天気の子のレビュー・感想・評価
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既存の概念を壊す
辛口多くて悲しくなるほど( ;∀;)笑
賛否両論あるのは当たり前!
私にとっては素晴らしい作品でした!!
今の子供達の性質や、働き方の変化、精神論、目に見える異常気象も含め、
明らかに時代が変わってきている今、
既存の概念から派生した、行き過ぎた規律やルール…それに縛られ過ぎて、辛くなる人が増えてきた事実もあると思います。
もちろん、規律で縛ることで保たれた治安や平和はありましたが、人が成長して変わっていくように、世の中の変化を止めることはできない…
須賀圭介を通して「変わらないことへの執着」
主人公2人を通して「それでも自分の世界を生きる」
ということを私は見せてもらったと思います(^^)
終わり方も「その終わりか!」という(笑)良い意味で期待を裏切ってもらえました!
「晴れは良いことで、雨が悪いこと」
確かに日常的に不便にはなるけれど、それってただの受け取る側の都合でしかないですね。
本当に私にとってはたくさんの気づきがありました☆
『明確な答えを知りたい!』という人や
『伝えたいことの意図を探る』ことが
好きなタイプの人には
残念ながら批判されてしまうかもしれませんが…
『一人一人感じ取れるものが違う』という
楽しみ方ができる方には伝わると思います(o^^o)
そのタイプの方にはオススメです!!(笑)
「君の名は。」の主人公が出てたり、
ジブリっぽいキャラクターも
またみんないいキャラで好きです♪
二回見ることで、本当の良さがわかる作品
私は公開日に『天気の子』を一度鑑賞し、2日後にもう一度『天気の子』を鑑賞しに行った。その結果、全く異なった感想を持ったので、それに関して話していく。
まず、初めて鑑賞した際の感想は、正直期待はずれだな、というものであった。
私は、新海誠監督の『君の名は。』が大好きで、これまでに10回以上鑑賞し、小説も何度も周回した。それほど『君の名は。』に夢中になったので、新作の『天気の子』にもかなり期待して、鑑賞していた。
しかし、鑑賞後の感想としては、描写や音楽は安定して良かったが、ストーリーの展開がスムーズでなく、さらに伏線回収もされず、最後の最後まで映画に集中できずに、正直がっかりした。
私がそう思うのは、『君の名は。』を好きな理由が、あの2時間弱という短い時間で、あれほど前半部分の伏線(例としては、組紐と流星群の関係性や、口噛酒とラストの繋がり)を回収し、さらには、主人公の瀧君や三葉に感情移入することができることで、ラストシーンに近づくにつれて、ドキドキしたり、感動したりできたからだと思う。つまりは、ストーリーの内容が濃い上に、よく考えられて作られているなと感銘を受けたからである。
しかし、『天気の子』に関しては、そもそも、主人公の帆高がなぜ地元が嫌で東京に来たのかも説明されず、そして、何よりもヒロインの陽菜が晴れ女になった理由が薄いこと。(代々木の廃墟ビルで祈っただけで、雨の巫女になるのは、前作と比べて弱い。)
なによりも、前作に比べて前半の仲良くなるエピソードから、クライマックスになるまでが急で、(というよりかは、いらないシーンが多い!)主人公、ヒロインに感情移入ができなかった。その雑さがどうしても気になり、ラストシーンで感動することができなかったと感じている。それは、どうしても前作の『君の名は。』と無意識に比較してしまい、二番煎じに思えてしまったからだろう。ストーリーでの、フラグ回収が少ないことが私の好みとは異なっていて、映画の時間が長く感じてしまうほど、作品にのめり込めなかったのだ。
しかし、そう感じるのも、『君の名は。』という歴史的な大ヒット作品の次作であることからの期待からであり、2回目の鑑賞では、新海誠作品であることや、伏線考察、矛盾点などは考えずに、素直に主人公やヒロインに感情移入し、ストーリーを楽しもうと決意した。
そう思い鑑賞した二度目の『天気の子』。感想として、とてもいい作品だな!と感じた。
理由はどうであれ、帆高と陽菜が運命的に出会い、そして親交を深めていく。『君の名は。』は入れ替わりの話であるから、お互いのことをほとんど知っており、実際に本人に会いたいという気持ちがすごく伝わる設定であったから、一回目の鑑賞でも感情移入ができた。
『天気の子』も一度鑑賞すれば、最終的に帆高と陽菜はお互いにかなり惹かれていることも分かった上で二回目の鑑賞ができるため、前半から二人のやりとりを純粋に楽しめる。そこからの展開も、伏線などを気にせずに鑑賞すれば、素直に思い合っている二人が離れ離れになってしまい、そこから、好きだ、もう一度会いたい!という気持ちだけで、どんな困難にも立ち向かう主人公に感動することができた。また、二度目の鑑賞であるからこそ、一回目の鑑賞では気付きづらい伏線というか、描写に気づけた。(例えば、陽菜が一度空に浮くシーンで、街灯に体が重なった時、すでに体が透明に透けていること。空に陽菜が行った際、母のブレスレットであった雫の首飾りが割れて、彼女が雨の巫女でなくなったことなど。)
一番の感じ方の違いは、ラストシーンで主人公がヒロインに会った際に告げる一言の考察である。
「僕らなら、きっと大丈夫。」
正直、一度目は、なにいってんの?どゆこと?雨が降り続くような困難でも、二人なら大丈夫ってこと?と、はっきりわからなかった。
しかし、二回見ることで、ラストシーンに瀧君ばあさんと会ったシーンと、圭介との会話シーンの意味。からの主人公の考え方の変化を描きたかったのだなと理解できた。
それは、主人公の帆高は、自分の想いと決断により、東京が沈没したという罪悪感を感じていたが、瀧君ばあさんとの会話で、あくまで東京は元の姿に戻っただけという慰めを受け、さらに圭介との会話で、自分たちが変えたという風に責任を持つ必要はない、この世界は元から狂っていると思うことで、少しでも自己肯定しようしていた。陽菜に会ったら、陽菜もきっと罪悪感を感じているから、励まそうと、でも、どのように言葉を伝えるべきなのか、という主人公の葛藤が描かれている。しかし、いざ、陽菜の姿を目にした時、きっと彼は三年前感じた、「この子さえいてくれれば、どうなってもいい。この子と一緒にいれば、この子への愛があれば、きっと僕は何でも乗り越えられる。」(←あくまで、私の解釈です)という気持ちになり、その結果出た言葉が「僕らなら、きっと大丈夫」であったのだなと思った。
ここまで述べたように、展開やストーリー性に注目するのではなく、主人公とヒロインの気持ちに注目して、純粋にストーリーを楽しむことで、『天気の子』の良さに気づけるのだと、私は感じた。
この、作品に対する見方の違いが、感想としての賛否両論を生んでいるのではないだろうか。
新海誠の作品として、まるで『君の名は。』をなぞったかのような、ストーリーと展開、そして描写にがっかりした者は多いだろう。確かに、新海誠監督がこれからも、災害をテーマに感動を産む展開を続けるのであれば、それは私も気持ちのいいものではない。正直、今回の大豪雨も見ていて不快な気持ちになったのは確かである。しかし、新海誠監督の描く、主人公とヒロインの青春は、人を惹きつけるものであるのも確かである。きっとそれは、今後の作品でも、美しい景色とともに、描かれ続けるだろう。次回作には、これまでとは違ったストーリー構造と展開を期待したい。
最後に、ここまで長々と意見を述べてきた結論として、まるでレポートのようなこのレビューを締めくくりたい。
『天気の子』は二度鑑賞し、純粋に主人公とヒロインに感情移入することで、作品の良さを感じることができるであろう!ぜひ、もう一度映画館へ足を運んでほしい!
期待していただけに残念だった…
日本が最近天災によって被害が受けているのにあのような結末はどうなのだろうと思ってしまった…
こちらの作者が伝えたかったことはたくさんあるだろうがその中で私の中で印象的だったのが
子供と言うのは自分勝手な生き物でミクロ的な思考できないと言うことだ。
その証拠に
晴れにし続けることが目の前の人を喜せこれが正しいことと思っている。
なぜなら
雨が降らなくて困る人もいるはずなのにそのことは描写されていない。
これは
主人公(子供)目線でかかれているため
他にも、世界がどうなろうと自分の愛しの人が返ってきてそれが正解であるようにハッピーエンドとして終わっている。
一方でヒロインが人柱にならなかったため天気が3年間ずっと雨ばかりで洪水になっているが困っている人々の声は描写されていない。
これも
主人公(子供)目線でかかれているため
今回の映画を見た私の中の感想は
人のエゴを描いた暗い映画だと私には感じられました。
うーん。モヤモヤ
新海誠監督の作品は十数年来ずっと好きでしたし
色々なレビューで君の名は以前の感じが戻ってきたとあったので期待していたのですが私はイマイチのめり込めませんでした。
どうにもモヤモヤとした気持ちが収まらないので投稿です。
初めに良かったところは
丁寧に描かれた背景や跳ね返る水などの描写はさすがの一言です。
花澤さんと佐倉さんのくだりは正直笑いましたし
前作の登場人物が出てきたファンサービスも良かったです。
(隕石の次は水害とかどんだけ不幸属性なの・・・)
イマイチ乗り切れなかった理由としては
説明不足というか心情描写不足というか・・・
もっとそれぞれのキャラクターの心情を掘り下げてくれれば違ったと思うのですが
どうにもいい感じの曲を流して少年が走れば感動するとでも思われてる風な感じがします。(実際ちょっと感動しそうになりましたが)
物語の核の主人公からして東京に出てきた説明がないので感情移入が難しいです。
私が東京に憧れを抱いたことがないのが原因なのかもしれませんが
関東圏もしくは本州の方はあれだけの描写だけで納得が出来るものなのでしょうか?
(前作も当たり前のように全員が東京に出てきててモヤっとした。)
冒頭で絆創膏をしていたので何か地元で大人(or社会)から理不尽を押し付けられたこと反抗したが結局暴力でねじ伏せられて挫折をしたとか
その辺の描写があればラストに銃を使ってまで警察(=大人の理不尽)に立ち向かうことに説得力が出てくるように思います。
あとは須賀は自堕落な生活をしている擦れ切ってしまった自身とか
夏美は就活で心にもない言葉を繰り返して自分の人生の岐路を乗り切ろうとしていることへの疑問とか
そういった説明があれば終盤のシーンも純粋さを失った自分と純粋さの塊の少年が立ち向かう姿勢に影響されて主人公に協力する的な感じで納得が出来るのですが
ラストも児童相談所の問題が解決してないのに音信不通で地元で3年ものうのうと過ごしていた主人公は何なのか
世界を犠牲にしてまで救ったヒロインではなかったのかとか色々疑問に残ります。
本当に監督の作品は好きなのでそれぞれのパーツは良いだけに組み立て方が悪く感じて私としてはモヤモヤが残る作品でした。
難しく考えるか、単純に楽しむかで評価が変わる
面白かったといえば面白かったが、単純に消化不良。
「君の名は」以前の監督の手法が前面に出ている気がして個人的には残念だった。ひねくれすぎている。
「君の名は」で一般受けした要素をそのまま継承してくれればよかった。
みんな純粋に感動する準備をしてきてたはずなのに、結果としてそんな単純な要素はどこにもなく、自分で考えて自分で感動できる場所を探さなければならないのがつらすぎた。
社会問題の風刺なんていらなかった。
雨女(雨の巫女)のくだりを深堀してもらいたかった。
そこにまつわる伝承を通して水没した東京を救うなり、
「人身御供」になったヒロインが奇跡的に帰ってくるような
陳腐だがわかりやすい感動のストーリーがよかった。
そういう物語を求めていた人は多いんじゃないかと思う。
「監督が暗喩したなんらかのテーマ性を深堀して監督の意図に
近づこうとするような評論家気取り」でないのならば
正直そんなに高い点つけるほどのものでもなく「君の名は」の
ような感動を「天気の子」で得られなかった事に不満を感じている
と思う。
映像美・音楽は素晴らしいが、ストーリーはダメダメ
【良い点】
・映像の美しさ。特に水の表現は圧巻。前作「君の名は」と同じく日常にある風景(今回は雨⇒晴れに変わる東京、明治神宮の花火大会)と神の世界(積乱雲の上)を美しく見せる描写は期待通りで満足。
・音楽。RADWIMPSの音楽と映画のシーンがばっちりかみ合っている。特にGrand Escapeが流れるシーンは鳥肌がたった。
・キャラクター。嫌いになるキャラクターがいなかったのはよかった。主要キャラ全員がそれぞれ悩みを抱えており、それを彼らなりに解決する姿に思わず応援したくなる。ただし、その解決方法が犯罪なのは、「まあフィクションだし」でさらっと流せない人には嫌いになるキャラクターもでてくるだろう(特に主人公)
【悪い点】
・ストーリーが薄い。内容の理解が難しいところはないだろうが、それはストーリーが薄っぺらいからである。神頼みで全て解決!というのはいくらフィクションだからといっても安直すぎて冷める。
・エンディングは話の収拾がつかなくなって、問題を放置したままFinである。ストーリーについては誉められる箇所はない。
いろんな意味で難しいことに挑戦した感じ
制作開始時には昨年の水害などなかったのだから、きっと制作期間中に何度も何度も手直しや表現を変えたんじゃないかなと思います。
天気を題材にすると雨が悪く、晴れが正しいとなりやすいものだが、雨が正しいとも取れるようにストーリーを仕上げたあたり、ネガティブになりがちな雨をポジティブに考えれるようにしたいという願いにも見えました。
陽菜がこの世に戻るシーンで、穂高が雨でいいと明言していたら、この題材はチープに晴れが正しいになってしまったかと。そういう意味では言葉に神経が行き届いていたと思いました。
というかその辺りが変わったんかなと。
最終の沈んだ東京は少し大袈裟だなと、レインボーブリッジが浸かるともはや日本の沿岸部は沈んでるだろうと思うし、国も何かしてるだろと。
そのシーンで立花さんが話す、元々は海だったんだから、元に戻っただけというセリフは、気持ちを切り替えて生きるためのメッセージにも取れるかなと。諦めた訳でなく、自然と身を任せて生きる決意のような。
災害被災者には少し理解しにくい、または反発を受けそうな題材を投げ出さずに仕上げた意味は、やはり天気に左右されて生きていることへの考え方の提示をしたかったのかなと。
晴れと引き換えに人柱になる。
昔から日本はそうしてまで晴れを望んできた背景に
ある寺の住職がいう、異常気象とは最近の様子を見て…というくだりが示すように、晴れていることが、有り難く、雨が当たり前な時代があったんだと思う。災害で人の命が奪われてしまう中で、晴れを願うことがもし誰かの命を捧げないと得られないことならば、晴れを願う気持ちは尊いものでなくてはならないと語るというように、陽菜が命を捧げながら叶えていく晴れはあまりにも個人的な願いばかりで、その対比がこのドラマのテーマなんかなと思いました。
その割には、キャラ設定が甘く、キャラの背景が乏しいのは否めない。
穂高は何故家出したのか、陽菜のお父さんは?
実質子ども2人でアパート暮らしは可能なのかとか、
もう少しあれば感情移入できたかな。
特にラストシーンで、須賀圭介がビルで穂高を引き止めておきながら、警察に囲まれた時に急に穂高を助けるのはあまりに唐突だった。自分の状況から加担出来ないはずなのに、殴ったあたりは分かりやすいけど、短時間すぎるなあと。同じシーンで、凪が助けにくるが、お前のせいで…といきなり怒るのも、唐突。本来ラブホで居ないのがわかったあたりで、穂高に向かって文句言っていいかなと。
平泉成が刑事してるが、似てる似てないが微妙で、すべった感じ。たいして役に立ってないし。
多少の辻褄合わせは仕方ないかなと。
何か切り貼りされた感じがあるので、葛藤がある気がしました。また追いついてないのは、まだまだ時間がなかったのかなと。
ところどころに君の名はのキャラクターが出ているあたりは、遊び心だろうけど、ファンにこびたのか、引きずってたのか。無くてよいと思う。
カナが書いた名前が声優さんの名前だったりするのもアニメだなと思う。映画にして欲しいな。
ジブリのようなファンタジーを描いてないので、前作からの二作目は、新海監督のスタンスが見えた感じがしました。
全体的には楽しかった。
描写も相変わらず綺麗だった。
今回はラドウィンプスのPVにはならなかったかな。
雨男対晴れ女
映像はさすがに美しかったですが、ここ数年自然災害に悩まされている日本でこの結末は少し残念です。
キャラクター達の個性や自我も成長過程と言えどまだまだ脆く、主人公が銃を使って殺人犯になってしまうのではないかとハラハラする場面が散見されました。万引き家族の影響なのか、子どもから自由や大事な家族を奪う警察や児童相談所の職員との対比構造も天気の子というテーマからやや逸脱し複雑すぎて新海監督のメッセージを汲み取るのが難しかったです。
アニメーション的な勇気をもらえる作品というよりも、暗く切ない気持ちになるようなストーリーでした。ただこうした繊細な作品は新海監督らしさを感じさせました。
雨男である主人公(無邪気、暴力的、破壊的)と晴れ女であるヒロイン(母性的、自己犠牲的)は本来一緒に生きていくのは難しいのかもしれません。それは、晴れ女前任者であるヒロインの母親の早すぎる死、須賀の妻の事故死、凪の「姉ちゃんを返せ」という言葉が示唆しているのではないでしょうか。
苦しい状況にこそ、ひときわ輝く光
いろんなことを考えさせてくれる映画だった。
天気とは、天の神様の気持ちという捉え方ができる。
晴れを願う陽菜は、巫女であり、巫女は神子とも書く。
「天気の子」とは言い換えれば「神の子」である。
神の力の下においては人間はあまりにも非力だ。
人間は神に祈る、お願いする、非力な存在でしかない、そんな神や自然に恐れで受け止める日本的な宗教観が感じられる。水に浸かった首都の描写は、人間の非力さの象徴だ。
一方で天候は人間の気持ちの反映という見方もできる。
これからの世の中は決してハッピーではない。誰もが漠たる不安を抱いている。災害、犯罪、経済事情。
そんな人間の気持ちを長雨という天候で現されていたのではないか。
都心の水没は、これから衰退を余儀なくされる日本の実情を象徴しているようにも思える。水に囲まれた新国立競技場の姿は、東京オリンピックが終わった後の日本は、かつてのような経済発展はとうていありえない、ということを示唆していると受け止めた。
夢も救いもない現実が突きつけられていたように思うが、この映画の救いがまったくないのかといえばそうでもない。
安心できる人たちと食事ができることの穂高の喜び、瀧が帆高たちに祖母に良くしてくれたことへの感謝、帆高が3時間悩んで指輪を買ったときの三葉の「わたしだったら絶対嬉しい」という言葉。人間の幸せはそんなささいなところにある。自分が大切な人が幸せなら幸せを感じることができる。それをさりげなくいろんな状況で描いているところが好きだ。
それは現実が厳しいほど輝きを放つ。帆高が家出をしなければならないほどの境遇に置かれたり、チンピラに殴られたり、陽菜の母が亡くなったり、子供だけで生活しなければならない不幸の中でこそ、あまりにも冷たい雨に打たれ続けているからこそ、ことさらに光を持つ。
大切な人と一緒に過ごせること。そんな陳腐とも思える些細なことが人間にとって、「天気の子」「神の子」にとって幸せなことなのだと訴えていたのではないかと思った。
『君の名は』を観た人が楽しめる、そして残念と思える映画
良かったところ
・『君の名は』を観たことあると「おっ!」となる
・都民なら馴染みのある景色が多い
・エンディング前の演出
・映像技術が向上したように思える
残念なところ
・『君の名は』ほどの衝撃はない
・犯罪描写が終始気になる
・ちょっとラブホが目立つ
・RADWIMPSの曲は前作に勝てない
良い映画です。
ただ、今回は子供には見せたくない内容だと思いました。
ラブホの場面が目立つのと、アニメとはいえ「子供だけでラブホに泊まるのはどうなのか」と観ながらモヤモヤしてました。
そもそも子供がラブホなんて分からないか…。
アニメなので現実的ではないのは当たり前なので、天気の能力や空での出来事に合理性を求めるのはナンセンスだと思います。
ヒロインの子は、見てて「なんか18歳っぽい髪型じゃないんだよなぁ」と思ってましたが、「やはり」でした。
個人的には大好きなビジュアルですけどね(笑)
前作のRADWIMPSの4曲が別格過ぎて、今回の曲は弱いですね。
エンディング曲はまだ良いと思います。
「君の名は。」とは質の異なる作品
※微妙にネタバレを含みます。
前作、「君の名は。」のメガヒットにより新海誠監督を知った方も多く、注目を集めていた本作ですが、蓋を開けてみれば随分と質の異なる作風であるように感じられました。
そのため、前作のような作品を求めて映画を観ると、合わなかったという方も多いかと思います。
そういう意味では、本作は前作ほどの評価は受けないでしょうし、あれほどのヒットになるとも思えません。
ただ、それは本作が劣っているとか駄目だとかでは全くなく、言ってみれば方向性の違いのようなものです。
男女の入れ替わりや、時間軸を利用したトリック、彗星による災害など、とかくキャッチーな要素が強く印象に残りやすい「君の名は。」に対し、本作はCMのキャッチーさとは裏腹に本編は割と泥臭い物語になっています。
最終的に彗星によって三葉の故郷が壊滅するのを防ぐ、ヒロイックなストーリーであった前作「君の名は。」に対し、本作の主軸となる物語は徹底的に主人公とヒロインの二人に収束します。
言い換えれば、問題が外的要因に帰結していた前作に対し、本作は内的要因によって物語が進行します。
系統としてはどちらも同じセカイ系ですが、その点が大きく異なっており、個人的には本作が様々な意味で「君の名は。」の対になるようなイメージも持ちました。
上記の関係上、だれもが共感しやすかった「君の名は。」に対し、様々な欠点や悩みを抱える本作の主人公やヒロイン(その他周囲のキャラクターも含め)が受け入れられない、という人も当然いらっしゃるかと思います。特に共感性羞恥とかを感じる人にはイライラするシーンもあるかと。
その辺は制作側も把握していたでしょうし、だからこそ前作と同じことはやらない、という意志も感じられました。
(キャラクターのバックグラウンドをあえて掘り下げなかったあたりもそういう意図があったのかなと)
あれだけメガヒットした作品を出しながら、安易に同じ作風に逃げずに敢えて別の道を選ぼうというその点に関しては私は大いに良かったと思っています。
次に、ストーリーと描写についてです。
設定周りはともかく、大枠のストーリーは取り立てて珍しいというほどでもなく、それこそゼロ年代のセカイ系作品には割とありがちなシナリオという印象でした。(まぁこれは「君の名は。」も似たようなものですが)
ただし、本作を評すにあたり重視すべきはそこではありません。
むしろ、その大枠のストーリーの中で如何に各キャラクターの細やかな仕草や台詞、心情の表し方や背景描写などを”魅せるか”という点において本作は傑出した存在感を放っています。
これはもう本当に凄いとしか言いようがないかと。
特に、昨今の深夜アニメほど属性過多でない、晴れ女としての特性を除けば普通の女学生でしかないヒロインを如何に可愛く見せるか、という点については監督のフェチズムが存分に篭っていたように思えます(笑)
物語の構成や伏線の張り方、回収の流れなどに非常に拘られる方には物足りないかもしれません。このあたりは完全に好みの問題ですが、基本的に一気通貫で視聴することになる映画においてはこのくらいシンプルなほうがメッセージは伝わりやすいのかな、と思いました。(緻密な設定を紐解いて物語の謎を考察したりするのも面白いんですけどね)
最後に演技について。
色々言われていますが、気になるほどの棒読みはいなかったかと思います。声優さんの演技に慣れていると多少の違和感はあるかと思いますが、作品の質を損ねるようなものではなく、作風を考えればむしろ下手にアニメ声を乱発するよりは良かったかと。
平泉成さんはまんま過ぎてちょっと笑ってしまいましたが(笑)
というわけで長文になりましたが、トータルとしては私はとても良い映画だったかと思います。
ただし、観たら元気になれる!とか、恋人と仲良くなれる!とかそういう類の映画ではありませんのでご注意を……
これは、少年と少女の「選択」の物語です。
だからこそ、「選んだもの」と「選ばれなかったもの」がきちんと存在することにこそ意味があるのだと私は思います。
確かに意見分かれる
「観客がいろいろな意見をぶつけ合ってくれたら幸せに思います」と新海誠の狙い通りな作品だと強く感じました。
監督の女性に対しての気持ち悪い妄想をふんだんに取り入れた今作は毛嫌いする方ももちろんいるでしょうし、僕みたいに大好物と思う人にたいてい分かれるでしょう。
また前作の君の名はの瀧くんは都会の大人びた高校生に対して、今作は田舎の純情な少年から青年になりかけてる微妙なお年頃で、共感しにくいのかなと魅力が無いなと感じる方もいるでしょう。
でも、大人になり切れない彼だったからこそ、最後の答えにたどり着くのかなと思います。
そして個人的には過去の「星を追う子ども」をアンサー的な役割を持った作品だと思っています。
ですので、個人的には見てよかったと思う作品ですが、絶対万人受けしない。
また子供が夏休み映画で見に行く!っていうのはものでもないです。
新海誠よく知らない、話題だから見に来たっていう人も合わない気がします。
女子に対して気持ち悪い幻想を抱いた監督が作る萌える青春SFアニメです。
素敵な映画でした
少し、説明不足かなと思うところや、ちょっと過剰かなと思う演出もあったけど、まあいいかなと。
拳銃はあまり意味なかったかな。
最後に二人が帰ってきたシーンが、あっさりしてたかな。
刑事さんからすると、二人はビルの上にいただけに思える??
小栗旬さん、本田翼さんが予想以上に良かったです。
人に勧めたくなる映画です。
2回目行ってもいいかなと思いました。
小栗旬さんが出る映画にハズレはない笑
テーマは何か?ここがミソ。
好きな作品になりました。
受け止め方が人によって違ってしまうのは仕方がありませんが、この作品から、恋愛や天気を操るファンタジーを見出したのなら駄作になってしまうのも無理はないのかもしれません。
ストーリーの根底にあるものは、いったい何なのか。
私は、生きることの辛さや儚さを少年少女を通して伝えるという、社会風刺的な意図を感じました。
年金、医療、少子化、格差、虐待、子供の将来、そんな時代に東京で、ネット頼りの生き方の中に、銃という偶然が少女との出会いとなり、少女を取りまく境遇をなんとかしたい家出中の高1男子。
ネタバレはこの辺で。
大卒の大人でさえ、非正規の昨今、レールに乗れず、死ぬわけにはいかないと、必死でもがく人たちが、共感が1ミリもないことはないと思います。
もう一つネタバレ。
一番良かったシーンは、最後の、陽菜が高校の制服を着て空を見ているシーンに帆高が出くわすところです。厳格な手続きに基づいて高校へ行っていることは理解していた帆高であったでしょうが、その現実と出会えた事への安堵感は半端なかったでしょう。見ているこっちのほうがうれしくなりました。
虚構と現実の融合
この物語は一発の銃声で動き出す。高校生がたまたま拳銃を拾い、人に向けて発砲するという、現代日本においては現実味のない展開である。これにより、本作は虚構であることが宣言される。しかし、その後に描かれるのは、親の不在により社会から弾き出され、もがき苦しむ姉弟であり、息苦しい地方から出てきた家出少年と生計を立てるという疑似家族の形成である。彼らは福祉行政に繋がっておらず、自らそれを拒否している部分もある。これらは今の日本が抱える病巣そのものであり、現実社会の問題を比較的ストレートに取り込んでいる。虚構の中に現実の問題をトレースすることにより、物語上と現実のリアリティを融合させ、物語を重層的に展開させていく。これほど注目される作品であるにも関わらず、このように踏み込んだ表現を選択したことは評価されるべき点ではないだろうか。
この作品には売春、ラブホテルといった直接的な性を匂わせる表現がいくつも登場する。それが、否応なく生々しい現実の生を感じさせる。もし彼女に天気を操る能力がなかったとしたら、彼らはどうして生計を立てていったのだろうか。もしかしたら、彼女は再び売春を選択し、彼は客引きにでもなった未来もあったかもしれない。考え過ぎかもしれないが、能力がなく天気の子になれなかった無数の子ども達がこの裏側にいることを考えると、最後の彼らの選択が胸に突き刺さる。間違いなく今見るべき作品。
光と音楽
光と音楽の使い方が素晴らしく、曲が流れるタイミングで鳥肌が立ちました。一度だけでなく、何度かありました。
宮崎作品が風と眼差しで作風を生み出しているとしたら、新海作品は光と音楽でしょうか。
『時をかける少女』さながらの走りを見せるシーンもあれば、『千と千尋の神隠し』のように二人で空中落下するシーンもあり、過去の名作を彷彿とさせる演出には心を打たれました。
『君の名は。』で岐阜に隕石を落とし、『天気の子』で東京を沈め、次はどこがどうなってしまうのでしょうか。日本が崩壊しないことを願っていますが、壮大な演出や発想は好きです。
時空を超え、天気を操り、やはり次は何をどうするのか、期待してしまいます。いわゆる超能力ものではなく、普通の少年少女が不思議な力を得てしまう展開が面白いです。
昔の言い伝えや日本古来の考え方を出してくること、そして現代の日本人の日常をリアルに描き出しているところが、なにかと共感できる理由なのかもしれません。
『星を追う子ども』を劇場で観た自分としては、その頃から変わらない光と音楽へのこだわりに感動すると共に、『君の名は。』から強くなったエンタメ色がストーリーを濃厚にしていることを嬉しく思います。
次回作含めて、実は同じ世界観の中で描かれた3部作だった、みたいな展開も期待してしまいます。次回作が今からとても楽しみです。
帆高くんが家出した理由(推測)
映画の冒頭、帆高くんが顔に絆創膏をしていたのが気になったんです
映画の途中に、区役所の職員の方?二人の横を通りすがるシーンがあって、その時の二人が子供の虐待が無いか調査している職員のようなセリフでした
そこで、帆高くんは家で虐待されていて、家出したのではないかと思いました。
君の名は。はから、テーマは変わっても絵が美しく、新海誠ワールド満載なので評価は5です。
SFファンタジー新海誠ワールドを多くの人に観てもらいたいと思います。
残念ですね…
何も考えないで見たい人にはいいんじゃない?
雑に作るくらいなら、上映を先送りにしてもいいから、物語とキャラ設定はもう少し突き詰めて欲しかったです。
正直、主人公が何で東京に来たのかも、ヒロインが晴れ女になった経緯もマジで謎です。
帆高が東京ウロウロするシーンがとにかく長い。
ここで帆高のキャラを植え付けたかったのなら、もっと家出の理由なり回想を入れるなり出来たんじゃないの?
陽奈と凪も母との思い出シーン入れるとかさー…
ね…
バックボーンが皆無だから、キャラのセリフが全部薄っぺらく感じ、感情移入が出来ない。。。
他にも気になる点はありますが、
1番腑に落ちなかったのは、
売春から陽奈を守ったり、仕事を斡旋して生きる希望を与えたりしてるので、陽奈が帆高を好きになるのは分かるんです。
しかし、帆高が陽奈を好きになる材料が少な過ぎる気がする。
只ハンバーガー奢ってくれた可愛い女の子に惚れただけにしか思えず、警察から逃げ、拳銃を突きつけるシーンは大分滑稽でした。
最後に巷で話題の本田翼の演技ですが、別に気にならなかったです。
本田翼よりも帆高を演じた醍醐君?の演技が粘っこくてイライラしました。
大分酷評になっちゃいましたが、
雨が綺麗でした。。
感じ方は人それぞれなので、
「そうは思わない。純粋に面白い。」と感じたならその気持ちを大切にしてください。
以上。
予告編がクライマックスだった
君の名は。の二番煎じな感じかなー
と思ってて、でも予告編の第2弾?は晴れ上がる空、光を受けるビルの窓、コーラスの演出めテンションが上がったので、ワクワクしながら観に行った。
感想
良かったと思った点
・15分くらいの短編アニメにしてたら楽しめたかも
・あるいは夕方アニメ枠、スペシャル特番とかのアニメなら楽しめたかも
・描写は相変わらず綺麗 食べ物美味しそう
嫌いな点
・キャラクターが薄い、というか記号ぽくてステレオタイプなキャラクターの借り物感。映画で観たいキャラクターではない テレビシリーズアニメなら良かった
・またラピュタオマージュ織り交ぜるの?
・童貞ギャグもお決まりで寒いし痛い。中学生くらいが鑑賞対象なら納得できる
・君の名は で不自然なほどに入れたオープニングアニメなんでやめたの? ああいう、くどいくらいのエンタメが観たかった
・やりたいことが子供向けなのになんでラブホネタ入れた?
・主人公がもつ犯罪や大人に対する目線が幼稚、かつ最後まで浅い
・リアルな描写とやりたい内容が一致してない感
・貧困に対するイメージが雑 記号的すぎる
・CMカットが多すぎるので、プロモーションアニメづくりをすればいいと思う 工夫が薄い。違和感のあるカット
割と今年1番のがっかり映画。
別に君の名はの二番煎じで良かった。それに徹してほしかった。
お金払いたくなかったな
大人の自分が情けなくて泣いた
思いっきりネタバレ。
最後の15分、帆高の叫び。
「何も知らないくせに!」
奇しくも観に行った日が選挙日だった。
興味なんて微塵も湧いておらず、自分の日常生活を脅かさなければ誰でも良かった。
そんな甘えた自分に叩きつけられた16歳の帆高少年の魂の叫び。大切な人を犠牲にして安穏と生きていくくらいならと、ボロボロになりながら、世間から爪弾き者になるリスクを背負いながら、指をさされて笑われながらも走り続ける少年の姿に、涙が止まらなかった。
私達は知らず知らずの間に沢山の誰かの不幸を犠牲にして生きているはず。それでも自分の生活を守るために、見ないふりをしている。社会的に何の力もない16歳の子供があれほど大人に立ち向かっているのに、最近の自分は何と戦っただろうか。世界は私が動いたところで何も変わらないのに、何に遠慮して諦めたように生きていたのだろう。自分の絶対譲れないもののために世界を犠牲にするくらいの強い覚悟はいつからなくなってしまったのだろう。
最後の須賀圭介は迎合した大人の代表のようで、自分を見ているようで、彼の涙と共に情けなくて泣いた。小栗旬の演技が素晴らしく殊更に涙を誘った。
何よりも高校生の真っ直ぐさが心に突き刺さる大変良い作品だったと思う。しかしこれからも絶対に自分は帆高少年のようには生きられない。それでもほんの少しは、世界を変えてやろうと思うのである。
10人が見たら8人は首を傾げるストーリーかもしれない。だがどこか世間に窮屈さを感じている人、青少年の真っ直ぐな言葉に触れることで心を揺さぶられる人には素晴らしい映画として記憶に残るはずである。
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