ガルヴェストン

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ガルヴェストン
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解説

「イングロリアス・バスターズ」「グランド・イリュージョン」などハリウッド大作でも活躍するフランスの女優メラニー・ロランがメガホンを取り、「TRUE DETECTIVE」の脚本家ニック・ピゾラットの小説デビュー作「逃亡のガルヴェストン」を映画化。「マレフィセント」「ネオン・デーモン」のエル・ファニングと、「疑惑のチャンピオン」「最後の追跡」のベン・フォスターが共演し、組織に追われる余命いくばくもない男と孤独な少女の逃避行を描いた。裏社会で生きてきたロイはある日、末期ガンと診断され、余命宣告を受ける。その夜、いつものようにボスに命じられて向かった仕事先で何者かの襲撃を受け、自分が組織から切り捨てられたことを悟ったロイは、とっさに相手を撃ち殺し、その場に捕らわれていた少女を連れて逃亡する。少女はロッキーと名乗り、行く当てもなく身体を売って生活していたという。ともに深い傷を抱えた2人は、果てしない逃避行に出るが……。

2018年製作/94分/PG12/アメリカ
原題:Galveston
配給:クロックワークス

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COPYLIGHT 2018 EMERALD SHORES LLC - ALL RIGHTS RESERVED

映画レビュー

4.0仏の才女メラニー・ロランが米犯罪映画の定型から抽出した妙味

2019年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

第二次大戦中に製作された米犯罪映画を「フィルム・ノワール」とカテゴライズしたのは仏映画業界の人だった。フランス人は米映画への独特な批評眼を持つのか――メラニー・ロランが監督として米脚本家・作家ニック・ピゾラットの原作を映画化した本作を観て、そんなことを思う。

非情な裏社会、乾いた暴力、絶望的な逃避行、破滅の予感…。アメリカンニューシネマを経た米犯罪映画の定型をなぞる話だが、人物描写、ビーチの場面での印象的な映像、余韻を残すラストなど、フランス人でしかも女性の監督であるロランが、敢えて起用した製作者たちの期待に応え特別な味を引き出した。ピゾラットの脚本がロランによる大幅な改稿のため偽名の名義になったが、彼女が自分を貫く姿勢も格好良い。

エル・ファニングとベン・フォスターもかつてないほど役作りに集中できたのでは。2人の演技をいつまでも見ていたいと思わせる…それが叶わないとわかっていても。

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共感した! (共感した人 2 件)
高森 郁哉

3.5女優でもあるロラン監督が二人の俳優の旨味を誠心誠意、引き出した一作

2019年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

驚くほどシンプルだし、捻りのない映画だ。最後に訪れる運命もある程度は予測がつく。観る人によっては凡作として切り捨てる可能性も大だ。だが、このありふれた設定や土壌が、あらゆる無駄なものをそぎ落とし、二人の俳優としての魅力をかつてないほど香り立たせることに繋がった。

ベン・フォスターとエル・ファニング。二人とも普段の出演作ではあまり喋らず、空気感に多くを託するタイプにも思えるが、さすが女優メラニー・ロランがメガホンを取っているだけあり、彼らの俳優としての旨味を、同業者の彼女が彼女にしかなしえないやり方で巧みに焙煎し、抽出している。

また、ロランにこのようなハードボイルドや長回しのアクションが撮れるとは恐れ入った。全てが成功しているわけではないし、本作の製作規模もそれほど大きいわけではないが、しかしその中で彼女なりの精一杯の「答え」が導き出されている。しっとりとしたラストの余韻もたまらない。

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牛津厚信

4.0このクソみたいな人生

kossyさん
2021年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 1988年、ニューオリンズ。裏社会で生きてきたロイは、診療所で白いモヤのかかった肺のレントゲン写真を見せられる。咳ばかりしてるし、血痰もある。完全に肺ガンだと思い込んだロイは自暴自棄になり、いつもの仕事を頼まれるが、そこで何者かに襲われ、反撃して相手を殺してしまう。そして拘束された少女ロッキーと出会う。

 テキサス州オレンジ郡から来たというロッキーは金は一銭も持たない。とりあえず逃げることを選択した二人だったが、彼女は実家に立ち寄って衣服を持ってくると言う。そこで銃声。ロッキーは3歳の少女を一緒に連れてきて、仕方なく懐かしのガルヴェストンのモーテルまでやって来る。

 ロイもロッキーも人を殺して逃亡しているという悪の共通項によって縛られている。しかしロッキーはまだ19歳。身を売って生計を立てると言うが、「人生は何度もやり直せる」と諭す40歳のロイ。3歳のティファニーは妹だと言ってるが、ロイにとってはどうでもいいことだ。ただ、二人に海を見せてやりたい。それだけの関係・・・

 途中、腐った野郎に強盗に誘われるが、最終的には殺してしまったロイ。クソみたいな人生だったけど、ロッキーだけには幸せになってもらいたいと願い、雇い主を脅迫しようと思い立ったが・・・という展開だ。

 厭世的なロイと、彼についていこうとする少女。そして幼い子を大切にするモーテルの優しい住人たち。彼は人生に何かを残せるのか?と、最悪の展開を見せながら、その後の人生がまた渋い。

 生かされてしまった20年。このまま贖罪だけで終わるのかと思いきや、あの時の3歳のティファニーが大人になって彼のもとを訪ねてくる。もう涙なしでは見られない真実。そういえば、アメリカ南部であってもかなり気候の違う都市が描かれ、彼らの心をそのまま表しているかのようだった。残りの人生を価値あるものにできるのか・・・自分に置き換えて見てしまい、どこかで善行を積まねばと、ちょっとだけ希望を与えてくれる作品でした。

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共感した! (共感した人 7 件)
kossy

4.0逃避行のロードムービーを、何とも心地良く仕上げている。

アルさん
2021年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

良い意味でシンプル、大きな伏線や起承転結はほぼ無い。''追われる''というより''逃げる''事にフォーカスを当てた視点が新鮮で、追手はほとんど登場しない。

その進展のみで''緩急''を表現しており、特筆すべきは逃亡シーンが''緩''、日常シーンが''急''というのが面白い。

ありがちな銃撃戦やカーチェイス、、、はほとんど無い。身を隠しつつ新しい生活を模索し、日常という小さな幸せを渇望する。その人間関係とギクシャクした愛情、何気ない日常の脚本が絶妙で、単純な内容を心地良いサスペンスにして90分に纏めている。

『人生を悲観してしまう』とはこういう事なのだろうと思いながら、主人公ロイ役ベン・フォスターに自分を重ねてしまった。
そして酷い境遇のヒロイン、ロッキーに出逢うのだが、このエル・ファニングの物凄いナチュラルな迫真の演技に魅了された。

明らかにバッドエンドを想像してしまうストーリー展開にも拘らず、ラストのロイ、ロッキーの描写に心を癒された。いや、もしかしたら心を救われたのかも知れない。
最後の衝撃の告白を是非。

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アル
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