「幸せとは何かを伝える作品」イエスタデイ movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せとは何かを伝える作品
事故にあった12秒の間に、周りはビートルズやコカコーラやハリーポッターの記憶がなくなり、自分しかビートルズを知らないと気付いたジャックマリク。
記憶が曖昧な歌詞をどうにか思い出したり繋げながら人前で歌うと、誰もビートルズを知らないのに、曲が良いとどんどんスターダムにのし上げられていく。
曲にまつわるエピソードもよく知らなければ、人前で曲について何かを語った事すらないにもかかわらず。
音楽をよく知らない人でも、良いものは良いとわかる。それはビートルズにとって最高の栄誉だろうなぁ。
好きな子に好きと言えぬまま故郷を出て右も左もわからぬまま行脚へ。そしてデボラというお金が全てのマネージャーにマネジメントされる。
困惑の中で歌う、HELP。
脚本そのものの構成は、伏線なども特になく、ただただビートルズの曲を盛り込むためなのだが、だからこそ際立つ楽曲の歌詞がとても良かった。
素人感漂うジャックマリクの戸惑いや後悔の表情も人間らしくて良かった。
そして、ジャックマリクに近付き度々チャンスをくれるエドシーランもビートルズの曲が大好きなのだろうなぁ。
一途に20年間ジャックマリクに尽くしてきて、誰よりも愛しているのに誰よりも愛されているのかわからなくなり、離れたエリー。
エリーがいる生活が当たり前すぎて、しかも奥手で、大事なことほど言えないまま手放してしまったジャックマリク。
しかしジョンレノンのお陰で、大切な人と好きなものを大切に生きることこそ素晴らしい人生なんだと気付く。
富も名誉も得て、何が大切か比べる事ができてもなお、やはり1番大切なのは愛する人との時間。
それをシンプルに伝える作品だった。
ただ、、両親含めインド系で、ジャックなんて名前はありえない。マリクもゼインマリクから取ったのかもしれないが、中東系の名前。盗作に近い状況を主人公にさせるからこそ、白人ではない有色人種を使ったのかなぁ?
それはビートルズの概念には反するし、なんだかなぁでした。