劇場公開日 2019年10月11日

イエスタデイ : 特集

2019年10月7日更新

ダニー・ボイル×リチャード・カーティス この組み合わせ、もう良作確定
もしもビートルズが存在しなかったら、世界はどうなる? ありえないけど、
至福の物語 すでに話題沸騰の、“絶対見るべき”注目作――!

映画ファンが泣いて喜びそうな“至福のタッグ”が成立した。「トレインスポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督がメガホンをとり、「ラブ・アクチュアリー」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」のリチャード・カーティスが脚本を手掛けた「イエスタデイ」が、10月11日に全国で封切られる。

2人の“独創的な天才”が紡いだのは、「もしも『ザ・ビートルズ』がこの世に存在しなかったら……」。想像と期待で胸が膨らむこの物語は、日本公開決定前から話題を集めていた。「絶対に見るべき」と、自信をもって断言できる一作だ。


「ザ・ビートルズ」が“存在しない世界”って、どういうこと?
もし自分だけがビートルズを知っていたら…例えば“こんなこと”が起こる!

鳴かず飛ばずのシンガーソングライター、ジャック(ヒメーシュ・パテル)は、“音楽で売れる”という夢をすっぱり諦めることにした。その瞬間、世界中が12秒間、停電する。余波を受け交通事故にあってしまったジャックが目を覚ますと、そこは史上最も有名な英バンド、ビートルズが存在しない世界になっていた――! しかし、なぜか自分だけがビートルズを知っている。戸惑いながらも、ジャックは彼らの名曲を口ずさんでみる……。

本作の面白さは、ユニークな設定から始まる“騒動”にある。ビートルズがいない世界では、どういうことが起こるのか。その一部を紹介しよう。

・「イエスタデイ」など超有名曲を歌うと…

ジャックは幼なじみの親友エリー(リリー・ジェームズ)ら友人たちに、「イエスタデイ」を弾き語ってみる。すると、彼女らは雷に打たれたような、傑作の誕生を目撃したような表情を浮かべる。

「何その歌? 素敵な曲ね」「ビートルズだって? 誰だよ」「そんなマイナーバンド、みんなが知っていると思うなよ」。全員、ビートルズを知らないのだ――。

その後、ジャックは「レット・イット・ビー」「抱きしめたい」「イン・マイ・ライフ」などを、自分の曲としてライブで歌う。あれよあれよと世界中で人気が爆発し、ついにはエド・シーラン(本人役でがっつり出演!)すらも“彼の才能”に完全降伏。ジャックは歌詞とメロディを必死に思い出しながら、“ビートルズを知らない世界”に楽曲を発表し続ける。


・「The Beatles」とGoogleで検索すると…

表示されるのは「甲虫(beetle)」のWikipedia記事。え、嘘だろ、じゃあポール・マッカートニーは? なぜか「ヨハネ・パウロ二世」しかヒットしない。本当に、この世界には存在しないんだ……。絶句するジャックの姿が、おかしくてたまらない。


・ということは、連鎖的に“あのバンド”も…

ジャックは検索ボックスに、思いつく限りのアーティストを打ち込んでいく。デビッド・ボウイは存在している。しかし、ビートルズに強く影響を受けている「オアシス」はいない。ほかにも、さまざまなものが消えてなくなっていて……。豊かなユーモアを湛えた物語が、絶えず観客を“良作を見る喜び”で包み込んでくれる。


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大好きなクリエイターである、ボイル監督&カーティスが紡ぐ本編の上映が始まった瞬間、なぜだか悲しさがこみあげてきてしまった。“始まった”ということは、これから“終わってしまうこと”を経験するからだ。完璧な、一分の隙もない“ボイル監督&カーティスファン好みの世界”が、スクリーンの向こうに広がっている。多幸感に浸る一方、時間を追うごとに「終わらないでくれ。ずっと続いてくれ」という思いが強まっていった。

ボイル監督のスタイリッシュでどこかデカダンスな画作りと、カーティスのチャーミングなユーモアとうっとりするような筋書き。2人の良さは、これまでの作品と同じように発揮されている。そして、これまでのどんな作品よりも、とびきりハッピーな気分にさせてくれる。

観客のいろいろな感情に訴えるこの“人間ドラマ”はどこまでも懐が深く、受け取るメッセージやテーマは鑑賞者によって大きく異なるだろう。例えば「実力以上に評価されてしまうことの苦悩」であったり、「人は何を拠り所に生きるべきか」であったりとさまざまだ。どう感じたのか、パートナーや友だちと語り合うことも、作品の一部であるとさえ思えてくる。

また、音楽は実際にキャストとバンドにライブ演奏させ、それをそのまま撮影&録音している。だからこそ、名曲の数々はまるで生き物のような生命力を新たに宿し、珠玉の物語と混ざり合い、観客の鼓膜と脳髄を刺激するのだ。

物語、音楽、高揚感……。「ボヘミアン・ラプソディ」のように、コアファンからライトファンへと評判が伝わり、予想だにしないヒットを飛ばすことも夢ではない。自然とそう思った。


マスコミの間で、すでに“ムーブメント”に! 試写開始1時間前でも
満席のため鑑賞できず… “注目度”がとてつもない!

日本公開決定前から、マスコミの間で話題騒然となっていた本作。ボイル監督とカーティスのタッグは、その字面だけで「本編を見るまで死ねない」と思わせるからだ。そんな“まばゆいほどの輝き”に当てられた業界人たちが、はち切れそうなほど膨らんだ期待を携え、ある“ムーブメント”を巻き起こしていた――。

・マスコミ試写では、会場の外まで続く長蛇の列

映画.comの編集者が試写に行ってみると、満席のため鑑賞することができなかった。開始1時間前にもかかわらず……。会場の外まで長蛇の列が続いており、行列には各メディア関係者、さらには俳優や作家、ミュージシャンら“有名人”の姿も多く見られた。その日は出直し、後日再チャレンジし(1時間30分前に行ってようやく)鑑賞することができたが、想像をはるかに上回る注目度を思い知らされた。


・ライブシーンでは、観客の体がリズムに乗って揺れる

本編にふんだんに盛り込まれたライブシーンが披露される間、編集者は試写室で起こる“現象”を目撃していた。多くの観客の体が、リズムに合わせて揺れているのだ。この現象、過去には「ボヘミアン・ラプソディ」「グレイテスト・ショーマン」などでも見られただけに、本作の高揚感は“折り紙付き”と言えるだろう。


・鑑賞後、すぐに音楽に浸りたくなる

“思い出”をよみがえらせる数々の名曲がのべつ幕なしに押し寄せるため、鑑賞後、すぐさま音楽に浸りたくなる。帰り道、ビートルズの楽曲を聞きながら電車に揺られる時間は、映画体験を一層きらめかせた。

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