ビール・ストリートの恋人たち : 特集
超待望!「ムーンライト」監督が“本当に撮りたかった”作品
GG賞も! オスカーも! 観客も! 誰もが心を奪われる唯一無二の愛の物語
映画ファンが“いま最も見たい!”最旬監督が本作で見せる《7つの進化点》

アカデミー賞作品賞に輝き、世界中を魅了した「ムーンライト」から2年――世界で最も次回作を期待される監督の一人、バリー・ジェンキンスの最新作「ビール・ストリートの恋人たち」が、いよいよ2月22日に日本公開を迎える。先日発表されたアカデミー賞ノミネートでは、脚色賞・助演女優賞・作曲賞に堂々ノミネートされ、前評判は抜群。「ムーンライト」以前から制作を進めていたというジェンキンス監督の“熱意”と“進化”、そして唯一無二の愛の物語を、全身全霊をかけて見届けていただきたい。
映画ファンは待っていた、アカデミー賞“作品賞受賞監督”の次を!
気になるそのクオリティは──やはり、期待を凌駕する《珠玉の映画》だった

「ムーンライト」と本作で2作連続オスカー候補となり、最早その手腕に疑いの余地はないジェンキンス監督。とはいえ、期待が高すぎるあまり、実際に見てみるまでは評価を下せない、と考えている映画ファンもいるかもしれない。そんなあなたにこそ、強く訴えたい。無実の罪を着せられた恋人たちの“愛”を描いた本作は、文句のつけようのない、掛け値なしの「傑作」であると――。



この映画でしか絶対に味わえない──
演出・映像・物語・色彩感覚――映画.comが見た《7つの進化点》

「ムーンライト」でジェンキンス監督が見せた才能は、“片鱗”に過ぎなかった――。そう思わせてしまうだけの圧倒的な“作品力”が、本作にはみなぎっている。彼の作家性であるエモーショナルな映像美、より先鋭化された演出力、作品を力強く支えるキャスト・スタッフたち。いち早く本作を見届けた映画.com編集部が映画ファンに伝えたい“7つの進化点”はこちら――。

現代のマイアミを舞台にした「ムーンライト」の成功を経て、40年以上前に書かれた世界的な文学作品の映画化に挑戦した本作。長年の監督の思いに応えるべく製作チームが再び集結し、前作の経験をフルに発揮。これまでにない映像・音楽・演技の完璧な配分が、まさにジェンキンス監督の“進化”を確信させる。

本作では、同じくオスカーを争う「ボヘミアン・ラプソディ」「ROMA ローマ」でも使用された最新鋭の撮影機材を新たに投入し、微細な表情の変化もとらえた流麗な映像を実現。さらに、「ムーンライト」で映画界に衝撃を与えたカラリスト、アレックス・ビッケルを再招集し、1970年代を舞台にしたラブストーリーに寄り添う情熱的な色調を用いて、新たな色彩表現に挑戦した。

「ムーンライト」「バイス」など新たなオスカー常連作曲家として話題を集め、本作でもアカデミー賞作曲賞にノミネートされたニコラス・ブリテルは、ジャズと管楽器を用いたメロウで格調高く、ロマンティックなスコアで、登場人物の感情の変遷を表現。恋人たちの愛、友情という愛、家族愛など、様々な「愛のシーン」を抒情的に彩っている。


オスカーノミネートのドキュメンタリー「私はあなたの二グロではない」も話題となった、公民権運動の旗手であり近代米文学の第一人者ボールドウィンの世界観と精神を、妥協なく“完全再現”。LGBTを題材にとった「ムーンライト」から一歩踏み込み、50年間変わらない“差別”への怒りを、「暴力ではなく“無償の愛”こそが抵抗の手段である」というかのように、普遍的なラブストーリーに昇華させた。この風合いは、ジェンキンス監督にしか描けない!

「ムーンライト」ではセリフは最小限だったが、本作は名言の宝庫。「彼こそ私の人生で最も美しい人」「俺は君の愛を誰よりも知っている」といった恋人たちが交わす純粋すぎるほどの“愛の言葉”や、苦しい状況に置かれた主人公たちに届く「俺はただ、愛し合う人間が好きなんだ」という“労り”、身重の体で闘う娘を守ろうとする母親の「愛があなたをここに連れてきたの。うろたえないで。信じるのよ」という“献身”。人々の“切実な思い”が、随所に詰まっている。



「ムーンライト」で新人俳優を大胆に起用したジェンキンス監督は、その方式を本作でさらに追求。全編にわたって“主観”となるヒロインに新進女優を選んだのだ。逆に母親役には、「Ray レイ」などのベテラン、レジーナ・キングを据えた。監督は彼女を、若い2人の愛を守る強さと、それが自己犠牲の上に成り立っているという“脆さ”を繊細に表現できる役者だという。レジーナの演技は世界で絶賛され、数多くの映画賞を受賞。アカデミー賞助演女優賞にもノミネートを果たした。


前作に引き続きプロデュースを務める「プランB」だけでなく、強力な援軍が加わった。「ゼロ・ダーク・サーティ」「her 世界でひとつの彼女」「20センチュリー・ウーマン」「ファントム・スレッド」や、「バイス」(4月5日公開)などを手がけたオスカー常連スタジオ、アンナプルナが製作に参加。最強のタッグが実現した!