新聞記者のレビュー・感想・評価
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揺れる松坂の心理は見もの!
この映画は淡々と展開されるので間延びするようなところがあるが、最終に近い緊迫のシーンからは手に汗をにぎります。
国の不正を暴くか、目を瞑るか、その揺れる心理が表情だけで緊迫感を生み出す。
確かこの3次元の世界では、正義か悪かの戦いで人間は成長するようになっている。
だから、正義は勝たなければならない。それは人間に課せられた宿命である。
それでも勝利するために大変な犠牲が払われる。だから、逃げることもある。
その愚かな愛しい生き様は、私たちにも常に向かってくる人生の儚さを教えてくれる。
それでも、人間は素晴らしい!
問題提起として素晴らしい
海外では政府の裏側を暴く記者たちを描いた映画が作られてきた。「記者たち」(アメリカのイラク戦争にからんだ話)、「1987」(韓国の民主化運動を描いた話。)とか。どれも実話に基づいているが、本作はあくまでフィクション。ただ異色なのは現政権にまつわる話をベースにしているということ。しかも原作がノンフィクションなので、実話ベースと言ってもいいのかもしれない。
そういう意味で、日本でこんな映画が作られて劇場公開されていることに大きな意味はあるのだろう。観客もたくさん劇場に行っているようだ。
話の構図は結構単純だが、現実を連想させる事件なので、どこまで本当のことなのか混乱した。内閣情報調査室はこんなことやってんの?、本当にこんなことが起こっていたら怖いなとも。ほとんど本当に起こっていることなんだろうけど。
ただ、物語としてのツメの甘さは感じた。あのラストでみんな納得したのだろうか。必要な映画だと思うし、問題提起としては素晴らしい。ただ、物語としてどうなんだろう。問題提起だけでいいのか?
映像はすごいのに残念
人や場の雰囲気の映像はとても素晴らしい。
ただ、物語そのものにバイアスがかかっているのが終始気になって没入できなかった。
これを見て本当にそうだと思っている人が多いのも心配。
いくつかの事実を背景に作った物語だけれど、新聞記者の独りよがりな視点からしかストーリーが作られていないのが片手落ち。
政府サイドの対応は、勝手な思い込みで演出しているし、インサイダーの協力を得られないと、こんな風になってしまうという見本のような作品。
せっかく、ぐっとくる映像が沢山あるのにもったいない。
「日本の民主主義は形だけでいい」がすべてを物語っている!
よくこの映画が完成し、上映できたと思う!
ホームページが一般の人に見れないように誰かが画策しているということがニュースなっている。
まさにこの映画が今の日本の闇をついているのではないか!?
「日本の民主主義は形だけでいい」というセリフが、日本の現状を示している!
多くの一般の方に鑑賞してほしいと思う。
ありがちな政府陰謀論
話題になってると聞いて劇場に足を運びました。
内容はありがちな陰謀論をリアリティたっぷりに描いているが、これがなぜ話題になるのか。
それこそメディアの情報操作に踊らされてるぞって話。→俺も含め。情報操作のチカラは世間に伝えられた公開だったと思います。なので1.5足しました
映画としては冒頭から無意味な手ブレ映像が続き、10分で吐きそうになりました。
画面が絶え間なく揺れればリアリティが出るわけでもないと思うのですが、会話シーンでもカメラを揺らし続けるなんて、止めてじっくり見せたくない理由でもあるのかな?
映画の続きは見た人に考えさせる映画と言われてるけど、私は結論を見たかったです。
生きたセリフを生み出す藤井道人の面目躍如
上映終了とともに自然と拍手が起きる。個人的にも、2019年上半期に観た映画のなかでも、イチオシ級の作品である。おそらくキネ旬ベスト10の上位に入るだろう。
観た者を呑み込むリアリティ。本当にあり得そうな日本の省庁の内部問題をフィクションとして仕上げた、圧倒的な構成力。これは藤井道人監督・脚本の為せる技だ。また、役者として幅を広げる松坂桃李の演技も記憶に残ることだろう。
すでに公開後、本作の評価はウナギ登り。本格社会派作品として大絶賛されている。ただ、藤井道人監督作品ファンからすれば、この程度で驚かれるのは心外だ。
前作の、藤井監督×山田孝之プロデューサーのタッグ作品「デイアンドナイト」(2019)の設定しかり。また都会の社会背景に跳ね返される上京青年たちの群像劇「青の帰り道」(2018)も、しかり。現実と関わりを丁寧に描く藤井作品のリアリティは、他の商業作品と比べて、頭ひとつ抜けている。
そんな藤井作品のリアリティとは何か。
映画には実話をベースとした、"ホンモノらしさ"であったり、あるいは3DCGIなどのVFXを使った"映像的なリアリティ"もある。しかし一見、突飛でも何でもない普通のフィクションである藤井作品は、その舞台設定や背景の詳細さと、個々の人物の描きこみから生まれる自然さが、リアリティの特徴だ。
普通は、登場人物が自らの置かれた状況を説明しすぎるセリフがある。それは"必要悪"として仕方ない側面もあるが、多くは不自然である。
対して、自ら脚本を手掛ける藤井監督は、たとえ原作小説があっても、それを"原案"レベルに薄めてしまうほど、脚本をアレンジし、個々の人物設定を追い込み、生きたセリフを生み出す。
エピソード設定はもちろん、登場人物の行動、会話、相手の態度、何もかもが腑に落ちるのだ。明らかに藤井作品のリアリティは別物である。
東都新聞社の社会部記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)のもとに、ある日、"医療系大学新設計画"の機密文書が匿名FAXで届く。その計画が内閣府の特区プロジェクトであり、首相自身やその友人企業が絡んでいることは明らか。
我々はすぐに、実際の国会での似たような事件を連想するだろう。
一方、内閣府の内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は、現政権に不都合なニュースを、メディアやSNSを駆使して、打ち消す任務に忙殺されている。
ここで内閣府がウソの情報を作り出しているという設定が、妙にもっともらしい。アホが炎上させるSNS上の書き込みは、内閣府によるもの・・・という創作がひじょうに面白い。
そんなある日、杉原が尊敬するかつての上司・神崎が投身自殺をしてしまう。その神崎が最後に取り組んでいた任務は、件の"医療系大学新設計画"だった・・・。
新聞記者の吉岡と、官僚の杉原はそれぞれに真実に近づく。そして接点を持つ2人は、やがて人生の選択を迫られる。2人の壮絶な葛藤が描かれる。
さて、本作は松坂桃李とともに、W主演するヒロイン、韓国の女優シム・ウンギョンの出演も大きい。
いい監督には、いい俳優が集まる。シム・ウンギョンといえば、のちに日本版がリメイクされる、「サニー 永遠の仲間たち」(2011/日本リメイク2018)や、「怪しい彼女」(2014/日本リメイク2016)だ。これらは、やはり韓国オリジナル版におけるウンギョンの存在感と魅力があってこそ。
演技力に太鼓判が押される、ウンギョンが本作で演じるのは、日本人記者・吉岡エリカ役。唯一の弱点となりうる日本語のイントネーションの不自然さを、"日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育った帰国子女"という設定で見事に回避している。
そして本作は静かに終わる。エンディングは、主人公2人の決断と未来を観客に考えさせるようにしている。
最後にもっとも印象に残るのは、田中哲司演じる官僚・多田が発する、"この国の民主主義は形だけ整えればいいんだ"という捨てゼリフだ。
(2019/7/4/角川シネマ有楽町/シネスコ)
最初から最後まで緊張感が続く
社会派とか、政治がらみのサスペンスだと、小難しい内容なのかと思うけど、この映画はすぐに内容に引き込まれて、最初から最後まで飽きない。セリフもひとつひとつが印象深くて、本だったらアンダーラインを引きたい。
何よりラストシーンがうまい。
時事ネタでもあるし、テレビじゃ絶対放映しないので、今、映画館で観てほしい映画。
作りものの映画かな
この映画は松坂桃李の演技以外は何も響かなかった。この程度の内容で感動してしまっている人は、普段からメディアを疑うことから始めたほうが良いと思う。
ここの評価を参考に映画を見たわけだが、この評価も不自然に高いと感じるのは私だけだろうか。
正義に対する代償は計り知れない
国家とは権力者たちの私利の塊なのだろう。故に国家に対し正義を貫くことは至難であり、大きな代償をともなう。そしてこれは日本に限ったことではなく世界標準だろう……
シム・ウンギョン×松坂桃李、そして今年のベストワン候補である「デイアンドナイト」の藤井道人が監督ということで、めちゃ期待して観た。
内閣府が主導する医療系大学新設計画の是非を探る東都新聞の記者、吉岡(ウンギョン)…外務省時代の上司の死の真相を探る内閣情報調査室の官僚、杉原(松坂)…この二人の運命が交錯し、クライマックスへと加速した。
政府によるお国の為の情報操作、そして何より上っ面だけの民主主義とその裏に在る恐怖政治を批判した社会派ドラマの傑作。
ただし藤井直人だからな〜〜あえて期待を下回ったと、一枚足りなかったと言いたい。「デイアンドナイト」とのワンツーフィニッシュは微妙だ。
日本の民主主義=報道は形だけ
肝心な新聞記者役が日本人俳優じゃないのは残念だけど、それも日本という国の限界なのかも。
そういえばモリカケ問題は話題にならなくなったし、あのセクハラ問題もニュースで見なくなった。ホントに私ら国民は良いように操られている。
今、私が見せられてるニュースが情報操作されたものでしかないなら、北朝鮮や中国と変わらない。あの国よりは自由だと思ってだけどそうでもないのかも。
映画では実際の不可解な事件をモチーフにしてたけど日本にエボラウイルスが持ち込まれることも政府の欺瞞だと示唆してるのかな。
ペンは剣よりも強い、はず。
leak or fake ??? 真実は、一つ
山村聰監督作品の「黒い潮」を彷彿とさせた。しかし、作品自体の流れは、スピード感あり、緊張感ありで、キャスティングも、さほど問題なかったです。北村さんは、「太陽の蓋」以来の聞屋の役が非常に似合う。高橋和也さんにいたっては、「KAMIKAZE TAXI」のころから、演技俳優としての頭角を現している方で、ドラマ「集団左遷」にも出演されていた。今回の作品においては、キーパーソン。話しは、内調と聞屋の駆け引きをリアルに描いている。
観る前は、自分には難しい内容の作品なのかと少し不安になったが、最初から緊迫感満載でグイグイ引き込まれていった。ラスト、吉岡に多田は父親のことに関して何か意味深なことを彼女に告げるが、彼は彼女をどこまでしっているのか。田中さんは、素性の不確かな役柄は、ドラマ「緊急取調室」の中で、キントリの管理官としても同様素晴らしい役を演じている。この映画作品が秀でているのは、新旧俳優が入り混じってのキャスティングの良さであり、久しぶりに映画館で、ハラハラさせられた。それにしても、杉原の自宅が豪華すぎること、全面ガラス張りの絶景の家であった。新聞記者ってそんなに稼げるのか?
話しの中で、「聞屋が誤報を出せば、一生終わりだ。」という所は、正直日々何気ない暮らしをも、神経がおかしくなってしまいそうな職業であることはヒヤヒヤさせられた。現在、真実を知るための媒体は、どんどん増えつつある。一つの部屋でSNSなどの情報戦と闘いながら、出どころ不明な情報とも戦い、スピードが「命」である情報を「裏をとって」どのメディアよりも早く表に出さなけてばならない、リークされればそこで終わり、それを知らされると、生きた心地がしない。ラスト、新聞として出来上がるまでの展開は、猪突猛進ってな感じ、ハラハラ感を十二分に堪能させて頂いた。
待ってました
洋画は、政治色の強い作品、反権力、ジェンダー、LGBT、哲学的な作品など、社会や世界の事が知りたい時や生きる力が欲しい時に非常にバラエティ豊かで自分の肥やしとなる作品が多いと感じています。対して昨今の邦画は、一部の単館で上映される作品を除いて、アイドル恋愛映画やテレビのタイアップ映画ばかりだと感じています。大人が知的に楽しめる邦画の上映をここ最近では半ば諦めていましたが、やっとこんな作品が出てきてくれたと、嬉しい気持ちでいっぱいです。
日本には、保守、リベラル、派遣労働者、エリート、外国籍、女性、農家など、様々な背景を持った人達が暮らしています。だからこそ、意見に多様性があるのは当然の事です。しかし、ここ6年半の安倍政権では一部の限られた人、国民の1%にも満たない金持ちの意見がまるで全国民の意見であるかの様に報じられている事が増え、そして政府に意見する人を揶揄したりヘイト発言をしたりと、日本人の精神が落ちぶれて下品になってきたと感じていました。一部の考えがさも日本人全員の考えであるかの様に報じること、国民を当事者ではなく国を評論する人間に仕立ててしまったこと、マスコミの罪は大きいと思います。
Twitterやヤフコメなどの安倍首相を賛美する投稿やヘイト投稿は自民党ネットサポーターが時給を貰ってやってると思ってましたが、仮に内調に勤めるトップエリートがやっているとしたら、日本が世界から取り残され落ちぶれるのは当然です。政府が物事の本質から逃げれば、本質を解決できる優秀な人材が日本で育たないからです。解決能力がない国に何ができるのかというと、嘘と隠蔽しかありません。また、嘘や隠蔽を作り出す大金は一体どこから出ているのでしょうか?
神崎や杉原は政府の方針には従うものの、自分の立場と良心で葛藤していました。また、吉岡は自分の仕事に信念を持っています。私が仮に神崎だったら、杉原だったら、吉岡だったらどうするだろう。作品は観客にそう問いかけていると思います。映画を評論した後に現実社会でも自分は評論し続ける側に回るのか。当事者になるのか。久しぶりに厳しい作品だと思いました。
タイムリー性と権力への挑戦
最近政治がらみで話題になったネタの裏で、何が起こっていたのか。
映画作品で、ここまでタイムリーに、現実に近い表現をするのはリスクもあるが、その分多くの人の関心を集めるようだ。
私が鑑賞した回は、大入り満員で、最前列しか空いていなかった。
官僚と新聞記者、どちらも世間の大多数の人とは縁遠い存在でもある。しかし、彼らの一個人としての葛藤は私たちにも共通のものだし、「真実を知りたい、伝えたい」という思いとそれを実現しようとする一途さに啓発されるところがあった。
正直、消化不良の部分が多く、これからゆっくり反芻したいと思える重みがあった。
掘り下げが足りない?
この時期に上映しているということには,製作の意気を感じます。ただ,内調の隠蔽の様子は描かれているけれど,そこに至る政治家の活動の様子は描かれていないし,新聞社も情報の裏付けを一つ一つ取っていく様子は見えてこなくて,行政側の内通者がいなければ,結局実態は暴けないのかという感じです。それがもし,脚本家が取材した結果の実状であるなら,すこし情けないなあと思います。
選挙前にすごい問題提起!
今実際に起こっている政治の問題をところどころちりばめた、わかるひとにはわかる映画。これをみて「ホントにこんなことあるのか」と関心を持つ人が増えるといいな。
松坂桃李の役者魂すごい!!
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