劇場公開日 2019年4月5日

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バイスのレビュー・感想・評価

全192件中、181~192件目を表示

3.5Adam McKay

2019年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

知的

The following is a true story. Or as true as it can be given that Dick Cheney is known as one of the most secretive leaders in history. But we did our fucking best.
このフレーズこそ、この映画の角を担っているようだ。9.11のテロが起きた、現代史でも最もショッキングだった事件の背景にある政治のさらに裏の部分でパペットマスターのように黒幕の役割を担っていた副大統領、ディック・チェイニーの半生を描いたまっすぐな映画。アダム・マッケイの作品はとても知的で、経済や政治・メディアといったニュースになった話題を扱ったものが多い。ただ単に1つの事件を追うのではなく、その事件には知られざる要因があり、この人物が関わっていたんだという、かなり一方向から描く作品ばかりである。

今作に関しても、自分では絶対にたどり着けないような脚本。かなりの史実や知識が必要でインタビュー・調査の数は計り知れない量でしょう。それゆえ、単純に自分の知識のなさに失望するとともに、新しい史実を知れたことへの好奇心で映画を楽しむことができた。今回の映画で鍵になってくるのは、”Unitary Executive Theory”でその概念のバカバカしさ、国民を置いてけぼりにしようとする政府の陰謀に拍車をかけることがテーマとなっている。観るべき価値のある映画。ジャンルとしては、少しエンターテインメント性から離れたところであるが、そこにアダムマッケイ監督の手腕が光る。

誰が観ても普通の映画でないことはわかります。話に直接関係しないキャストのナレーション。ストーリーには全く関係のない資料映像を使ったモンタージュ。ドキュメンタリーのように風刺テイストたっぷりの音楽のチョイスなど、映画として目を引く要素は逃しません、難しい題材+描かなくてはいけない史実の量という難題を乗り越える編集の力。役者さんたちの演技は言わずもがなですが、この映画のように、シリアスとコメディが混在するような映画は、撮影されたフッテージをどれだけまっしろなキャンパスで受け入れられる映画を書き直す作業が必要になってきます。どれだけパズルのアイデアがあるのか、そのアイデアをどれだけうまく組み合わせられるのかというのはまさに編集者の力。

本作では、100%やり切れた印象はありませんでした。途中の史実を述べ、”Unitary Executive Theory”の導入するあたりから、どれだけの視聴者がついてこれたのでしょうか。このジャンルに正解はないので、どうこう言えませんが、テーマの選択から宣伝・配給までが映画であることが改めて明確になりましたね。

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vary1484

5.0二代目チェイニーの作り方

2019年3月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

運命の歯車が噛み合って生まれたモンスター!

当時ニュースで見た程度の知識しか無いうえに、
めまぐるしく変わる時系列に振り回されて、展開についていくのがやっとでした(^^;;
いや…展開と言ってもベースは史実なので。
時代背景や相関図、力関係などがわかっていたら更に100倍は楽しめたのではないかと思うと、自分のバカさ加減が悔しいです。(>_<)

でも、ハードルが高くて、見る人を選ぶ映画かと言うと、決してそうではなく
エンタメとしての面白い仕掛けがたっぷりあって、スピーディで息つく暇なくドキドキハラハラ☆
頭の中も、相当忙しかったです。
「なるほど!これがニュースで見てた、あのスピーチに繋がるのか!!」
と思うと同時に、頭の中で当時の記憶が蘇り…
あの頃は「アメリカが言うんだから、核兵器はきっとあるんだろう。」と信じていたなぁ。(-.-;)

テロを許さない強硬な姿勢は必要だと思うけれど
まさか裏で、こんな風に物事が決定していたとは!!驚きの連続でした。
もちろん、おおいにフィクションの部分もあるのでしょうが、何故“今”この映画を作ったのかが、わかった気がしました。

民主主義で選ばれたリーダーに、権力が集中する恐ろしさ。
これでは、民主主義の根底を揺るがす独裁者と変わりない!!
皆んなが選んだ人だからって、何をしても許されるのか??(許されるんですね、これが)
チェイニーに至っては直接有権者に選ばれた訳でもないのにっ!
そんな得体の知れない人が好き勝手に法律を捻じ曲げて牛耳れるシステムが、今でも存在しているなんて。。:(;゙゚'ω゚'):

この映画、ブッシュ政権を描いているようでいて、トランプ政権へ警報を鳴らしているのではないでしょうか?

そう考えると、この映画でのチェイニーの描かれ方にも、すごく納得がいきます。

普通、歴史的人物ソックリさん映画は、その人に焦点を当てて、意外な一面や葛藤を描き出したりするものですが…
このチェイニーに関しては、人物への焦点がハッキリせず、終始、得体の知れない人物として描かれているようで、見ていてすごく違和感がありました。
家族の為に政界を退くくだりがあるのですが(←ここの演出が楽しくて大好き!!)
かと言って、内なる葛藤が描かれるでもなく。。。

まあ、そもそもが恋人に見限られない為に頑張って政界に入っただけなので、理念も主義も主張も無いのだから、フォーカスの当てようも無いですね(^◇^;)
ラムズフェルドと出会った事で、すくすくとモラルの無い政治家に育ち、
ブッシュと出会った事で自由に出来る権力を与えられてしまった。

三人に出会ったことで生まれたモンスター。

家族が安心して眠れる為には、多くの人々の運命を変えようが、命を奪おうが、何でもない。
こんな人物が権力を持ててしまう恐怖が際立ちます。
二代目チェイニーがホワイトハウスですくすく育っているかもしれないですね。

『ゼロ・ダーク・サーティ』の時も感心しましたが
まだ記憶に新しい出来事で、主人公をはじめ登場人物の多くがまだ生きているのに、こんな映画を作っちゃえるところが本当にすごい!

お気に入りのシーンとしては、電話のシーンが印象的でした。
執務室から嫁に電話するシーンが、とっても可愛い。(*´꒳`*)
嫁に褒めて欲しくて、頑張ったんだね。
ラムズフェルド師匠に最後の電話するシーンも、グッときました。

そして、切れ者の嫁がすごい!
飲んだくれ男の素質を見抜いて、自分が叶えなれない政治家の夢を託したのなら、かなりの策士。
時代が違えば、本人が立候補していただろうし、娘も不本意な嘘をつかなくて済んだのではないかと思う。
娘のカミングアウトのシーンでは、家族を第一に考える夫との対比が素晴らしい。
保守的な地域のなかで時代と戦った嫁目線の映画があっても面白いと思いました。
#バイス

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shiron

4.5裏の裏の裏の・・・

2019年3月20日
iPhoneアプリから投稿

チェイニー副大統領の人生を真っ黒なブラックユーモア満載で描いた作品。
彼の上へ目指すその到達点は妻に認めてもらい続けることで成り立っていたようにみえました。
日本作品では絶対に作らないようなアメリカ政治や実際の映像やシーンに2時間引き込まれました。

#試写会
#バイス

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結

2.5現実と近過ぎて笑えない

2019年3月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

子ブッシュを隠れ蓑にしてホワイトハウスを牛耳っていたチェイニー副大統領の悪行をアダム・マッケイ流のゴリゴリなブラックジョークで描いていくのだが、今の日本の政権とあまりにも酷似していて全く笑えない。アメリカでこれを観るのも居心地が悪いと思うんだが、今の日本では更なり…!ぐったりしてしまった。
権力が一点に集中することがいかに恐ろしいかを際立たせているので、三権分立も議会が分かれていることも重要だという当たり前のことを痛感する。そして何よりメディアが政権がおかしい時に批判できるかどうかが問われている。この後アメリカの政権は民主党になるが、また共和党に戻っているのが辛い。
主演のクリスチャン・ベールはどこ?と思いきや、声がバットマンを思い出して懐かしい…そして意外と、ちゃんと彼の面影が見える場面が多い。
しかしエイミー・アダムス演じる妻のリン・チェイニーの賢さが冴え渡っていて、時代が時代なら彼女の方が政治家としては遣り手だったのでは?と思わせるほどだった。
他の俳優陣も大変豪華なので、あっあの人も出てる!という楽しさはある。サムロクちゃん演じるブッシュのお飾り具合は最早かわいいレベル。カレルもいつものかわいい方のカレル。語り手と、アリソン・ピルが良かった。

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はと

3.5ブラックすぎるブラックコメディ

2019年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

アダム・マッケイらしいブラックコメディだが、今回はブラック度がキツすぎて、あんまり笑えなかったというのが正直な感想。
個人的には『俺たちニュースキャスター』や『アザーガイズ』といった、全編おバカな作品が好み。といっても両方ともブラック度はそうユルくないが。

役者バカのクリスチャン・ベールは相変わらず文句のつけようがないが、ラムズフェルドを演じたスティーブ・カレルも、もうすっかり演技派に。
ちょいちょいメタネタを入れるマッケイ演出も、今回はエンドクレジットで強烈なのをかましてくれる。

いろんな人が言っているが、こうした映画は日本で作るのはムリ。
もし作ったとしても、政治家の失言集みたいな薄い内容になりそうだけど。

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regency

4.0日本版なら?

2019年3月18日
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語り部の一見フツーの男性の正体が最後に分かって唖然!最初観た政治映画の中では秀逸!起伏があり飽きさせず、エンターテイメント作品として素晴らしかった。ニュースだと説教くさい内容も映画だと楽しく観れて、現代に繋がる史実を学ぶことができます。ちなみに、日本版を作るなら主人公は金丸信?笑

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とも朕

3.0なかなか大人が楽しい

2019年3月18日
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鑑賞方法:試写会

知的

あの事件の裏側の人間模様。それを秀悦に、最高の役者たちが演じて。活字的な部分と風刺が絶妙なバランス。なかなか自分では選ばないような作品に出会えるのも、試写会の良さ。映画好きの、クスッとするタイミングが皆さん上手い。楽しめた作品です。クリスチャン・ベール、凄いな〜

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おたまぽんのもういっこ

4.0なんということだ。

2019年3月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

当時のニュースや新聞から得た断片的な情報と、映画の映像とが複雑に絡み合っていく。あの時、アメリカではあんなことが起きていたのか。

皆が忙しく働き、忙しく休む時代。政治みたいな退屈なモノになんて、貴重な隙間時間を費やしたくない。
私も、いつのまにかそうなってしまっていた。

たった数人に動かされた国家によって、愛する人や家族を奪われた者、人生が一変した者が、どれだけいただろうか。

何よりも驚愕したのは、これがほんの十数年前の出来事だということ。
今もどこかで、そしてこの日本でも、起きているかも知れないこと。

あっ、来月何かの投票だった。

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FMov

4.0政治を笑え!

2019年2月20日
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鑑賞方法:試写会

9.11当時のブッシュ政権で副大統領をしていたディック・チェイニーを描いた作品

田舎に住んでいる特に取り柄のない大学生だったチェイニーが、恋人のリンにそそのかされて政治家になると、やがて政治家の権力の味を覚えてしまう

そして、そこからのし上がって副大統領に登りつめると、大統領をうまいこと操るようになる

そんなあらすじを聞くと「政治の映画か…難しそうだな…」と思うかもしれない

確かに、この映画は政治を描いた社会派作品で、政治家もたくさん出てくる

でも、これは社会派であると同時にコメディ映画でもあって、声を出して笑ってしまうぐらいに面白い

で、笑って楽しみながらも、次第に当時チェイニーがしていた悪業の数々を思い知らされる

特に、911後のイラク戦争で何が起きていたのかについては、とても衝撃的だった

中には、余りにも一方的過ぎる視点で描かれている部分もあったけれど、でも、元副大統領について、これだけ茶化して映画にしてしまうアメリカの懐の深さを感じる作品になっている

そして、アカデミー賞でも話題のクリスチャン・ベール

もう、正直、クリスチャン・ベールだってことを忘れてしまうクォリティの高さ

映画後の解説では、口の曲げ方までチェイニーの真似をする徹底ぶりだったそうで、迫力がもの凄かった

おかげで、チェイニーという人の非道で、狡猾でありながら薄っぺい人間性をより感じられたと思う

社会派ということに対して、あまり構えることなく、肩の力をを抜いて楽しんだらいいんじゃないかな

あの当時、アメリカの裏側で何が起きていたのかを、ぜひ、感じて笑って欲しい作品

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とえ

4.5政治物ですが堅苦しくない

2019年2月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

難しい

カメレオン俳優のクリスチャンベール主演の本作。政治物ですが、堅苦しく無くユーモアがあり、最後まで飽きずに楽しめる作品。役者それぞれが演じている政治家が似すぎていて、ここまで寄せてくるとは(笑)主人公のディックチャイニーが面の皮が厚い、神経図太くないと政治家なんてやってられない!!そしてディックの妻もしたたかで夫婦で凄すぎる。

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トムのり

5.0ずっとワクワクして観られました

2019年2月6日
iPhoneアプリから投稿

前半は制作側の遊び心が伝わってきました!笑
とっても面白かったです!!!
政治に関してのストーリーなので難しいかな、と予想していましたが、そんなことは無く楽しく鑑賞出来ました。若い世代にも分かりやすす提示してくれてると思いました
人の一生ってこんなにも凄いのか!と思いました

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TOFU-DIET

5.0ある意味共和党謹製『カメラを止めるな!』

2019年2月5日
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鑑賞方法:映画館

 世間的には『マネー・ショート 華麗なる大逆転』、個人的には『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』が印象的な一風変わった作風を世に問う社会派、アダム・マッケイ監督作品。

 ワイオミング州在住の飲んだくれ電気技師から副大統領にのし上がるディック・チェイニーの半生を描いた作品かと思い込んでましたが、その辺りの立身出世物語は前菜程度の扱い。とはいえ若かりし頃のチェイニーもクリスチャンが演じているわけで、『レイジング・ブル』のデ・ニーロどころではない肉体改造ぶりに背筋が凍ります。

随所にオフビートなギャグをばら撒きながらニクソン政権下で既にラムズフェルドの右腕として活躍、共和党政権下で徐々に力をつけていく様はサラッとしていますが民主党政権下で辛酸を舐める辺りで臆面もなく『カメラを止めるな!』がやったアレを披露したりとあくまで辛辣なコメディ映画であることは冒頭で高らかに宣言されている通り。J・W・ブッシュをも操る権力を得るチェイニーの快進撃と並行して描かれる一市民の半生がチェイニーの生涯にポーンと投げ込まれるギャグは特に痛快、ブッシュ政権下で行われた非道を理路整然と叩きつける社会風刺の切れ味も抜群、やっぱり『アザー・ガイズ~』から全然ブレていない悪ガキぶりに一安心。散々苦笑いさせられた上にどんな権力を手に入れても一向に人並みな幸福を手に入れられないチェイニーの哀れな姿に自らを投影してしまった哀れなオッサンにドンヨリした気分がお土産として用意されている凶悪な作品。“バイス”には副大統領と悪徳のダブルミーニングがあるとよく言われていますが、政権を越えて権力の座に居座る姿は“バイス(万力)”にも似ている気がします。

 やっぱり演技陣が本当に圧巻。クリスチャン・ベール、サム・ロックウェルがスゴイのは予告で知っていましたが、チェイニーの妻リンを演じるエイミー・アダムス、ラムズフェルドを演じるスティーヴ・カレル他誰もかれもが壮絶に達者なのでそりゃもう眼福。壮大に広げた風呂敷が結局は父と娘の話に集約していく辺りも『カメラを止めるな!』っぽいなと思いました・・・というか絶対参考にしてると思いますよ、アダム・マッケイ。

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よね