機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのレビュー・感想・評価
全349件中、101~120件目を表示
ゾクゾクやワクワクと同時に結末を予期させる音楽
Youtubeの冒頭15分を観て、「これは観なければいけない」と考えみに行きました。
どこかで本編暗いからドルビーシネマがおすすめだよと聞いたので、500円課金してそちらに
宇宙世紀ものはファーストとUC以外観たことが無かったため、大丈夫かな? と思いながらも、冒頭15分に惹かれ、観に行きました。
結論は観に行って大正解でした。
CCAを観てなくてもわかるっちゃわかるけど、補足説明が無い分、よくわからない単語や人物が出てきてもそのまま見続けられる人なら楽しめる。逆にCCAを観ていると倍楽しめる作品でした。(観た後に家でCCAをみました。)
ガンダムは初めての友人に世界観をざっと説明し一緒に行ったところ続きが公開されたら教えてほしいと言っていたのでおそらく楽しめたのだと思います(たぶん)。
これを観た後、すぐ原作小説を購入し読んだところ、CCAの内容に合わせたアレンジもいくつかされていることがわかり、描写が細かいなとも感じました。
小説と違う描写がある箇所もいくつかありましたが、その全てがハサウェイやクェス、ギギ達に対する解釈であったり、ベルトーチカとCCAの違いに対する解釈であったり、導入の音を使った第一部に対する解釈であったり、先程述べたCCAの内容に合わせたアレンジであったり、全ての疑問への解が限られた時間の中で丁寧にかつアッと驚く表現をされているものばかりでした。
映画本編中どうしてもわからなかった箇所があったのですが、原作小説を読んでも分かりづらく、その場面を3回ほど注意深く読んでやっと意味を理解できました。
音楽は澤野さんでしたがUCの広がりを感じる音楽とは異なり、重々しくもあって、重力や終わりを思わせるなぁと思いながら見ていました。
評価されている方の多いMS戦はもちろんのこと、物語の構成や戦闘以外のシーンでもとても楽しめました。(とにかく演出一つ一つが細かい。市街地戦が特に良かった。)
ドルビーシネマの多方向から流れる音も臨場感を高めるものでした。
MS戦よりも会話シーンが多い印象でしたので、ロボット同士の戦いをみると冷めてしまう人でも十分楽しめると思います。
他の方が言われていた画面が暗いという評価は確かに普通の映画館で観ると見えづらそうだなという印象をうけました。ドルビーシネマで観た方が楽しめそうです、普通の映画館で観るとちょっと……。なので、2回目もドルビーシネマにしようと思ってます。
来ている方は圧倒的に男性が多く、女性二人組で行ったため浮いてしまったなと失敗。
(まあ、誘ってもハサウェイ嫌いだから観ないよと断わられたんですけどね……。ハサウェイいい感じに(やばい方に)吹っ切れてたのでハサウェイ嫌いでも楽しめるかと思われます)
おもしろかった
初めて劇場で観るガンダム映画。
今まで観たことあるガンダムは鉄血のオルフェンズと∀の序盤だけやったから、ハサウェイを観るためにファースト劇場版3部作、Z劇場版3部作、逆襲のシャアを予習。その甲斐あってクェスとかの固有名詞が理解できた。
冒頭のハイジャックシーンとかで世相を説明してくれて、予習で観た過去作よりは親切設計な気がした。
絵もきれいで観てて楽しかったけど、モビルスーツ戦は全部暗くて見づらかった。
話自体はほぼ進まんかったけど、この先どうなるのか次作は楽しみ。
凄く良かった
とてもとても良かった。
若い人には気取っていて、退屈な作品に感じるだろうか?と思ってたら受けているみたいで良かった。
ハサウェイ、ケネス、ギギの、立場はそれぞれ違いながらも、旧世界を引きずり硬直化した世の中を何処か諦めている感じが時代に寄り添っている気はする。
大画面で見ることに意味のある映像でもあった。
どちらかと言えば富野原理主義者としては、やはり「シャアの反乱から…12年」でうるっとなりました。EDの安彦、大河原両氏のクレジットにも、ファーストへの敬意を感じました。歳を取ると…
作品中でグッと来たのは、あの「生きることに固執していない」ギギですらパニックになるのがわかる、夜間の市街戦シーン。生々しい演出でした。次の瞬間、自分が(そのキャラが)死んでいる可能性を「ありうる」と思わせる。「なるほど、わかる」ではなく「感じられる(!!)」。しかも「(富野さん以外の)ガンダムで!!」って悔しいけど思いました(笑)。残酷な描写こそ無いものの、村上龍の「5分後の世界」の戦闘を思い出します。
この「感じられる」はギギも同じ。富野さんのやらしさ(良い意味)が、原作とは言え第三者の作品で感じさせられてしまった!!その監督の手腕に正直舌を巻きました。エレベーターのシーン前後のシーンあたりでは苦笑してました。
原作もそうなんでしょうが、ギギの言葉がことごとく「そのタイミングで言うか!!」とバッチリハマっていて、あざといながらハサウェイが突き離せない気分まで皆が体験出来ていたのではないでしょうか?この、「体験させる、体感させる」こと、こちらの感情を動かすのはなかなか難しいはずなのに…と感心してしまいます。このタイミングの良さは、クエスの回想シーンやアムロのセリフの挟み方でも同様に感じられました。
原作未読なので想像ですけど、パトロンはマイフェアレディ的にギギを扱っていたのではないか?でも、パトロンの取り巻きを見ていれば富裕層の醜さはイヤでもわかる。だからマフティーを「間違っている」という理由で否定はしてないのかなー、とか思ったり。
あと好きなシーンでは、ガウマンが対クスィー戦でレーンにあれこれアドバイスしてるのがカッコいいやらおかしいやら。まあ根がいい人なんだとも思いますが(いや死にたく無いだけか)、レーンとお似合いのコンビなんだよなあ。クラピカと師匠の関係みたいで。(顔がなんとなく似てるし…似てない?笑)
3部作がこのまま好評に終わったら、バンダイ様は「ガイアギア」を持ち出してくるだろうなとそちら方面にも震えています(笑)。
御大が「映画に向いてない」と言われているらしい次回作が監督の真価の発揮しどころか。
もう少し先へいけるか?
期待しています!!
(追加)
パンフやらBDの豪華版やら、姉妹には4DXまで見てしまい、結局2万くらい注ぎ込んでしもたやんけ!!どんだけ好きやねん…
あと、他の方らかの指摘ですが、「自分たちが殺す閣僚の顔を見ておきたかった」ってハサウェイのセリフ、さらっと言われるとそんなにどうこう思わないんだけど(思わなかった)、こうやって字に起こしてみると確かに壊れてる感が強いですね…
映像美◎映画だけでは分からない部分が多々...
この映画を観るために、初めてガンダムシリーズ(宇宙世紀)を観ましたが、映画だけではいろいろと謎な部分が多かったです。最終的には、原作とは違うオチにするとしても、話が繋がってないと、そこばかり気になってしまうので、必要なシーンは削らないで欲しかったです。
アナハイムでのシーンは別にあってよかったのではないでしょうか...。あとで原作読んで知りました...
ただ、現代の技術で描かれる戦闘シーンは迫力があり、美しかったです。4Dでも観ましたが、戦闘シーンは臨場感あって、MSに乗っている気分になりました。
あと、他の方もおっしゃっていますが、3部作であることもちゃんと告知すべきですね。
わたしも当日に友人から聞いて知りました。
これはガンダム初めての人も楽しめるのでは?
まず、絵も声優もすべてがいい。すべてのキャラが特徴が分かりやすく、物語にも入り込めました。
ロボットアニメとしては、市街地戦等がとてもリアルでとても楽しめると思います。
また、アニメ映画として、しっかり人と人のやり取りが描かれている(むしろその時間の方が長い)ので、戦争やテロを題材としたアニメとして、ガンダムを見たことがない人にも楽しめると思います。
ガンダムを知らない連れに、逆襲のシャアだけ見せて映画に連れて行ったところ、とても面白かったと感想をいただきました。また、たしかに逆シャアは見たほうが分かりやすいけど、あとからでもそれはそれで楽しめると思う、とのご意見でした。
是非いろんな方に見てほしい映画です。
nextUC100?宇宙世紀に縛られすぎ
ガンダムの映像作品は今まで全て見てきて、ハサウェイは正直観ててイラッとした。
ギギをヒロインに無理やりした形だし、ハサウェイも中途半端な思想でカツを主人公にした様な無鉄砲で自分の行動に無責任な奴でハッキリ言って無理矢理主人公にしました感が半端ない。成長物語でもなく、只々不快な部分を見せられた感じ、戦闘シーンもグロくするならちゃんとしろよ。カッコよくするならもっと爽快感ある描写にしろや!!
何を見せたかったンだよ。戦闘シーン、ストーリー?人物描写?ユニコーンやファースト、Zの映画は観ててドキドキしたりした。ooは戦闘シーンや音楽がマッチして最高にカッコ良かった。ハサウェイはバラバラなんだよ。音楽、ストーリー、機体、人物全て噛み合ってない。サスペンスものや昼ドラ見せたいんなら全年齢対象からかえろ。ハサウェイを映画にするなら思い切った方がまだ良い。元々の話が閉塞感あるんだからもっと汚くした方がまだ良い。18禁にでもして再出発した方が作品として見れるわけ。全部映画化するとか成功云々よりタチ悪い。ガンダムだから見ちゃうよ、好きだから。でもな、ガンダムは反抗や成長、戦争の悲惨さ、それでも未来に向けて生きていく、大人や子供達が頑張って行く姿勢を、背中を見せてくれる作品だろ?これは只々[ガンダムだから映像作品にしました。]ってだけだ。作品として美しさも無ければ汚さも中途半端。面白くもなんともない。
臨場感あふれる映画
「閃光のハサウェイ」はガンダムシリーズとして観たのが3作目。
前日にはファーストガンダム、「逆襲の
シャア」を観て今作品に挑みました。
ガンダムシリーズを劇場で観るのは初めてですが、とにかく興奮しました。市街地襲撃のシーンは臨場感があり、本当に存在したらこうなっていたんだろうと思わせる迫力でした。
最後の夜のハサウェイとレーンの闘いは迫力がありましたが、リアルを追求するあまり背景が暗かったことが残念。
キャラクターの人間関係も面白かったので次回作に期待。
戦闘シーンはユニコーン以上だが・・・
市街地でのMS戦はシリーズ随一と言えるほどよく出来てる
飛び散るビーム粒子で熔ける消火栓や燃えあがる芝生、MSに乗られて崩れるビルなど丁寧な描写が人間の視点で描かれており、MSの破壊力や重量感をよく演出している
バーニアを吹かしてどっこいせーと強引に飛ぶ量産MSと、ミノフスキー・クラフトで自在に飛び回るペーネロペーの比較もいい。ファンネルミサイル垂れ流しであっさり落とされるのはちょっとアレだけど
が・・・それ以外のシーンはしんどい
ユニコーンやナラティブよりはマシだし、細かいセリフを除ければ原作には忠実だが、スタイリッシュで思わせぶりな尺の取り方で眠くなる・・・端的に言うとテンポが悪く、富野節溢れる元祖ガンダムのようなスピード感はない
旧来のファンが「はいはい。なんかカッコつけた最近のオシャレなガンダムってやつね」とヘソを曲げるのもわかる。スレッガーさんっぽい容姿だと想像してたケネスも妙にイケメンだし
それと純粋に・・・ギギがキツイ・・・
若い頃原作を読んだ時は小悪魔っぽくてカワイイなーくらいにしか思わなかったが、歳食って性欲薄れたオジさんにとっては嫌悪感がすごい
プルツーのような危うさではなく計算された傍若無人さ、クェスのような子供っぽさや素直さがなく、自分の価値を自覚してる若い女の打算が鼻につく
アニメ特有か?と十年ぶりに原作を読み直したが、そうじゃなかった。こんな嫌な女描ける富野御大はやっぱりすごい・・・
ちなみにマフティーことハサウェイがやってる無差別テロは作中で批判されている通りだが、地球連邦政府という巨大軍閥組織の圧倒的な支配力を考えれば、無駄どころか逆効果で多くの人を不幸にするだけと分かっていてもテロに走ることや、逆シャアで死んでいった人達が浮かばれないというハサウェイの気持ちも分からなくはない
実際のところ原作を読んでると「まぁ最後はアレだしね・・・」と納得する他ないし、後のF91の時代には「ニュータイプ?パイロット特性のある人のことだよ」と一年戦争から続く悲劇も何もかも風化して、さらに後のVガンダムの時代にはバイク戦艦が走り回ることを知っているので無常観を受け入れ、どうせ黒歴史を経て∀で救済されるからええやんと開き直るしかない
戦闘シーンはカッコいいし、ナラティブよりは遥かに良作なのでオススメ
見応えのあるロボットものです
ここまで作っちゃうんですか!!
4DXで観て良かった
早く次を見たい! ウズウズ!!
雑誌で製作発表された時から嬉しくて楽しみでした。
(行きたかったイベントは結局、リモートで開催されたようでしたが)
物欲強い私は、ガンダムチャンネルも封印して、特集雑誌を一冊のみで公開までなるべく作品に触れないようにしていました。
小説の内容は うろ覚えでしたが、製作者サイドが(ガンダム知らない人には無理だろうけど)歴史の流れを知っている人には分かりやすい内容にしてくれてるはずだと思いました。
延長された公開日当日まで、ほぼ内容を遮断して劇場まで足を運びました。
自分的には、それで大正解でした。
いきなり迫る映像と美しさ。音楽にサラウンドの響きがガンガン心臓にきて、目が潤み、息が上がり、
初見シーンの攻撃に、情報我慢した甲斐が有ったと感じました。
私にとっても「閃光のハサウェイ」は特別な格別な作品です。 (家族とか理解してくれませんが(笑))
鈴置さんがお亡くなりになった当時は『超完全、完璧な閃光のハサウェイ』は失くなってしまったなあと残念に思ったものです。
この作品を小説から知っている人は、閃光のハサウェイという作品は大切でたまらないものであると思います。 小説は涙が溢れて止まりませんでした。
私も早く次が見たいです。
ファン待望の次回作に期待は増すばかりです。
結末が結城ポケ戦のようなものになるのか?
そういうところも楽しみです。
ちなみに今は、物欲がエライことになってます。タガ外れ~(笑)
大人のガンダム
映画の完成度が素晴らしく、作画、映像、音楽、効果音、ストーリーなど文句のつけようがないくらい素晴らしかった。
キャラも魅力的で、ハサウェイやギギ、ケネスの出会いやその中でも実は敵同士や敵なのか?という緊張感を保ちながらのストーリー展開はギギじゃないけど、とてもスリリングでハラハラすることしきり。
台詞やストーリーなどは実際、初見では理解できないが、それでも物語として成り立っていて、ガンダムを知らなくても楽しめる内容になっている。そして他のガンダムを観たり、小説を読むことで、より理解が深まる仕様になっている仕掛けはさすが!
圧巻はMSの市街戦とハサウェイとギギが逃げるシーンはとても迫力があり、ハラハラしっぱなし。その中でも映像の美しさやハサウェイの思惑も絡んで、怒涛の展開を魅せる見せ場ですね。
最後の対戦も迫力満点!
そしてあの結末を想像しながら観ると序章のハサウェイやマフティーメンバーがより儚く、輝いて見える。
何はともあれ、あの映像と音楽だけでも観る価値ありだと思う。
MS戦をリアルに体感するなら4DXがオススメ!
映像美は一見の価値あり
映像美はこの監督らしさ爆発。
カメラワークもこだわりを感じる。
だが、台詞だけ聞いてると物語の趣旨不明。
富野節と言われればそれまでだが、僕の考える富野節はセリフとそのセリフの話し手、受け手のバックグラウンドまで加味して理解できるもの。
本作はセリフと雰囲気でゴリ押ししてる感は否めない。
特に難解だったのはギギの何気ない一言でハサウェイがマフティーと関連していることにケネスが勘づくシーン。小説ならそこそこ台詞に情報量があるので勘づくポイントが分かるのだが、映画の台詞だけでは何故勘づくのか分かる人少ないのでは。
また、小説や設定を理解していればハサウェイの動機は分かるが、映画だけだと何故環境テロリストとして活動してるのかの理由はサッパリ。これは小説未読の方は理解するのは厳しいと感じた。
ただ、映画としての出来栄えはガンダム作品最高峰。
満足度は高い。
期待値ほどでは無かったけど面白かった(逆シャア世代)
Z、ZZ、逆シャア世代、逆シャアは全シーンセリフ諳んじているぐらいの一部作品ガンダム好きです。
ハサウェイは小説で読んだこともあるけど忘れました。
一応、ガンダムと名の付くものは非富野含め、半ば義務感でだいたい見てきましたが、
最近のUC、ナラティブのオカルトガンダムは、ナンボ戦闘シーン良くてもガッカリでした。もちろん、AGEとか鉄血とかは論外。
そんな中、過去の好きなガンダムとはテイスト違いますが、久々に面白いガンダム作品でした。
とはいいつつ、一番面白かったのは、前半のギギの小悪魔振り&ファッションショー。
大人と子供っぽさの両面がジキルとハイド的に入れ替わり、ケネスやハサウェイを翻弄しようとするさまは、原作 冨野作品っぽいなあと感じました。 若い時はこんなシーン要らないから、さっさとMS戦やれやと思ったかもしれませんが・・・。
あと、前半の市街地の戦闘シーン。 初代ガンダム第一話で、フラウのお母さんが吹き飛ばされ、MSの兵器としての怖さ、対比で人間の非力さを端的に描いていましたが、それを今今のアニメーション技術でリメイクしているなあと感じました。 空を縦横無尽に飛び回るペーネロペー、暗くてよ―分からんという意見も分かりますが、 これまでのガンダムで類を見ない、斬新な演出だったと思います。
ストーリーが個人的には後半やや冗長と感じました。後半のガンダム対決は、暗い上にMSの動きが早すぎて、消化不良に終わりました。 クスィー ガンダムも何が強いのか、よく分からなかったです。前評判の高さで期待値を上げすぎたかなと思います。
とはいえ、UC、ナラティブあたりの、過去の宇宙世紀の作品を冒涜するかのようなストーリーに比べると、オマージュといいのでしょうか、ニヤリとするようなエピソードやシーンを散りばめつつ、本作としてのオリジナリティもある良作だと思います。
何度も劇中出てきた、ハサウェイの逆シャアでの一機撃墜のスコア、出撃直後のバルカンで撃ち落としたギラドーガですよね(チェーンではない)。 逆シャアの出撃シーンを、何回も脳内で再生しましたが、あの何気ないシーンが、こんな形で別の作品でフューチャーされるなんて・・・と、感慨にふけってしまいました。
三部作の残り二つも劇場で是非見ようと思いたくなる内容でした。 エンドロール曲だけは、全然作品のテイストに合っておらず、何とかしてほしいです。 TM Networkとか、森口博子が比較対象なだけに、辛いです。
あれ?上巻ってこんなに面白かった?
原作である富野さんの小説は過去に何度も読み返しているのですが、正直言って余り面白いとは思ったことはありませんでした。
下巻のラストの衝撃はあるもののそこに至る過程は泥臭く冗長な印象しか持てませんでした。
富野さんの何とも言えない政治観が随所で長々と語られ、読んでいて恥ずかしくなる様な独特の擬音表現とかも相まって、「微妙」というのが小説に対する印象でした。
しかし、それが映画化されたらこんなにも面白くなるとは夢にも思いませんでした。
しかも原作を改変している箇所は少なく、基本的には原作を踏襲しています。
台詞も印象的な台詞はほぼ原作通りです。
そういう意味では、私が理解できていなかっただけで原作が偉大だったということと、映像化に際しての取捨選択が完璧だったのでしょう。
兎にも角にも、小説原作のアニメ化という点において100点しか付けようがないくらい完璧な映像化だったんじゃないかと思います。
アニメとして観た時の絵の綺麗さ、場面にあった音楽や音響、そういった良さもさることながら、原作からの取捨選択という点は白眉と言えましょう。
映画としての点でも臨場感の演出は秀逸で、何度かその場にいる様な錯覚を覚えました。
特にホテルでハサウェイが一息ついてベッドに横たわる場面では臨場感と見せ方の緩急も相まってか実際自分が海外旅行中にホテルに戻って一息ついた時の感覚を思い出し、一瞬ですが自分が何処にいるのかわからなくなりました。
次に、色々言われている夜戦時の画面の暗さですが、個人的にはこの暗さが正解だと思いました。
ニュース映像とかで観る海外の夜戦の映像って暗い中で弾道と爆発だけが明るく映っているじゃないですか、まさにそれを観ている様な感覚。
モビルスーツという巨人が頭上で大暴れしている時に地上にいる人からしたら何が何だかわからないはずで、恐らく人間ドラマに注力しているが故に視点や視聴時の感覚としてもその様に描かれているのではないでしょうか。
実際こういうのに巻き込まれたとしたら、ただただわけもわからず逃げなければならないという思いになると思うんです。まさにそれを疑似体験出来たので私は素晴らしいと思いました。
玩具を売る側からしたらモビルスーツがよく見えないのはマイナス要素でしかないと思うんですが、演出を優先する攻めた決断だったのかななんて勝手に思いました。
実際どういう意図で暗くしたのかはわかりませんが。
同様に無駄に水増しされた戦闘シーンも無く、あくまでも原作の範囲というのが今までのガンダムの映像化と違って凄くよかったです。
やや少ないかなと思われるかもしれない分量ではありつつ、きちんとした「映画」としてガンダムに向き合っている感じがしました。
UCなんかは、原作に登場しない戦闘シーンが足され、このモビルスーツ出したらおまえら喜ぶでしょ?みたいな意図が透けて見えてイヤでした。
その観点でいうと、序盤のギャプランは原作に出てこないのですが、私はテロリストがハウンゼンに乗り込む必然性が薄れるのでそこは蛇足だったと思います。MSなら「撃墜されたくなければ金を出せ」も出来るはずなので。
長くなってしまいましたが、細かい点では色々あるものの、全体としては非常にクオリティが高い仕上がりになっていると思います。
中巻下巻では映像化に際して割と際どいと推察されるシーンもありますが、このレベルを維持してくれることを切に願います。
と、ここまでは原作小説を何度も読んだ初老の感想なのですが、全くガンダムのことを何もわからない人が観た時に単体の映画としてどうか、という観点ではやや説明不足かなとは思います。
三部作なのでこの後徐々に描かれて見えてくる部分もあり、原作でもぼかされたまま終わる部分もあり、単独で全て完結しないと許せない人には合わないかもしれません。
落ち着いたガンダム 映像が素晴らしい
全349件中、101~120件目を表示