蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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「復活」するって感動的!
深く傷ついて長い間死んだようになっていたとしても、それほど深く傷つく鋭い感性をもっているからこそ、復活する時は爆発的だろうし、そのためにも少しずつ弱々しくとも手探りでも前に進んでいくことが大事なのだろうと思えた映画だった。
ピアノ曲の美しい旋律、雨、遠雷、どこか世紀末的な海の向こうの深い雨雲と稲光、月夜の美しい連弾、亡き母との甘美な思い出、ライバルでも優しく純粋な仲間。
ピアニストを題材の映画として、訴えかけてくるものが沢山あった。
どんなピアニストになりたいかも皆それぞれ違い、その中で悩み、限界を越えようと力を尽くし、時には助けたり共に楽しんだり。
苦しくてもギリギリを耐えて越えた先には素晴らしい復活、新しい世界が待っていることもある。
日々を諦めずにいこうと思えた映画で、観て良かった。
目に耳に心にくる映画だった。
#蜜蜂と遠雷
震えました。
そして、泣いてしまいました。
それぐらい、素敵な作品でした。
原作も素敵な作品です。
なので、映画化と知って、
どんな音楽なのだろうと
好きな作品だからこそ、
不安がありました。
でも、
本当にやってくれました!
どのシーンもどの音楽も
どれもすばらしいですが、
わたしが好きなものは2つです。
1つ目は、
第二次、菱沼忠明「春と修羅」のカデンツァ部分
明石さんの「あめじゅとてちけんじゃ」が
家事をしながら口ずさむ
そんな優しいメロディが
今でも耳に残っています。
2つ目は、
本選、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」
栄伝さんの演奏!!!
もちろんストーリーやシーンも
よかったです。
でも、
演奏!!!!!
迫力があり、強さがあり、
心の弱さもある。
涙が流れてしまう演奏でした。
CDがほしい!!
天才がいっぱい!本物は誰?
内面描写の難しさ
原作は、直木賞と本屋大賞をダブルで受賞した傑作小説である。非常にユニークな作風で、ピアノコンクールという題材のため、記述のほとんどは登場人物の内面描写に割かれており、目立った動的な場面はなく、曲の解説も触り程度に過ぎない。だからといって、読者をクラシックのピアノ曲に詳しい人に限定するような内容ではなく、詳しい人にはより面白く、詳しくない人にもそれなりに楽しめる作品になっていた。
音楽演奏のステージに立ったことがある人や、さらにコンクールに出たことがある人には身につまされるような記述が多く、どちらの経験もある私は非常に実感を伴って楽しく読むことができたが、こんな内面描写ばかりの作品をどうやって映画化するのだろうと、興味深く鑑賞した。同じピアノでも別の人が弾くと全く違う音がするというような表現は、小説ならば簡単だが、映像と音で観衆に感じさせるのは至難の技だからである。
尺の関係で人物が端折られ、エピソードも間引かれるのは仕方がないのだが、常人とは違う天才たちが互いに影響し合って更に高みに上るという物語が、主人公が過去から立ち直るというだけの話になってしまっていたのが非常に残念であった。風間塵という特殊な才能の持ち主が、触媒のように他人の演奏に影響を及ぼし、特に主人公の栄伝亜夜が立ち直るための絶大な貢献をするのであるが、この映画の物語では塵と亜夜の関係がやや薄くなってしまっていたのも残念であった。
原作では、亜夜と高島明石が初めて会った時に互いを認め合って訳もなく二人で号泣するという非常に胸を打たれる場面があるのだが、映画が始まって間もなくこの二人が出会ってしまうのを見て、あの素晴らしいシーンが見られないのかと非常に失望した。それに代わるシーンが特に用意されていたわけでもなかったので、かなり物足りない話になってしまったと思った。
ピアノコンクールの映画といえば、1980 年のアメリカ映画「コンペティション」が思い出される。リチャード・ドレイファスとエイミー・アーヴィングの素晴らしい演技は、40 年近く経った今でも記憶から薄れることはない。あの映画でも印象的に取り上げられていたプロコフィエフの第3協奏曲は、本作でも大きく取り上げられていたところに既視感のようなものを感じて懐かしかった。
原作と特に大きく違っていたのはオケと指揮者との絡みであった。ピアノコンクールの本選であんな意地の悪い指揮者がいる訳がないし、練習を開始して流れてきたのがブラームスの第1交響曲だったのには何の意味があるのか全く分からなかった。更にモーツァルトのレクイエムの演奏も何故出てくるのか謎であった。
1次と3次予選の場面がほぼカットされていたのは尺の関係でやむを得なかったのだろうが、そのために、物語の流れが全く違ったものになってしまったのではと思えてならなかった。2次予選で出てくる委嘱作品の「春と修羅」というのは架空の作品であるが、映画ではきちんと聴かせてくれたのが一番嬉しかった。ドビュッシーとキース・ジャレットを掛け合わせたような作風は原作のイメージを損なわなかったと思う。また、各奏者のカデンツァの部分も非常に聴き応えがあった。
亜夜を演じた松岡茉優は、原作のイメージ通りで非常に良かったと思う。ピアニストの役は横から撮られることが多いので、横顔が美しい人が相応しく、その点彼女なら文句なしであった。塵役の鈴鹿央士は新人だそうだが、原作のイメージを損なわない良いキャスティングであったと思う。ピアノ演奏の演技は、ドレイファスやアーヴィングには及ばず、「のだめカンタービレ」の上野樹里や玉木宏にもやや及んでいなかったのはちょっと残念であった。
劇中曲はバッハとベートーヴェンとショパンが最初の方でサラッと出てくるだけで、モーツァルトやブラームスやリストやラフマニノフが全く出て来ず、ほとんどプロコフィエフ とバルトークがメインというのは、あまりに偏っていたのではないかと思った。
演出は、ピアノ演奏のリアリティがイマイチで、オケと指揮者によって与えられるプレッシャーという部分にやたら力を入れ過ぎていたところに違和感を覚えた。途中、手持ちカメラで画面を揺らすシーンがあったが、全く必要性が感じられなかった。原作を読まずに見た人の方が楽しめたのかも知れない。
(映像4+脚本3+役者4+音楽4+演出3)×4= 72 点。
役者さんは誰も悪くない。しかし惜しい。
まずは、良いところから。
新人の鈴鹿くんが凄いぞ。これが演技なのか?
自分の素の姿なのかわからない。
特にインタビューシーンは、急にドキュメンタリーになっなのか?と思うほどだ。とりあえずビックリだ!
松岡は、そこそこのレベルの演技、悪いわけじゃない。
だけど、こんなんじゃオレは認めない。もっと凄いはず。
松坂はそこそこ。森崎だって自然で上手いし。
音楽だって、素晴らしいし、映像もいい。
だけど、全体的には感動が薄い。
なんでだか、考えたけど、やっぱり脚本だと思う。
この時間で、4人の物語すべて平等に描いて、
すべての人間に共感するってのが、多分無理なんだろう。
長いテレビシリーズなら、もっと掘り下げた人間描写が
可能で、それぞれの感動も深まったはずだ。
もし、映画にするなら、映画が答え言ってるよ。
4人の起爆剤となる人間にフォーカス当てないと。
いくら松岡頑張っても、母の死のトラウトからの脱却だから、静かで、重いテーマになる。
この映画では成功してない感じ。
風間こと、鈴鹿に絞ってもっとなぜ、養蜂家の出身で、
有名ピアニストからの推薦状もらう事になったのか?
具体的なエピソードもっとないと、
素人には、わからない。
音楽に詳しい人には、あの演奏が、それほどレベルの違うものだとすぐわかるのか?
風間の天才ぶりを描く映画で、それに触発される
ピアニストを描くものにすればよかったかも。
そのへんが、惜しいところなのかな?
多分原作の小説なら、ひとりひとりに感情移入出来るし、
感動も深まるのかな?と思うんだけど。
どうしても、のだめと比べてしまう。
あっちの方が面白くて、音楽の素晴らしさ伝えるのに
成功している気がしてしまう。
音楽には特別な力がある
ピアノコンクールを舞台にした物語。天才少女と呼ばれた過去を持つ栄伝亜夜を筆頭に、さまざまな背景を持つ4人のピアニストたちが奏でるストーリー。ここに辿り着くまでの道はそれぞれ。この舞台に来た理由やピアノをやるモチベーションも様々だけれど、ピアノという共通点がきっかけに集まり、お互いにとって良い協和音となっている。ピアノが好きという強い想いは、忘れていた心を呼び覚ましてくれる。クラシックが詳しいわけではないけれど、音楽に背中を押してもらえた気がする。
すごかった
原作を読み始めた時、正直ピアノのことがよくわからないので途中で嫌になるかなと思ったが、話に引き込まれ、分厚い本だったけどあっという間に読み終えた。
それが映画化されるということで、とても楽しみに。
想像の世界でしかないピアノの音を聴けるのだから、と。
ただ、やはり私には明確な違いはわからなかった…。
それはさておき、作品は良かった!
松坂桃李演じる、年齢ギリギリのコンテスタントの「完敗」という言葉は胸に響いた。同時に、やはりピアノが好きだという言葉も。
原作だけの時より、全員を応援したい気持ちになっていた気がする。
オーケストラとの共演が素晴らしかった。ピアノはわからないけど、音楽はいいな、と。
全くの余談だが、指揮者役の鹿賀丈史さんのお腹に目が釘付け(笑)
素敵な笑顔
松岡さんが演じた亜夜、ピアノ好きな仲間と触れ合う時に見せる笑顔が素敵なんですよね。
森崎さんのマサルが、緊張感が緩んだ時に見せる笑顔も素敵なんですよね。
鈴鹿さんの塵が見せる、好きなものに対しての無邪気な笑顔も素敵なんですよね。
松坂さんの明石がコンクール最終選考の日に見せた、吹っ切れた様な顔も素敵なんですよね。
それだけじゃなく、鹿賀さんが指揮中に見せた笑顔、平田さんの優しい微笑み、更にフルートの女性の見せた笑顔も素敵なんですよね。
これだけ笑顔が素敵な作品、面白くないはずがないんです。
だけど、最終選考の後の亜夜の笑顔が、素敵に感じられなかったんですよね。
あくまでも、私がそう感じちゃっただけなんだけど。
ここ、一番輝いていて欲しかったかな。
いい作品だとは思うんだけど、何か消化不良な感じでした。
ピアノ演奏好きは絶対見るべき映画
映像が美しく、ピアノ演奏が素晴らしい。
気がつけば自然に涙がぽろぽろ溢れ出す映画でした。
各ピアニストが共鳴し合い才能を解放させる描写が見事。月光の下で、アイコンタクトをしながら演奏で語り合う天才同士の連弾の描写は神がかっている。
一番好きなのは、後半の母娘の連弾で雨音を拾い、連弾で即興の音楽を作るシーン。
母と過ごした時間が天才性を育んだ根拠として説得力がある。「あなたが世界を鳴らすのよ」とささやくセリフはゾクッとした。
コンテスト期間を中心に話は進むが、
どのピアニストもお互いを支え合っているのが良い。海辺のシーンは印象的で天才同士共鳴し癒しを感じる映画を通して余韻の残るシーン。
自分にとってこの映画はとても大きなギフト。一番好きな映画となった。出演者や映画関係者に感謝します。
ガチの音楽映画でした
役者の演技は見応えあるけど、原作と比べると残念・・・
原作のファンで、この映画を楽しみにしていたので、初日に見に行きました。
それぞれの役者さんの演技は見応えがあって、全般的に良かったと思います。
一方で、映画という限りある枠の中で、それぞれの原作を映画でなぞっていくのは難しいと思いますが、原作の中でもっとここの部分を表現して欲しかったというところが映画では薄く描かれていて、残念でした。
あと、映画ということで期待していたのが、原作の小説の文字の中から聴こえてくる音楽でさえ、とても重厚でピアノとオーケストラの協奏する様子が鮮明に描かれて、文字から素晴らしい音楽が聴こえてくるため、なおさら映画の迫力からはもっとすごい音楽が聴けるのかなと期待していましたが、私が期待を大きく持ちすぎてしまっていたのか、さらっと流れてしまった印象があり、期待外れで残念でした。
その他、小説では風間塵が野性的で本能的な才能を持った少年で、原作のイメージで映画を見始めましたが、風間塵役の鈴鹿央士さんの演技は、また原作の風間塵と違った個性的で印象的な演技で、素晴らしかったです。
特に栄伝亜夜と風間塵の連弾する場面は小説を越えていたと思いました。
というように、映画なので残念な部分はいくつかありましたが、小説を改めて読んでから、また映画を見てみたいと思える作品ではありました。
ケミストリー(化学反応)
音楽の国際コンクールで優勝や入賞というニュースを耳にすることは結構多いように思うが、偏差値教育の影響か、何か定められた評価方法のようなものがあるのだと信じきっていて、出場者同士で影響し、ケミストリーのようなものがあるのだということを想像もしていなかった。
徹底的な指導と練習で経済的な成功をも視野に入れようとするマサル、
生活に根付いた音楽を追求しようとする高島、
ピアノの演奏や音楽が好きで自然の音や新たな出会いにも刺激を得ようとする天才・塵、
未来に向かうため、過去と向き合い、過去をなんとしても取り戻そうとする英伝。
カデンツァの演奏でも、それが色濃く表される。心の声なのだ。
用意周到に準備をするマサル、
自分の目指すものに捉われるあまりもがく高島、
自由で一分一秒成長する塵、
心の声に耳を傾けようとする英伝。
残念ながら高島は最終選考には残らなかったが、残った三人のそれぞれの最終選考の選曲も、それぞれをよく表すようで聞き入ってしまう。
バルトークはインスピレーションを自分の生まれ育った国以外にも求めた作曲家だ。塵のイメージに合致する。
幼なじみの英伝とマサルは同じ作曲家の異なるピアノ協奏曲を選ぶ。
異なる人生を歩んだということだろうか。
マサルは、プロコフィエフのもっとも成功したピアノ協奏曲と言われる第三番。
英伝は、当初は批判も多かったとされるピアノ協奏曲第二番だ。
このスリリングでダイナミックな感じは、映画やドラマのスリリングな場面で使われることがあるので、日本ではよく知られている気がする。
僕は、こっちの方が好きだ。
有名なゴースト演奏家(?)がいるのは知っているが、願わくば、最終選考の曲はもう少し長く聴きたかった気がする。
そして、最近観た、パリに見出されたピアニストで最も象徴的に使われていたラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番を選んでいたピアニストが(おそらく)棄権していたのは残念でした。
そして、タイトルについて…、
間違っていたら大変申し訳ないし、確認しようもないのですが、昔、蜂の分峰と雷に何らかの相関があるのではと聞いたことがあります。
遠くで鳴り響く雷鳴は、塵自身のようでもあり、そして、自らも含めた四人の化学反応を促したということだろうか。
因みに、バルトークのピアノ協奏曲は、同じハンガリーを祖国とするショルティ指揮のがわりと有名です。iTunes聴き放題でさっき、チェックしたら、ロンドン・フィル、ピアノはあのアシュケナージのものが配信されてました。
原作のファンも納得の、予想より上々の出来栄え
恩田陸原作の映画「蜜蜂と遠雷」をTOHOシネマズ日比谷で鑑賞。
本作で直木賞を獲った(受賞は遅すぎたが)恩田陸の作品は殆ど読んでいるが、大変読みやすい文章を書ける稀代のストーリーテラーである。特に発想と設定のユニークさは天下一品で、あまりに奇抜過ぎて後半で巻き取りきれないことがあるのが欠点だが、本作はかなり収拾しきったので、文壇で評価されたのだろう。
ただ、映画化については正直、期待してなかったのだが、思いのほか、上々の出来栄え。とくに、栄伝亜夜役の松岡茉優と、風間塵役の鈴鹿央士との掛け合い、ピアノ連弾や控え室でのすれ違いなど、本当に見事で感動した(^^)
松岡茉優はマスコミ対応でちょっと損をしているが、やっぱり上手いと思った。そして、鈴鹿央士はまさにハマり役、風間塵にびったりである。原作読んだ人は、ここまでリアルにぴったりな配役ができるとは思わなかったはず。
映画としては、始めの入り方は若干心配になってくるペースだが、コンクールが進行し、前述した亜夜と塵の連弾のころから、画面に引き込まれて、脇を固める斉藤由貴や鹿賀丈史、平田満もさすが味わい深い演技。
絵のタッチが日本映画ぽくないなあ、と観ていたら、監督はポーランドで学び、カメラマンもポーランド人、たしかにカメラワークはヨーロッパっぽいタッチで見応えあり。
馬のイメージだけが、ちょっと賛否のわかれるところか(^^;;
実際のピアノ演奏は、河村尚子をはじめ、さすが今、脂の乗り切った日本の若手一流どころ、全く違和感なく演奏に引き込まれた。
あの長大な原作をよく2時間に仕上げたものである。もちろん、小説の表現技巧ほど、コンテスタントの演奏の凄さを表現しづらいのはあるが、全体として望外の出来栄えである。
音楽をテーマとした小説の映画化の困難さを鑑みると、若干甘いが五つ星を付けてもよいだろう。まずは原作を読んでほしいが、映画としてもおすすめである。
綺麗な映画でした
綺麗な映像、良いロケ地、上手な俳優と思います。
ただ、原作読んでいないのですが、天才の悩みというのが、いまいち伝わってきません。きっと原作では文字で伝えているのでしょうが、映像にしたとき、その部分をけっこうすっぱ抜いて描いている印象がありました。
松岡茉優さんの悩みとかトラウマとかは描いているんですけどね。あと、もっとも庶民的な松坂桃李さんの役どころ。そもそも松坂さんくらいしか共感できる人いないからなー。
物語の構成が予選からスタートしているから、少しドキュメンタリー的に撮っている印象がありました。
それはそれでいいのですが、1部、2部があって、第3部から観ているって気がしたのは私だけでしょうか?
あとすみません。どなたかあの黒い馬の意味、教えてください。描かれてました?どういうメタファーなのか、まったくわからんかった。
それから松岡茉優さんが最後、トラウマを乗り越えてやったるでーってなった瞬間、が、よくわかりませんでした。駐車場の脇にピアノあって、それ見て、いろいろ思い出して(なにがあって何を思い出したのかわからん)、いざ会場へ。って、なんで?と疑問符出てしまいました。そこが残念。というか、それも含めて、天才たちの話だからまーいっかーっていうのも観ながらの本音でした。
兎にも角にも、あのピアノの伴奏、みなさん覚えたんですかね? すごいなー、憧れるなー。それから松岡茉優さん、この世代でこういう役演じられるの彼女くらいなものじゃないかしら。鬱陶しくない陰鬱さと、本心からの笑顔。が、とても良い発見でした!
台詞/モノローグなしで主観をどこまで語れるか
公開日の夕方に鑑賞しました。
導入部の印象は「四月は君の嘘」+「ピアノの森」。
ヒロイン、栄伝亜夜がピアノにトラウマを負った原因は、母の死。
優しい母と厳しい母の違いはあるが、「四月は君の嘘」の設定とほぼ同じ。
強い音圧で方にはまらない演奏をする風間塵は、「ピアノの森」の一ノ瀬海っぽい。
コンテストの雰囲気や、コンテスタントの交流や葛藤も、既視感が無いといえば嘘。
それでも、亜夜が7年前に残した宿題を克服しようと演奏するラストは、緊張感があって好きえした。
演奏ぞのものの気迫に加え、また途中で止まっちゃうんじゃないかとハラハラし、独特の緊張感がありました。
本当に弾いているように見えるかは、場面によっては微妙でしたが、演奏後に息が荒い感じはリアルでした。
個人的に好きなシーンは、調律師の工房で、亜夜と塵が連弾するところ。
月を眺めながら、ドビュッシーの「月の光」から「ペーパームーン」(映画音楽)、そしてベートーヴェンの「月光」へと揺蕩い、また「月の光」に戻る件が白眉。
月のイメージ1つで、打ち合わせなし連弾できちゃうなんて、めっちゃ素敵。
プロとしてはコンテストに勝つことが重要なんだろうけど、素人目線では何気ない日常をピアノの調べで満たせることの方が素敵に思えます。
また、塵を演じる鈴鹿央士の、イノセントな美しさと表情には目を奪われる。
演奏する時の歓喜に満ちた表情は、無邪気さと天才性を体現してました。
マサル演じる森崎ウィンも、good acting。
幼馴染としての優しい、野心ある若手ピアニストとしての熱さや焦燥が、よく出てました。
審査委員長を演じる斉藤由貴も良かったです。
尊大で辛辣な感じが、大物ピアニスト然としていました。
課題を感じたのが、今回の演出でどこまでヒロインの心情を表現できたかというところです。
松岡茉優演じる亜夜は、時折笑顔も見せるけど、基本無表情です。
それは、母の生前には響いていた音が鳴らなくなったから。
自然に溢れている音を、音楽として紡げなくなったから。
それでも、風間塵との交流を通じて、自然の音を感じられるようになり、7年前の宿題に立ち向かう。
と、大筋はフラッシュバックの演出や、亜夜が選んだ舞台衣装から理解できました。
ただ、その際の亜夜の感情の高まりまでは、感じることができませんでした。
「四月は君の嘘」ほど雄弁でなくていいけど、モノローグを有効に使う演出もあり得たのではないかと感じました。
無論、実写映画でのモノローグの多様は野暮なのかもしれません。
ただ、心の叫びを表情で語らせないのなら、もっと他の表現手段を開発してほしかったです。
正直、雨に佇む馬のイメージは、最後までピンときませんでした。
原作未読なのがいけないのかもしれませんが、映画が独立した作品である以上、原作み読者にも理解できる演出は必須なはずです。
【世界は音楽に溢れている。美しいピアノの音色と個性的な若きピアニスト達の真摯に音楽に向き合う姿に魅入られる】
鑑賞後、清々しい気持ちで劇場を後に出来る作品である。
楽しみにしていた”カデンツァ”の部分も成程、そう来たかという驚きと嬉しさとともに拝見させていただいた。
生活音:野菜を刻むリズミカルな音。幼子と父が遊ぶ中で生まれる音・・
自然音:この映像作品でも重要な場面で効果的に使われていたが
雨音、雷鳴、雫の滴る音・・
日々生活をする中で、奏でられている崇高な音に如何に無頓着であったことか・・に気付かされる。
妻と幼子と暮らす背水の陣でコンテストに臨んだ高島(松坂桃李さん 良い役者さんである、指が綺麗である)が漏らした”生活者の音楽は・・・”というセリフに
〈健全な家庭生活を過ごす中、仕事をする中で生まれる音程、尊崇な音は無いんだぞ〉
と思いながら観ていたら彼も劇中、それに気づいた感が伝わり嬉しく思う。
◆印象的だった場面
・栄伝(松岡茉優さん どんどん素敵な女優さんになられていく)と風間君(柔らかな笑顔が素敵な少年、鈴鹿央士さん)が月光が降り注ぐ中、楽しそうに連弾する姿
・マサル(森崎ウィンさん この人も指が綺麗)が、世界レベルの指揮者、小野寺(鹿賀丈史さん:顔が悪代官風で怖いが人は見かけで判断してはいけない)率いるオーケストラとのセッションでの最高の演奏を求めるが故の遣り取り
・栄伝がコンテスト本選まで残ったのに、過去のトラウマによるプレッシャーが原因なのか、会場を去ろうとした際、彼女を引き留めたモノ。
・コンテスト全体のスケジュール管理するベテラン田久保(平田満さん 良い役者さんだなあ)の若手ピアニスト達を見つめる優しい視線
クラシック音楽コンクールで演奏される数々の曲を超絶技巧、豊かな語彙で文章化した恩田陸の傑作が原作であるが、この作品はその原作をどのように映像化したのかを観るのを楽しみにするのも良し(僭越ながら、私:原作と色合いが違うとかという考えは持たずに鑑賞。これは、映画であるので、そこに制作陣の想いが入るのは当然。)
純粋に、若手ピアニスト達のピアノコンクールに臨む各々の姿を楽しみに観るのも良し。
<ピアニスト達及びオーケストラの奏者たちが演奏する姿が素晴らしく、実に美しいクラシック音楽映画であるが、若手ピアニスト達の成長物語でもある。>
雨音はショパンの調べ
皆さんは「鈴木先生」を知っていますか?
2011年にテレビ東京で放送された、ドラマです。なにしろ視聴率が凄い。なんと・・・
平均2%‼️
ゴールデンのドラマ最低記録だ!
田畑智子、富田靖子、でんでん、など有名な人はいるものの、いかんせん主役の先生が無名の
長谷川博己という人。 あんた誰?
生徒役も無名。美山加恋はいません。中学生役で、北村匠海や土屋太鳳という人が出演していました。知らねえよ!クソ子役ばっかかよ!! しかし・・・
ため息をつく瞬間に世界地図は変わっていく!
今名前を、出した方本当にごめんなさい。逆に、これを読んでる方、全員知ってますよね?
長谷川博己は来年の大河ドラマ主演だぞ!
土屋太鳳は朝ドラ主演、北村匠海は「君の膵臓を食べたい」からすげえ売れっ子!
雨、雨、権藤、雨、権藤かっ!
たとえがふるーい!(私もよく知らん)
私がクソ虫だった。そしてもう一人凄い人が
いた。(文脈で、バレバレだが・・・)
松岡茉優だーーー‼️
参ったか!(誰に言ってるんだ?)
何故私が見ていたか?それは日刊スポーツの梅田恵子さん(何故、さんづけ?)が褒めていたからだ。この方の眼力は流石すぎる。次は亀和田武さんと吉川潮さん。
テレビドラマの話が多いんじゃ!(何故岡山弁?)
まあ伝説のドラマだったのは間違いない!
また見たい!
さて本作は完全に松岡茉優を主演にすえた、音楽劇である。この人はマジで凄すぎる!
表情の一瞬の変化で全てが観客に伝わる。
佇まいが凄い!カルタクイーンになるとそれにしか見えない。背筋が伸びている。
バラエティ番組でも的確。隙がない。バラエティタレントを演じているのだ!
ナチュラルボーンアクトレス。
音楽映画なのに音楽に言及していない?それは
何故かと言うと・・・
なにを、言ってもネタバレになってしまうんじゃ!こちとら打たれ弱いんじゃ!(何故岡山弁?)
本当に良かった。泣いた。音楽は国際語!そして笑顔も国際語!しぶこ最高!(突然ゴルフネタ?)
だからみんなに観てほしいんじゃ!
(だから何故岡山弁?)
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