22年目の記憶

劇場公開日:

22年目の記憶

解説

「1987、ある闘いの真実」「殺人者の記憶法」など韓国屈指の実力派俳優として知られるソル・ギョングの主演作で、韓国と北朝鮮の南北首脳会談のリハーサルが行われたという実在の報道記事から着想を得て、自身を北朝鮮の最高指導者と思い込む俳優の父親と、そんな父に翻弄された息子が織り成す物語を描いたドラマ。1972年、南北共同声明が発表され、韓国は初の南北首脳会談に備えて北朝鮮の最高指導者・金日成(キム・イルソン)の代役オーディションを密かに敢行。売れない役者のソングンが抜てきされる。この大役に意気込むソングンは、日夜厳しい訓練をこなし、次第に金日成が乗り移ったかのように演じることができるようになっていく。しかし、結局、代役が日の目を見ることはなかった。それから22年、自らを金日成と思い込む年老いたソングンと、そんな父に翻弄されてきた息子テシクが、ある目的のために同居を始めるが……。息子テシク役に「天命の城」「神弓 KAMIYUMI」のパク・ヘイル。監督は「ヨコヅナ・マドンナ」のイ・ヘジュン。

2014年製作/128分/G/韓国
原題:My Dictator
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2019年1月5日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0道化の涙の先に見えるもの

2024年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

どうやらこの映画はソル・ギョングの演技を楽しむ映画らしい。それは別に構わないと思うが、肝心なのは彼の演技を通して何を感じるかである。
そして、その肝心な部分がぼやけてしまっている感は否めない。

金日成になりきってしまった父を見つめる息子の視点で物語は紡ぎだされるが、息子のテシクが父の姿に何を思うか?ということよりも父・ソングンがいかにして金日成になったか?の方に多くのシーンが割かれる。
さらに言うなら金日成になってしまった父とのエピソードはほとんど無く、父と息子の葛藤や解離は描かれない。
なんだかバランスの悪い構成なのだ。

父の愛に気づいた息子が、家族の素晴らしさに目覚めるというストーリーの中で、核になるはずの息子に全く焦点が当たらない。これで観ている側に感情の高鳴りを期待する方が無理というものだろう。
それよりはむしろ金日成となってしまったソングンを取り囲む一部として、脚本を担当した学生や演技指導を受け持った教授のような立ち位置として、父の狂気を見つめるキャラクターであった方が全体のバランスはとれていたように思う。
道化として過ごしてきたソングンにスポットを当てたかったのならば、そうすべきだった。

逆に息子・テシクの変化と成長を観せるつもりなら、父に翻弄された日々と葛藤を主軸にして、父がどのように金日成になったかという部分は抑えた方が深みがあったと思う。

演技に見応えがあっただけに、ちょっと残念な映画だった。

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つとみ

3.0父と息子の関係は月へ行くより難しい。

2023年6月24日
iPhoneアプリから投稿

大根役者の父と、夢想家の父を慕う息子。しかし夢ばかり見ていられない。生々しい現実を目の当たりにして息子は父を棄てる。儒教思想がそこはかとなく人々の心の底に棲むこの国で自己を肯定しつつ幸せになるにはよほどの覚悟が必要なのだろう。
役者としての今までの価値観を疑うこともなく役に成り切ることだけに情熱を注いでいては演技は成立しない。分かり切ったコトを理解できない。そのコトだけで、もう役者ではない。ムリをすると碌な結果は生まれない。
可哀想なのは父に囲われてしまった息子だ。
反面教師としての父を取り込み明るい未来へと歩き始めて行く予感。多分、そこしはありそうな気にさせてくれる。そんな映画。君はどうする。

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はる

2.5ソル・ギョングのグラビア作品

2021年5月8日
Androidアプリから投稿

冒頭の70年代部分のできが良すぎて、90年代入ってからのテンポのカクつきが気になる。特にストーカーの女の子のエピソードまるごとなくていい。

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三毛猫泣太郎

4.0【”私の父は、世界で最も哀しい悪役を一生を掛けて演じました・・。” ソル・ギュングの演技には毎回、脱帽である。】

2021年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

難しい

幸せ

ー 売れなく、且つセリフも上手く覚えられない舞台役者ソングン(ソル・ギョング)が、1972年、【南北共同声明】が、発表されたことにより、韓国中央情報部(KCIA)によるオーディションにより、金日成の代役となり、”この役は誰にも渡さない!”と誓ったソングンは、日の目を見ないまま年齢を重ねていった・・。-

◆南北共同声明
 ・1972年7月4日 韓国と北朝鮮の統一に向けた共同声明。
 一時的に、朝鮮半島は統一の雰囲気に包まれた。だが、それは政権の中枢にいた者は誰も信じてはいなかった・・。

■今作の印象・・というか、ソル・ギュングの凄さ。
 ・売れない舞台役者の拙い演技。
 そして、まさかの金日成の代役に指名された後の、徐々に”本人として”演技を重ねるうちに、思想も含めて、本人のものになって行く過程。それには、”ジャージャー麵を只管に食し、太って行くソル・ギョングメソッドも含めて・・。
 - 公開日が逆になるが、「殺人者の記憶法」のやせ細った強烈な印象があったので・・。-

■ソングンの息子を演じた、パク・ヘイルの演技も見事である。

<南北共同声明が雲散霧消した後も、只管に金日成を演じ続けたソングンの姿。
 強烈な、体制批判の映画でもある。
 韓国の、ポリティカルムービーの熱量を、”今作ではややコメディ要素も絡めて描いた作品。
 けれど、ラストでの展開は、見事である。泣かせるのである。>

<シネマテーク高崎にて鑑賞 出張先であったため、鑑賞記録なし。>

<2021年2月4日 別媒体にて再鑑賞>

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NOBU
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