ちいさな独裁者

劇場公開日:2019年2月8日

ちいさな独裁者

解説・あらすじ

「RED レッド」や「ダイバージェント」シリーズなどハリウッドで活躍するロベルト・シュベンケ監督が母国ドイツでメガホンをとり、第2次世界大戦末期に起きた実話をもとに描いたサスペンスドラマ。1945年4月。敗色濃厚なドイツでは、兵士の軍規違反が続発していた。命からがら部隊を脱走したヘロルトは、偶然拾った軍服を身にまとって大尉に成りすまし、道中出会った兵士たちを言葉巧みに騙して服従させていく。権力の味を知ったヘロルトは傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、ついには大量殺戮へと暴走しはじめるが……。出演は「まともな男」のマックス・フーバッヒャー、「ヴィクトリア」のフレデリック・ラウ、「顔のないヒトラーたち」のアレクサンダー・フェーリング。

2017年製作/119分/G/ドイツ・フランス・ポーランド合作
原題または英題:Der Hauptmann
配給:シンカ、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2019年2月8日

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(C)2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film

映画レビュー

4.0 「服は人を変える」の悪い例

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

日本版のポスターが秀逸だと思う。主演俳優の顔をカットして軍服を全面に押し出す。主人公は軍服に操られる存在に過ぎない、真の主役は軍服なのだと力強く訴えている。
着る服によって気分が変わることは誰でもあるだろう。しかし、その効果は強すぎた場合、この映画が描くようなことは誰にでも起こりうるかもしれない。服は人を変える力がある。これはそれが悪い方向に変わってしまった場合の物語だ。ナチスの軍服は、その意味で非常に完成度が高いと言える。ただの若造にあれだけの威厳と権力を与えてしまうほどに強力なデザインだったということだ。
しかし、服だけであれだけ人間性が変わってしまうことがあるのだろうか。服という外部要因だけでまるで違う人間に変身してしまうとしたら、人間の本質とは何なのか。玉ねぎの皮のように剥き続けたら、中には何も残らないもので、どこまでも外部要因の積み重ねでしかないのだろうか。そういう人間の本質の空洞さのようなものが見えるから本作は恐ろしい。

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杉本穂高

4.0 驚きの実話〜「総統」という言葉が持つ魔力

2025年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

知的

2018(日本は2019)年公開、ドイツ・フランス・ポーランド映画。

【監督・脚本】:ロベルト・シュヴェンケ

主な配役
【ヴィリー・ヘロルト上等兵】:マックス・フーバッヒャー
【フライターク上等兵】:ミラン・ペシェル

原題は、『Der Hauptmann(大尉)』

実話というから驚く。
しかも、本作は大きな脚色はせず、
史実に沿って製作されたというから、
二重に驚いてしまう。

この出来事が起こった背景としては、

◆ナチスドイツにとって終戦直前の敗走期であったこと
◆精兵として有名だが絶対数が少ない「降下猟兵」所属であったこと

があるのではないか、と思う。
「事実は小説より奇なり」
を地で行くストーリーだ。

後方の掌握、を口実にやりたい放題。

歴史の面白さは、
ドイツ人が実質的に無罪放免したのに対して、
連合国側が彼を赦さなかったことだ。

当時のドイツ軍部の混乱、腐敗、
「総統」という言葉が持つ魔力が
よく表現されている。

サイドストーリーではあるが、
戦記好きは必見だろう。

俳優陣の演技も素晴らしい。

エンドロールと共に流れる映像を観て、
『帰ってきたヒトラー』を思い出した。
☆4.0

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Haihai

4.0 エンドロールにも注目。

2025年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Yohi

3.0 前後半で別の映画

2025年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

将校の軍服で身分を偽った脱走兵が終戦間際の混乱の中で別の脱走兵たちや他の将校を欺いて行く前半と、完全に将校になりきって狂気に身を投じていく後半に分けられる。

前半はこう言う隠し事系の映画が好きなのもあるが、身分がバレないかハラハラの展開でとても面白い。が、しかし、後半は戦争の狂気を描くWWIIのヨーロッパ系の戦争映画に変わってしまう。それ系の映画も嫌いではないのだが、あまりの世界観の変化に着いて行けなくなってしまった。惜しいなぁ。

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マルボロマン