劇場公開日 2020年3月6日

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「日本人が知らない「実話」」Fukushima 50 うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本人が知らない「実話」

2021年3月11日
iPhoneアプリから投稿

まず日本国民として、今の安全を確保するためにまさに命懸けで動いてくれた皆さんに感謝。
そして福島県民としては、訛りがわざとらしすぎるな、と…。

「Fukushima50」という呼称は映画を鑑賞するまで知らず、事故についても一連のニュースや報道しか知らなかったので、映画で脚色されているとはいえ非常に緊迫しながら観れた。

まさに決死隊。多少の脚色はあると思うが、実際の現場に残るということは死を意識せざるを得ないと思う。現実では、危険手当のようなものもなかったらしいので、本当に自分の職務を全うするという決意の現れなんだと感じた。

役者さんも非常に豪華(演技力があると言う意味)で、見応えがある。
観賞後に調べてみると自衛隊や在日米軍も撮影に協力してくれたとのことで、リアリティ抜群。
在日米軍は史上初めて日本の映画に撮影協力してくれたとのことで、アメリカからみてもこの出来事のインパクトが大きいことがうかがえる。

実話ベースではあるものの、首相と電力会社周辺がボヤッとされており、誤魔化されている感があった。映像化するにあたって問題があったのか?などどうがった見方をしてしまう。

また、「オレたちは何を間違っていたんだ」という問いに対して、いきなりの「自然を甘くみていた」は唐突感がある。
映画を観ている限り、ベストは尽くしていたように見える。多少の「障害」があったのだが、それは「敵」だったのか?もっとベストな対策を打てたのか?結局のところ『人災』たったのか。
ここもぼやっとしている印象。

最初から狙ってぼやかしたのか、止むに止まれぬ事情があったのか…。

今の世の中の状況も相まって、危機に対するリーダーの資質が本当に問われている。冷静さと敬意とミッションと。

映画ラストの「復興オリンピック」には、別な意味で悲しくなってしまった…。

うむぼんず