天気の子のレビュー・感想・評価
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人柱と純愛は天秤にかけられるか?
何とも古代的な人柱の発想にドギマギした。人類史上いにしえの時代からの自然崇拝。現在でなければ作品のテーマにもならず、作品中の言葉で言えば都市伝説にもならず、命を捧げる美談物語ですんだかもしれない。
現代の若者は、愛を選び、街の水没を肯定する。それで良いじゃないか。この作品の流れでは、個の幸せを優先しても良いケースだと思う。数年の歳月を経て、再会する二人に拍手。でも、今だから、きっとネット上で語り合っていたんだろうな。やや脚色かなあ?
水没した東京は悲しかったが、「君の名は。」よりもいいドラマだった。展開も登場人物のキャラクタもよくできていた。
なぜって訊かないで
全体的に尾崎豊っぽく、若さ純粋さ愚かさからの破滅型ラブストーリーを綺麗な絵と音楽で柔らかく仕上げた感じ。
なぜ島を出たのか、
なぜ東京はずっと雨なのか、
なぜ拳銃を拾う必要が(物語上)あったのか、
なぜ代々木の廃ビルの屋上に空につながる社があるのか、
なぜ晴女が願うと晴れるのか、
なぜ雨粒が魚になり、雲の大地の上に雨の神の龍が棲むのか、
なぜ?を摂取するたびにそれが解き明かされるカタルシスへの期待が高まったが、なにも解決しなかった。
何一つ解決しなくても大丈夫、全部捨てて大事な人を選んでいいんだよ、
という話のために用意した設定をわざと見せなかった?
・・・のはいいのだけど、
「君の名は」が世界の謎・現実との対決・二人の関係を上手く連動させて解決したのと比べると肩透かし感は否めない感じだった。
最後が…
途中までは展開が早いし飽きず面白かった。
ただ最後が…!
畳み掛けるような主人公の台詞で終わったけど、「え?どゆこと!?」ってなった(笑)
勢いと良い感じの言葉で終わらせればそれっぽくなるだろう的なものを感じてしまった。
結局雨を見て「お魚さん」発言をした男の子はなんだったのか(多分小さい頃の主人公?)分からないままだったり、頑なに家出していた割には素直に地元に帰って高校生活送るんだなぁーとか、そんな簡単にひなはこっちの世界に戻ってこれるの?まだ晴れ女パワー使えるの?とか、多数のモヤッと感もあり…
何が言いたかったのか分からずでした。
3年後の東京があれなら主人公の選択もオッケーだけど
ナレーションで3年間東京は雨が降り続けて、それでも東京は普通に経済活動している描写で「え?」って感じ。物語の最初のほうでは1か月降り続けたため、レタスの値段が高騰している、っていうニュースがあった気がするけど。
普通の精神構造の人であれば3年雨が降り続ければどうなるか、想像はつくよね?それでも主人公の選択を「良し」とするか?主人公の両親や島での友人なども一切出てこず、いきなり3年後、それでも主人公の一途な気持ちが変わらないことが素晴らしいってこと?
この年代の3年は長いけどね。アニメならあれでよい?私には合わなかったなー。
夢見がちな消費者のままでいて!という本音
ティーンエイジャー向け。つまりモラトリアムの中で閉塞感を感じながら、子供と大人との間の葛藤を上手く処理出来ずにいるような、多感な時期を過ごす人達へ向けた作品。要するに作中でも読まれる『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンみたいな人へ向けた作品だ。
展開から言えば大人(現実)の世界に対する青少年の反抗・純粋さを歓迎する(+セカイ系)映画だが、本来ならそれは行き詰まるしかないバッドルートだ。バッドもバッドとして描けば青少年の為のビターな映画で良いのだが、そうはしないのがこの映画。主人公を良く見せるために都合悪いことは全て排除。
大人は無神経で無責任、もしくは頼りない者としか描かれない。主人公を否定しないどころか羨ましいとさえ言わせる始末。
須賀なんて主人公が家出と知りながら匿って労働させて飲酒まで勧める。これが人の親なのだからまともな倫理観ではない。『魔女の宅急便』のパン屋主人とは状況が似ているようで本質は全く違う(キキの場合は親公認の修行。主人はキキを大人の立場からサポートする擬似親役)。とにかく酷い。
そして大人が作った世界は欺瞞に満ちて狂っているが、そこに溜る雨は泥一つない、まるで清水の池。つまり現実的な被害は何も描かない。ただ単に水が増えただけで、それは昔の状況に戻っただけだから問題ないと言わんばかりだ。当然主人公の銃器所持に対する刑事罰も描かないどころか冗談のような扱いだ。
そんなバイアスを掛けて下駄履かせて、女の子の命も天秤にかけてようやく成立しているのがこの映画だ。
とかろで悩める若者を肯定する映画と言えば聞こえは良いがもっと俯瞰して見ると、実際やってる事はピカピカの絵と適当なトロッコ問題抱えた恋愛で目眩ししながらとにかく企業広告とRADWIMPSを刷り込んでいくこと。地上波だとコラボCMで更に刷り込んで来る。
大人や周りに騙されず、自分の答えを大切にして!と多感な青少年にニコニコ追従しながら、コンビニに並ぶジャンクフードやスナック菓子、知恵袋、バイトや風俗、果ては自分の過去作を必死に仕向けるという最低の構造。
制作側は若者が純粋でアホな消費者のままでいてくれた方が楽に儲かるから、夢見がちな若者を応援しているのだ。
世界なんて元々狂ってるみたいな台詞が出て来るが、狂ってるのはこの映画作ってる人の価値観の方だろう。
監督の想い
雨の情景、東京のビル群が日差しを受け輝くシーンが美しい。
帆高と陽菜が、真っ直ぐで健気でキラキラと輝いていた。凪の大人びた台詞が可愛い。須賀のシャイで優しい性格が、小栗旬のイメージと重なって見えた。
たとえ気候変動で日本の置かれた状況が変わったとしても、誰かに恋をし、誰かを愛し、互いに助け合い、希望を見出し生きて行く、そんな新海監督の想いを感じた。
テレ朝を録画にて鑑賞
スッキリしたハッピーエンドではない
やはり絵がとてもキレイ。
K&Aビルの内部が凝ってるなと思った。
ポスターや予告から想像していた明るい感じではなかった。全体的に負の要素が多い。あまり晴れない(笑)宣伝の仕方が良くない。
前作の「君の名は」が一世を風靡した作品であり、全体的に明るく、ハッピーエンドな物語だったので、イメージ変えないといけなかった。
好きな人と一緒に居るためになら、世界がどうなっても構わない。
こう表現すれば感動的な愛の物語に聞こえるが、実際は東京が水没しており、もちろん洪水等に巻き込まれて亡くなった方もいるだろうから、これはちょっと自分勝手すぎる結末だと思った。
「僕達は大丈夫だ」僕達だけ?他の人はどうでもいいの?
まあ、もし自分が穂高の立場であれば、迷わず陽菜を救い世界を放棄するが。
人は皆、自分が一番かわいい。自分や大事な人のためなら頑張れる。
そういう身内愛を描いている映画である。
陽菜が、自分がいる場所だけを局所的に快晴に出来るのもそういうことを表現しているのだろう。
綺麗な絵だが、意外と人間の汚い部分を描いている。
しかしやはり、映画の中でくらいは、陽菜も救えて世界も救える、そんなハッピーエンドの方が良い。もしくは陽菜を救えないバッドエンドで感動的に。
陽菜は最後の穂高との再会の場面で、もう晴れにする力もないのに雨の中祈っており、これは罪悪感からだと思う。ひなはこの先ずっと罪悪感を抱えて生きていくのでは?
陽菜の今後や世界の今後を考え、なんだかモヤモヤする。
家出、拳銃所持、年齢詐称、売春(未遂) など犯罪絡みの負の要素が多い。何かを意味してるのだろうが私には分からない。
それに際して、警察がよく出てくる。「警察」は「世界を守る」ことの象徴だと思う。警察を振り切って陽菜を助けに行くわけだし。
1つ疑問に思った点がある。
異常気象が起きていたのは東京周辺だけだったようだが、それは神社があったから東京周辺だけなのか、人柱の陽菜がいるから東京周辺だけなのか、もし陽菜基準で雨が降っているなら世界を点々とすれば解決するのか?
色々な考察を見て思ったが、須賀さんの亡き妻が晴れ女説は良いと思った。
最後に須賀さんが神社の廃墟ビルに先回り出来たことに合点がいく。あの場面が1番謎だった。
須賀さんの指輪は最初、妻のだと思った。しかしサイズ的に入らないのでは?と途中で思ったが、いや、サイズを直したんだなと自己解決した。
何十万人が粗探ししたらそりゃあ色々出てくるでしょう
君の名は。が面白かったので丁度テレビでやってたしこっちも見てみた。
レビュー欄が絶賛と批判がすごいことになってますね。。
色々設定の事をみんな浅いとかなんとか書いてますけど、
何十万人に粗探しされたらそりゃあいくらでも出てくるのではないかなと
思いました。
ぼくは15歳と16歳の子供の恋愛ものとしてみましたよ。
天気を操れるとか実際あるわけないし、細かい設定よりもシチュエーションを
楽しめばいいのではないだろうか?
大人になると重苦しい現実ばかりがのしかかってきて、
純粋に人を好きだった頃のことなんか絵空事のように鼻で笑う人も多いけど
この年頃の純粋な想いは十分に描かれていたと思う。
最後、帆高が異常気象より陽菜を選ぶ方が自然でよかったと思う。
ヒーローものじゃないしね。
うちには息子がいるけどやっぱりそんなもんだと思いますね。
令和3年の今
ストーリーは王道のボーイミーツガール。
リアルな東京の風景、環境や社会問題、オカルトとファンタジーを盛り込んで、いかにも意味ありげな伏線を巡らせてあり、考察好きにはたまらない。見た後に語りたくなる作品。
でもそんなことより、今現在のコロナ禍の中で観たときに、クライマックス後の水に沈んだ東京の風景が人がいなくなった繁華街や観光地とダブって見えた。
映画の中では3年が過ぎ、人々の生活は落ち着きを取り戻しているようだったが、それまでにどれだけの悲しみがあったのだろうか。近い未来に私たちは「大丈夫」と言い合えるだろうか。
天気の重みとは。
天気がずっと雨なら、人はまともに生きていけないはずなのに、普通に生きている。現実的な話として、雨が降り続くと、人が土砂崩れで家が倒壊したり、浸水したり、停電したり、人がいっぱい亡くなるという、もっと大きな問題が起きるはずだが。それをちゃんと映画で表現していない。だから、天気の重みが伝わらなかった。それが全て。それを描くと、主人公は、人殺しになりますがそれぐらいして欲しかった。でないと、感動しないと思う。少女を奪い合う戦争みたいになれば、良かったと思います。
これぞセカイ系
TV版を視聴
「君の名は。」よりもさらに王道なセカイ系です。ゼロ年代前半の「最終兵器彼女」「イリヤの空UFOの夏」「AIR」「CLANNAD」のようなテイストがすごい。
セカイの命運を握り、呪い的なものに徐々に蝕まれていくヒロインだったり、
原チャリでの逃避行だったり、
相変わらず叫びながら走り、そしてセカイ突っぱねてヒロインを救おうとする主人公だったり、
最後は「エヴァンゲリオン」の世界観ぽくなってる東京だったり。
でも、あんまりこのジャンルに慣れてない人の中には「君の名は。」以上に意味わかんなくて付いていけなかった方も多かったんじゃないかという印象です…。その場合は上記の作品を参照すると、なんとなく分かりやすくなるかと思います(ただし癖はさらに強い)。
人間は地球に住ませてもらってる
人間の力ではどうにもならないこと、地球に住まわせてもらってること。
大人にまだならない無垢な時期のこと。
大事なものを守るには犠牲もあること。
とても深いメッセージを感じる感動作でした。
子どもたちの背景がないのはあえてのこと。
色々考えてみると本当に面白い作品。
ちゃんと理解して見る人が見ればすごく面白い作品。
人として深い理解力がある人は面白い
ない人はつまらないになる
感想で人の深さがわかる面白い作品
神の話が君の名と同様入るのが素敵です
色々考えさせてくれる映画をみれて嬉しいです
素敵な映画を作って下さりありがとうございます。
期待しすぎた
人気だったので気になってはいた作品。
テレビ放映されるということで視聴。
正直、期待しすぎた感が否めない。
意味が分からなさすぎてあまり感動もしなかった。
作画がかなり現実を忠実に再現しているのに、ストーリーが現実離れしすぎていて、頭に入ってこない。
アニメだから何でもありなのはわかるけど、警察は子ども相手に大人数で対応しているくせに隙だらけ、ずっと雨が降り続いたり、銃を発見する謎のくだり。
やりすぎ感がすごい。
背景が語られていないので、想像で補うも、あくまで想像にすぎないので共感もしにくい。
しかも、消えてしまったヒロインを空の世界から見つけ出すのも助け出すのも一瞬。
そこにたどり着くまでの葛藤を主で描きたいのかもしれないけど、あまりにもあっけなさすぎる。
映像はきれいだが、前作もそこまで評価される理由がよく分からなかったので、相性が良くないのかもしれない。
環境問題を絡めた純愛もの
新海ワールド全開、「君の名は」同様、神話、伝承をモチーフに気候変動問題にスポットを当てています。それでいて観終わってみると恋愛至上主義だったのかと真意が量り兼ねています。
毎年の豪雨災害、巨大化する台風襲来などが現実化する今日、ヒロインの陽菜頼みの他力本願で済まされるかのメッセージ性は、環境保護活動家の少女グレタさん頼みの温暖化阻止運動で良いのかという社会的構図と重なって見えてきますから意味深ですね、若い観客層向けには響くかもしれません。
大人の世界の厭らしさというか汚らわしさ、権力的なものへの反発が強く描かれていますね、純粋な愛に救いを見出そうともがく様は青春そのもの、若き日の尾崎豊の歌の世界観にも通じる気がしました。
シチュエーションの後ろだてはSFの場合は科学だが新海ワールドではいにしえの虚構が使われる。ところが錦の御旗のように使われる神話、伝承のレトリックも一皮むけば俗にまみれている。
祈願には供物はおろか生贄まで必要とする土着信仰のような虚構もまたホモサピエンスの作り上げたフィクションの産物であり、打算的な人間の心根の投影に過ぎないのです。
超能力を使って地球を救うのではなく生活の糧を得るための手段として使っていますから、人はどれだけ利他的に動けるのかといった哲学的テーマは端から蚊帳の外でした。超能力のもたらす悲劇性のようでいて過酷な労働は健康を阻害するといった過労死問題に寄ってしまいます。
陽菜の命を救うことが背景にあるとはいえ東京の殆どが水没する状況で、昔はこのへんは元々海だったのさと高を括った物言いは何なのでしょう、シチュエーションに縛られ過ぎ、万事神頼みの時代ならいざ知らず市井の人々を無気力無関心に描きすぎの気もします。
世の中なんてどうなっても愛さえあれば良いのさといった恋愛至上主義的な楽な受け取り方の方を好む若者も少なからず出るでしょう。
相変わらず素晴らしい映像美でした、本来、アニメとお伽噺の親和性は高いのですが新海ワールドではリアリティの極めて高い画風や物語性が仇となって虚構に浸りきれない面も否めません、この辺が斬新さでもあり弱点かも知れませんね。個人的には余り俗ぽい登場人物や社会描写よりファンタジーに寄せてくれた方が好み、「君の名は」の方が素直に酔えた気がします。
綺麗すぎずリアルな汚さもあり良い
子供向けの綺麗な作品が好きな人にはお勧めしません。
私的には、綺麗すぎないストーリー、犯罪を犯しても東京に住む住人全てを犠牲にしても好きな子を救うためだけに動く主人公すごく好きです。
賛否両論あると思いますが、風俗やラブホなど良い程度の汚さにより主人公達の人間性に深みが出て良いと思います。
さっぱり
TV放送にて鑑賞。
私にはさっぱりな内容😓
2人の都合で、三年も雨降らされたら大迷惑(笑)
「君の名は」も、私的にはイマイチだったし…
それが歳を取ったって事なのか?
そうなのか?
うん、きっとそうなんだ‼︎
もやもやする。子供の貧困に眼が行ってしまう。
ネガティブな記事です。
ファンの方は読まないことをお勧めします。
本当に、映像は美しいのですが、
どうしてももやもやしてしまい、
そのもやもやを考察したくて書いています。
同じくもやもやする方がいれば、考察の一助になれば幸いです。
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拍手喝采はできなかった。
映像は美しい。
美しいアニメの巨匠が日本から発信しているのは素敵だ。
でも、なぜだか、もやもやが残る。
何で、もやもやするのか?
それを自分の中で考えてみた。
異世界と繋がるのは未成年、純潔な男女、人の手前の神からの預かりもの授かりものの子供。
そこまではすべての物語と同じ。壮大な背景だと思う。
別に、ジブリと比べる必要はないのだけれども。
ジブリ的なものとの違いが痛切で、見ていて悲しかった。
「ジブリ的なものとの違い」という言葉で私が言いたいのは、たぶん、子供が子供でいられる世界。
子供が不思議の中で成長できる世界。
この物語が持つ非ジブリ的なものは、おそらく、福祉のなさ、長老の不在。
もう、ジブリ的な王道の甘やかなお伽話は、現代では求められていないのかもしれない。
そんな綺麗ごとは、勧善懲悪は、長老的なものは、この世には存在しない。
それが現代のリアルなのかもしれない。
この話が人気だというのは、そういうことなのかもしれない。
今どきの話には、現代の貧困とある種の自閉がある。
それが現代性なのかもしれない。
パラサイトや万引き家族が、アジアの代表作になってしまうことに、私は、苦痛と恥ずかしさを感じる。
こんなに生きづらく息苦しい物語が、私たちが暮らす街の、現代の抽出だということが、苦しい。
そこを見事に掬い取っているのだけど、強烈なのだけど、それを見てみないふりしてやり過ごしている人間たちがいる以上、冷徹な映画の眼でそれを抉ることが重要なのだろうけれど。
生まれた国が、苦しい街になってしまっていて、悲しいと、いつも思う。
天気の子も、その系譜に連なる物語だった。
見ていて、ずっと不安だった。
家出や死別で、子供が社会に遺棄されていて、犯罪すれすれのところを渡り歩いている。
保護者は行方不明者届を出しているし、民生委員は遠巻きに見守っているけれど、子供たちは心を閉ざしている。
子供が一人で危ないところを歩いているのを見るのは、ひりひりする。
唯一、手を差し伸べる大人は、妻を失ってあの世に近しく、オカルト雑誌の記事を書きながら、不安定な暮らしをしている男。
異世界に近い男が、異世界の住人である閉ざされた子供たちとの橋渡し役になる。
これがきっと昔の物語なら、橋渡し役になりうるのは、天に近づいた老婆や大地に根付いた大老なのだと思う。
橋渡し役は、優しくて共感力があるのに、弱くて悲しくて迷いのある大人。
頼り切ってはいけない、迷惑をかけてはいけないと、子供に思わせる、影の薄い大人。
また、多くの物語で、子供は「奇想天外なタブー」を犯して、世界と繋がる。
この物語の子供は、クライマックスに自然と繋がる扉を開くために、警察から逃走して線路を走る等の犯罪を犯す。
「身近な子供がうっかり手を染めてしまいそうな犯罪」を犯してしまうところも、不安を煽る。
そして、小さな子供同士の、二人きりの小さな恋愛と、壮大な天気の物語が、
私にはどうにもうまく、咀嚼しきれなかった。
ひたすら、映像は美しい。
でも、どうしても、もやもやが残る・・・。
映像は美しいが主人公がひどい
色んな方の評価をみたうえで再度書きました。
特に須貝さんの奥さんは元晴れ女だった説を書かれていた方は素晴らしいと思いました。
それを踏まえると須貝さんの行動・言動も色々と納得できるものがありました。
中には「何百人が粗を探せばいくらでも出る」「考え(感受性)が足りない人間が見たら面白くない映画」という評価もあり、正直面白いと思えなかった私もこの意見には賛同はします。
が、改めて見てもどうしてもこの映画が良かったとは思えないのです。
1つが主人公について。現状が嫌になって東京に飛び出してしまったという点から、普段は抑えていてもいざというときに爆発的な行動力を示せるタイプなのでしょうが、あまりにも後半は攻撃的過ぎやしないでしょうか。人に銃を向けるのではなく、自分に向ける脅しのがまだ良かったです…そもそも使うなっていう話ですが…。
2つめが拳銃について。過去にも書きましたが安全装置どうなってんだ、突っ込まざるおえません。ファンタジーだから目をつむれと言われても、拳銃の存在が大人たちへの反抗とかを描いてる「現実側」なんですからそこはちゃんとしてほしかったです。打とうとしても玉が出ない的な。
声優についてはこのての映画作品に批判はつきものですので特にコメントはしません。
長く書きましたが、現実世界がベースにありながらファンタジーの話って見る側も頑張らないとのめり込めないものですね。
突っ込みどころがたくさんあるのですが、そもそも突っ込んでる時点で私にはこの映画が合わなかったというだけでもあります。
少し違う描き方だったら、私は好きになってたかもしれませんが、誰かにとっては嫌いな映画になってしまう、そう思うことにします。
過去のコメント↓
映像はリアルな風景も感じさせながら自然描写がとても美しいです。
1人の少女を犠牲にすれば皆が幸せになるのを阻止してでもヒロインを助け、多くの人は不幸になったけれどもなんやかんや皆普通に生活していける…
ラスト自体は良いと思います。全てがうまく行くよりも納得できますので。
ただ、結局主人公である帆高が若さゆえの…で済まない行動ばかりな気がします。少なくとも私は10代の頃見たとしても共感は出来ません。
突っ込みたくなる行動の全てを「世間知らずで若さゆえの無鉄砲」で済ますには度が過ぎてると感じました。
個人的には拳銃の必要性も分かりません、警察が重要人物認識持つためなんでしょうが…。恩人に銃口向けてしまったのもドン引きでした…。あとなんで安全装置外れてるんだろうと考えてしまいました…笑
あれだけ迷惑かけた須賀さんに久々にあっても謝罪もなし…その描写は正直欲しかったです。
陽菜を救いに鳥居に入れたのも正直なんで?と思ってしまいました。すぐ救いに行ったからokかつ、想いの強さで許されたのかもしれませんがもうちょっと練ってほしさがあります。
私が常識に囚われすぎてしまいうまくストーリーを楽しめていないのだと思いますが、率直な感想です。
映像の美しさ、細かな登場人物の情緒の表し方は監督の作品ならではだと感じました。
ライブ感・・・ってやつですかねぇ・・・
『こまけぇこたぁいいんだよ!俺は、東京を生贄にしてあの子を救うんだ!!(ドンッ)
結果、東京は海に沈みました。
でも別にいいでしょ?世界はくるってるんだから。昔はこの辺りも海だったんだし、昔の状態に戻っただけだからへーきへーき。』
要約するとこんな感じの話ですよ。
話の筋としては少年と少女の盲目的な青春を見せつけられます。
話を展開させるために巻き起こるトラブルの波に乗り遅れると楽しめなくなるので気を付けていただきたい。細かい設定は忘れて巻き起こされるライブ感に身を任せるのだー。
ちなみに私はあまり波に乗れませんでしたね。
10代のころなら気にならなかったんでしょうね。
いろいろ細かなところが気になりましたが、圭介が急に警察殴るあたりは意味わからな過ぎて笑ってしまいましたね。気持ちの移り変わりジェットコースターかよ。
気になる点が多いほど歳を重ね常識という概念に縛られている自身を映しているのだと思います。
さて、あなたは何点気になる箇所があったでしょうか。
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