エリザベス∞エクスペリメントのレビュー・感想・評価
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クローン
去年アマプラで見てたようだけど、内容を思い出せなくて
今年また見てみた。うーん、やはりあまり面白くないので
見ても忘れるレベルだったようだ。クローン系は好きなん
だけどね。あの大金持ちの博士だけど、あっけなくやられ
ましたね。しかも、6体しかない元妻のクローンを殺害す
るのが至福の時間になったとか意味分かんない。あと、ヘ
ンリーは自分のクローンなの?それともほんとの息子?ま
あ、映画上どっちでも特に意味はないと思うけどね。クレ
アの立ち位置もいまいちよく分からなかったな。スーパー
モデルの女優さんの美しさ、かっこよさと、あとは映像の
綺麗さやBGMが良かったことくらいかな。
2回目の鑑賞だったが意外と見所シーンは多い。初鑑賞の「読めない展開...
2回目の鑑賞だったが意外と見所シーンは多い。初鑑賞の「読めない展開」はもう体験出来ないが要所要所ちゃんとハラハラする。
「気になるシーン」でショットガンを撃つ角度が危な過ぎる。「当たった?」→「私に当たったわよ!」となっても良いくらいの盲目ぶっ放しシーンだった。
見ごたえのあるSF
SFというカテゴリにこの作品は入るのだろうかと思うほど、発表されていない科学実験は数多くあるように思う。
クローン技術は明治以前の技術ではないかと思うほど、最近のSNSなどで様々な客観的証拠があげられ、そのピースをはめていくとクローン技術ははるか昔の技術かもしれないと考えてしまう。これは今のところ陰謀論に過ぎないが…
さて、この作品の最後にエリザベスが家を出ていくシーンと、彼女に植え込まれたパターン化された思考回路とそれを無視するように歩く彼女が、自分自身の行動に満足を覚えほほ笑むカットがある。
これは自分の、つまり教育された思い込みとルールから自分自身を変えていく行為であり、誰もができるそのことをあえて取り組んでいる人は、実際にはごくごく少数だと思う。
しかしこれこそが自分の自由意志で行動することであるというのを教えられたように思う。
この作品のテーマがこの「欠如」にあるように思う。登場人物すべてが心的な欠如が動機となっている。
エリザベスに1日一人で過ごさせる試験がある。言いつけを守れるかどうかだ。身体的問題がクリアされ、本物のエリザベスに期待するのは、ヘンリーの言うことを絶対守る女性である必要があった。彼にとっての絶対要件だ。
そしてこのエリザベスが一人で過ごす時間が非常に興味深い。
巨大な屋敷とプール、宝石やドレスや酒類… どれも豪華で普段欲しいと思うものばかりだが、映像ではそれがむなしいものに感じてしまう。
そのむなしさは、ヘンリーがつぶやいた「あの時の歓喜をもう一度味わいたい」という言葉と対比する。
ヘンリーは、失ってしまった歓喜のために、クローンを作り続けていた。
彼が求めたこの喜びこそ人間が求める唯一のもので、そのために様々な出来事や物品によって喜びという感覚を得たいのが、人間の本当の本質だろう。
エリザベスに欠けているのは、喜びを知らない、またはインプットされていないということだ。
そしてそれを本物のエリザベスを作るというたった一つのことでなければ実現しないものと決め込んで実験し続けるヘンリーは、エリザベスの本質である喜びを演出してやれないという、本物のエリザベスを作る上でなくてはならない最大の欠如があったと、私は思った。
それが彼が徐々に異常化した根源だろう。完璧でなければダメなのだ。
ストーリーもこれらの点がうまく描かれ、人間の本質に迫っている。当然プロットもいい。
盲目のオリバーが求めていたのが、自分は誰だということだった。彼はクレアが毎日日記を書いていることを知っていたが、それを読むことはできない。
エリザベスに言い当てられて動揺した。「…幼いエリザベスの体中にキスしていた…」これは、オリバー自身の欲求であり、ヘンリーの遺伝子で作られた自分自身に葛藤し続けていたのだ。
クレアが元科学者で、ヘンリーの実験の協力をしていたという、彼女の日記を使って表現しているのもいいアイデアだ。
ある日クレアは、休み明け屋敷に戻るとそこにいたのがエリザベスだったことに激しく動揺する。それは、彼女によってヘンリーが殺されたことを意味していた。そして心不全まで起こすのだ。彼女が救急車で病院へ行った後、恐ろしい出来事がいくつも発生する。
やがて、誰もいなくなった屋敷に戻ってきたクレア。
ヘンリーからエリザベスによって、そして今度はクレアにバトンが渡された。
クレアは何不自由のないあの屋敷でいったい何をして時間をつぶすのだろう?
最後にSF特有の終わり方をしている点もよかった。
近未来的な設定なのにファッションは70年代
70年代のフランス映画から飛び出してきたかのようなアビー・リー演ずるエリザベス。醜いものから逃げ出すために一目惚れの男と結婚などと、あざといドライブシーンでクローン人間を演ずるSFスリラー。
「この部屋(ハーベスト・ルーム)だけは開けるなよ」ときつく言いつけられていたのに開けてしまうエリザベス。そこで見つけたのは自分とそっくりの女が培養液の中で育てられている姿だった。思わず逃げ出してしまいそうになるが、夫のヘンリーにあっけなく殺されてしまう。ただし、彼女はクローン人間6体のうち4番目のエリザベスだったのだ。こうして再度5番目のエリザベスもまた同じことを繰り返すことになる、といった展開。
しかし5番目のエリザベスは少し賢かったのか、事態は思わぬ方向に進む。元々8歳までの記憶しかないクローンたち。音楽を聴かせたり、本を読んであげたり、追体験を繰り返すというライフワーク。優秀な研究員クレアもそれに協力するが、彼女もまたヘンリーを好きになっていて肉体関係を結んでいた。この辺りの心理描写はよくわからない・・・
ヘンリーと妻のエリザベスにはオリバーという一人息子がいて、クレアとともにヘンリーの研究を手助けしていたが、ヘンリーとのある確執において盲目にされてしまっていた暗い過去もあった。ファッション的にはスタートレックのコスチュームなのだが、これが異彩を放っていた!というより、古臭さの原因はここにあったのではないか。名前も“オリバー”。チンパンジーのオリバー君からつけた名前なのだろうし、70年代感覚満載だ。屋敷内の壁紙も単調でアナクロなのも同様に、死んだ妻の若かりし時代を懐かしんでいたのだろう。
そんな雰囲気をさらに不気味なものにしていたのはデパルマ調だったりリンチ調だったりするカメラワークや色彩感覚。エリザベスが美しいのはわかるが、作られた“モノ”であるが故にヘンリーのサイコ面も開花させていた。愛でることの究極の形が殺害であるという狂気の世界。しかし、5番目のエリザベスにあっけなく返り討ちに遭うことになるのだ。そして、そこからはグダグダな展開へ。
面白い作品にすることもできただろうに、刑事も殺してしまったりするオリバーの心情が読み取れないこと。そして6番目のエリザベスの行動パターンもどこで覚えたものなのか・・・もしかすると教育を受けてないから野蛮さだけを見せていたのか。とにかく終盤にきて読めない展開となるので混乱してしまうのです。その辺りがちょっと残念だった。
quid pro quo
未体験ゾーンの映画たち2019の作品群の中の一作。
青山シアターにてネット鑑賞。
“等価交換”というラテン語であるが、サンドウィッチマン富沢に喩えるならば『何言ってんだかよく分らない』ということだろうw
スーパーモデルが、スタイリッシュなSFサスペンスホラーを自身のプロモーション込みで出演してみました的経緯が透けて見える作品である。それなりにお金が掛かってる感じがするし、まぁ手頃な塩梅といった雰囲気である。
ストーリー設定も、なんとなくどこでも擦られてきたプロットであるクローン人間の自我の芽生えからの反乱モノという流れであるし、編集や映像効果も野暮ったくはなく、外連味のあるショットである。
只それだけである、というか、深みはまるで感じない出来だ。ストーリー的には面白く、サスペンス要素が強い構成も悪くはない。しかし、センテンスの繋がりが薄く、伏線が仕掛けられてないため“後出しジャンケン”の様相を呈している感が拭えない。欧米の映画らしく、ドライな心情描写で淡白なのである。もし今作品を江戸川乱歩調に、もっと情念たっぷりに作ってみたらドラマティックさに彩りが増すのではないかと想うのだが・・・
初めは妻のクローンを造りたかった夫が、段々と失敗作を殺す魅力に取憑かれる内容や、自分の母のクローンなのに愛してしまう盲目の息子、しかし実はその息子も又夫のクローンだという事実、そしてその夫のことを好きになってしまい、愛情と科学本来の好奇心故、禁断の実験に手を貸してしまう女性科学者等、それぞれののっぴきならない不実な関係性が繰広げられているのに、かなり“アメリカン”な仕上がりだから、没入感がゼロなのである。脚色をもっと濃くできていれば、かなり奇妙で興味を掻立てられる作品にできあがっていたことだろうに、かなり残念であった。ラストシーンのフクロウの絵を持って家から出る件も“蛇足”な結末かなぁと感じた次第。
鏡越しのダンス
クローンであるエリザベス、おぞましい結婚とその顛末。
冒頭から美の押し付けがものすごい。
自然の中に佇む無機質な豪邸、美しい新婦、歳は重ねているが精悍な男、使用人も誂えたように隙が無く、そのビジュアルだけで観ていて楽しい。
それがだんだん歪み崩れ、裏が見えてくる瞬間は何より気持ち良い。
入ってはいけない部屋。そんな言い方したら入ってしまうに決まってるじゃない。
ジワジワと気持ち悪くなってきたと思ったら、どんどん新しいことが起きて予想外に多方向に発展し執拗に責め立てられる。
ヘンリーとエリザベスの二人に焦点を当てるだけでなく、それまでフワッと置いておかれていたことも拾い掘り下げてくれるので、浮かぶ疑問も解決されるし痒いところに手が届くようなつくりだった。
裏切り裏切られの繰り返しも、闇の深過ぎる真実もドキドキが止まらない。
刃物や銃器を持つ人が皆んなレトロな殺人鬼のような構えなのが可愛くて好き。
オリバーの目が見えるかどうか試す時の手付きが好き。
主演のアビー・リー・カーショウの非現実的な造形美をこれでもかと見せつけるカットの連発が印象的。
最初は彼女の美貌に頼っているようないやらしさも少し感じたけど、いや最高。
ぽーっと呆けた表情も、鏡越しのダンスもキスも、焦り恐怖に歪む姿も素敵だった。何しても画になる人。
エリザベスの演じ分けも良かった。
途中から展開が読めず引き込まれた
予告編を見て、マッドサイエンティストがクローン人間をサディスティックに追い詰めるホラーテイストの映画だと思ってました。それが、自分の予想を裏切る事態が発生してからは、頭の中が良い意味で混乱状態になってしまい、最後まで目が離せない展開だった。
音も効果的に使われていて、意外と佳作だった。
軟禁
若い女性クローン、エリザベスがその事実を知らずに自身を作ったノーベル賞を受賞している中年男性、ヘンリーと結婚し、自分が何者かを知ってしまい巻き起こる話。
人里離れた豪邸で、使用人の女性と盲目の青年と暮らし始めるエリザベス。主人の留守に入室を禁止されている部屋に入りクローンをみてしまうというストーリー。
何でこうしないんだとか、そりゃあ繰り返すだろうという始まりから、そういう感じの作品とは思わなかったところに、唐突にサーベルを持ち出しスプラッターな流れだったり、そこからの展開や背景がなかなかサスペンスフル。
まどろっこしさはあるものの、そこそこドロドロしていたり大胆な行動をみせてくれたりと面白かった。
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