「10代の頃観ても同じ感想だったと思います」天気の子 r. kokoさんの映画レビュー(感想・評価)
10代の頃観ても同じ感想だったと思います
酷なことばかり書きます、すみません。
20代前半の率直な感想です。
登場人物全員の心理描写が薄すぎる。何が帆高をそれほどまで奮い立たせるのか全く共感できなかった。警察に盾突き、銃を発砲し、線路の上を走り、側から見れば頭の狂った犯罪者。そうなってまでヒロインを助けたいという心理描写の過程があまりにも弱すぎる。家出した理由も結局分からないまま。光に飛び込みたかったから。それが本当の理由だとして、それになるほど!って共感できる人はいるの?帆高の行動全てが若気の至りで済まされるレベルじゃない。ファンタジーの世界を貫くのならまだ理解できる部分もあったのかもしれないけど、背景や企業の広告はやたらリアルなので、現実世界とファンタジーが中途半端に混ざっていて見ていて混乱する。
要は、感情移入をさせてくれと言うこと。登場人物の内面や過去や背景などの掘り下げがほとんどされていないのに、展開ばかりどんどん進んでいくので完全に置いてけぼり状態でした。感情移入ができるから感動したり涙が出たりするものだと思います。これほど感情移入できない映画は本当に初めてです。
また、回収できない伏線なら最初から張らないで欲しい。何故廃墟のビルに鳥居があったのか?陽菜が人柱になったのは強く願った、本当にそれだけ?水の魚の正体は?など。考察ができる程度の情報もなかったから、見終わった後疑問しか残らなかった。小説や考察本を読んだら理解できるという声も聞くけど、映画の中で出てきた疑問は映画内で解決してほしい。伏線回収をはなから小説に頼りきっているスタンスが理解できない。
他にも風俗やラブホなどを含め性的描写を匂わせるシーンが多々あったのも、それはストーリーに必要な描写?ボケにもネタにもなってないよ?と突っ込みたくなりました。「登場人物への感情移入」と「物語の伏線回収」ができていれば大して気にはしてなかったと思うのですが、あまりに全体の内容が薄いのでその部分が悪目立ちしていました。
音楽や映像に頼ろうとしないで欲しい。私はストーリーの深みを重要視するので、この作品は合わなかったです。ちなみに君の名は。は感動しました。