劇場公開日 2019年10月11日

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イエスタデイ : 映画評論・批評

2019年10月1日更新

2019年10月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにてロードショー

コメディ、ロマンス・・・カーティス&ボイルらしい「ビートルズへのラブレター」

もしあなたが<他はほぼすべて同じなのに、ビートルズが存在しない世界>に突然迷い込んでしまったとしたら一体どうする?

ビートルズがなぜ誕生しなかったのかを探求してみる? それとも「自分が生まれ育った世界ではこんな凄いバンドがいたんだ!」と情報を広めようとする? 本作「イエスタデイ」の主人公ジャックは、考えられるうち最もゲスい行動をとる。そう、「イエスタデイ」や「ヘルプ!」「サムシング」といったビートルズ・ナンバーを自作曲と偽ってロックスターになろうとするのだ。

前半はジャックが歌うビートルズ・ナンバーを聴いて、驚く人々のリアクションがコメディ・タッチで描かれる。中でも重要な役割を果たすのが本人役で登場するエド・シーラン(あちらの世界でも彼はスーパースターなのだ)。「いつか僕を追い越す天才が現れるとは思っていたけど君だったとは……」とジャックを尊敬の眼差しでみつめる姿には思わず笑わずにはいられない。

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しかしスターダムへの階段を駆け上がるうちにジャックの心境に変化が生まれていく。後半は、生まれ育った世界と迷い込んだ世界のどちらでも彼をサポートし続けてきた幼馴染エリーとのロマンスにスポットが当てられる。

ファンが熱狂する様子やルーフトップ・コンサートなど、ビートルズ・ファンをにやりとさせるトリビアを散りばめたストーリーを書いたのは「ラブ・アクチュアリー」や「パイレーツ・ロック」の脚本家リチャード・カーティス。それを「トレインスポッティング」のダニー・ボイルが映像化したことで、ビートルズへのラブレターのような音楽映画に仕上がった。

主人公ジャックを演じ、歌はもちろんギターやピアノの腕前も披露するヒメーシュ・パテルは、シットコム「East Enders」でブレイクしたコメディ俳優。インド系であることに多民族国家イギリスの今を感じさせる。それにしてもエリーを演じたリリー・ジェームズ、「ベイビー・ドライバー」といい、音楽オタクを傍らで見守る姿が本当によく似合う!

長谷川町蔵

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