印象が新鮮
ヒロインのアンジェリカや社長夫人のジャッキなど
女性キャラも可愛くて、ビッチで良かったです
どちらかというと完成するまでに30年かかったとか
そっちのエピソードに関心が集まりそれに対すると
作品自体はフツーになっているかもしれません
でもその30年の間に現代CGを駆使するなど
様変わりしたんじゃないでしょうか
頓挫エピソード自体も映像作品になっている今作
こんなキワモノも面白いかもしれません
ただ内容はちゃんとドンキホーテです