人間失格 太宰治と3人の女たちのレビュー・感想・評価
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人間失格は良くも悪くも蜷川ワールドが全開 花が本編中に多用されてい...
人間失格は良くも悪くも蜷川ワールドが全開 花が本編中に多用されていた 客観的に見ただけだと二階堂ふみが演じたやくの人が一番悪そうに見えた
テーマのマッチングが絶妙
太宰治の人間失格という倒錯的題材と蜷川実花の世界観とのマッチングが絶妙すぎた。
蜷川独特の背景や色彩はもとより、役者の角度とか間合いとか。
テロップ見なくてもこれは蜷川実花だなと。
どぎつい 目に刺さるような色彩に ふわふわした花や木々や光
少し 和ノスタルジックな蜷川の世界観と合わさって
やりすぎない、でもお洒落な作品だ。
それでいて ドロドロした負の感情や心理描写、不安感、死の痛みや恐怖の表現もしっかり刺さってきて テーマを裏切らない部分も十分に伝わってきた。
主人公・周りの人間の狂いっぷりも いろんな意味で良かった。
そしてさして好きでもなかった小栗旬が こんなにかっこよかった?って思えてくる罠。
こんな人がいたら女は抗えないだろうな と思わせてしまいます。
ただ、話の全体的なテンポはあまり良くないので
少し間延びしたように感じやすいかもしれません。
気持ちをフラットにして時間に余裕を持って世界観にどっぷり浸かって観れば大丈夫ですが
人によっては時計を見たくなるかも。
好きです。
よかったです。好きです。
今の小栗旬のいい味がいい〜。
お祭りの風車のシーンなんか大好きです。
んでも人生一番ヒットの小説が太宰の人間失格で人生一番ヒットの舞台が蜷川幸雄の近松心中物語の私にはもうちょっと振り切って湿度の高い物にして欲しかったーー。
あと美知子の闇も見たかったー。
馬が落ちてくるような衝撃も。
んでもやっぱりつぼで大好きです。
次回作も絶対楽しみに観に行きます。
あんまりエロくはなかった。映像は好き。
ロケットマン観たあとのこれだったから、昔の文豪って、今でいう人気ミュージシャンみたいなものだったのかな。
恋愛の快楽もお酒や麻薬なんかと同じ、度が過ぎると死に向かう。
ほどほどなら明日への活力、未来の構築となるんだろうけど。
情事の快楽は実はナルシスト、自分に酔いしれているだけのように思うし。失楽園なんかにしても死に向かう。
なんででしょう、ベクトルが内向きだからかな。
外に向かうと耽美的でなくなるしね。不思議なもんです。
小栗旬は、元が健康的な方なのか、いやらしさが感じられなくて、役者としてとことん反面教師的に危なさを訴えかけて欲しかったなあ。そこいくと成田凌の方が、病的なものを携えていて歳いってたら適任だったかも。
素材としては完璧なんですけどね、映像の美しさは、昔鈴木清順監督の映画の美しさにハマってたのを思い出して、それならそれで徹底していればいいのかなと。蜷川さん、そこに特化してどこまでもビジュアルで完璧に見せて欲しいなって期待します。これからも。上目線ですみません。
太宰の何を描きたかったのか
酒・煙草・女遊び・薬物中毒・自殺未遂…晩年の太宰のダメ人間っぷりが主立って描かれている映画。太宰が何に苦悩して、その中どんな思いで晩年の作品を書き上げたのか、何も伝わってこなかった。
そもそもが、太宰の恋と堕落と自己満足の映像美のために撮られた映画なのだとしたら、なんの文句も言えないのだけど、それなら坂口安吾や三島由紀夫の登場はほとんど必要無いはず。(高良健吾の三島由紀夫はとても良かった(;_;))
太宰を取り巻く3人の女性はとても美しく撮られていたけれど、戦後文壇の仄暗い賑わいを描くには少し色彩が強すぎるな、と感じた。
どこまでも静止画のひと
料理すらもグロく描いたが、アクションは撮れなかった前作「ダイナー」。人物描写も含めて、自分とは相性悪いのだろうなぁ…。なんて思ってはいましたが、題材に引っ張られて観賞。
静止画としてはトーンを抑えても美しい。ただやはり人間を描くのは苦手なのかな。敢えてドライに描いたのかもしれないが、なんだか肩透かしな印象だったのは否めない。入り込めなかったのは、長男が終始気になってしまってフワフワしてしまったのもあるのだが、あの子供は…。
まぁ、全ては好みの問題なのだろうが奇しくも劇中に出てくる「バカでも痺れる作品でなければならない」が、余韻として残った。
如是我聞・・・
近代文学ばかり読んでいる僕は、太宰を扱った映画を楽しみにしていた。しかし見初めてすぐに、太宰の苦悩やデカダンスを期待してはいけなかったと思った。当然これは、フィクションで脚色が全ての俳優に頼る娯楽映画なのだと思い直した。文学にどっぷり浸かっている僕からすると、やれ「志賀直哉との確執」とか「三島の僕は太宰が嫌いだ」とか「如是我聞」とかその辺の描写ばかりが面白かった。あとはどうでもよかった。
想像を超えてました
蜷川監督の作品だから、彩りの良い作品だろうなとは思ってましたが、それよりも3人の女性の感情が表現されてて見応えがありました。
展開は早めなのに魅せるとこではしっかりと魅せてて、激しさの中に甘美や悲しみせつなさ、そして女性のしたたかさもあらわれてて私は今年一番面白い作品でした(*´꒳`*)
1つだけ思ったのは沢尻エリカさんが思ったより絡んでこないのが1つだけ残念。
最後の終わり方も面白かったです( 。˃̵ᴗ˂̵。)
綺麗だったけど
今作はいつもの蜷実花さんの音楽ぶわー!映像ぶわー!カラフルぶわー!
という感じとはまた違い、ちょっとしっぽりした雰囲気。
無音恐怖症の私は無音がつらくて辛くて。。
シアター外の声がガンガン聞こえてきたくらい静かなシーンが多く、
劇中に「お出口はこちらでーす!」という声がこだまする。。
途中で何人も席を立っていたので「息つく暇もなく」という
感じではなく、全体的に雰囲気が暗く、
ザ・蜷実花!というものを期待しているとちょっと辛いかも。
あとこれは小栗君の宣伝映画だったのかな?というくらい
小栗旬が最大限にかっこよく撮られている。
沢尻エリカはちょっと存在感薄め。
あと宮沢りえが美しすぎるけどもう50くらいに見えるので
出産がちょっと違和感。。
全体的には演技派が多く、小栗君のラストシーンの
雪で倒れるところはもう見ていて辛かった。
ていうか本当に死ぬんじゃないかと思うくらいすごかった。。
花がたくさん移されていてそこは目の保養。
でも一番好きなのは風車がぶわーって回って祭りの太鼓の音と
子供たちの笑い声、どんどん大きくなる音楽、ってとこが
ぶわーっと来てよかった。
ラストシーンの人間失格を書き上げる時の家屋分解的な
前回よりかは、、
まず初めに私は太宰治の作品を読んだことはありません。
前回蜷川実花さんが監督された「ダイナー」を見て、今回の作品も見てみようかなといった感じです。
「ダイナー」においては、監督の作風とキャスト選び、ラストへの話の運びが、自分の期待とギャップを生んでしまい、あまり満足できなかった作品でした。
「ダイナー」と「人間失格」との公開の感覚は狭く客の声を聞けない分、今回の作品も蜷川実花ワールドがどれくらい炸裂してしまうのかと思いながら鑑賞しました。
結果、プラスとマイナスが散乱しまして、一言でいうと微妙と言ったところでしょうか、、
花の演出は主張しすぎずも監督色を前回よりも上手くキープできていたのではないかと思います(笑)
いくつか盛り込んであったCGのシーンはどういう意図というか、なぜそこでこの映像を入れる必要があるのかといった疑問をとても感じました。
(私の心情の読み方が甘いからなのかもしれませんが、、)
前半の妖艶なシーンはとても色っぽくてよかった!と言いたいところですがそれをかなり押し付けすぎな気もしました。そしてそのシーンを重きを置いているのでしょう、女性客(小栗旬目当てであろうお客さん)はかなりの人数でした。
最後にやはりキャストの演技力に救われているところがあるように感じられるのは否めませんね。。
この点からやはり太宰ファンなどから見ると、完璧に満足出来る作品ではないだろうなと感じます。
しかしながら、私のような太宰治に無知な人間からすると、先程はマイナスな事ばかり描きましたが、期待よりかはストーリーは割と面白かったように感じますし、太宰治に興味関心が生まれますしまぁ良いのではないかと思いました。(ちなみに今本当の人間失格を読んでおります)
私も下手くそながら写真をやっております。
写真においてはよく分かりやすすぎるのは面白さに欠けると言われます。
なんとなくもやっとした中から、見る人それぞれの面白さを見つけていくのが写真の楽しみ方なんだと思います。
やはり蜷川実花監督の作品にはそういう考え方、捉え方が盛り込まれているではないかと思います。好き嫌いが別れて当然だなと改めて感じました。
雪の道で喀血するなよいくらなんでも
蜷川実花が好きなわけではない。雪が積もり降りしきる白い道の上で喀血して倒れる太宰を描こうというのだから大した監督である。赤い花、青い花、桃色の梅。そんなことでいいのか「気狂いピエロ」かいと思ってしまう。高校生から大学生であった頃に太宰ばかり読んで、それしか無いので卒論は「太宰治」だったのだ。それで観ないという選択が許されなかった。蜷川実花という監督が良くわかったがほぼ想像していた通りで、役者を活かす演出。動きの無い無言の間を大切にしていてやはり長尺になるゆえん。女優3名がよろしい。中でも二階堂ふみが良いのだが少し中途半端で消化不良もっともっといけるのに様式美で終わっていいのかい。エンディングでチバユウスケの声がぐっときたけど。
小栗旬は素晴らしい
芸術をわかってないと言われればそれまでですが、色が鮮やかだから良しって話ではないと思います。この監督の作品は、ダイナーにしろ見たくないですね。
■良い点
・小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ…見事な演技
■惜しい点
・話の展開力や表現力が乏しいと感じる
・藤原竜也などの有名俳優の使い方がひどいです
→監督の知名度から有名俳優も使えるのでしょうが、こういった起用をするのであれば使わないほうがましです
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