蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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主人公達の描き分けが印象的です。
音楽の演奏を題材とした映画は、役割を演じる役者と演奏する音楽の整合性をどのようにとるのかという難題がありますが、本作はこの難題をみごとに克服しているように感じました。
ピアノにはほとんど初心者の耳にも、作品の中心人物である四人の音楽に対する思い、そしてその情念を演奏にどのように反映させているのかを理解できるほどでした。
もちろん場面のつなぎ方やカメラワークは演奏の邪魔をしないよう入念に計算されているし、楽譜の描き方といった映像ならではの演出も大いに貢献しています。これらの要素を結び付けて高い一貫性を持った映像を作り上げた手腕はとても素晴らしいと感動しました。
物語の本筋は、国際ピアノコンクールの予選から本戦までを描く、分かりやすい構成です。これに主人公、栄伝亜夜の回想が挿入されます。主要な登場人物である四人それぞれの人物がどのような背景を持っているのかも物語を語る上で重要な要素ですが、インタビューの形式をとった語りは、説明臭くならず、物語の流れも阻害しない手法で、これもまた良かったです。
松岡茉優さん扮する栄伝亜夜は、ある過去に囚われてピアニストとしての人生に踏ん切りが付けられないという、少し影のある人物設定です。しかし松岡さんの持って生まれた特性なのか、黙って佇んでいるとどこか近寄りがたい雰囲気があるのにも関わらず、振り向けば親しみやすい笑顔を見せるというギャップがあります。これがむしろ他の天才ピアニストとの交流という描写に強い説得力を持たせています。本当に素晴らしい役者さんだと改めて思いました。
物語の分かりやすさと引き換えなのは仕方ないと思うのですが、主演の四人以外の描写を思い切りよく削っているので、「国際コンクール」の規模が体感しづらかったのは少し残念でした。
分からん
原作は未読です。
「分からん」としたのは、ストーリーでは無いです。ストーリーそのものは難しいものでは無いんだが、2時間の枠におさめる為に、各キャラクターが抱えている心情が殆ど書かれていないので、何で「今、こういう事をしているのか」などが伝わってこない。
主人公であろう、松岡茉優の演じる元天才ピアニスト少女は7年間、表舞台から姿を消していた。切っ掛けが母の死であろう事は想像つくんだけど、母の死後のコンテストでピアノが弾けない、オーケストラのメンバーが敵意を持った目で彼女を見る(本人の錯覚・思い込みなんだろうけど)、そして何故、7年も姿を消して、その間何をしていたか、何故復帰したのか、等が一切分からないので、今の彼女に感情移入が出来ない。全編、全キャラに対して同様。役者はみんな上手い人を使っているのに残念。
レンタルで観たが、かなり演奏の時間が多いので、薄型テレビだけ、サウンドバーだけの環境では話も面白く無い、音も迫力無いで全くつまらないだろうな。自分はそれなりのシステムを使っているので、ストーリーは兎も角、演奏はそれなりに聴けたけども。
予想だにしなかった日本映画の良作!!
ヒットした本を映画化、くらいにしか思っていなかったし、お世辞にも良作を思わせるようなポスターでは無かったので、映画館には行かず最近DVDで鑑賞。
、、観終わった後、ひさびさにその素晴らしさに震えが来ました。
それぞれ個性が引き立つ役者陣。それでいて無駄のない台詞と、無駄を極限まで削り取った台詞のひとつひとつ。
そして秀逸なのがカメラワーク。時にワンショットで、時に寄り引きを巧みに使った演出で、作品の中にグイグイと引き込まれて行く。
全体の演出も、過剰過ぎず、足りな過ぎず、何というか、高級料亭のような絶妙な味加減の肉料理に、お吸い物に、みたいな感じ。
とにかく観終わった後の爽快感も大きく、久々に納得の行く!映画でした。
また本でヒットしたのは知っていましたが、これだけの音楽演奏シーンを、本ではどのように表現しているのか、原作も大変気になりました。
映画全体が素晴らしいハーモニーを奏でているような、まったく想像だにしなかった良作でした!
※唯一!ブルゾンちえみの海のシーンの台詞だけは三文芝居でしたがまぁ見なかった事にします。
久しぶりに必見!おススメの映画です!!
雨の音楽、雨の歓声
見る予定は無かったが、music.jpで配信されていたので何となくで鑑賞。松岡茉優出演の「劇場」と「騙し絵の牙」が楽しみってのもあるけどね。
言葉では表せない表情と音楽での表現。
そこんところは良いんですけどね〜...
いろいろと勿体ないというか、惜しい。
ピアノの天才たちが集まる芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加することになった4人の天才の話。
まず、映像が美しい。
自然の素晴らしさが最大限映し出されている
始まりから自然だから、夢中になりますね。
松岡茉優の演技。
この役にピッタリすぎる。
顔で物事を訴えるのが非常に上手い。心震わされる。
音楽と自然で伝える気持ちの変化。
見てて面白いし、感動する。
言葉で表せない心情の揺らぎがこの映画1番の見どころ。
惜しいところって言ったら、天才さ。
人よりずば抜けている所が描けてない。
ここがホントにもったいない。
4人だからなのか、全員が中途半端にしか描けてない。
雑さが見られるので松岡茉優にしか感情移入出来なかった。
細かいですけどね、指揮者にカメラを当てた時観客席に人がいなかった。ホントに細かいんだけど、しっかりやって欲しいかなと思いましたね。
何を基準に評価しているのか。
それは、自分のコンプレックスを見て評価している。これがスゴい響きましたね。
惜しいけど、面白かった。
松岡茉優、もっとガンバレ!!!
あ、ヤバい、映画始まっちゃう。。。
音楽と物語の重なり
綺麗な映画
小説を読んでから観ようか迷ってたが、
レンタル開始されたので即借りて視聴。
この手の映画でよくありがちな中だるみや
つまらなさは感じず、
ピアノのことに詳しくなくても
話に没頭できる内容でした。
あと、キービジュでキャスト見てどうかな?って思ったけど、
本当このキャスティングで良かったと思う。
最後、コンクールの結果だけ文字で出てエンドロールという展開には
監督の優しさも感じられたし、
すごく良い映画を観たという気持ちでいっぱいになりました。
近々小説も読んでみよう。
演奏シーンが凄い
私はまだ、 音楽の神様に 愛されている だろうか?
ピアノがわからなくても観賞できる作品。
ピアノを、全く経験したがことないため作中でのピアノの演奏については凄いとしか言いようがない。
しかし、この映画はピアノの演奏のみならずピアノを、演奏することから逃げてきた亜夜が3人のピアノコンサルタントを通じて自分の過去と向き合うことで真の音楽にありつくまでのドキュメンタリーとしても観ることができると感じた。
また、作品の構成としても多少の時間軸の変化はあるにしても非常に単純で見やすいものになっていたと感じた。
ちょっと期待外れ
期待し過ぎたせいか乗れず…
恩田陸さんの「真夜中のピクニック」が人生ベスト級に
好きな小説だ。
「蜜蜂と遠雷」小説は未読。
この映画を観る限り、小説を観た方は「あのシーン!」と
乗れて、
未読の僕には、この間には素敵なエピソードがあったはず!
このキャラクターの関係性は何か描かれてたはず!
と言うのは容易に想像出来て、
自分には原作にチャレンジして派手に散った作品
だと思えた。
音楽シーンは素晴らしいけど、そんなのは音楽を題材にした
映画なので当たり前であって欲しい。
なので、人間関係やエピソードに盛り上げが欲しかった。
4人の演技は素晴らしいし、
ピアノの天板や側面の黒で過去を映し出す演出は
凄い!と思ったので、キャラクターをもっと掘り下げて、
天才たちだから理解は出来ないけど、
感情移入はさせて欲しかった。
ただ、二人でピアノを弾くシーンで、
この人たちピアノで会話するどころかセックスしちゃってる
なと思いました。
そんな映画ではないのだけど。
小説読みます。
ピアノの音がほんっとうに素敵
挑戦に意味がある音楽映画
浜松国際ピアノコンクールの2006年から20015年にかけて計4回取材し小説にした恩田陸の原作を、ポーランド国立映画大学出身の石川慶が脚色、演出・編集した音楽映画、の概要のみで鑑賞。メイン楽曲がベートーヴェンやチャイコフスキーではなく、ラフマニノフでもなくプロコフィエフということで俄然興味深く観た。期待値が高すぎたのか、落胆の感想になる。音楽映画ならば、オペラ、ミュージカル、オペレッタの題材から、作曲家、指揮者、オーケストラメンバー、歌手などを主役にした映画化はすんなり想像がつく。ゴッホやモディリアーニなど天才画家は絵的には簡単だ。でもピアニストは実際のピアノを演奏しなければならない。結果、それをどう見せるかの工夫が感じられなかった。また、天才の内面を描くことは困難であることを改めて認識してしまう。4人のコンテスタントの才能の閃きの瞬間を撮るなら、ドキュメンタリー映画に委ねるべきである。
腑に落ちないのは、指揮者の描き方。有名なコンクールのプロの指揮者で鹿賀丈史が演じて見せる傲慢な音楽家は聞いたことがない。ピアニストの個性にある程度合わせる仕草を見せて、尚指揮者の拘りを印象付ける役柄で良かったのではないか。審査委員の描写も凡庸極まりない。撮影ピオトル・ニエミイスキの映像は綺麗だが、内容に溶け込んだ映像美にはなっていない。若い俳優は難役に挑戦したと思う。ただ演技で人間味を感じたのは、平田満ひとりに終わる。
テレパシー
期待はずれ
原作を読んで、映画化に期待し見ましたが最悪でした。
原作とはかけ離れた脚本で、原作の良いところが完全に殺されています。
もし原作を読まれてない方はぜひ読んで下さい。1000倍感動します。
こういう作品を取りたいのなら、原作を扱うのでなく、自分で1から脚本したもので撮るべきです。
ドラゴンボールをハリウッドで実写化して失敗した時の衝撃です。
高評価で絶賛している方の意味がわかりません。
唯一の救いは俳優の方々の演技と音楽面をサポート、作曲されたプロの方の素晴らしさでしょう。
登場人物それぞれの気持ち、葛藤、成長が見どころなのにまったく薄っぺらいものになっています。
マサルの天才さ、高島のコンテスト後の感動、亡き天才ピアニストが送り込んだ風間塵というギフトの重み、挫折してからの初めてのコンテストでの亜夜の成長がまったく原作の1/100ほどしか表現されておらず、なぜこんな映画にしたのかと腹が立つ程です。
鹿賀丈史さん演ずるソリストもあんな描写ありません。なんであんな失礼なソリストの脚本にしたのか疑問です。
正直、別な監督さんで取り直してもらいたいほどです。
原作者に失礼だなと怒りが湧くほどでした。
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