劇場公開日 2020年3月6日

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「いずれ作られるべき題材。「今」だから大切なのだ」Fukushima 50 白鳥の歌さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いずれ作られるべき題材。「今」だから大切なのだ

2020年3月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

震災当時、自分はとても幼かった。
名古屋に居たので震源からは遠いのだがかなり揺れた。
その時公園で同級生と遊んでいた。
何をしてたかは忘れたがブランコが勝手に揺れて騒いだのを覚えてる。
その後親が公園に来て家に帰った。
母とニュースを観ながら「津波ってなーにー?」と何度も聞いた。
あれから9年。
2011年なんてほとんど忘れているのにあの日の思い出だけは鮮明に覚えてる。

正直に言おう。
原発事故がどうのこうのとは知っていたが何が起こっていたのかは何も知らなかった。原発が爆発したことすら知らなかった。そして何があったのか調べた事も無かった。
つまり当時幼い自分のような世代には原発事故に関しては80%風化されている状況だ。
そんな時にこの映画を観た。
専門用語が飛び交い完全には理解出来なかったが、ベントはいかに深刻なのか?原発で何が起きたのか?それらに対しては充分理解出来た。

絶句した。
自分は名古屋で呑気にお菓子を食べながらテレビを観ていた時、福島ではこんなに悲惨な事が起こっていたのか?と。
この出来事は原発事故とされている。
しかし厳密には原発人災事故とも言える。

政治的な背景が事実と違うと批判してる人がネットにたくさんいる。
それに関しての知識は全く無いのでなんとも言えないが確かにこの映画は政治面で気を使ってるように思えた。
せっかくこの題材に挑むのだからちゃんと政治家達は実名で責任は誰なのか?頭の硬い政府は何をしていたのか?そこを明確にして社会派としても描いて欲しかった。

邦画だから観ない。
そんな人もおそらくいる。
映画は観なくてもいい。
しかしこの機会に是非、フクシマ50について調べて欲しい。
社会では風化してはいない。
しかし自分達のような若い世代には風化している。
我々はこの教訓、事実を風化から「復興」すべきではないのだろうか?

Pegasus
ayuさんのコメント
2020年3月27日

修正していただきありがとうございます。

日本に原発が導入されるべく政治的に大きな力を発揮した人の時代から現在に至るまで、長い年月の先にあることは見ないようにして、今だけ金だけ自分だけという雰囲気だったのではないかと。そして年月がたち答えの見つからない複雑な問題となり、担当となった者は今だけの対応になるのかも。
頭の良い人は上手に雰囲気を動かすものだなと。そして、時がたてば多くの人が気にもしなくなることも知っているのでは。
考える力を多くの人が持つことの大切さを感じます。

ayu
Pegasusさんのコメント
2020年3月26日

確かに政治家は実名で脚色せずは今の日本では難しいと思います。
しかしネットのコメントなどを見るとフクシマ50の人達はいいが政治的な背景が全く違うという意見がかなりたくさんあります。
この題材に挑むからにはやはりそういう政治的背景はちゃんと脚色せず描くべきだったのでは?と思います。
原発事故は政治的背景も含んでの出来事だと思うからです。

Pegasus
Pegasusさんのコメント
2020年3月26日

全員実名というのは政治家のことです。
説明不足でした。修正しときます。

Pegasus
ayuさんのコメント
2020年3月26日

全員実名で脚色せずは難しいと思います。
私の身内は当時、福島第一原発に居ました。事故当時は彼の妻が周囲との関係で辛い経験をしたことを知っています。多くの人の憎しみを抱えることとなった会社で働いているということは、そういうことなのだと思います。それは今現在も変わらないのだと思います。彼の妻が、「今の私は子どもと一緒に外で笑うことも許されないことなんだよ…」と静かに言ったことを覚えています。彼女は泣きませんでしたが、私が泣きました。

まだ、様々な思いを抱えている人が多くいる中、映画が公開されたことに複雑な気持ちでしたが、公開された以上は多くの、特に若い世代の考えるきっかけになってほしいとは思いました。
なぜなら、私自身が事故当時に身内可愛さから、絶望的な状況から身内を救いたくて、いろいろ調べ、愕然としたからです。
自分はこんなにも何も知らずに生きてきたのかと。
原発が導入された経緯や、運営されてからのことや、どのように報道されてきたか…何も知ろうとしなかったし、考えることもしなかった。
社会の動きに興味を持つことや、考える力を持つことがいかに大切なことなのかということを思い知らされました。

あなたのように、この映画を見て、立ち止まって考える若い世代が多くいることを願っています。

ayu