劇場公開日 2019年9月27日

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「2位じゃだめなんです。」ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.02位じゃだめなんです。

2019年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

長距離通勤をして、長時間労働をして、お役所仕事をして、人に
気をつかい、根回し、空気を読み、忖度することで満足している
日本人には理解できない映画です。

「私をナメないで」という上司に対して、「俺たちを支配している
と思っているのか?クソ野郎!」と思っていて、「時は金なり」
という言葉を理解できる人だけが楽しめる映画です。

最新の証券取引の知識がない人にも理解できない映画です。

ニューヨーク証券取引所で1株100円で1,000株購入する場合、
「1株100円で1,000株購入」という情報は、カンザスにある
データーセンターに送られ、記録され、カンザスにあるデーター
センターからニューヨーク証券取引所に戻ってきて、公開され、
最初に「1株99円で1,000株売却」する人を見つけ、取引を成立
させた人が1,000円の利益を得られるということです。
「購入」に対して「売却」を見つけるのは、人ではなく、
コンピューターが瞬時に行います。
2番目以下の人々は、1円の利益を得ることはできません。
1日に、この取引を20万件成立させると2億円の利益が得られる
ことになります。
この取引を年間250日にの間行うと、500億円の利益が得られる
ということです。
ニューヨーク証券取引所とカンザスにあるデーターセンターの間を
「0.017」秒でしていた通信を「0.016」秒でするために「0.001」秒
短くすることで莫大な利益を確実に手にすることができるということ
です。
最初に取引を成立させられる人だけが、ニューヨーク証券取引所の
利益を総取りし、ニューヨーク証券取引所という市場を支配できる
ということです。
この事実に、熱狂できない人にも理解できない映画です。

ハミングバード(はち鳥)が羽ばたきするのに要する時間が「0.016」
なので、映画のタイトルが「ハミングバード・プロジェクト」という
題名になっています。

「ダビデとゴリアテ」は、ユダヤ教徒の聖書である旧約聖書の
「サムエル記」に登場する羊飼いの少年「ダビデ」が、旧約聖書に
唯一神であるヤハウェをの嘲笑った武装した巨人「ゴリアテ」を
投石機で放った石で倒し、剣で首を刎ねて殺したというお話です。
弱い人が強い人を倒すこともあるという例えで、日本でいうなら
「柔よく剛を制す」という意味です。
主人公は、ユダヤ教のロシア系移民第2世代です。

移民してきた第1世代は、移民であるという差別を受け入れます。
移民第2世代は、移民ではない人々と同じように米国で生まれ、
教育を受けますが、社会に出ると移民であるという差別を受け入れる
ことができません。
これが世界中で起きている移民問題です。
移民第2世代について理解できない人は、宇宙移民第2世代である
ジオン・ズム・ダイクンが「宇宙に進出したスペースコロニーの
居住者達であるスペースノイドと呼ばれる人類は進化して、
地球に住むアースノイドを凌駕する能力を獲得している」と唱えて、
地球連邦政府に自治独立を宣言しようとしたことを思い出してみる
と理解できるかもしれません。

パンフレットは、よくできているので、映画を理解したい人には
お勧めできます。

ノリック007