蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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狂気の中で生きる
まず最初に、小説と映画は別物です。
決してイコールではないです。
イコールほどつまらないものは無いと思います。
観客は理想よりも創造性を取るべきです。
近年稀に見る良い映画だと思いますが
2時間にしたせいか、少し窮屈感があります。
感情移入が散漫になってしまいました。
では上映を2時間30分ならどうなのか、
いや小説どうりにするには、6〜8時間は欲しい!
それが本来の上映時間かもしれません
が、8時間の映画なんて誰も観に行かないでしょう。
映画の製作委員会も上映回数を増やして
出したお金の回収は必須になると思います。
色々ありますが、素敵なシーンもあり
音を探す母と娘のシーンや
凍える夜の二人の演奏です。
全体的にピアノの演奏はすごく
演奏+奏者としての演技が加わりますから
かなり練習をしたのではと、感心するばかり。
この採点評価の星の数はそこに集中しています。
また、これ必要なの?と思ったのは
何度か登場したクロークの場面です。
いいたいことは何となくわかりますが
なんだか大昔の手法ののようで
本当に必要なのか、別案は?
と思ってしまいました。
好きなことに生きる。
目標に向かっていると
時々、狂気と隣り合わせになります。
狂気に触れることがあります。
トラウマも同じ、逃げるのは簡単ですが
それ以上に夢や目標が高いか、満足できたか、
そんなところが映画を通して伝わってきました。
優勝は誰でもいい
過程と未来が大切なのだ
そんな気がしました。
松岡茉優・松坂桃李・森崎ウィン・鈴鹿央士
それぞれ、とてもよかったです。
それを支えたピアノ演奏・指導の方々、
多くの制作スタッフ、存在がポイントの平田満、
長時間の撮影に参加した皆さん、、、。
いい作品を作り、見せてくれたと思います。
最後に「映像化は不可能」なんてことはありません。
映像化はできます、が「表現が出来るか出来ないか」
の問題だと思います。
また観ます。
※
最後は圧巻の演奏
原作を読ませるための序章
原作は読んでないが、映画の尺では入りきらなかった物語があるのだろうなと感じ取れました。
俳優さんたちの演技は素晴らしかったと思います。
1人の天才ピアニストが、周りに刺激され心の破片を取り戻し克服していく姿は音楽と共に美しく表現されていました。
力作でした。
音楽芸術門外漢の私には、ため息をつくばかりの世界で…
たまたま、TV放映されて間もない
「旅立ちの時」と「蜜蜂と遠雷」を
続けて観たら、2作品共に
音の出ない鍵盤で練習するシーンが
描かれていてその偶然性にまず驚いた。
音楽感性に秀でた人は
空鍵盤でも音を頭の中で奏でることの出来る
ことは、音楽芸術門外漢の私には
創造性を超える驚くべき世界で、
この作品のコンクールシステム等々、
音楽芸術の世界に全く理解が及ばない結果、
ただただ縁遠い場所に足を踏み入れたような
気がして、ため息をつくばかりで
鑑賞を終えてしまった。
それにしても、この作品に登場する人々は
超一流とは言えないのかも知れないが、
でもこの世界の頂点の一角。
その裾野には、他の分野以上に
優劣を突き付けられ一流に成りきれなかった
数え切れない関係者がいるのかと思うと、
複雑な気持ちも湧いた。
そこに想いを寄せる存在として登場させて
いるのが、妻子ある楽器店勤めの
サラリーマンだとしても。
全く理解の及ばない物語ではあったが、
原作者が触れているのは、
あえて、こんなことなのかなと想像すると、
“音楽と家族”と“音楽と自然”的な描写や
“世界は音楽に溢れている”との台詞もあり、
登場人物の成長を通じての
音楽芸術賛歌の作品に思えた。
ただ、原作の題名に使われている
“蜜蜂”と“遠雷”の意味については、
少なくともこの映画の範囲の中では
理解が及ばなかったし、
原作に有る無しの関係は分からないが、
意味不明の描写を多く感じたり、
キネマ旬報邦画第5位の作品にしては、
まとまりの悪い編集には感じた。
人生をかけている演奏
ピアノも音楽も知らなくていい!見た方がいい!
松岡茉優見たさで視聴です。
すまない、要はアイドル映画として見ようとした訳ですよ。
うん、やっぱ松岡茉優は可愛いし、女優として見どころ満載でしたよ。
が!しかしそんなもんじゃ無かった。
松坂桃李も森崎ウインも凄え芝居すんな、腰抜けたわ。
松坂桃李の「マジか・」は、あの一言で全員の心情が解るんですよ。
森崎ウインも、あんな少年のような空気出せるもんなのか。
鈴鹿央士もデビュー作?
本当にいきなり現れた無邪気な天才にしか見えなかったわ。
鹿賀丈史の、セリフ無しでも、その演奏が満足出来る物だったかどうかが一瞬で解る立ち振る舞いよ。
僕はピアノはもちろん、クラシック音楽の事なんて1ミリも解らないし楽譜も読めないけれど、誰が何を感じてるかは解るんですよ。しっかりアホみたいに面白かったわ。
たぶん、ピアノや音楽は表層の絵で、本質は人生と人間が描かれていたからだと思う。
劇中で、ピアノの世界は、本当に1位しか生き残れないと説明が有ったけど、それだけじゃ無い結論が、全員に提示されるラストの審査結果は、彼らの未来と希望が描かれ最高でしたよ。
原作が見たくなります!
音楽の表現力がずば抜けている
上手く評せないが俳優陣のおかげで最後まで観られた
原作の半分くらい
圧倒的な
片桐はいりの存在感
プライム・ビデオ鑑賞
この日は娘さん初めてのピアノの発表会で、色々ありながらも何とか演奏を無事終える事ができました。
何と無くその夜「あ、そういえばウォッチに入れっぱなしだったなアレ?」と鑑賞。
静かな立ち上がりながら、序盤からすごいチリチリとした空気にあふれていました。そしてそれは見事な偶像劇。
皆個性的な面々で、それぞれの人生にそれぞれの音楽と寄り添った気持ちをみせてくれました。ピアニスト達4人みんなが主役なんですね。
それと絵作りがとても美しく、クレジットの入れ方も美しい。曲だけフォントを変えるなどデザイン面も良いです。
主役はちゃんとあるものの最後まで四人の物語にした、フラットな構成はとても好感が持てました。
あとクロークの片桐はいり。何もしていないのにすごい存在感ですw
音楽に取り憑かれた、世代を超えた青春偶像劇。そのじっくりと映し出すバランスが素晴らしかったです。お見事でした。
己の音楽を求める4人の若者達
音楽のパワーと奥深さに圧倒される良作だった。ピアノコンクールに挑む4人の若者達の物語ではあるが、4人の共通点はピアノに魅せられているところだけ。後は四者四様であり、それぞれの目的を持ってコンクールに臨んでいる。作品の力点はコンクールでの勝負ではなく、己が理想とする音楽を追究することによって、音楽の頂に挑んでいるところにあると感じた。
本作の舞台は芳ヶ江国際ピアノコンクール。優勝者が世界的な名声を得ていることで、このコンクールは若手ピアニストの登竜門になっていた。栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)の4人はそれぞれの想いを秘めて、コンクールに挑んでいく・・・・。
ピアノの演奏シーンが多く、演奏されるのはクラシック音楽だが、クラシック音楽に馴染みの薄い私にも、4人の若者達の音楽に賭ける想いがストレートに伝わってくる。ピアノ演奏は、彼らの自己表現、自己主張の場であり、鬼気迫る圧倒的な迫力があり、全てを捧げて音楽に精進してきた者の執念が宿っている。
この手の作品のハイライトであるはずの、誰が予選を勝ち抜いたのか、誰が最終予選に残ったか、は強調されず、あっさりしている。ここが、本作の真骨頂である。4人はコンクールでの優勝を目指しているが、同時に、彼らは音楽の頂に挑んでいる。至高の音楽に挑んでいる。音楽を究めようとしている。
4人のなかで際立っているのは、松岡茉優が演じる栄伝亜夜である。天才と言われながらも師である母の死後、彷徨の果てにコンクールに挑んでいる。繊細であり、挫けそうになりながらも、懸命に音楽の道を究めようとする姿は求道者という言葉がピッタリ当てはまる。難役であるが、台詞の少ない表情だけの演技で、松岡茉優が演じ切っている。
本作は、己の音楽を究めようとする4人の若者達の姿を通して、音楽の持つパワーと底知れない深さをピュアに伝えている。
恩田陸は小説で
音楽の素晴らしさ、賞レースの厳しさを伝えてくれる映画
俳優、女優さんの演技は素晴らしいものでした。
マサル役の方は自分でお金をはらってヤマハの音楽教室で指のトレーニングからはじめできるかぎり本物に近づけるように練習したそう。松坂さん、松岡さんも 実際にこの映画で使われた音源とピアノを弾いている手元撮影を行った河村尚子氏から弾いているときの体の動きや体の構造まで学び撮影に挑んだという。「さすがだ」と思わせてくれると同時に演技に対する思いの強さに圧巻された。そして映画の物語について。登場している人物はライバルでつぶしあうような中のはずだがライバル同士が互いに抱く尊敬、励まし合う姿が美しく表現されており、それに見合った最高の演技でとてもよかった。
ぜひ皆さんにも見てほしい映画だ。
玄人から全ての音楽を愛する人に観て欲しい
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