「これはレッドフォードならではの落とし前」さらば愛しきアウトロー MPさんの映画レビュー(感想・評価)
これはレッドフォードならではの落とし前
発砲なし、暴力もなしで銀行を襲う74歳。見た目も振る舞いも紳士だが、やっていることは紛れもなく犯罪者。演じるロバート・レッドフォードが幾度となく演じてきたキャラクター名で言うなら、アウトロー。そんな彼に心奪われる恋人もいる。そうか、これはレッドフォードが思い描いてきたヒーロー/アウトローの完成形か。年相応に老いさらばえもせず、かと言って年甲斐もなく色恋に迷わず、誰に何と言われようが、本能的に自由を求めて人生の黄昏を彷徨う姿は、まさにレッドフォードならでは。同じく俳優監督としてさららに年上の現役であるクリント・イーストウッドが、老いと共に愛嬌を溢れさせるのとは違う、硬質な魅力が、本人が引退作と一応明言する本作からは感じ取れる。それが、何よりも美貌を指摘されてきた彼の、いからも彼らしい落とし前なのだと思う。
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