劇場公開日 2020年1月31日

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「☆☆☆★★★ オ〜〜〜!なかなか良いじゃないですか入江監督。 この...」AI崩壊 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★★ オ〜〜〜!なかなか良いじゃないですか入江監督。 この...

2020年2月1日
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☆☆☆★★★

オ〜〜〜!なかなか良いじゃないですか入江監督。
この原作(ノベライズ版?以降は原作と記します)から考えて、これだけの作品に仕上げたのだから評価されて然るべきと思いますね。
(但し、原作はとても読みやすい。でも内容がちょっと薄いのが💦)
…って事で原作読了済み。

生涯評価されずに急逝してしまった、ハリウッドエンターテイメントを代表する映像作家だったのがトニー・スコット。
彼が1998年に発表したのが『エネミー・オブ・アメリカ』
進化した社会の中で、近い将来には個人のプライバシーがなくなってしまう可能性を示唆していた。
公開当時は、「こんな事が実際に起こるのはまだ先の話だろう…」と。怖さは感じたものの、映画にはまだまだ〝作り物〟感は拭えなかった。
何しろ当時は、ネットも整備されてはいなかった時代。携帯の写真をメールに添付出来たかどうか?と言った時期。(私はまだ携帯を持ってはいなかった)少し《早すぎた》と言える不遇の作品だったのかも?…と、今にして考えると思えて来る。
その後、2006年にトニー・スコットは『デジャブ』を発表する。
当時はどうだっただろう?もう一般的にはネット社会がかなりの発達を遂げていたとは思うのだが…。
『デジャヴ』はそんな進化を反映し、世界中で生活する全人類の人を対象として。4日間遡っての行動を把握出来るシステムが確立されていた(←多分!記憶力が曖昧💦)

エンターテイメントに特化した良質なアクション映画を撮りながら、その才能を認められずにトニー・スコットはその生涯を終えた。
本作品を観た時に、真っ先に彼の事を思い出したのは。『エネミー…』から20年以上経った現在の日本で、やっとそこそこエンターテイメントに特化した近未来の日本映画が生まれつつあるのを実感したからです。
実際問題として、映画本来の出来としてはもう1つと言える箇所が多いのが現実。特に出演者の中で、原作とのイメージのギャップの違いが多いのは(登場人物達の性格・行動等から見ても)もう少しキャスティングに気を遣って欲しかったところ…。

原作と映画本編との違いの中で。原作だと、桐生の逃走経路の部分は、読んでいてもとても曖昧だったのですが。その辺りは映画の中で、防犯カメラ等を駆使した逃走経路は観ていて分かりやすい。その反面で、特殊警察(SITE)のだらしなさや、原作同様の都合の良さだったり時間経過の希薄さ(常に画面下に映るのに)は否めない。
但し、それに勝るくらいに。A Iの暴走から、社会全体が混乱する様相をしっかりと見せているのは、原作にはそれほど描かれていないだけに素直に評価したいと思います。

尤も、映画本編に於ける。犯人を追い詰める1番肝心な場面は…。
観ていても「お・前・は・バ・カ・か・?!」と、思わず出川の哲ちゃんばりの声を挙げそうになってしまった(´-`)
原作だと映像がないだけに、あまり感じなかったのですが。流石に映像として画面上に提示されるとなると。その間抜けっぷりの凄さに「だから日本映画はダメなんだよ!」…って言う(それ程は日本映画を観ないくせに)人が多くいそうな気にさせられるのが、ちょっと残念なところでした。

この時に協力を仰ぐ雑誌記者の重要な人物。
原作だと、この人物が様々なところから桐生・西村の2人を信頼し、事件解決へと奔走する。しかし、映画本編だとその様な描写は最後のみ。逆に、三浦&アリスの刑事コンビが、この人物の役割を兼ねている様にも見られた。
だがそれにより。この人物と、心との《友達関係》が映画本編では描かれてはいなかった。
元々は(原作では)愛煙家だけに。A I【のぞみ】の発達から、愛煙家にとって厳しい社会になってしまったA I社会への流れには、大きな憤りと忌々しさを持っていた。
それが、(原作だと)桐生の愛娘である心との《友達関係》から、「心を救いたい!」…とゆう強い思いが生まれる。原作を読んでいると納得出来るこの雑誌記者の協力関係。その1番肝心な場面での説得力が、映画本編には感じられなかったと言わざるを得ない…と。

…と。って言いつつ💦これだけエンタメに特化し、分かりやすい作品にした入江監督の手腕を評価したいと思いますね。今後もこの路線でお願いしますm(_ _)m
何ならば、山崎某よりも入江監督で撮影依頼をされてはいかがでしょうか?映画関係者の方々。

2020年1月31日 イオンシネマ板場/スクリーン8

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松井の天井直撃ホームラン