劇場公開日 2020年3月6日

  • 予告編を見る

「事故のことを少しずつ忘れてきている」Fukushima 50 showさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0事故のことを少しずつ忘れてきている

2021年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

福島の原発事故を基に作られた映画。

これを書いているのは21年3月4日だ。
事故が起きたのは11年の3月11日。
もうすぐ事故から10年が経つのかと思うと、月日の早さに驚く。

今現在も完全に収束していないのだ。
とんでもない事故だったのだと改めて思う。

最初から最後まで息苦しい映画だった。
生死を分ける選択の連続なのだ。

原発作業員の人の気持ちになると可哀想でならない。
作業員たちが命をかけて、原発を抑えようとする姿には感動した。

現場の蔑ろにした上からの指示にはイライラする。
総理が来た時には「はぁ? 来んなよ」と、吉田所長と一緒の気持ちだった。

ヘリコプターで原発を冷やすために水をかける。
原発の規模を考えれば、微々たるものだ。

事故の当時、自分はテレビで見ていて「あれは意味があるのかな」と思っていた。でもやるのだからきっと何かしらの効果があるはずだ。

しかし作中での会話から察するに『ない』らしい。
なんでも努力している姿勢を見せるためにやっていたとのこと。
馬鹿らしいと思った。

もうすぐ事故から10年。
記憶から少しずつ事故の記憶がなくなっている。
事故を風化させないために、この映画を多くの人に観てもらいたいと思った。

show