新聞記者のレビュー・感想・評価
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日本の映画界に希望がもてる映画
日本アカデミー賞でこの作品を知りました。
日本でこのような作品が評価される日が遂に来たんだ。
この映画をつくった監督は尊いです。
映画で人を変えることができると思っています。
「これは映画だけの話じゃないんのではないか?」
映画を見終わった後に、日本の報道の在り方に疑問をもつことができます。
やがては世の中を動かすきっかけに繋がるとも期待することもできる映画でした。
ひどい政治状況の今この映画を作ったことに敬意を表したい。
この映画が日本アカデミー賞を取ったので初めて見ました。
新聞広告は見ていたのですが、読みもしないで写真だけ見て、西山事件?ずいぶん古い話をやるな~と思っただけでスルーしていました。
真面目に考えれば沖縄返還の頃の政府の密約を新聞記者がすっぱ抜いた話なんか今頃やるわけないのに、迂闊でした。
明らかに現政権を批判していて、映画としても見応えがありました。全体的に押さえたトーンで、大声でわざとらしく騒ぎ立てることもなく、静かに、でもドラマは深く進んでいくのが良かったです。それが役柄のリアリティを増していたと思います。
そして、この映画に今年のアカデミー賞を贈った日本映画界にも敬意を表したいと思います。こんな映画がきちんと評価されて良かったです。
人ごと、じゃない。
新型コロナの影響か、映画館もスカスカ。Amazon primeでも観れるようです。
この映画を観て驚いた翌日、期せずして現実にA氏の遺書を奥様が公開された。すごい勇気に敬意を表し、一人でも多くの方に観てほしいです。
日本人として今、起こっている「不都合な真実」?について、まず考えねばという慄き。安倍さん、コロナに、オリンピックに、財政危機に、この加計&森友問題、どどうする???
映画は過度な脚色無く、淡々と事実を布石に、進んでいきます。映画にもS氏のような、冷ややかで、目をつけられたら何されるかわからない上長が出てきます。人を恐怖で縛る。慣れてますね、ずっとこういう風に生きて来たんでしょうね。政権を維持する、ということに忠実なシモベ。信じて疑わず。部下の弱み掴んで事実捏造など、むしろ嬉々として進んで指示。
かつてナチスドイツの過ちも、ヒトラーだけの仕業ではなく、アイヒマンという人間がいました。なぜ権力構造にはこうした良心の呵責に苦しまない、ロボットのような任務遂行完璧主義者が現れるのでしょうか。
人間の心を持つ人の方が、そりゃあ弱いです。負けますよ。残酷な方が勝つに決まっている。だからこういう人に権力を与えてはいけない。
でも、そういうアイヒマンを見抜くのは、何故だかとても難しい。どんな組織にもいる。良心じゃなく体制
に忠実、罪悪感ゼロ。当然、指摘されても反省皆無。心の防衛、完璧ですね。無敵。
こういう人ははじめはあまり特徴無さそうな目立たない存在です。でも小さなきっかけから人が面倒がることを引き受け、取り立ててもらい、上手いこと着実に地位を得ていく。
そう、この手の人に面倒なことは全部やって貰おうと地位や権力を与え依存する側、また大義もない権力を行使されても服従に甘んじる人々にも、責任の一端があります。モンスターに育ててしまうのは、私たち全員に責任があると思います。
忙しいから面倒には関わらないでおこうとか、鈍さにかまけて何も気付かないと無責任を決め込まず、日常レベルで面倒でも心がけるしかない。
職場や家庭でおかしなことがスルーされた時。
自由や正義が小さく侵害される瞬間に。
「え、嫌です」とか。
「ん?何かヘンですよね?」って。
小さく、勇気発動しておく。
もちろん、「いちいちたてつかず言うこと聞いてればいいんだよ」とか、女子なら「気が強いよね」「協調性ない」「コミュ力ない」「素直じゃない」「可愛くない」とか陰に陽に言われるでしょう。でもせめて、おかしいと気付いている意思表示をせねば。
でないと、あーもう面倒、まいっか、ほっとこう、が蔓延し、そしてズルズルと大きな不正もその延長で「仕方ないし」となる。
自分含め凡夫の、毎日の闘いですね。小さな勇気。小さな面倒との。積み重ねしかない。みんなの責任ですから、結局は。
そして何より、死んではいけない。
死なせてもいけない。命より大事なものはない。
だから、辛過ぎる時は、いったん逃げて。自らの心身を守る。命、優先。命、ファーストです。
家族や命同然の大事なものもあるだろう。
大事なものが組織、会社、偉い人、プライド、ってこともあろう。だけど、命を捨ててまで守らなきゃいけないものなど、ない。
生きて、吐き出してください。暴露は裏切りじゃなく、よっぽど正義だ。弱くない。むしろ強い。いや、強かろうが弱かろうがそんなのどっちでもいい。助けも求めていい。勇気要ると思うけど。死ぬくらいなら、なんでもダメ元で。
でもそれって、信頼できる世の中という前提で出来ること。「そうしても大丈夫ですよ」と言ってあげられる世の中を保たないと。せめて凡夫のひとりとして。
助け舟を出した方も割食ったり、職を失ったり、損するかもしれないけれど...
社会的成功と、しあわせは別物。
自分で自分のこと、嫌いになってしまうような生き方をしてはいけない。病みますから。「病み」は「闇」。
生きてさえいれば、官僚じゃなくても記者じゃなくても別の仕事についたって良いじゃないか。
どんな仕事でも、働けさえすれば食べていける。社会に役立つことはできる。自分に言い聞かせています。
ちょっと熱が足りなかったかも
いまさらレビューします。
日本アカデミーおめでとうございます。
圧力かかり放題、テレビ局で番宣もできない中、快挙ともとれます。しかし内容は温いし、藤井監督が断り切れず作成した熱を感じない淡々とした陰鬱な作品に仕上がってしまった。ただ当初あまり得をしないと思えるこの作品に主演した松坂桃李には頭が下がるし、ここ数年の大車輪の活躍は凄いの一言です。シムウンギョンについてはよく頑張ったけど、この役はちゃんと日本人の女優をキャスティングして欲しかった。
ちょいちょい前川喜平やら渦中の実人物を挟んできたりして見る側をマインドコントロールしているようなきらいも見受けられる。大学新設も生物兵器を作るためというオチ?もオイオイと突っ込みを入れたくなりました。
今回この作品が日本アカデミー賞とったことで賛否あろうが圧力かかろうが果敢にチャレンジするプロデューサーや監督が増えて来れば日本でも優秀な社会派作品が増えていくのではないでしょうか。期待します。
スクリーンで見てよかった
正義を貫くか
日本アカデミー賞最優秀作品賞と2人の最優秀主演賞を取った話題作なので、鑑賞。
松坂桃李演じる外務省官僚の杉原は内閣調査室に出向しているエリート。身篭った妻がいて、暮らしぶりは良さそうだ。
シムウンギョン演じる吉岡は毎朝新聞に勤める記者で正義感が強い。吉岡の父もまた記者であったが自殺している。序盤、日本語のイントネーションがおかしいので疑問に感じてたが、母親が韓国人で就職するまでアメリカで暮らしてた設定なので本編で解消した。
話はシンプル。ある時、毎朝新聞に匿名で資料が届く。差出人は杉原の元上司となる神崎で、資料の内容は政府がウィルス研究の為の大学を創設するというもの。その後、神崎は投身自殺する。神崎の死を無駄にしたくない杉原と、資料を調査している吉岡が結びつき、政府の大学創設の目的がウィルス研究ではなく、軍事転用であることを暴く。吉岡の毎朝新聞はこれを一面で報じるが、当然政府は反対する。記者にとって誤報は命取りとなる。政府が反対したら実名を出して構わないと言っていた杉原だが、許可を取りに来た吉岡と道路を挟んで対面し何かを言って物語は終わる。
最後、なんと言ったのか?
自身の生活を守るのか?、それとも国を守るのか?(その為には情報をコントロールすることもある)
杉原は妻が出産し子供を抱くと思わず「ゴメン」と呟いた。自分が政府の悪事を暴くことで被られる不利益によって、家族が不幸になることが分かっているからだ。最後に上司から「取り消すことは恥ずかしいことではない」と告げられ(台詞は正確ではなく、こんなことを言ってた)、今なら自身の生活を守ることが出来る。葛藤した杉原はどちらを選択したのだろうか?口の動きは「ゴメン」とは言ってなかった。しかし、なんと言っていたかは分からない。
その他感想は以下。
杉原の葛藤は、あれだけ正義を貫こうとしていたにもかかわらず、上司と接して迷うなんて優柔不断過ぎでは?ちょっと共感出来ないなぁ、、葛藤を描きたいならもっと苦悩して欲しいし時間を掛けて欲しい。だから⭐の数は4が限界。
シムウンギョンの演技は良かったと思う。最優秀主演女優賞を韓国人が取ったことで非常に気になってたけど、素晴らしいと思った。
報道番組が度々流れるんだけど背景が新聞なので、ダサいと思った。これで視聴率を取れるのか?
吉岡と杉原の話が展開していき、中盤で出会って話が進んでいくところは、村上春樹ぽさ(海辺のカフカや1984)を感じた。
杉原の職場の明かりの少なさ。あれでは目が悪くなる。DELLが目立つ。パソコンでTwitterをしている。内閣調査室の人達がTwitterで情報操作してる。こんな地味な活動してるの?
毎朝新聞社のオフィスがリアルなので、作り物だとしたら制作スタッフも結構大変だなぁと感じた。
新聞を印刷して投函するまでの映像は必要なかったかな。全自動で出来るのは凄いとは思ったけども、時間の無駄かなと思う。
コロナ閉館明けのイオンシネマにて
アンコール上映
ガラガラですわ!
今みるとコロナも実話?
日本の女優になり手がなくて
しがらみのないシムウンジョンが演じたらしい。
彼女は、可愛いね。
松坂桃李も頑張ってる。
岡山天音もいいね。
本田翼は、イマイチやわ。
アカデミー賞?どうかしている!!
作品賞に最優秀女優賞???信じられないというか冗談だろう。みんなどうかしている。ただ、扱っているテーマに注目しただけで、中身は問わない感じだ。作品のクオリティを競い合うという最低限の規範もなくて、何がアカデミーだろう。本当に日本映画は腐っている。体制と反体制、権力と市民のような対立軸に対しての映画的戦略がゼロに等しい。新聞記者の良心も、今や復讐的な個人のモチベーションに矮小化されている日本のヘタレ感ばかりが目につく。本当に描きたいものは何だ?と問うてましな答えが帰ってくる気がしない。怒りも情熱も叫びも製作者のギリギリの慟哭も、何にも感じられない。映画の程をなしてない。これをみて震え上がる当事者は1人もいないと断言できる。
「田中哲司さん非常にいい」
素晴らしい
本田翼さん演じる妻と子の温かい雰囲気が夫の職場の緊張感を引き立たせている。
エンドも秀逸。無理にハッピーエンドにも、バットエンドにも転ばせない、モヤモヤ感を残す魅せ方が素晴らしい。
唯一の心残りはスクリーンに若者の姿が少なかった事。
幅広い年代に届いて欲しい映画だ。
うん、まぁ…
社会に不安を感じる「今」だからこそ観るべき映画!
弱さではなく強さの自殺
個人評価:3.5
社会派映画だとは思うが、真相がウィルス兵器なのでリアリティは薄く、よくあるエンタメ系サスペンス映画になっているのが残念。
正義と真実を追う記者と、エリート官僚の正義と人間の弱さの葛藤を対比させ描く。いい作品ではあったが、日本アカデミー作品賞を取る程の、深みのある内容とテーマでは無いと感じる。もう少し自殺をした真意。家族を捨て死んでいく事への理由。弱さではなく、正義への強さ、人間らしさを守り死んでいく価値観を掘り下げてほしかった。
映画として楽しめた!
今日は初恋を観に
いつもいく映画館でやってなかった為、少し足を運んでいった先で、新聞記者が上映でされていて!!
アカデミー賞効果ですね
良かった映画館で観れた!レンタルしかないと諦めていたから。
評判見て政治的意図が働いて上映できないとか左よりやら書かれてたので、もっと告発的な物を想像していましたけど
映画として良く出来ている内容かなぁと
みなさんが思っているほど政治的な意図は深く感じられず。
結局の所はどうなんでしょうね?
でも実際の政治の世界ではよくあることなんじゃないかな?とおもいます。
松坂桃李くん、去年に続いてのアカデミー嬢でしたね!
今日の助演はありかと思ったけど、今回の主演はGacktでも良かったんじゃないか?と思ってしまいました。
まだアルキメデス見てないので菅田将暉の評価は出来ません。
商業新聞の意義と限界、そして『救い』
独立系の製作で、大手資本の配給。
実際の現政権の一スキャンダルをモチーフにした内容。
第43回日本アカデミー賞2020、最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞受賞。
その他、監督賞、脚本賞、編集賞、ノミネート。
先日の日本アカデミー賞では、シム・ウンギョンさんの受賞がハイライトであった。スピーチで涙にくれる彼女を見て、こちらももらい泣きの感動をいただいた。
そして、見逃していたその作品を、ぜひ観たいと思った。
イオンシネマでのアンコール上映を訪れると、200余りの座席に、4~5名の観客。
昨日は、新型感染症の特措法成立を受けた現首相の会見があった。
この作品が、日本アカデミー賞の主要3部門を受賞した理由を考えながらの鑑賞だった。
あらすじは、国民の側であろうとする商業新聞の女性記者と、政権の安定を図る内調〈内閣情報調査室〉に属するエリート官僚が、権力の闇を世に問わんとする硬派な内容。
あれ、これは現政権下でつい最近まで国会を空転させていたスキャンダルではないか。この作品が公開された時、まだ延々と公費の無駄遣いが国会で繰り広げられていたのではなかったか?
という位、旬なテーマであり、それは一部悪役とされた者々の起訴という幕引きが計られているが、未だに決着をみていない。
現政権に対する反権的な要素により、違った覚悟を持って撮影に臨んだであろうスタッフ、キャストの皆さんの仕事は、緊張感のある、やはり素晴らしいものだった。
おちゃらけた遊びは微塵もなく、新聞記者吉岡エリカが夢の中で、やはり新聞記者だった父の誤報を悔いた自死とされた亡骸を前にして泣き崩れる場面や、妻子を人質に囚われた構図の中、正義と保身の狭間で憔悴し、中央官庁街路を挟んで、エリカに向かって『ゴメン』と唇を震わす場面は、胸に来るものがあった。
モノトーンを基調とした内調のシーンと、街路樹の黄葉やスクーターが刷りたての新聞を配り行く街並み等の日常風景の色調の対比により、国家権力の営みと庶民の日々の営みとの解離が強調され、なんとも言えない抑圧感が漂う。
印象的だったのは、国家的スクープ記事が一面に踊る新聞が輪転機から高速で生み出される場面、そしてそれが間も無く、家庭、コンビニ、街売り、と社会に拡がっていく様だ。
近年、インターネットでミニマムな情報が社会に瞬時に行き渡る社会に変貌している中で、精査や選別、さらには造られた情報が均一に発信されるマスコミという形態の意義を感じるとともに、それらのほとんどは見えない大きな力によって操作されているという限界も突きつけられる。
さて、この作品がなぜ日本アカデミー賞の評価を得たのかという問いであるが、その答えは『救い』なのではないか。
国家権力の中にも、国民を守りたいと願う個が存在する事。
神崎が最期に杉原に送った手紙が、検閲されることなくダイレクトメールに混じって配達されている社会。
権力の犠牲となった父の死を乗り越え、自分を信じ疑いながら父と同じ新聞記者を志す吉岡エリカの矜持。
それらをリアリティーありきで演じ切った二人の主役。
そして、現政権の中で現政権のスキャンダルを映画に作り公開できるこの国の在り方。
それらに『救い』を見い出したが故の、日本アカデミー賞の評価だったように思う。
日本人で新聞記者の父と韓国人の母の間に生まれ、米国で育ち、父の遺志を継いで真実を追い求める新聞記者役を、自身のアイデンティティーを基に才能豊かに演じたシム・ウンギョンさんと彼女を輩した韓国の皆さんに、心からの祝福をお贈りします。
メディアと人生と
アカデミー賞受賞おめでとう!ということで、見ていなかったので見てきました。
メディアの世界が実際こうなのかはわかりませんが、深くて、とても怖い世界ですね。自分の目に見えるもの、供給されている情報も、なにが真実でなにが間違いなのか。間違いと言われていることも、それもまた間違いかもしれない。情報が溢れかえる世の中で、だまされずにというか踊らされずに過ごすのはすごく難しく、自分の感覚や感情を信じるしかない事もあるのかなと思います。
こんな大きな権力との戦いとの話とはずれますが、やはり自分の信念ややりたいことと反する仕事を仕方なくやるというのは、少なからず直面することで、その苦悩が伝わってくる映画でした。信念だけでは生きていけない。大切なものを守れない。この映画の本田翼は、自分が大変な中でも忙しく苦悩してる松坂桃李に優しく寄り添うかんじで、守るべき家族、大切なものの象徴という感じで非常に愛おしく見えました。実際にお産の時に旦那にあんなに優しくできるというのはリアリティとしては。。ではありますが、笑。
シムウンギョンは眼に力があって迫力があり、素敵な表情をしていました。ちょっとこの映画だけでは実力のほどを判断しきれなかったので、また出演作を見てみたいなと思います。
すごくストーリーに重みがあるので、この作品でアカデミー賞獲れたのは関係者のみなさん嬉しかっただろうなと思います。主演賞のお2人含め、おめでとうございました!
この手の作品は過去にもあったが
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