天気の子のレビュー・感想・評価
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惜しい
「君の名は」ほど感情移入出来ませんでした。
それはキャラクターに愛着が持てなかったからだと思います。
愛着が持てれば「なんとかして助けてあげたい」っていう気持ちに共感出来るんですが。
それで、考えてみました。
私が共感出来なかったのは、晴れる祈りをお金を取ってやっていたからです。
「それで稼いでたんだから、消えても仕方ないよな」という気持ちになりました。
お母さんが亡くなる前に晴れの中を散歩したい。
そう思ってその力を得たんでしょう?
で、劇中にそのシーンは描かれていなかったけど、自分が感じた幸せを他の人にも分け与えたい。
もし主人公がそんな気持ちでやっていたなら、神隠しにあったのはとても可哀想だし、なんとか助けてあげたい!という気持ちになれたと思います。
(ここは貧乏だから、ということでは片付けられない重要なポイントだと思います)
結局、自分がお母さんと散歩するために能力を使って、そのことが原因で東京の天気がおかしくなって、更にお金を稼いで取り返しのつかない気候にまでしてしまい、で結局助けられたから東京が海に沈んで、、、
むちゃくちゃ自己中心的じゃないですか。
そんなことから、この映画は冷めた感じで見てしまいました。
新海監督がダークな東京を手掛けたことや、やはり予想を上回るストーリー展開をして頂いたことには敬意を覚えました。
大ヒットの「君の名は」に振り回されることなく、ご自身の今作りたいものを作った、その気持ちが凄く伝わってくる作品でした。
辛辣なコメントをしましたが、
また次回作も楽しみにしています。
何回も観に行って発見出来る映画。
スケールは小さいものの、ラストは意外な展開。
成功した前作からのプレッシャーはあったと思いますが、
巧く出来ていると思います。
君の名はのキャラ探しが楽しい。
何回観ても楽しい作品ですね。
10代の頃観ても同じ感想だったと思います
酷なことばかり書きます、すみません。
20代前半の率直な感想です。
登場人物全員の心理描写が薄すぎる。何が帆高をそれほどまで奮い立たせるのか全く共感できなかった。警察に盾突き、銃を発砲し、線路の上を走り、側から見れば頭の狂った犯罪者。そうなってまでヒロインを助けたいという心理描写の過程があまりにも弱すぎる。家出した理由も結局分からないまま。光に飛び込みたかったから。それが本当の理由だとして、それになるほど!って共感できる人はいるの?帆高の行動全てが若気の至りで済まされるレベルじゃない。ファンタジーの世界を貫くのならまだ理解できる部分もあったのかもしれないけど、背景や企業の広告はやたらリアルなので、現実世界とファンタジーが中途半端に混ざっていて見ていて混乱する。
要は、感情移入をさせてくれと言うこと。登場人物の内面や過去や背景などの掘り下げがほとんどされていないのに、展開ばかりどんどん進んでいくので完全に置いてけぼり状態でした。感情移入ができるから感動したり涙が出たりするものだと思います。これほど感情移入できない映画は本当に初めてです。
また、回収できない伏線なら最初から張らないで欲しい。何故廃墟のビルに鳥居があったのか?陽菜が人柱になったのは強く願った、本当にそれだけ?水の魚の正体は?など。考察ができる程度の情報もなかったから、見終わった後疑問しか残らなかった。小説や考察本を読んだら理解できるという声も聞くけど、映画の中で出てきた疑問は映画内で解決してほしい。伏線回収をはなから小説に頼りきっているスタンスが理解できない。
他にも風俗やラブホなどを含め性的描写を匂わせるシーンが多々あったのも、それはストーリーに必要な描写?ボケにもネタにもなってないよ?と突っ込みたくなりました。「登場人物への感情移入」と「物語の伏線回収」ができていれば大して気にはしてなかったと思うのですが、あまりに全体の内容が薄いのでその部分が悪目立ちしていました。
音楽や映像に頼ろうとしないで欲しい。私はストーリーの深みを重要視するので、この作品は合わなかったです。ちなみに君の名は。は感動しました。
若者の「共感性」を捉えた作品
物語の主軸は典型的で分かりやすい「ボーイ・ミーツ・ガール」であるが、ターゲットである若年層に刺さるような「共感性」を作り出すことを徹底した作品であった。その特徴を以下に考察する。
第一に描写。
実在の場所(新宿)を舞台にし、ひしめき合うビル群や複雑に絡み合った線路を走る電車等の風景を精緻に描くことで、若者特有の都会への憧憬を巧妙に掬い上げる。
新海誠監督の前作「君の名は」では、一部のファンが舞台になった場所へ観光をし、写真を撮ってSNSにアップしたことで話題になった。これは「聖地巡礼」と呼ばれ、他の様々なアニメでも同様のことがそのファンによって行われている。このように、ファンはアニメの世界を現実に射影することによって生じるリアリティを求めるものであるが、本作品は独特の繊細で美しい描写によって、そのリアリティを特に際立たせることで、都会に憧れを持つ若者の「共感性」を捉えているのである。
風景描写の他にも、食べ物のメーカー名まで事細かに明示した描写や、カラオケで皆が知るヒットソングを歌うシーンを流す演出、有名俳優を起用した声優陣は、ターゲットの実生活に近づき、「共感性」を生み出す仕掛けになっているといえるだろう。
リアリストの視点からすると、自ら生計を立て、家族を養っているような中高生がカラオケ等に行く余裕はないはずであり、非現実的で「共感性」が作り込まれていないように感じられるが、この映画のターゲットにはそれを疑うだけの批判的思考力はないので整合性は図られている。
第二にストーリー。
主人公は自分の未熟さ故に理解し合えない「大人」や「社会」へ反発し孤独感を深めるが、数少ない理解者の一人であるヒロインに惹かれていく。ヒロインは母を亡くしてから弟を養っており、その為には売春も厭わない。自分と対比した主人公は、ヒロインに見合う男になろうとする。この過程で、未熟さを心の内で認めている本作品のターゲットである若者は、自分と主人公を重ねていくのである。
物語の終盤で、主人公はヒロインが自分よりも年下だったことを知り、より未熟さに対する自責の思いを強める。物語に入り込んだターゲットは、共に奮励しようとする。
その後、主人公の未熟なりの努力は、フィクションを通して肯定され、主人公とヒロインは結ばれることになる。これによってリアルでの努力がなかなか報われることのないターゲットの承認欲求を満たし「共感性」を創っているのである。
余談だが、現実世界では報われないオーディエンスを肯定するシナリオは邦画のヒット作品には多々見受けられ、例えばシンゴジラや踊る大捜査線シリーズは公務員やサラリーマンがスカッとするストーリーになっている。
以上のことから、若者の繊細な心情の機微を捉えた描写とストーリーが「共感性」に優れた作品だったといえるだろう。
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
思春期の青さのような気持ちを思い出させてくれました。
そういえばライ麦畑で捕まえての小説がちらっと映りましたね。
RADWIMPSの曲がまた世界観にぴったりで、君がくれた勇気だから君に使いたいのフレーズに、自分にもそんな勇気を与えてくれた人のことを思い浮かべて心を掴まれました。
僕にとって大事な彼女1人を救う為だったら世界なんて不幸になってもどうだっていいと突っ走るような気持ち、
セカイ系ともいうのでしょうか、
ふと中島みゆきの「空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る、君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」ってフレーズが思い浮かびました
なぜそうなるの?が多すぎて入れませんでした。
フィクションだからと言えばそうなんですが、なぜそうなるのと言うところが多くて入り込めませんでした。
見ている時に感じた疑問は、
なぜ家出?
なぜ廃墟ビルの神社がそんなに特別?
なぜ看病中の中学生が突然晴れ女に?
高校1年生がいきなり商業雑誌の取材とか記事執筆とか出来るの?
なぜ拳銃が都合よくあんなところに?
不思議な力の由来は?
なぜ東京だけ、3年も雨が降り続く?
空中に固まって浮いている水と学生のシーンは?
なぜ東京が半分水に沈んで、普通に暮らせてる?
少年とは言え警官に実銃を向けて発砲して、なぜ保護観察程度で済んだ?
なぜ体が透明に?
なぜこの世から居なくなった人を連れ戻せた?
君の名はにも、非現実的なところはありましたが、理由がわかって感情移入出来ました。
映像は素晴らしかったので、描きたいシーンありきの設定とストーリーなのかな?
と思ってしまいました。
凪くんがよかった
ヒロインの弟の凪くんがとてつもなく可愛かったです。
女の子達をたぶらかしている生意気な少年かと思っていましたがとにかく可愛くて私もたぶらかされました。
ちょっとだけかわいいポイントを言っていきますね!
素直じゃないのところがかわいい
いやいや言いながらてるてる坊主の着ぐるみ着ちゃうのがかわいい
帆高に先輩と呼ばせてるのがかわいい
ネコミミのカッパがかわいい
カラオケで踊りながら歌うのがかわいい
そして女装がかわいい
自分より小さい子の面倒見がいいのがかわいい
こんなにかわいいのにしっかりお姉ちゃんのため行動したりするときはイケメンなので確実にみなさん惚れますね。
凪くん以外のよかったポイントはRADWIMPSの使い方がさすがすぎて染みました。
若かった
前情報全くなしで見た。
16歳くらいの頃は、世界全部犠牲にしても好きな子を救いたいって思ってたなー。ほだかの真っ直ぐさが眩しかった。
登場人物の過去とかの描写があんまりなくてよく分かんなかったけど、色々妄想してくれってことなんだろうと思った。
一番良かったのは、すがさんが刑事ぶん殴るところ。すがさんも奥さんに未練があるから、ひなに未練があるほだかのことを色々犠牲にしてでも助けた。大人だから気持ちに蓋してるだけで、好きな人に会いたい気持ちは一緒なんだよなぁ。
夕焼けの東京がきれいで心に残った。
そこまで心に残らなかったな
深い話が隠されている気がするのだけど、私は深いところまで読み取れなかったです。鑑賞後に映画.comの皆様の感想を読みながら、そういう意味なのか!と気付くところはたくさんあったのですが、映画館を出た直後でいうと、普通に良かったねーというくらいの感想でした。
このお話の出発点である家出して島から出た理由が分からなく、どこらへんに共感しながら鑑賞すれば良いのか分からず、鑑賞中に心が載せられなかったからなのかもしれません。もしくは、拾った拳銃を2回も使ってしまうあたりに、なんか恐怖を感じてファンタジーの世界に私が入りきれなかったのかもしれません。それだけの覚悟があるのに保護観察処分になったら3年間も会いに行かないのか、、、など、最後まで感情移入できなかった。
絵は綺麗で、特にヒナが高層ビルの屋上で着物姿で晴れを祈るところから花火大会までの絵には神々しさを感じました。
自然と涙が。。。
若い時は何でもできるんだ!という元気ももらいましたし、色々世の中の大人の状況なども描かれていてとても良かったです。
レビューで見た圭介の奥さんが天気の子だったのでは?と言うのを見てもう一度見たくなりました。
指輪を2つしていたのかと、その意味。。。。
こんなにも雨が降っている毎日は私は嫌ですが、やはり大事な人の為なら人間乗り越えたくなりますよね。
なぎくんもチャラかったですが、良い味出してました。
君の名はのキャラクターが出てたのも懐かしく思えて良かったです☆
それでも世界は終わらない
この映画は「私-世界がシームレスに関係し合う」というセカイ系的論理を愚直なまでに採用しているが、帆高の選択が表層では世界の破滅を招来しながらも実際にはいかなる影響も及ぼしていない(東京は確かに水没したが、その後も東京は東京という都市としての機能を喪失することなく駆動し続けている)という点においてむしろセカイ系作品に通底する「私こそが世界である」という傲慢な世界認識の虚構性を暴いている。「世界の破滅というのは結局『私』が自分自身の内面において世界という他者を無限に肥大化させる空疎な妄想的営為に過ぎない」という諦観こそがこの映画の本旨であり、それによって我々はセカイ系的自閉性の外側へと開かれていく。我々は「私-世界」だけで構成された極小の箱庭からあらゆるノイズが横溢する無辺の社会生活へと踏み出さなければならない。2010年代とはそういう時代なのだ。セカイ系を標榜し続ける自閉的オタクたちへの警鐘として、またLINEやらInstagramで日々無数のコミュニケーションを交わし合う若者たちへのささやかな肯定として、この映画は明確に現代的意義を持つと考える。
ただ、ジェンダー的感性だけはゼロ年代の頃から一切進歩しておらずそこだけは本当に気持ちが悪い。さすがに「それさえもゼロ年代的女性観に対するアイロニーの一環だ」とは擁護できない。
君の名は見てない勢
君の名はを小説でしか見てないものです。
新海誠監督のほかの作品は何作品かは見ましたが今回は特に映像が綺麗でした。
今の時代をモチーフにするならリーゼントの警官はいないかなと。
内容は良かったと思います
誰にでも晴れてほしい日がある。
どうしても比較される「君の名は。」と、今作を比べてみると、個人的にはこっちのほうが好き。
「君の名は。」で描かれた美しい日本の風景。東京ってあんなに綺麗だっけ?ってくらいに。
でも、「天気の子」で描かれた今回の東京は、恐ろしくおぞましかった。絵の表現、画の表現ってすげーと思った。
「大切な誰か1人or世界」とか「愛する1人or世界中の人」みたいな映画はたくさんあるけど、だいたいの映画は、どっちも救う、!今作は、ちゃんと世界を救えていないところがよかった。
最後のシーン、祈るシーンは、なんだろう。健気にずっとああして、能力がなくなっても祈り続けていたのか、能力の復活を意味するのか。
「誰にでも晴れてほしい日がある。」誰しもが描く願望。何かを叶えるにはいつだって代償を伴う。明日晴れてほしいなぁなんて希望の裏には、陰がある。
でも、人間の本来の強さって、絶望のなかに、どう希望を見出して生きていくか。ってことなんだろうか。
かなり面白かった。
ストーリーはかなり単純だと思います。そのせいか内容は前作の「君の名は。」よりは頭に入ってきやすかったです。ストーリーの構成は…正直いっていまいちでした。見ていて「んん?」となる場面が結構ありました(小説も読むとなるほどと納得する場面も一定数ありましたが)。例えばなぜ帆高は拾った拳銃を持ったままだったのか、高校生がお守りとして拳銃を持っているというとはその拳銃が偽物だったとしてもちょっとおかしいなと思いました。ただ、最後の東京が3/1が水没したが帆高と陽菜が再会できたシーン、一見ハッピーエンドに見えるが陽菜と天気との関係性を全て知っているのは帆高のみでそう考えると他の東京に住む人々の視点でみるとトゥルーエンドでもなくバッドエンドだと思います、その辺を考えさせられる深さを最後に持ってきたのはすごいなと思いました。
グラフィックに関しては流石としか言えません。言の葉の庭も君の名は。でもすごかったですが「雨」についての描写は見ていてぶったまげました。今回の音楽、曲が流れるタイミングも完璧でそして歌詞と歌声がこれでもかと言うくらい合っていてかなり感動しました。もう一度見に行きたいと思うには十分すぎる内容でありました。近いうちにまた見に行きたいと思っています。
◯簡潔に評価すると…。
ストーリー→△ 声優陣→◯
グラフィック→◎ 内容理解→◯
音楽→◎ 奥深さ→△~◯
◯最後に一言→主人公の帆高…犯罪犯しすぎです笑
楽しめました
賛否両論あるようですが、私は楽しめました。
ただところどころ、もう少しきれいに回収してほしい箇所があったので星下げました。
最後のあたりが泣けました。
天気の世界の中で、自分が犠牲にならないと晴れなくなると言う陽菜に、「もういい!」と叫ぶ帆高が良かったです。男の子の成長ストーリー、いいですね。
お話ならではの壮大なスケールでやってくれて素敵でした。
結局東京は雨に沈んだままだけど、その昔ここは海の入り江で元々何も無かったとポツリ言う年配女性の言葉がしっくりきました。
私も雨に沈んだまま展開になってからすぐ、そう思いましたから。
だいぶ昔の埋め立てとはいえ、人間が手を加えたはずで・・。
人間も自然の一部ですから自分たちの思うとおりにはならないこともあるでしょう。私自身、災害が比較的多い地域で育ったので、そんなこともあるかもと納得しました。
誰か一人が犠牲になる晴れは・・私も要らないな。
人柱とか、どこの封建社会。個人的に最も嫌う文化なので、ふっとばしてくれて良かったです。個人の意見と愛のほうが大事。
と、大筋の流れは良かったのですが、
気になったのは銃! あれは一体?そもそも警察が探していたのは誰??
そのあたりはちょっと雑でしたね。もう少しきれいに回収してほしいなと思いました。
これは世界の異常性についての物語
まずはこの映画を見る際は常識人としてではなく「帆高」として見てください。
そうすればこの映画のラストシーンに納得がいくはずです。
帆高は世間一般からしたら「異常者」ですがもし僕が帆高と同じ決断を迫られたら迷わず大切な人を選びます。
この大切な人か世界かという決断にはあるメッセージが込められていて、この選択は「自分自身が周りの世論や意見に振り回されず生きろ」という監督からのメッセージだと自分は思う。
今の日本は右にならえの社会で「~は常識」みたいな風潮があり、常識人としては帆高君は異常。これはパトカーの中での警察官の会話にあった「鑑定医を呼びましょうか?」というセリフから見られます。しかしそれでも大切な人の為に世界を蹴った帆高君に何故か憧れを抱いてしまった…周りを気にせず大切な人の為に頑張る帆高君に惹かれてしまう。
それに加えて新海監督の描写がその世界の異常性と帆高君の覚悟をより素晴らしくえがいている。特に注目したのが陽菜が晴れにした空と陽菜が人柱になって晴れた空だと前者はとても素晴らしいが後者は真夏日の嫌になるような格差の描き方が完全にプロの所業である。
そこにRADWIMPSの歌が更に映画を彩っていて、帆高君が線路を走る時に流れた「愛にできることはまだあるかい」は帆高君の覚悟を決定づける要因の1つだろう。
最後にこの最高の映画を制作して下さった新海監督、制作陣の皆さんに感謝。
追記 見るならIMAX、ADMIXをおすすめする。
雨の音がより美しく鮮明に見える。
君の名は。の世界観に惹かれて…
先月の地上波で放送された君の名は。を初めて視聴し、その世界観に惹かれ、
その時に天気の子の予告編も一緒に見ていたので、
折角の機会だと思い、映画館へ足を運びました。
予告編の内容をあまり頭に入っていないままでしたが、
だからこそ色々な展開を予想をしないで鑑賞出来たのが良かったと思いました。
ただ、女の子が天気を変えられる能力を持っているという事は見る前から物語の軸として捉えていました。(タイトル的な意味でも 笑)
全体を通しての感想は、分かりたかった部分が分からないもどかしさがある、でした。
主人公の森嶋帆高くんの心情がいまいち分からず、何故家出をしてまで東京に来たかったのかを回想でも良いので表現して欲しかったと思いました。
最初は帆高くんに感情移入して鑑賞出来たのですが(東京という町へ1人で乗り込むという不安や好奇心)
物語が進むにつれて、彼にしか分からない気持ちが突っ走る描写ばかりで、このままでは最後まで彼の事が分からないだろうな…と思っていたら、本当によく分からないまま物語が終わってしまいました。
ヒロインの天野陽菜ちゃんが帆高くんを「家出少年と見ただけで分かった」等の描写があるのなら、主人公の家出についての表現は少しでもあると良かったな~と思ってしまいました。
主人公については少し思うところもありましたが、世界観に引き込まれるのは君の名は。と変わらずでした。
陽菜ちゃんの能力についてですが、「今から晴れるよ」という言葉が出た時、自分の能力について自信に満ち溢れている姿を想像してドキドキしたのですが、
物語が進むにつれて彼女が身を挺してまで誰かのため、天候のため、そして最終的には帆高のために力を振るう姿には感動しました。
夏美が人柱について陽菜ちゃんに教える以前にも、自分の身に何かが起こっていたのにも関わらず、
帆高に打ち明けるまで誰にも言わなかったのだと思うととても強い子だなあと思いました。
陽菜ちゃんは主人公を最後まで支えてくれている存在であり、
年齢を偽っていたことを最終的に知りましたが、主人公より年上のお姉さんのイメージで鑑賞していたので疑う余地もありませんでした(笑)
拙いレビューを書いていますが、
やはり自分が求めてしまうものとは別にこの映画の良さを見出せることが大事かなとも思いました。
わたし自身、理解できるほどの頭が足りない(笑)こともあると思いました。
レビューの冒頭で帆高の家出シーンについて言及してしまいましたが、
その部分が気になるまま映画を観続けていたので、少し後味が悪くなる鑑賞方法をしてしまいました。
監督が伝えたい部分はそこでは無かったと受け入れて、機会があればもう一度鑑賞してみたいと思いました。
予告編が出来すぎていたか
『天気の子』の上映が決定した2018年、いざ予告編を期待に胸を膨らませ見てみると、まあ素晴らしい。『君の名は。』を超える大都会東京の情報量の多さをそのままに描く繊細な美術のクオリティに引き込まれる。予告の時点で魅力的でたまらない、期待を裏切らないきっと素晴らしい作品なんだろうと人々に思わせる。
がしかし、今回の作品は控えめに言って本当に新海誠が作ったのか疑ってしまうレベルだ。以下、ネタバレを含み、個人的な見解から真摯に批評する。それを理解した上でご覧下さい。
あくまで個人的に"合わなかった"と感じ、"面白くなかった"とは微々異なるため星2.5評価に。正直、星2と迷ったが彼の画力に圧巻したのは事実であるので僅かながら0.5加算。
私が今作のなかで1番違和感を感じた点は"現実世界との乖離"にある。『言の葉の庭』、『君の名は。』もそうだったが、『天気の子』は"現実世界の東京"を舞台にしている。景色に映る様々なお店やその外観、配置は私達が生きている現実世界そのものだ。「あ!ここ学校への近道だ!」となるほど私達が慣れ親しんでいる景色そのものである。しかし、それに対しての登場人物の設定はあまりにも現実離れしていなかっただろうか。
私は彼らを同じ世界の住人として共感しながら捉えていいのか、それともあくまで東京に酷似したファンタジー世界の住人だと捉えるべきなのか、最後まで分からなかった。(所詮フィクションアニメに現実性を求めるのも、映画をエンターテインメントとして受け入れる軟らかい頭が欠けているが。)
この作品の舞台が東京ではなく異世界であれば、支離滅裂なストーリーもさておき、登場人物達の破天荒さにも目を瞑れた気がする。
以下、疑問に思った点を纏める。そもそも、主人公はもちろんキャラクター全ての設定が薄い。田舎島育ちの高校生が親の援助なしに東京で過ごそうと考えるのは後先考えなさすぎではないだろうか。(帆高君は使ったお金を細かくメモするような真面目少年なので、余計に違和感がある)
拳銃の一連の流れは必須だったか?少なくとも銃社会から隔離された日本人には彼の行動は理解し難いだろう。
未成年姉弟が身寄りもいないなかで約1年アパートで生活する(しかも立地もいい、田端駅から徒歩数分)のは難しいのでは?加えて、全体的に彼らのとる行動が自己中心的すぎる。「誰にも迷惑をかけてません!」と言っているが実際はかけているだろう。(落雷や、水害)たった一人の女の子のために東京を水没させる選択は果たして正しいのか?罪の意識もゼロ?フィクションならなんでもOK?小学生含む16歳以下3人の宿泊先がぼったくりラブホテルである必要性が感じられない。結局最後まで彼らの本質が全くわからない、破天荒な少年少女による日本壊滅映画に感じた。
etc...
あとは新海誠の性癖が所々で滲み出ていて、個人的には受け入れられずに終わった。私はフェミニストではないが気持ち悪いと思ってしまった。『君の名は。』から薄々出てきてましたが今作はひどい。やたらとおっぱいの描写があるし、好きな子にラブホのバスローブを着せる?なんというか、中学生男児が考えそうな妄想を可視化したような。瀧くんは可愛らしい童貞臭さでしたが、帆高くんはちょっと狙いすぎて寒かったかな…。一体どの層へ向けての作品なの?何を見せつけているの?青人向けアニメかとわ
長々と文句を書き連ねてしまったが、これは新海誠に期待していたからこそ。彼の厚みのある美術は本当に素晴らしかった。特に花火のシーンは「こんな綺麗に花火を描ける人がいたのか。」とまで思った、ずっと見ていたくなる絵だった。絵に関しては、今までのどの作品よりも素晴らしかった。人目で新海誠だとわかる色使い、筆の細さ、光の描写。新海誠の画力と合わさってこそのRADWIMPSの音楽も然り。だからこそ、もったいないと感じた。
個人的に『天気の子』は残念であったが新海誠に失望した訳では無い。むしろ、新海誠の可能性を感じた。『君の名は。』とは全く違ったテイストの作品を創りあげる才能の持ち主であるから、次回作は良い意味でも悪い意味でももっと私達を驚かせてくれるかもしれない。
猫のアメが超絶可愛かった。(笑)
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