運び屋のレビュー・感想・評価
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再生の物語
イーストウッド御大の遺言的な作品ってことで。
まず主人公の設定がすごくイーストウッド的で、あぁこの人はやはり作家なんだと。
退役軍人で、頑固者。誰かに疎まれても、自分の道を貫く感じ。
本作のアールはけっこうチャラいってか軽い感じなおかげで、
善と悪の違いなんて曖昧なもんだっていうメッセージがすごく生きたように思う。
犯罪は犯罪なんだけど、結果としてアールは大切なものを取り戻したよねっていう。
人間いくつになっても変わるのに遅すぎるなんて事はないんだっていう、
すごくポジティブな物語に昇華させているのが印象的だった。
しかもこういう物語にありがちな、宗教色がほとんど無いのも好感がもてた。
最後に気になったとこなんだけど、
運び屋を1回やっただけであんなにカネもらえるか?と。
孫娘が開くパーティの費用を出して、
さらに新車のピックアップトラックなんて買えるか?と。
まぁ細かいことは置いといて、素晴らしい「再生の物語」だった。
文句ナシ
ピックアップ、カントリーソング、ハンバーガーでなくポークサンド、それに退役軍人、う~んアメリカだ、実にアメリカくさい。アメリカ映画だからあたりまえかwa!.
それにしても、グラントリノ的展開、勧善懲悪、イーストウッドのいいところを期待していたのに不発に終わった。頭に血を流し、護送されるみじめ感漂うシーン。家族から総スカン食らってるなど本当なら、すかっとせんな、なのだが・・・。しかし、なぜだか、そうは思わないのだ、この映画。
あまりに、家族との悪い関係に、イーストウッドの私生活も気になった。でも、いいんだ、イーストウッドの歌うところも聞いたし。あ~、ピックアップでフリーウェイをどこまでも走って行きたくなる映画だ。
相変わらず元気そう!
久しぶりに主演作を観れました! 監督だけした作品も好きなのはありますが、やっぱり出演してくれるともっと嬉しいですね(笑) 「時間はお金で買えない」というセリフは悲しく寂しくなっちゃいました。 おいしいサンドを頬張ったり女性とイチャイチャしたり、最近のイーストウッドでは観れなかったシーンも良かった(笑) いつまでも元気でいてほしいです、僕も同じ年齢まで生きれた時に年の割に丈夫で元気だと思われたいです。 エンディングの曲も良かったです。
そばにいるためにお金なんて必要ないわ
映画「運び屋」(クリント・イーストウッド監督)から。
ストーリー的には、メキシコ麻薬カルテルの「運び屋」で、
やや面白みに欠けたが、90歳に近い老人が
どうしてこのような仕事に足を踏み入れたのか、
大変興味があった。
その答えは、奥さんとの会話で理解できた。
「あなたはいつも外に生きてた。
各地での品評会や人付き合い、注目の的でいたいのね。
みんなを楽しませ、素晴らしい人と言われる。
家にいてもあなたは早く外へ戻りたがる」
「その通り、外で認められる方がずっと大事だと思った。
家での俺は役立たずだから・・」
そう、働いている男にとって、家の外と内では、
どうしても評価される「外」を選択したくなる。
だから麻薬の運び屋でも、評価される仕事を選び、
危険をおかして得た報酬で家族を喜ばせようとした。
ちょっと極端だけど、わからなくない。(汗)
それを知っている妻は、そっと囁く。
「そばにいるためにお金なんて必要ないわ」
外で評価されることが家族のため、と勘違いしていた。
しかし定年退職し、家族といる時間が増えたこともあり、
この台詞は、なぜか私の腑に落ちた。
今頃?と思うかもしれないが、今でも気付いてよかったな。
これから、やり直せるから。
レジェンド
クリント・イーストウッド
深く刻まれた皺、哀愁漂うスタイル、本当にかっこいい...
回を重ねる事に増えていく報酬にも驚かず、自分が運んでいたものが大量の麻薬だと判明した直後の麻薬犬や目付け役を助けてあげる機転が印象的でした。
悪事なのに応援したくなる
疎遠だった家族と運び屋を始めてから少しずつ歩み寄り妻の最期を看取れて裁判では優しい声を掛けてくれる家族たち。
刑務所内で大好きなお花をまた育てることが出来...
悪い事ではあるけどやって良かったことなんだなーと(ダメだけど
イーストウッド流、人生の教訓。
この映画はイーストウッドがこれまでの人生で培った家族の大切さ、時間の大切さ、何時でも楽しむ事、遅すぎる事はないって事、そして自分の行動に対する責任・・・。いろんな人生の教訓を伝えようとしている遺言の様な作品に感じられた。
この作品を観ればイーストウッドの人生観がわかり、人間性が素晴らしいんだろーなって事が伝わってくる。
ありがとうイーストウッド!メッセージは受けとったよ!
イーストウッドの演技は「運び屋の老人」そのもの
【字幕版】運び屋
鑑賞日 2019 3/12
クリント・イーストウッドが監督・主演を務めており、麻薬の運び屋の老人の生涯を描いた話。全体的にテンポが良く、主人公の老人も陽気でジョークが上手で境遇も共感できるものだった。最初は何も考えず荷物を運び大金を貰うのだが、徐々にそのリスクと貰う金額が増えていき、最終的には破滅の道へ……。というストーリーで、なかなかバットエンドだった。カイルはとても人がいいのでカイルを脅していたギャングでさえも変えてしまうというストーリーや警官に家庭についてのアドバイスをするストーリーも面白いし、体の先まで悪人というわけではないことを表していた。だが運び屋になる→警察に捕まるというだけの話を映画化する必要性はあまり感じなかった。
全体的にサスペンス感が足りないため、映画としては単調になってしまっている
クリント・イーストウッドのリアルな演技によってキャラクターのもつ重圧感はひしひしと伝わってくるし、人生を仕事に捧げたことで家族とは疎遠になった男の遅すぎる再生ドラマとしては申し分ないのだが、全体的にサスペンス感が足りないため、映画としては単調になってしまっている。
裏では麻薬取締局と麻薬組織との戦いや麻薬組織内の権力争いが勃発しているという背景がありながら、クリント・イーストウッド演じるアールに焦点が当たりすぎていて、温度差を感じてしまうし、結果的に麻薬組織がどうなったかが描かれていない。
組織内で芽生えた友情や信頼なんかも結果的に薄っぺらく扱われてしまっている。
運び屋を逮捕しただけで終わる規模の犯罪ではないと思うのだが…本来なら逮捕してからどうやって組織を摘発にいたったかを描いてほしいところだ。
やっぱり自分の話にしてしまっててしみじみ
流石イーストウッド。前作『15時17分、パリ行き』と違って普通に面白い(あれはあれで良かった)。麻薬カルテルが絡む実録犯罪モノなのに、やっぱり『グラン・トリノ』みたいに自分の話にしてしまっててしみじみ。それはそうとプロデューサーのロバート・ロレンツってあいつ今何してる?
ロバート・ロレンツ監督『人生の特等席』は普通に面白くなかったけど、あれで監督としてのキャリアが閉ざされるほどの駄作では全然なかった。IMDbを見てもプロデューサーとしてのキャリアも『アメリカン・スナイパー』以降実績がない。ロレンツ自身がチャレンジを後悔してなければいいけど
ジジイの軽やかな人生の楽しみ方
グラン・トリノでこれほどない人生の退場を演じ切った後で、これ以上何を伝えようとしているのかと思いながら鑑賞。
なるほど、自分の存在意義とか、社会的役割とか、そんなことより毎日を頑張って楽しく生きろよとでも言われているような作品だった。
私にはグラン・トリノの対極にあるような作品だと思えたが、両方ともイーストウッドその人なんだろう。
一方は優等生的な映画人、一方はだらしないが人たらしのジジイ。
この作品は後者だ。
この主人公のやっていることは、決して褒められることではない。
運んでいる物もそうだし、家族をないがしろにしている点も家庭人としても失格だ。
だが、このジジイは軽やかである。
ギャングとも仲良くなるし、困っている人がいれば助ける。
無意識的に差別的な発言をするが、それを指摘されれば受け入れる。
社会的な正しさは別として、今いる環境を受けられ、進んでいくしなやかさが大きな魅力。
とにかく必死で楽しく生きていることが大切なんだという、老境での悟りを感じた。
こんな作品を観せられると、今後も永遠にイーストウッド作品を見続けたいと思わせられる。
やっぱり、イーストウッドが好き。
ああ、よかった。と思えました。
口が悪くて嗅覚のいいおじいちゃんがかわいい。
花を愛している。ということで全てのうまく行っちゃう出来事も、まあ、いいか。と思えてしまいました。
何もかもは手に入らない。でも、最後に、よかったかも。と思えるくらいが丁度いいんじゃないかと思っている私にはぴったりしっくりでした。
平和すぎる!うまく行きすぎだろ!映画かよ!!と感じられる方もいるかもしれません。
ハードボイルドを装った少女漫画です。
癒されます。
万人に勧められる作品かと思います。
現代人への揶揄
人は寂しさが引き金で色んなことを引き起こしてしまう。老人だからこその寂しさやそれを埋めるためのお金の必要性。そこに麻薬組織のニーズと合致した面白さがある。それが単なる転落ではなく自分の愚かさを認知したことにより、家族を求める自分の気持ちに向き合う行動に繋がった。長くない余生にも関わらず自分の罪を認め逃げることをせず、また刑務所でデイリリーを咲かせる、その場その場での自分の生き方を最後まで諦めないところにどんなに歳であっても自分を生き切る強さを感じた。ところどころに散りばめられる、差別とは何か、義理人情のなくなった現代人への揶揄も小気味が良い。トリノとは違う老人の格好良さを見せてくれる。
切ない物語なのかと思いきや
90歳で麻薬の運び屋になる話なので、多分切なくて暗い話なのかと思いきや!
なんとユーモアに溢れた作品!
銃を突きつけられた主人公アールが「俺は戦争に行ってるんだ。お前なんか怖くない。若造が」って、軽くあしらうシーンがたまらなく好きです。かっこよすぎます!あと、ギャングが銃をつき付き合って一触即発のシーンなのにリップ塗ってるところも大好き。思わず、吹き出しちゃいました笑
農場の仕事も失敗し、家を差し押さえられ、家族にも嫌われ、それでも自分のダメなところをすべて受け入れて、軽やかに、腹をくくってドンと生きる主人公にとても感動しました。
アールが病気で倒れた妻の元に、運び屋やそっちのけで駆けつけるところは涙なしでは観れません。
最終的には捕まってしまったけれども、家族との関係が深まって、わたし的にはハッピーエンドでした。
クリントイーストウッド監督の作品はバットエンドが多く、わたしの中で嫌煙しがちでしたが(ミリオンダラーベイビーとか鑑賞後しばらくヘコんでたし笑)
この作品は良かった。
人生の、様々なことを経験した人だけが出せる、重みのある演技は本当に素晴らしいとしか言えません。
とても、満足のいく作品でした。
遺書更新
久しぶりのイーストウッド監督・主演作。
同じく監督・主演の「グラン・トリノ」を観たとき、これはイーストウッドの遺書だと思ったけど、それから10年経って撮られた本作は「グラン~」と同じテーマでありながら主人公の性格は真逆。
主人公が家族を顧みずに家庭が崩壊したのは一緒だけど、本作のアールは外面は良くて人付き合いが好き。
ある意味で、演じるイーストウッド自身により近いキャラクターなんじゃないかな。
そう考えると、アールのキャラクターも含めて10年前の遺書を更新したような映画だと思う。
映画館で観たかったです。
劇場で観たかったのですが、近くの映画館に来なかったため、今になって漸く鑑賞しました。
実話から着想を得た作品との事で、完全に実話に沿った作品にしなかったのが良かったですね。
シリアスになり過ぎずところどころユーモアを感じさせる作りになっていながら、中盤以降は緊迫感も有り、更には心に響いてくる作品に仕上がっているあたりは流石クリント・イーストウッド監督ですね。
とても面白く良い作品だと思います。
行いはとても褒められたものではありませんが、何故か憎めずチャーミングに最後には好感さえ持てる主人公であるアール。
クリント・イーストウッド監督だからこそ創り上げられた人物像だと思いますし、役者としてのクリント・イーストウッドだからこそ魅力的に演じられていたのだと思います。
そう言えば作中でクリント・イーストウッドが着ていた衣装は“グラン・トリノ”や“トルゥー・クライム”“ザ・シークレットサービス”などで実際に着た衣装だったのですね。
気がつきませんでした。
今回90歳の運び屋の役を演じたイーストウッド監督ですが、88歳ながら今回の役を演じるにあたってわざと老人らしい演技をなさったとの事。
1ファンとして、監督業だけでなく、まだまだ現役の役者さんとしてイーストウッド監督には頑張って欲しいです。
お話に直接関係があるわけではありませんが、アメリカの雄大な景色を見ながらのドライブは楽しそうですね。
倫理の側面
「事実は小説より奇なり」という名言もあるが、数々のヒーローを演じてきた反動なのだろうかクリントは実話ベースに嵌っているようだ。アメリカという広大な風土と実在の孤老の犯罪者、恥知らずと一蹴されても不思議ではない話に何故クリントは魅かれたのだろう・・。
語られる家族の大切さは表層的に思う、人種のるつぼ、銃社会、従軍経験のない私は人間の欺瞞性への気づきに劣るのかもしれない、人生の終焉が遠くはないと気づいたとき、使命感のない人間は戸惑うばかりだろう。
主人公と重なる年齢のクリントが感じた老いへの想いがひしひしと伝わってくる。俳優、監督はもとより、脚本、音楽、衣装、撮影、どれをとっても誇張がないプロの仕事が心地よい。
大切な人達と過ごす時間
時間だけはお金じゃ買えない。
もっと大切な家族と話をし、
同じ時間を共に過ごそう。
家族が側にいるのに、お金は必要無いだから。
そして、妻に最愛な人だけど、苦痛の元なんて言われるのもいい。
イーストウッドの老いぼれジジイ感は秀逸。
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