蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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音を鳴らしていた人たちへ
子供の頃は苦しくも楽しく弾いていたのに…
という人にはクリティカルだと思います。
ラストは、自分が何に対して感動しているのか、よくわからなくなってしまいました。
主人公たちの成長をはもちろんですが、脇役の人たちがストーリーにアクセントをつけています。
田久保さん(平田満さん)の心の動きにも揺さぶられました。
あと、ツンデレだ! この人間違いなくツンデレだ! とか。
中盤、ピアノの反射シーンの演出は、うわぁ、そう来たのか… と思わされました。
(いい意味です)
個人的に、今年の青春映画の中では最上位に来ました。
意欲作
松岡さんが素晴らしい
恩田陸の名作の映画化という事で鑑賞前からあの長編物語かつクラシック音楽の奥深い描写を2時間で表現できるか不安に思いながら鑑賞しましたが、なかなか素晴らしい作品に仕上がっていました。特に栄伝亜夜役の松岡茉優さんはとても素晴らしかったです。新聞記者など最近の成長目覚ましい松坂桃李さん、脇を固める斉藤由貴、平田満、鹿賀丈史さんも良かった。ただブルゾンちえみは重要な役なので他の演技派の役者が演じた方が良かったし、2時間に収めなくていけない映画の中で片桐はいりさんの役も不要と感じました。
個人的には原作を読んだ時の感動には今一歩足りなかったですが、キャスト陣の演技や音楽面でもとても素晴らしい作品でした。
映画と関係無いですが、映画マナーの案内フィルムは本編上映直前に流して欲しいですね。マナーの悪い人はギリギリか始まってから入ってくるような人達ですから。
盗撮防止ムービーよりこちらの方が重要ですよ。
また最近、特に持ち込み食品を食べる人が多く、コンビニ袋やスナック菓子のシャカシャカ音させる人がホントに多くて、映画関係者の皆さまには、特にこれの防止啓蒙をお願いしたいです。
原作同様に素晴らしい出来でした!
原作同様に素晴らしい出来でした とここに書けることが、とても嬉しいです! 是非、みんなも観て、感想を教えてください!ピアノに興味ない人も楽しめます(俺がそうだから)
ある一つのピアノコンクールの予選から本戦を舞台に、「かっての天才少女は舞台から逃げた後8年のブランクを克服して再生できるのか」、「子供もいる市井のピアニストは、音楽学校で24時間ピアノ漬けの面々よりも優れた演奏が可能なのか」という2つのストーリーが繰り広げられる。そこに「完全に精密な演奏」と、「自由な発想」というテーマが縦横に絡み合って、ピアノを知らない俺でも、ずっとドキドキワクワクしていられました。
原作での主役四人のうち、二人だけに大胆に焦点を絞ったこともこの映画としては成功していると思う。
何がよいかの一つに、「ピアノが本物」がまず欠かせません。全ての曲を本物のピアニストが演奏しています。多くの人がこの映画を観て、より音のよいシアターでかかるようにならないかなあ。そしたらまた観に(聴きに)行こう!
(世の中に実際にはない曲「春と修羅」は、四者四様のカデンツァ(即興演奏)含めて、この映画のために作曲され演奏されています。原作を読んだ方なら、文字から自分がイメージした曲と映画での曲を比較できるってわけです。
自分は原作を読んでいますが、未読でもこの話はすんなり入りそうだなと思いました。実際に未読の方が観てどうだったかも、是非聞いてみたいです。
エンドロール中の音楽、さらに最後の音まで堪能してください。タイトルが、腑に落ちるかもしれませんから。
最後に画面左下にそっと出る最終順位も、この映画のテーマとする理想と、現実を示していて面白いです。(こんなことを書く俺は、コンテストの本当の意味がわかってないってことになっちゃうか)
-------ここから、ちょっとネタバレありです。書かずにはいれなかったので。観てない方は、観てから読んでください-------
栄伝亜夜の再生の物語が、風間塵、高島明石、マサル・C・レビ=アナトールという三人を触媒として、見事になされる姿をちゃんと描けていて、原作に沿って、焦点は絞り込むが、テーマはしっかり踏襲するという「忠実な映画化」だと思う。
触媒である三人もそれぞれにストーリーを構成している。高島明石は、やりきった充実感と共に "より優れた彼等" を身体で味わう。その上で「自分が演奏を続けることは、俺より彼等が優れていることとは関係なく、俺に許されていることなんだ」と心から思うシーンには、「止揚って、こういうことなんだ」と、こっちが教えられた。
マサルが、亜夜の母がまだ存命で、二人でピアノを習っていた頃の記憶というか体感を亜夜の記憶の奥から引き出す。明石が、演奏することの素直な喜び、そこにコンテストはあってもその本質は競争ではないのでは? という気付きを亜夜に共有する。塵が、母が亜夜の心に埋め込んでおいた「世界は、音で、音楽でできている」ということを引き出す。
塵が、一足先にそこにたどり着き、現在既に死去している故ホフマン先生に「先生、(それを心で理解しかつ実際に演奏できる "仲間" を見つけたよ」と報告するシーンは、目頭が熱くなりました。
ストーリーの中で、ピアノというもの、コンテストというもの、音楽というものに対する、読んでいるこちら側の理解を、少しずつ少しずつ深めていき、こちら側の心を、上記のラストシーンがストンと落ちるまでにしておく。この点が、原作の最大の価値とするならば、この原作に忠実な構成こそが、(実際の音楽にして見せる、ということと並んで) この映画の最大の価値ではないでしょうか。
家族持ちで市井のピアニストという明石の家庭という存在が、一つの重要な位置を占めている。彼という存在が無ければ、天才たちの苦悩にとどまり、観ている(読んでいる)我々が考える、という橋が架からなかったかもしれない。
例えば、カデンツァを披露した際の(素人である)妻のコメント「いろいろリサーチしたのはわかるんだけど、かえって重たくなっちゃった気がする」に対して、明石が多少困惑し憤慨しながらも、「そうか、わかった」と落ち着いて答えるシーン。ここだけで、明石の、人の声を受け入れられるニュートラルさが、観ている側に伝わる。かつ、市井のピアニストという位置を観ている側に確認させてくれる。
さらに、続く妻の「でも気にしないで。私なんか素人だから」に対して、「素人にも届くピアノを、俺は目指しているんだよ」と、やや語気荒く返すシーン。本作のテーマの一つである "コンテストは誰のためにあるのか、ピアノは誰のためにあるのか" という問いを観ている側に投げかける。それを感じるべきは、我々なのだ、
と。
小説という文字だけで想像させる表現を、映像化することでわかりにくくしてしまわず、そのまま伝えられていることは、監督及び松坂さんの、でかした仕事と思う。
-----------------------2019/11/1追記
蜜蜂や塵くんのくだりといった、今回大胆に省略された部分に関しては、琥珀さんのレビューをご一読されることをお勧めします。原作も読んでみたくなるかもしれません。
以下は、非常に楽しくかつ役に立ったやりとりの一部をレビュー内に残しておくものです。
私も、原作の音楽的な主題は、ホフマン先生が、塵という劇薬をこのコンテストに出場させることによって、皆が、つまり、審査員やコンテスタントや我々観客(読者)が、「過去からの名曲を完璧に演奏することだけがピアノの、音楽の真髄なのか」というテーマを考え始める、ということなのだと思います。琥珀さんの言う通りかと。作者である恩田さんの凄さは、たった上下二巻という分量で、読者をそこまで引き上げてしまう力だと思います。俺のようにピアノ弾いたことない読者まで。
ただ、それは私で言えば、原作を読み終える終盤頃から気づかされることでした。それでこの映画は、よりわかりやすい、亜夜の再生と明石の悟りをあえて中心におき、本来のテーマを最小限に抑え込んだのではないでしょうか?
原作を読んだ人にはそのテーマが理解でき、読んでない人にはそのテーマを理解するためのベースみたいなものを築き上げてくれる、という線を目指したのではないでしょうか。
それだけに、映画を観て、原作にあたる人は、そこでまた映画とは別の感動を得られるわけで、ちょっと羨ましく思える。
そして、「だったら、このメンバーのまま、まったく同じ話を、ホフマン先生と塵の側から、もう一本作って、俺たちに観せてよ(聞かせてよ)!」という思いは、とても強くなります‼︎
11/17追記
そろそろ終了してしまいそうなので、再び観て来た。メールでお願いしてみるくらいでは、チネチッタ LIVE ZOUND での上映はやはり叶わなかった。残念だが、7.1chで満足しておくことにした。
「世界は音楽で溢れているね」「あなたが音楽を鳴らすのよ」というセリフにあらためて震え、最終審査のホールに亜夜は微笑んで入場したんだ、と大切なことに今更気づき、再び満足して劇場を後にしました。
ああ、いい映画を観た。
蜜蜂と遠雷
原作未読です。
「蜜蜂と遠雷」そのタイトルと本屋大賞を受賞した作品ということで映画館に足を運びました。
ピアノ関連のアニメ、映画、ドラマですとのだめカンタービレを2話ほどみたことがある程度のピアノ知識しか持ち合わせていませんでしたが、作中には我々のようなピアノをあまり詳しく知らない人にもわかるような表現がされているので見るに当たってピアノ知識は必要ないと思われます。
肝心の作品ですが、帰路に着いてから原作のネタバレを読みやっと理解することが出来ました。
映画だけで全てを理解するのは少し難しいと思われます。しかし決して駄作というわけではなく、音楽好きな方は魅了されること間違いなしです。
ピアノ演奏やオーケストラ演奏もあるので好きな方はより一層楽しめることと思います。
是非一度鑑賞することをお勧めします。
拍手に違和感
とても楽しみにしていた作品でしたが、ハズレ評価組です。
原作の「要約」を間違った印象です。
大事な言葉やシーン、人物の選択が私が思うところとは違いました。
四人のコンテスタントが徐々に心を通わせ、互いに触発される青春群像劇は描かれてはいました。しかし、周りの人たちの台詞で描くなどの間接表現も多く、ストレートに観る側の心に落ちない感じでした。
付加された人物も?
片桐はいりさんも、嫌味にならない素晴らしい演技をされていましたが、笑わせるところなのだろうな、とは思いつつ笑いはおきないし必要を感じないシーンでした。
最大の違和感は「拍手」でした。
二次予選、4つの「春と修羅」の演奏後の拍手が、まず、タイミングが違います。いい演奏を聴いた後は、客席は一度息を飲みそれから拍手がきます。しかも拍手に感情がのります。
最後のプロコのコンチェルト後の拍手は効果音とおぼしき無感情なものでした。
出演者へのインタビューで、1000人のエキストラの前で収録・・・だったそうですが、エキストラへの拍手の演出はなかったのでしょうか。
「のだめ」や「ボヘミアンラプソディ」でも、観客の拍手や歓声のシーンはかなり本格的にセッティングして収録しています。感動が「転移する」重要な役割を果たすだけに、残念でした。
演奏、演技はとても良いものなのに、感動に昇華できなかったなぁ、と私は感じました。
栄伝亜夜を演じられる女優はいるのか
栄伝亜夜役は松岡茉優なんだけど、松岡茉優がやっても、ちょっと役に届かない感じがするんだよね。
ピアノコンクールが中心の作品で、僕は演奏の違いはそこまで解らないから、登場人物達の反応で、どういう変化が起きたか知るしかないの。
鹿賀丈史や斉藤由貴はその辺うまい。
ちょっとした仕草で全てを解らせる演技って、熟練しないと難しいよね。松岡茉優の年齢にそれを求めるのは難しいと思うの。それで、ちょっと届いてなかった気がしたな。
ストーリーは面白いけど、大事な部分は、予告編通りね。各シーンがいいから楽しめるけど、だからこそ、突き抜ける演技があったら良かったな。
そして、これ書いてて思ったけど、芳根京子なら栄伝亜夜やれるかもね。
風間塵が素晴らしかった
天才 風間塵(鈴鹿央士)の存在が大きくこの物語を彩っていました 靴もボロ ピアノも音の出ないピアノで楽しそうに弾いてる姿に見事に心を持っていかれました。そしてマサル(森崎ウィン)は自身の演奏へのこだわりがとても強くて でも栄伝亜夜(松岡茉優)を見守る優しい幼な馴染みな一面もあり 紳士的な感じでとても振る舞いが素敵だと思いました 高島明石(松坂桃李)は家庭を持ちながら コンクールに挑戦する 応援したくなる存在です 栄伝亜夜(松岡茉優)が一番心を揺さぶられたのは風間塵(鈴鹿央士)の存在だと思います 月明かりの2人の練習連弾シーンは本当に素敵でした
上下巻を二時間に収めるのは無理がありますが これはこれで良かったと思います。
原作は三回読んでいます
原作は三回通して読んでいます。一部だけを含めれば10回以上は手にとっています。
そして映画化されると聞いた時、カザマ ジンを誰が演じるのか?それがずべてだと思っていました。
そして、映画の中には、確かにジン カザマがいて、それだけでも物凄いものを見た気はいたしました。
原作における圧倒的な主人公はジン カザマです。
かれの物語は長い原作でも実は僅かです。しかし、だからこそなのでしょうか、原作者は彼が登場する場面において圧倒的なタッチでジン カザマを描いていきます。
この物語は、ジン カザマが初めてのコンクール出場において、最初から最後まで、極端に言えば、全く成長を見せない物語です。
なぜなら彼はギフトであり、ホフマン先生のたった一人の弟子であり、最初から完全なピアニストとして描かれているからです。
さて、映画。
松岡さんは頑張っていました。
この映画の主人公は彼女であり、彼女の再生の物語でした。
映画の初期での当惑は、困りました。なぜ、ストーリーを変えたのか?
全く理解出来ませんでした。
そして、理解出来ない理由が脚本やら大人の事情にあるのだなと気付いて、この映画は、題名や出演する人たち以外は、原作とは全く違う世界のものだと、覚悟を決めて見始めたとき、始めて、この映画のすばらしさに気づきました。
いい映画でした。
ただ、きっと多分、音楽に興味がない方にとっては、微妙かもしれません。
実際、僕の両隣の方達は途中で飽きてしまったようで、ガタガタと落ち着きもなく僕としては困りました(あそこまで酷いのは初めてでした)。
松岡さんのファンだとか、そんな気で見にはいかない方がいいかと。
それから、ピアノのチューニングが素晴らしかった。
前半、ヤマハが始めて弾かれる時だけ、僅かに狂っていて、ヤマハ可愛そう(実際の演奏はどのピアノかわかりませんが)でした。
しかし、後半のすべてのピアノの透明感あるチューニングは見事でした。
全く揺れを感じさせない音に浸るのも気持ちが良かったです。
演技されていた方々もよく頑張って見せたと思います。しかしそこは指の動きを見るよりもクリアな音に身を任せた方がいいかと。
それにしても、カザマジンだけを追っていけば、よりクオリティーの高い映画が生まれた可能性もあり残念です。
彼を演じた方の凄さ。言葉になりません。
でも、原作にあるカザマ君に寄り添う調律師の方の話があったらと思うと残念です。
長くなりました。
クリアな音に身を任す上質な時間を過ごされたい方は、絶対映画館に足を運ばれた方がよろしいかと思います。
原作の受賞歴に惹かれて見てみたが・・・
原作の受賞歴に惹かれて見てみたが、クラッシック音楽ファンじゃなければあまり見る価値ないのではないかというのが、自分の感想。
馴染がない曲が大半でクラッシック音楽のファン以外には敷居がかなり高い。
コンクールで有力出場者は一部を除いてみんな仲良しこよしだけど、そんなもんなの?ごく一部しかプロとして生活できないのにみんなそんなに甘いの・・・
手だけ切り離して(代役つかって)映像化してるけど、楽器を演じる努力しない役者さんには魅力感じないなあ(難しい曲含めて全部を演じろと言うつもりはないけど)
題名の意味がよくわからない(蜜蜂とは父親が養蜂家の息子さんのこと?原作未読です。)
詳しくない世界の話なので評価は甘目です。
立ち上がって拍手したくなる
蜜蜂と遠雷、この作品は予告だけでビビっときて必ずみなきゃ!と思って意気込んで足を運びました。
本当に素晴らしかったです。4人のピアニストが魂を捧げている演奏は勿論、映像美にも思わず息を呑みました。薄青く霜のかかったような世界が栄伝亜夜を包んでいて、スムーズなカメラワークも好みでした。2時間だけでは急ぎ足になる箇所もありましたが、言葉にせずともひしひしと伝わる登場人物の思いがあり、役者さんも素晴らしかったです。
春と修羅はそれぞれの曲へのアプローチの仕方が「うわ〜〜!わかるわかる!」と解釈一致しすぎていてにやけてしまいました。明石さんの演奏が大好きです。
松岡さんが演じる栄伝亜夜が震え声で「わたしは……」と言ってから泣く場面でぐわーっと苦しくなりました。最初から最後まで洗練された音で溢れています。映画が終わった後は周りの音や声にしばらく耳をすませていました。
主役はピアノだけど俳優陣もよかった
主役はピアノです。が、俳優陣の演技も素晴らしかった。本当にピアノを弾いているように感じました。
物語としては、文字にすれば結構単純な話。
ただ、ピアノの音と、雷や雨雫などの自然な音、無音などでストーリーに引き込まれました。
余計な説明はなく、役者の表情や、カメラアングルなどで、物語を表しています。
ただ、正直前半はとても眠かった。
その分、後半はピアノの音にもキャラクターの表情も良くなっていきました。
物語が単調だった分、演出と演技の妙を感じた。
また、ピアノが主役と思えると同時に、無音もとても多い。
テレビドラマでは出来ない演出だと思った。
個人的には、ピアノやクラシックはあまり知識はありませんが、ピアノの音楽は好き。
知識は必要ないかもしれませんが、ピアノかクラシックが好きでないと辛いかも。
原作を読んでいないので
「復活」するって感動的!
深く傷ついて長い間死んだようになっていたとしても、それほど深く傷つく鋭い感性をもっているからこそ、復活する時は爆発的だろうし、そのためにも少しずつ弱々しくとも手探りでも前に進んでいくことが大事なのだろうと思えた映画だった。
ピアノ曲の美しい旋律、雨、遠雷、どこか世紀末的な海の向こうの深い雨雲と稲光、月夜の美しい連弾、亡き母との甘美な思い出、ライバルでも優しく純粋な仲間。
ピアニストを題材の映画として、訴えかけてくるものが沢山あった。
どんなピアニストになりたいかも皆それぞれ違い、その中で悩み、限界を越えようと力を尽くし、時には助けたり共に楽しんだり。
苦しくてもギリギリを耐えて越えた先には素晴らしい復活、新しい世界が待っていることもある。
日々を諦めずにいこうと思えた映画で、観て良かった。
目に耳に心にくる映画だった。
#蜜蜂と遠雷
震えました。
そして、泣いてしまいました。
それぐらい、素敵な作品でした。
原作も素敵な作品です。
なので、映画化と知って、
どんな音楽なのだろうと
好きな作品だからこそ、
不安がありました。
でも、
本当にやってくれました!
どのシーンもどの音楽も
どれもすばらしいですが、
わたしが好きなものは2つです。
1つ目は、
第二次、菱沼忠明「春と修羅」のカデンツァ部分
明石さんの「あめじゅとてちけんじゃ」が
家事をしながら口ずさむ
そんな優しいメロディが
今でも耳に残っています。
2つ目は、
本選、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」
栄伝さんの演奏!!!
もちろんストーリーやシーンも
よかったです。
でも、
演奏!!!!!
迫力があり、強さがあり、
心の弱さもある。
涙が流れてしまう演奏でした。
CDがほしい!!
天才がいっぱい!本物は誰?
内面描写の難しさ
原作は、直木賞と本屋大賞をダブルで受賞した傑作小説である。非常にユニークな作風で、ピアノコンクールという題材のため、記述のほとんどは登場人物の内面描写に割かれており、目立った動的な場面はなく、曲の解説も触り程度に過ぎない。だからといって、読者をクラシックのピアノ曲に詳しい人に限定するような内容ではなく、詳しい人にはより面白く、詳しくない人にもそれなりに楽しめる作品になっていた。
音楽演奏のステージに立ったことがある人や、さらにコンクールに出たことがある人には身につまされるような記述が多く、どちらの経験もある私は非常に実感を伴って楽しく読むことができたが、こんな内面描写ばかりの作品をどうやって映画化するのだろうと、興味深く鑑賞した。同じピアノでも別の人が弾くと全く違う音がするというような表現は、小説ならば簡単だが、映像と音で観衆に感じさせるのは至難の技だからである。
尺の関係で人物が端折られ、エピソードも間引かれるのは仕方がないのだが、常人とは違う天才たちが互いに影響し合って更に高みに上るという物語が、主人公が過去から立ち直るというだけの話になってしまっていたのが非常に残念であった。風間塵という特殊な才能の持ち主が、触媒のように他人の演奏に影響を及ぼし、特に主人公の栄伝亜夜が立ち直るための絶大な貢献をするのであるが、この映画の物語では塵と亜夜の関係がやや薄くなってしまっていたのも残念であった。
原作では、亜夜と高島明石が初めて会った時に互いを認め合って訳もなく二人で号泣するという非常に胸を打たれる場面があるのだが、映画が始まって間もなくこの二人が出会ってしまうのを見て、あの素晴らしいシーンが見られないのかと非常に失望した。それに代わるシーンが特に用意されていたわけでもなかったので、かなり物足りない話になってしまったと思った。
ピアノコンクールの映画といえば、1980 年のアメリカ映画「コンペティション」が思い出される。リチャード・ドレイファスとエイミー・アーヴィングの素晴らしい演技は、40 年近く経った今でも記憶から薄れることはない。あの映画でも印象的に取り上げられていたプロコフィエフの第3協奏曲は、本作でも大きく取り上げられていたところに既視感のようなものを感じて懐かしかった。
原作と特に大きく違っていたのはオケと指揮者との絡みであった。ピアノコンクールの本選であんな意地の悪い指揮者がいる訳がないし、練習を開始して流れてきたのがブラームスの第1交響曲だったのには何の意味があるのか全く分からなかった。更にモーツァルトのレクイエムの演奏も何故出てくるのか謎であった。
1次と3次予選の場面がほぼカットされていたのは尺の関係でやむを得なかったのだろうが、そのために、物語の流れが全く違ったものになってしまったのではと思えてならなかった。2次予選で出てくる委嘱作品の「春と修羅」というのは架空の作品であるが、映画ではきちんと聴かせてくれたのが一番嬉しかった。ドビュッシーとキース・ジャレットを掛け合わせたような作風は原作のイメージを損なわなかったと思う。また、各奏者のカデンツァの部分も非常に聴き応えがあった。
亜夜を演じた松岡茉優は、原作のイメージ通りで非常に良かったと思う。ピアニストの役は横から撮られることが多いので、横顔が美しい人が相応しく、その点彼女なら文句なしであった。塵役の鈴鹿央士は新人だそうだが、原作のイメージを損なわない良いキャスティングであったと思う。ピアノ演奏の演技は、ドレイファスやアーヴィングには及ばず、「のだめカンタービレ」の上野樹里や玉木宏にもやや及んでいなかったのはちょっと残念であった。
劇中曲はバッハとベートーヴェンとショパンが最初の方でサラッと出てくるだけで、モーツァルトやブラームスやリストやラフマニノフが全く出て来ず、ほとんどプロコフィエフ とバルトークがメインというのは、あまりに偏っていたのではないかと思った。
演出は、ピアノ演奏のリアリティがイマイチで、オケと指揮者によって与えられるプレッシャーという部分にやたら力を入れ過ぎていたところに違和感を覚えた。途中、手持ちカメラで画面を揺らすシーンがあったが、全く必要性が感じられなかった。原作を読まずに見た人の方が楽しめたのかも知れない。
(映像4+脚本3+役者4+音楽4+演出3)×4= 72 点。
役者さんは誰も悪くない。しかし惜しい。
まずは、良いところから。
新人の鈴鹿くんが凄いぞ。これが演技なのか?
自分の素の姿なのかわからない。
特にインタビューシーンは、急にドキュメンタリーになっなのか?と思うほどだ。とりあえずビックリだ!
松岡は、そこそこのレベルの演技、悪いわけじゃない。
だけど、こんなんじゃオレは認めない。もっと凄いはず。
松坂はそこそこ。森崎だって自然で上手いし。
音楽だって、素晴らしいし、映像もいい。
だけど、全体的には感動が薄い。
なんでだか、考えたけど、やっぱり脚本だと思う。
この時間で、4人の物語すべて平等に描いて、
すべての人間に共感するってのが、多分無理なんだろう。
長いテレビシリーズなら、もっと掘り下げた人間描写が
可能で、それぞれの感動も深まったはずだ。
もし、映画にするなら、映画が答え言ってるよ。
4人の起爆剤となる人間にフォーカス当てないと。
いくら松岡頑張っても、母の死のトラウトからの脱却だから、静かで、重いテーマになる。
この映画では成功してない感じ。
風間こと、鈴鹿に絞ってもっとなぜ、養蜂家の出身で、
有名ピアニストからの推薦状もらう事になったのか?
具体的なエピソードもっとないと、
素人には、わからない。
音楽に詳しい人には、あの演奏が、それほどレベルの違うものだとすぐわかるのか?
風間の天才ぶりを描く映画で、それに触発される
ピアニストを描くものにすればよかったかも。
そのへんが、惜しいところなのかな?
多分原作の小説なら、ひとりひとりに感情移入出来るし、
感動も深まるのかな?と思うんだけど。
どうしても、のだめと比べてしまう。
あっちの方が面白くて、音楽の素晴らしさ伝えるのに
成功している気がしてしまう。
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