蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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小説と併せて楽しみたい
原作が面白くて一気に読んでから、映画も待ち切れない気持ちで鑑賞。
亜夜のコンクールエントリー番号、小説では88が44だったので半分くらいの分量なのねと考え、割り切って観ることができました。
風間塵をはじめ演奏者は小説のイメージに合っていて嬉しくなります。どちらが先でもいいけど小説も読んで堪能したい作品です。
映画観てから原作読んだ結果
映画の内容は原作の2割程しか描かれていないと感じたが、映画だけ観る分には十分楽しめる。演奏シーンも素晴らしいし、2時間程度という限られたなかでうまくまとめてあると思う。
しかし原作の細かい描写があっての風間塵の存在感だったり、栄伝亜夜の葛藤だったりが生きてくる点は否めない。原作読んでから映画を観た人には物足りなさを感じるかもしれない。
とは言え先に原作を読んだ人も音楽は楽しめるし、あの風間塵の実写化、しかもまるで本から出てきたようなハマり具合で再現されているので、そういう視点では楽しめると思う。というか全体的にキャスティングがいい。ただ、映画には奏が出てこないので今思えばそこは残念だった。
本選の演奏曲、マサル(プロコフィエフ3番)と亜夜(プロコフィエフ2番)の曲が映画では逆になっていた。映画を先に観たもんだから、あたしのなかでプロコフィエフの3番(CMで流れていたあの曲)はどうしても亜夜のイメージになってしまっていて多少違和感が…(その他にも原作との違いは結構ある。)
もしかしたら3番の方が大衆ウケするからという理由で逆にしたのかもしれないが、そうだとすると原作内で描写されていた'音楽で集客するには人気のある曲を選ばないと'というジレンマがそのまま表れているようで面白い。
映画を観て面白いと感じた人はぜひ原作を読むことをおすすめしたい。映画よりももっと泣けるし、音楽ってこんなに素晴らしいんだなと、とても幸せな気持ちになれるから。
ピアノの神様
松岡茉優が素敵です!
もちろんピアノの演奏シーンが多いですがクラシックとかピアノが分からない私でも楽しめました。
雨音と遠雷、そしてピアノ。
個性的な4人のピアニスト。
ピアノの神様に選ばれるのは誰か。
そもそも芸術に順位をつけるのって難しい。
演奏シーンも本当に弾いてるみたいで感動しました。
最後にコンクールの結果をさらっと見せたとこも良かった。
音楽はやや難解
国際音楽コンクールでの4人の軌跡を追う。
天才3人と凡才のストーリーを上手く絡ませながら、
決勝までの行方を描いている。
原作は読んでいないが、ここまで音楽を聴かせながら2時間に纏めるのは至難の技だっただろう。どこを取ってどこを削るかの連続だったと思われる。
映像もイメージカットは非常にインパクトがあり、グレーディングにもこだわっている。
音もドルビーサラウンド7.1chにしてあり、臨場感が出るようにそれぞれの楽器ごとに収録してあるというのだから驚きだ。
最も重要な音楽のファクターは、藤倉大が作曲しているため、超絶かつ難解だと感じる。もう少し一般に親しみがあるメロディラインを展開しても良かった。プロコフィエフのピアノ協奏曲3番はプロコが日本に来た際にインスパイアされて創作されたものであるので、最後に持ってくるあたりは分かってるなーと思わされてしまう。2番は最も現代音楽感強めなので、親しみにくい感が出てしまう。むしろ個人的には1番の方が断然ゾワる。リストは一瞬しか出てこないし、もう少し古典的な曲も聴きたかった。
プロコフィエフは天才作曲家であり、ピアノ曲やバレエ曲も数多く残しているが、プロコの曲がここまでクローズアップされたのは本当に嬉しい限りである。
風間くんの木製のピアノや指から血が出るシーンは、脚色し過ぎで現実離れしているのでマイナスポイント。
キャスティングはよくできている。
あなたが世界を鳴らすのよ、は名言。
どこか俯瞰しつつ眺める情景
原作を読んだわけでもないので、予告編で勝手に想像しつつ観た映画。
結果、良い感じに肩透かしを喰らった。其々の中に潜んでいる情念みたいなものが、もっとぶつかり合うのかな?と思っていたのだけれど、案外ドライ。でも、それって物語的なものであって、その実この位に静かで切ないものなのだろうな、なんて思った。だから、物足りなさを感じつつも、結構な満足感を持って劇場を後に出来たきがする。決定的な所で言葉が少ないのだけれど、役者さん其々の動きで何かしっくり来ちゃったのですよね。音が言葉が魂に響く!って程ではなかったのですが、だからこそ腹に落ちた一本ではありました。
だからこその遠雷。
音楽が迫ってくるー
小説にどハマりして、ダッシュで映画へ。公開から時間経ってたんやけど、見れてよかったーいやぁ、至福。本から音楽が飛び出してきたみたいで、聞けてよかった。あぁ、生演奏聴いてみたくなり、うずうずしています。原作ありきで見たほうが絶対楽しいと思う。けど、見てなくても、音楽の迫力がやばいので、それはそれで見る価値ありかも〜
あーもっかいみたいかもしれないw
鑑賞後にあなたの耳は、世界の楽しみ方を知ります
それぞれの天才が音楽をどのように大切にしているかを通じて、私たちにも「音の愛し方」を教えてくれたように思います。
映画の中でピアノコンサートが行われている場面があるのですが、演奏が終わったときに映画の中の観客と一緒に私もつい拍手をしてしまいました。そうさせるだけの音楽による感動が、この映画にはあります。
映画を見ていくなかで、普段なら気にも留めなかったような生活の背景となっている音が聞こえてくるようになりました。俳優さんがセリフを話している背景の雨の音や、ちょっとした衣擦れの音などいろいろな音に気付きました。
映画で素敵な演奏で楽しんだ後も、日々の暮らしの中に隠れているいろいろな音を耳が楽しむことができるようになっていると思います。
ぜひ劇場で素晴らしい音を感じながら鑑賞することをおすすめします。
息を呑む映像
真面目で美しく、こんなに真っ直ぐな映画って最近ほんと珍しい。
人気のあるイケメン俳優で客を呼ぼうという意図もなく、
ただ音楽とはと、問いかけてくれ、この世界に存在している自分の素晴らしさに気づかされる。
松岡さんは最近薬で捕まった女優さんのような容姿で呼ぶ役者さんではないけれど、地に足のついた、演技と思えない佇まいで、そこは自分の集大成を見せよう!という力みもなく
こんな難しい役なかなかできないと思いました。日常が何より大切だし、ほんの小さな雨音もこぼさず感じ取る感性を、努力なのでしょうか、媒体となりこちらに伝える力量があるのは素晴らしいですね。
ちやほやされていないからできるとも言えるし、ヘルタースケルターのような役ができる人もまた必要なのかもですが。
でもこの映画の方がやっぱり虚飾の世界よりも実りがあって現実に生きる自分らには宝物のように感じます。
わくわくすること、他と合わせていくこと、神は細部に宿ると言いますが、
この世の中美しいもので溢れていると、汚いものがあるからそれがまた光るので、区別はつけられないというところですが。
もっと早く観て人にオススメするべきでした。
基本音楽がテーマは好きなので。
割と地味目だとは思いますが、若いピアニストがコンクールにかける思いが伝わるいい作品でした。実際の演奏へのこだわりもあり映画を見てて実際のコンクールが進んでいくようなわくわく感と緊張感を感じながら見ることができました。秀作です。松岡茉優さんのファンでもあるので(;^_^A
原作が好きな人にはがっかりかも。ただし良い改変箇所もあるので賛否両論。
自分は藤倉大さんが「蜜蜂と遠雷」の架空の課題曲作品の音楽を担当することを知って、原作を購入し読みました。
原作はクラシック音楽に関する調査が非常によくできており、素晴らしいなと思いました。ぼくは作中だと奏ちゃんが好きです。
さて映画では…あれ、奏ちゃんどこ?
といった感じで自分の好きなキャラクターが映画に出てなかったり、原作にはないシーンがたくさんあったりと「はぇ〜すごく解釈違い…。」って感じでした。
ただし、原作ではマサルが結局、1次から本選まで何の気苦労もなく、まぁせいぜい女の子と遊んだ程度で優勝をかっさらっていった、いわゆる「モノホンの天才型」として描かれている(もちろんそれはそれで、元来、芸術分野における天才とはそういう悪魔的な性質を少なからず帯びているので、ある種、非常に皮肉的というか、写実的で、鋭いなぁと思い、そっちも良いのですが)のに対して、そんな天才でも指揮者にいじめられたりして悩むシーンを挿入したのは、まぁそれはそれでマサルに対して感情移入ができて良い改変だったなぁと思いました。
だからまぁそういう意味では原作にはない改変が多数見られるので、自分のようにそういうのに対して耐性がない人には絶対におすすめしたくないです。原作を読んで奏ちゃんを推そう。(布教)
またそういうのに耐性があり、その違いを楽しめる人にはとてもおすすめです。奏ちゃんは良いゾ。(布教)
黒い馬が雷雨を疾る幻想的なイメージシーンから、掴まれる音楽に魅入られた人々の物語
三人の天才と一人の秀才のピアニストが、コンクールで優勝を目指す。
冒頭の黒い馬が雷雨を疾る幻想的なイメージシーンから、掴まれる音楽に魅入られた男女の物語で、とても良作。
トラウマでスランプになった元天才ピアニストの松岡茉優が、少しずつ音楽を楽しみ、輝きの戻る過程や日系フランス人の天才を演じる森崎ウィンや新人の鈴鹿央士などの役者の好演で見応えがある。
四人の内、努力家の秀才で社会人のピアニストの松坂桃李が、最初の予選落ちするのが、なんとも。
音楽や芸術には持って生まれた才能が不可欠なイメージを払拭することにはならない筋立てから、抜けられ無いのか。
音楽感を映像に置き換えた撮影と演出も美しくて、監督の石川慶の手腕は中々。
音楽コンクールの舞台裏や鹿賀丈史の指揮者の曲者振りなども楽しめた。
欲を言えば、演奏中にカットバッグで、ドラマが進行するので、音楽がぶつ切りになる傾向があり、尺や演出上の都合だと思うが、演奏のフルバージョンは無理でもなるべく全編を聴かせて欲しいと思う。
あと日本映画のほとんどに言えるが、音響へのこだわりと質がイマイチと感じた。映画館によって設備の優劣は有ると思うが。
京都アニメーション制作の「響けユーフォニアム」シリーズの音響に対するこだわりを見習って欲しい。演奏もきちんとフルバージョンで聴かせてくれるし。特に京都アニメーションの「リズと青い鳥」の音響へのこだわりは凄い。
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