運び屋のレビュー・感想・評価
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吹き替え版で見ました。
何というか、尺がもう少しほしかった。ストーリー自体物足りなさに欠けた気がします。イーストウッドが監督した初めて見た映画はこれで良かったのかレンタルした自分自身も分かりません。今回、多田野さんのイーストウッドの演技はまさに山田康雄さんの再来!素晴らしい出来にびっくりしました!これは過去作も吹き替えして頂きたいですよね!
入り込む!
次の展開が読めてしまうストーリーだったけどイーストウッドの名演技でグッと映画に入り込んでしまう。
金が全てではないけれど、金で過去の清算ができてきたとこで、良いこと?は続かない。どこの国でも教訓は一緒。
監督としての才能も最高なイーストウッドの上手な映画作りを改めて見させてもらいました。
遠慮しないじじぃだ(笑)
差別用語もサラッと飛び出す危険なじじぃ(笑)
花ばかりいじって、家族はほっといたから嫁から娘からブチキレてる。
薬の運び屋になったら金回りが良くなって中々のリッチなじじぃに(笑)
元から遊び人気質としか思えない。
密売ギャング相手にも軽口が止まらない。
下品なじじぃだ(笑)
感動する訳じゃないが、イーストウッドの軽妙さにニヤけてしまう。
大ボスと会ってもこの調子が変わらない(笑)
密売ギャングも悪いのは悪いが何だか人がいい所がある。
時間を取り返せなかったじいさんの話は1つの寓話として観ていられる。
ただクリント・イーストウッドのヨボヨボぶりは別な何かを感じられるかもしれない。
素晴らしい!
脚本がとても良かった。
無駄なカットもないし、
ストーリーもクライマックスに向けて分かりやすく
主人公、マフィア、警察が絡み合って行き
とても面白かった。
イーストウッド作品には信頼を置いてるけど、
それでも90歳の運び屋は、迫力に欠けるのでは?
と映画館で観なかった自分を恥じる。
カーアクションなんかなくても、
人間の迫力、
90歳の人生の重みを感じる事が出来ました。
麻薬を運ぶ事を自ら選んだのだから、自業自得でしょ。
とならないのがとても不思議。
イーストウッドの愛嬌なのか、
家族を犠牲にして仕事ばかりしてたけど、
全ては家族のためだったというのが、
丸まった背中から感じられたからか、
犯罪者の説教もとても心地よく、
無事であってくれ!と願っている自分がいた。
イーストウッドが送って来た人生も
乗っかってるからか、とても見応えのある
大傑作が誕生したように思います。
素晴らしかった。
ダーティーハリーからワイルドさを取って渋さを残した
事業に失敗した園芸家が、ひょんなことからコカインの運び屋になると言う、実話を元にしたストーリーだそうです。
かつてはハードなアクションでならしたイーストウッドも、流石にヨボヨボの爺さんになってそういう映画で主役は張れなくなりました。しかし、相変わらずの存在感を示しています。麻薬カルテルのメンバーや麻薬捜査官とのやりとりの中にもかつてのダーティーハリーシリーズで見せたウィットを感じさせ、そして犯罪映画なのだけど嫌味なく家族の再生を織り込む手腕は流石です。
実の娘であるアリソン・イーストウッドとも父娘役で共演していますが、その息もぴったりでした。この渋さを感じるには、観る側も人生の年輪が必要かもしれないですが、良い映画だと思います。
懺悔
どうしても作っている本人と被る。もはや、生い先長いとは思わない映画人の作品として捉えてしまうし、本人もその見られ方に意欲満々のようだ。
仕事人間の成れの果て。このジジイを赦せるかどうか。ここでは赦されるが、そこがポイントではなく、赦されるためではなく、自発的な行為として懺悔を描く。そこが軽やかだ。
実力俳優で固められる捜査陣。そことコンタクトなく進んだ挙句の朝食のシーン。実に味わい深い。
イグナシオ・セリッチに向けられた乱痴気合間のジジイのメッセージ、唐突なブッコミ方ではあるが、こちらのテーマもファミリー、ドラマの見方が深まる凄い一手である。
最後は爽やか
まず言いたいのが「吹替版で観た時の完全さ」
みなさんご存じのように山田康雄さんはもうこの世にはいらっしゃらないのに、多田野曜平さんの完璧な吹替で、昔のゴールデン洋画劇場や日曜洋画劇場などで観ていたイーストウッドの映画が戻ってきた気分で本当に何の違和感もなく観られました!
DVDレンタルで観たのですが、この吹替がどんなものか観てやろうという気持ちで借りて内容にあまり興味なく借りたのですが、ストーリーも良く見方によってはハッピーエンドではないかも知れないけど、すごく良かった!
是非沢山の人に見てもらいたい作品
運び切った生きざま
前作も実話、次回作も実話。
ハリウッドの生き神様にして、すっかり実話の名手となったクリント・イーストウッド。
本作も実話だが、特別感が。
『人生の特等席』以来6年振り、自身の監督作では『グラン・トリノ』以来10年振りに主演。
俳優業は半ば引退して監督業に専念…と思いきや、やはり“銀幕スター”なのである。
そんなイーストウッドが役者復帰を決めた実話の内容は…
90歳で麻薬の運び屋となった老人。
NYタイムズ誌に掲載された驚きの記事をベースにしたクライム・ドラマ。
まるで「世界仰天ニュース」か「アンビリバボー」のような話自体にも興味惹かれるが、久々の“役者イーストウッド”に尽きる。
イーストウッドが演じる役柄は、言ってしまえばほとんど似たり寄ったり。
頑固、偏屈、孤高。
己の生き方を貫き通し、かなりの確率で家族と疎遠。
本作も例外に漏れず。
デイリリー栽培の仕事一筋。園芸界では人気者の有名人。
が、家庭を顧みず、娘の結婚式にも出席せず。元妻や娘に心底嫌われているが、孫娘だけは唯一の味方。
散々好き勝手やって来たしっぺ返しか、馬鹿にしていたインターネットに負け、失職。仕事も家族も失う…。
そんな時、人生の晩年で一大事。
出席した孫娘の結婚式で、とある青年から何かを運ぶ仕事の話を持ち掛けられる。
軽い気持ちで引き受け、巨額の報酬にびっくり!
それが麻薬とは知らずに…。
ファミリー・マンとしては失格。口も悪く、時々差別的な発言も。
ろくでもない男でダメ人間かもしれないが、何故か憎めない。
性格自体は気のいい爺さん。孫ほど歳の離れた新しい仕事仲間ともすんなり打ち解ける。
マイペース。運びの仕事中も呑気に歌を歌ったり。
道中、パンクした車を見掛けたら手助け。
保安官に止められても年の功でやり過ごし、時には麻薬カルテルのお目付け役やDEAすら振り回す。
ルールに従わず、カルテルを苛々させるが、仕事はきっちりやり、ボスには気に入られる。
パーティーに呼ばれ、若いセクシー美女とイチャイチャ。
う~ん、人生楽しんでる!
イーストウッド自身も楽しそうに演じているのが見てて伝わってくる。
ある時、遂に積み荷が麻薬である事を知る。
さすがに動揺するが…、それでもこの仕事を辞めない。
どんな仕事であれ、まだまだ仕事を出来る事が男として誇りを感じるのだろう。
巨額の報酬も魅力なのだろう。
でもそれ以上に、家族。得た報酬で家族に大盤振る舞い。
失った関係や時を、今お金で必死に埋め合わせしようとする…。
しかし、やってる事は違法。DEAが本腰を入れて動き出す。
やり手の運び屋の存在を知るが、なかなか網に掛からない。
素性を知らず、ある時顔を合わせる。
DEA捜査官役のブラッドリー・クーパーがいい役回り。
ここ数年のイーストウッドとブラッドリーの師弟関係が何だかいい。
『アメリカン・スナイパー』では監督と主演、『アリー スター誕生』では企画を引き継ぎ、そして本作ではいよいよ初共演。お互いの身の上話をするシーンがしみじみさせる。
順風満帆だった仕事にも暗雲が立ち込め始める。
ボスが変わる。変わった経緯は…、つまりそういう世界。
これまでのマイペースが通用しなくなる。ルートもルールも命令も時間も全て厳守。もし、破ったら…。
しかし、これがかえって逮捕の近道に。
ルートも時間も厳守という事は、マークされ易くなる。これまでのマイペースの方が予測出来ずにマークされ難かったと言うのに…。
そして、孫娘からある報せが。元妻が余命僅か。
駆け付ける事が出来るのなら今すぐにでも駆け付けたい。
が、今運びの真っ最中。厳守しなかったら…。
再び家族を失うのか。
選んだのは…、言うまでもない。
最後に行き着く先は、家族。
最期のひと時とは言え、元妻と過ごせた蜜月の時間。
12年もろくに話していなかった娘との和解。この娘役がイーストウッドの実娘で、何だか説得力とリアリティー有り過ぎ。
運び屋稼業も遂に終わる。
逮捕。以前、素性を知らず顔を合わせた捜査官との“再会”…。
裁判。判決。
が、男は、末路も実刑も全て自ら受け入れる。
自業自得。罰を受けて当然。
でもその代わり、欠けがえのない家族を取り戻せたのだから…。
もう人生終盤と思った爺さんの思わぬ現役バリバリ。痛快なコメディ調。
DEAや麻薬カルテルとのやり取り。スリリングなクライム・サスペンス。
一人の男の山あり谷ありの生きざま。
そして、贖罪と家族愛の物語に、最後は胸打たれた。
道外れを行き、寄り道ばかりして来たが、最後に運び切った人生。
『ハドソン川の奇跡』『アメリカン・スナイパー』も見応えあったが、ここ数年手掛けた作品の中ではBESTってほどではないが、一番愛着沸いた。
それもこれも奇想天外な実話ならではの面白味もあるが、ユーモアも哀愁も感動も滲ませるイーストウッドの佇まいと魅力。
老いても尚。…いや、老いを迎え入れない。
ストーリーは面白いが、色々引っ掛かる
事業に失敗し家族からも見放された90歳近い老人(クリント・イーストウッド)が、警察の目を逃れて長年麻薬の運び屋をしていた実話を基にした物語。最後はこの老人が家族を取り戻すと言う大変良く出来たストーリーで、それなりに面白かったのは間違い無いのですが、少し気になる点が... 例えば、主人公が罪の意識を余り感じていなかったこと、急に金回りの良くなった彼のことを周囲の人たちが殆ど見咎めなかったことなど。それに、この運び屋の仕事を紹介したのは、主人公の義理の息子(娘の夫)の友人だったと言うのもどうかしています。本当にこの主人公の回りには余程ロクな人がいなかったのでしょうか? 実話が下敷きの作品と言われなくては、不自然な設定に胡散臭さを感じてしまいそうだったのが何とも残念でした。
老人の気付き
家は差し押さえられ家族には愛想を尽かされたうだつのあがらない老人が麻薬組織の運び屋の仕事で大金を稼ぐ。しかし、金よりも大切な事に気付き改心する話し。
犯罪に手を染め金を稼ぎ図に乗る。回数を重ねる度に身勝手な行動をする。稼いだ金を車やアクセサリといった贅沢品に使う。頭の悪そうな老人に終始イライラ。
だけど、最後は妻の死により金より大切なことに気付き改心したのには安堵な気持ちになる。
序盤から中盤までの身勝手さは改心を強調させるためのフリだったんだな。
ツッコミどころ満載の不自然さの多い作品のなかでこの作品は最後まで自然体で比較的映画の中に入り込めたのは良かった。
仕事より優先するものは。
家族が一番大事だよ。仕事を優先しないで家族を一番に考えるんだよと、90歳を過ぎたアールストーンが自分の経験を引き出して、(映画ではワッフルハウスでコーヒーを飲んでいるときにベイツ捜査官と話しているシーン)我々にそれを伝えている作品。
ロビンフットのようなアールは人との会話を楽しむのが好きで押し付けではないアドバイスもあげるけど、家庭をかえりみない過去を持っている。
ベイツ捜査官がこのようなアドヴァイスをネットで読んだのと、アールから彼の経験を混じえて聞いたのではどちらが心に残るだろう。ネットより人との関係を大切にしている。
イーストウッドの作品にいつも公平さを見つけることができる。
例えば、車のパンクで困っている黒人の家族に、手を貸すが言葉の使い方で(老人アールはこの人たちのことをニグロという)プラスマイナスになって人間はいいところも悪いところもあるよと両面を表している。イリノイ州の白人のコミュニティーでポークサンドイッチを二人のドラッグディーラーに奢るシーンも。市の白人警察がきてドラッグディーラーに『私のまちに何か用があるのか?』と迫る時、この二人を助け、住民や警察は人種差別をするがアールは違うというプラスマイナスの面を見せる。
これが遺作にならないことを深く望む。
☆☆☆★★★(1回目) ☆☆☆★★★(2回目) 本日の日付は201...
☆☆☆★★★(1回目)
☆☆☆★★★(2回目)
本日の日付は2019年4月24日 まもなく平成も終わる。
そして、この作品の日本ファーストランもまもなく終わる。
そろそろ、こんな考え方をする奴が居ても良いのかな?…って事で、レビューを書いてみる。
今回(2019年)のアカデミー賞は、近年の傾向通りにブラックパワーが強かった。
そんな中で脚色賞を受賞し、はしゃぎまくった挙げ句に、作品賞にケチを付けたのが。ご存じのスパイク・リー。
そんなスパイク・リーを、イーストウッドはどんな感じで見ていたのだろうか?
実はこの2人。以前に差別問題で口喧嘩を繰り広げているのだった。
(一応は噂の域を出ないのだが、信憑性は高い様で、伝えられるところをかい摘むと。)
発端は、『父親たちの星条旗』で、作品賞を含めイーストウッドがアカデミー大本命視されていたところに。「何であの戦いに参加していた黒人兵士が1人も映画の中で登場しないんだ!」…と、リーが噛み付いた。
真相では、確かに黒人兵士は居た様だが。その数はそれほど多くは無かった様で。(始めは)イーストウッド曰く「だからどうした?」…と言った感じだったらしいのだが。それでも(元々イーストウッドがタカ派なところが有ったのも影響したのか?)リーが口撃を辞めなかったからか?遂にイーストウッドがキレた。
「小僧は引っ込んでろ!」
そんなやり取りが影響したのかどうか?『父親たちの星条旗』は肝心のアカデミー賞では惨敗を喫する。
その後リーは、実話が基になった『セントアンナの奇跡』で、黒人兵士の話を撮るのだから。イーストウッドも、ちょっとばかりはイラっと来たかも知れない。
確かにイーストウッドには多少なりとは差別主義的な面は否めないのだと思う。
だけど、決して《心底から》の差別主義とも言えない。
『運び屋』の主人公は。ユーモアの1つとして、単なる会話の流れの中でついつい差別用語を使ってしまう。如何にもイーストウッドらしい人物像だと言える。
肝心の『運び屋』本編は、イーストウッド演じる爺さんが。これまでを振り返り。家族を放ったらかしにして来た人生を悔い改める。
それを、イーストウッドが演じ。皺々な顔から滲み出る人間味に味が有るだけに、つい納得させられ、面白く観てしまうのですが。警察側の描かれ方で、或る程度の組織を把握し。尚且つ、大体のアジト等は(密告者の存在で)掴みながら。何故か(組織の)下っ端で在る《運び屋》を逮捕する事だけに躍起になるのが、さっぱり意味が分からず。その面で言うと、昨今のイーストウッド映画の中では今ひとつと言わなければならないか?…と。
ここ数年のアカデミー賞のブラックパワーを、イーストウッドはどう見ているのだろう?
多少の差別主義も持っているとは言え。イーストウッド自身は、表立っての差別的な問題を起こした事は無い。
確かに、『インビクタス/負けざる者たち』を監督するにあたり。誰に対してなのか?は言わなかった様だが、「安心しろ!マンデラを演じるのは黒人だ!」…と、言ったとゆう。
だからこそ、「ああだこうだと言ってる奴らで、実際に差別によって被害を受けてる奴がどれだけいる?寧ろ周りを煽って問題を起こしている奴らばかりで。被害者ズラしてるだけじゃねえのか?」と、言いたげに…。
※ (勿論、本人はそんな事は言ってはいない。あくまでもこちらの妄想に過ぎない)
近年の黒人関連の作品にオスカー像が行きやすい傾向に対して。それまでの【俳優引退】を、しれっと撤回して主演してしまう辺り。まるで…。
「俺はな!そんな【プロ被害者】ズラした奴らが気にいらねえだけなんだがよ〜。全く最近は…(幅を効かせやがって)オイオイ!俺が神輿を挙げなければいけねえのか?」
…と言った感覚で撮ったのだろうか?と、思ってしまったのだが、穿ち過ぎなのだろうか?
※ 繰り返し
2019年3月10日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン8
2019年3月19日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン7
役者魂
ここに来てこれほどまでに弱々しい人物を演じきるとは、どこまで貪欲なんでしょう!
イーストウッド監督独特の世界観は健在。
まったくこの人には150歳くらい長生きしてもらいたい!
決して大絶賛をさせないある意味捻くれた作品作り、最高に好きです。
静かな、優しい、どこかモヤっとした熱さがなんとなぁ〜く伝わってくる。
こんな作品作れるのはイーストウッド監督しかいませんよなぁ…
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