運び屋のレビュー・感想・評価
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映画館で観たかったです。
劇場で観たかったのですが、近くの映画館に来なかったため、今になって漸く鑑賞しました。
実話から着想を得た作品との事で、完全に実話に沿った作品にしなかったのが良かったですね。
シリアスになり過ぎずところどころユーモアを感じさせる作りになっていながら、中盤以降は緊迫感も有り、更には心に響いてくる作品に仕上がっているあたりは流石クリント・イーストウッド監督ですね。
とても面白く良い作品だと思います。
行いはとても褒められたものではありませんが、何故か憎めずチャーミングに最後には好感さえ持てる主人公であるアール。
クリント・イーストウッド監督だからこそ創り上げられた人物像だと思いますし、役者としてのクリント・イーストウッドだからこそ魅力的に演じられていたのだと思います。
そう言えば作中でクリント・イーストウッドが着ていた衣装は“グラン・トリノ”や“トルゥー・クライム”“ザ・シークレットサービス”などで実際に着た衣装だったのですね。
気がつきませんでした。
今回90歳の運び屋の役を演じたイーストウッド監督ですが、88歳ながら今回の役を演じるにあたってわざと老人らしい演技をなさったとの事。
1ファンとして、監督業だけでなく、まだまだ現役の役者さんとしてイーストウッド監督には頑張って欲しいです。
お話に直接関係があるわけではありませんが、アメリカの雄大な景色を見ながらのドライブは楽しそうですね。
倫理の側面
「事実は小説より奇なり」という名言もあるが、数々のヒーローを演じてきた反動なのだろうかクリントは実話ベースに嵌っているようだ。アメリカという広大な風土と実在の孤老の犯罪者、恥知らずと一蹴されても不思議ではない話に何故クリントは魅かれたのだろう・・。
語られる家族の大切さは表層的に思う、人種のるつぼ、銃社会、従軍経験のない私は人間の欺瞞性への気づきに劣るのかもしれない、人生の終焉が遠くはないと気づいたとき、使命感のない人間は戸惑うばかりだろう。
主人公と重なる年齢のクリントが感じた老いへの想いがひしひしと伝わってくる。俳優、監督はもとより、脚本、音楽、衣装、撮影、どれをとっても誇張がないプロの仕事が心地よい。
大切な人達と過ごす時間
吹き替え版で見ました。
入り込む!
遠慮しないじじぃだ(笑)
素晴らしい!
脚本がとても良かった。
無駄なカットもないし、
ストーリーもクライマックスに向けて分かりやすく
主人公、マフィア、警察が絡み合って行き
とても面白かった。
イーストウッド作品には信頼を置いてるけど、
それでも90歳の運び屋は、迫力に欠けるのでは?
と映画館で観なかった自分を恥じる。
カーアクションなんかなくても、
人間の迫力、
90歳の人生の重みを感じる事が出来ました。
麻薬を運ぶ事を自ら選んだのだから、自業自得でしょ。
とならないのがとても不思議。
イーストウッドの愛嬌なのか、
家族を犠牲にして仕事ばかりしてたけど、
全ては家族のためだったというのが、
丸まった背中から感じられたからか、
犯罪者の説教もとても心地よく、
無事であってくれ!と願っている自分がいた。
イーストウッドが送って来た人生も
乗っかってるからか、とても見応えのある
大傑作が誕生したように思います。
素晴らしかった。
ダーティーハリーからワイルドさを取って渋さを残した
事業に失敗した園芸家が、ひょんなことからコカインの運び屋になると言う、実話を元にしたストーリーだそうです。
かつてはハードなアクションでならしたイーストウッドも、流石にヨボヨボの爺さんになってそういう映画で主役は張れなくなりました。しかし、相変わらずの存在感を示しています。麻薬カルテルのメンバーや麻薬捜査官とのやりとりの中にもかつてのダーティーハリーシリーズで見せたウィットを感じさせ、そして犯罪映画なのだけど嫌味なく家族の再生を織り込む手腕は流石です。
実の娘であるアリソン・イーストウッドとも父娘役で共演していますが、その息もぴったりでした。この渋さを感じるには、観る側も人生の年輪が必要かもしれないですが、良い映画だと思います。
懺悔
最後は爽やか
まず言いたいのが「吹替版で観た時の完全さ」
みなさんご存じのように山田康雄さんはもうこの世にはいらっしゃらないのに、多田野曜平さんの完璧な吹替で、昔のゴールデン洋画劇場や日曜洋画劇場などで観ていたイーストウッドの映画が戻ってきた気分で本当に何の違和感もなく観られました!
DVDレンタルで観たのですが、この吹替がどんなものか観てやろうという気持ちで借りて内容にあまり興味なく借りたのですが、ストーリーも良く見方によってはハッピーエンドではないかも知れないけど、すごく良かった!
是非沢山の人に見てもらいたい作品
運び切った生きざま
前作も実話、次回作も実話。
ハリウッドの生き神様にして、すっかり実話の名手となったクリント・イーストウッド。
本作も実話だが、特別感が。
『人生の特等席』以来6年振り、自身の監督作では『グラン・トリノ』以来10年振りに主演。
俳優業は半ば引退して監督業に専念…と思いきや、やはり“銀幕スター”なのである。
そんなイーストウッドが役者復帰を決めた実話の内容は…
90歳で麻薬の運び屋となった老人。
NYタイムズ誌に掲載された驚きの記事をベースにしたクライム・ドラマ。
まるで「世界仰天ニュース」か「アンビリバボー」のような話自体にも興味惹かれるが、久々の“役者イーストウッド”に尽きる。
イーストウッドが演じる役柄は、言ってしまえばほとんど似たり寄ったり。
頑固、偏屈、孤高。
己の生き方を貫き通し、かなりの確率で家族と疎遠。
本作も例外に漏れず。
デイリリー栽培の仕事一筋。園芸界では人気者の有名人。
が、家庭を顧みず、娘の結婚式にも出席せず。元妻や娘に心底嫌われているが、孫娘だけは唯一の味方。
散々好き勝手やって来たしっぺ返しか、馬鹿にしていたインターネットに負け、失職。仕事も家族も失う…。
そんな時、人生の晩年で一大事。
出席した孫娘の結婚式で、とある青年から何かを運ぶ仕事の話を持ち掛けられる。
軽い気持ちで引き受け、巨額の報酬にびっくり!
それが麻薬とは知らずに…。
ファミリー・マンとしては失格。口も悪く、時々差別的な発言も。
ろくでもない男でダメ人間かもしれないが、何故か憎めない。
性格自体は気のいい爺さん。孫ほど歳の離れた新しい仕事仲間ともすんなり打ち解ける。
マイペース。運びの仕事中も呑気に歌を歌ったり。
道中、パンクした車を見掛けたら手助け。
保安官に止められても年の功でやり過ごし、時には麻薬カルテルのお目付け役やDEAすら振り回す。
ルールに従わず、カルテルを苛々させるが、仕事はきっちりやり、ボスには気に入られる。
パーティーに呼ばれ、若いセクシー美女とイチャイチャ。
う~ん、人生楽しんでる!
イーストウッド自身も楽しそうに演じているのが見てて伝わってくる。
ある時、遂に積み荷が麻薬である事を知る。
さすがに動揺するが…、それでもこの仕事を辞めない。
どんな仕事であれ、まだまだ仕事を出来る事が男として誇りを感じるのだろう。
巨額の報酬も魅力なのだろう。
でもそれ以上に、家族。得た報酬で家族に大盤振る舞い。
失った関係や時を、今お金で必死に埋め合わせしようとする…。
しかし、やってる事は違法。DEAが本腰を入れて動き出す。
やり手の運び屋の存在を知るが、なかなか網に掛からない。
素性を知らず、ある時顔を合わせる。
DEA捜査官役のブラッドリー・クーパーがいい役回り。
ここ数年のイーストウッドとブラッドリーの師弟関係が何だかいい。
『アメリカン・スナイパー』では監督と主演、『アリー スター誕生』では企画を引き継ぎ、そして本作ではいよいよ初共演。お互いの身の上話をするシーンがしみじみさせる。
順風満帆だった仕事にも暗雲が立ち込め始める。
ボスが変わる。変わった経緯は…、つまりそういう世界。
これまでのマイペースが通用しなくなる。ルートもルールも命令も時間も全て厳守。もし、破ったら…。
しかし、これがかえって逮捕の近道に。
ルートも時間も厳守という事は、マークされ易くなる。これまでのマイペースの方が予測出来ずにマークされ難かったと言うのに…。
そして、孫娘からある報せが。元妻が余命僅か。
駆け付ける事が出来るのなら今すぐにでも駆け付けたい。
が、今運びの真っ最中。厳守しなかったら…。
再び家族を失うのか。
選んだのは…、言うまでもない。
最後に行き着く先は、家族。
最期のひと時とは言え、元妻と過ごせた蜜月の時間。
12年もろくに話していなかった娘との和解。この娘役がイーストウッドの実娘で、何だか説得力とリアリティー有り過ぎ。
運び屋稼業も遂に終わる。
逮捕。以前、素性を知らず顔を合わせた捜査官との“再会”…。
裁判。判決。
が、男は、末路も実刑も全て自ら受け入れる。
自業自得。罰を受けて当然。
でもその代わり、欠けがえのない家族を取り戻せたのだから…。
もう人生終盤と思った爺さんの思わぬ現役バリバリ。痛快なコメディ調。
DEAや麻薬カルテルとのやり取り。スリリングなクライム・サスペンス。
一人の男の山あり谷ありの生きざま。
そして、贖罪と家族愛の物語に、最後は胸打たれた。
道外れを行き、寄り道ばかりして来たが、最後に運び切った人生。
『ハドソン川の奇跡』『アメリカン・スナイパー』も見応えあったが、ここ数年手掛けた作品の中ではBESTってほどではないが、一番愛着沸いた。
それもこれも奇想天外な実話ならではの面白味もあるが、ユーモアも哀愁も感動も滲ませるイーストウッドの佇まいと魅力。
老いても尚。…いや、老いを迎え入れない。
ストーリーは面白いが、色々引っ掛かる
事業に失敗し家族からも見放された90歳近い老人(クリント・イーストウッド)が、警察の目を逃れて長年麻薬の運び屋をしていた実話を基にした物語。最後はこの老人が家族を取り戻すと言う大変良く出来たストーリーで、それなりに面白かったのは間違い無いのですが、少し気になる点が... 例えば、主人公が罪の意識を余り感じていなかったこと、急に金回りの良くなった彼のことを周囲の人たちが殆ど見咎めなかったことなど。それに、この運び屋の仕事を紹介したのは、主人公の義理の息子(娘の夫)の友人だったと言うのもどうかしています。本当にこの主人公の回りには余程ロクな人がいなかったのでしょうか? 実話が下敷きの作品と言われなくては、不自然な設定に胡散臭さを感じてしまいそうだったのが何とも残念でした。
老人の気付き
仕事より優先するものは。
家族が一番大事だよ。仕事を優先しないで家族を一番に考えるんだよと、90歳を過ぎたアールストーンが自分の経験を引き出して、(映画ではワッフルハウスでコーヒーを飲んでいるときにベイツ捜査官と話しているシーン)我々にそれを伝えている作品。
ロビンフットのようなアールは人との会話を楽しむのが好きで押し付けではないアドバイスもあげるけど、家庭をかえりみない過去を持っている。
ベイツ捜査官がこのようなアドヴァイスをネットで読んだのと、アールから彼の経験を混じえて聞いたのではどちらが心に残るだろう。ネットより人との関係を大切にしている。
イーストウッドの作品にいつも公平さを見つけることができる。
例えば、車のパンクで困っている黒人の家族に、手を貸すが言葉の使い方で(老人アールはこの人たちのことをニグロという)プラスマイナスになって人間はいいところも悪いところもあるよと両面を表している。イリノイ州の白人のコミュニティーでポークサンドイッチを二人のドラッグディーラーに奢るシーンも。市の白人警察がきてドラッグディーラーに『私のまちに何か用があるのか?』と迫る時、この二人を助け、住民や警察は人種差別をするがアールは違うというプラスマイナスの面を見せる。
これが遺作にならないことを深く望む。
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