蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
全420件中、1~20件目を表示
映画化って時点で仕方がありませんね。
実際の演奏を、迫力のある映画館の音で聴けたのが良かったです。でも、原作の方が好きなので-1。ずいずいずっころばしが聞けなかったので-0.5。やはり、原作ありきの映画は、原作を初見で味わっておくべきだなと実感しました。
偉大な原作に挑んだ作り手に敬意
恩田陸氏の原作があまりにも傑作のため、映画化と聞いた際には「なんと無謀な!」と思ったが、とにもかくにも作り手たちに祝福の喝さいをおくりたい。
ピアノ経験のある松岡茉優は、きっと現場でのたうち回るほど悪戦苦闘したはずだし、松坂桃李をはじめとする他キャストも然り。膨大なページ数を誇った原作をまとめ上げたのだから、多少ダイジェスト感は否めなかったし、石川慶監督であればもっと出来たはずという思いもあるが、音楽の波にどっぷりと浸かることのできる119分であることは保証する。
天才から見える世界
天才とはどんな生き物であるのか、凡人の我々にこうもわかりやすく理解させてくれる作品はなかなかないのではないか。天才ピアニストたちの音楽がどこからやって来て、どんな世界とつながっているのか、彼ら・彼女らが観ている地平を凡人にも見せてくれる。「天才たちの見える世界」という、普段体験できない世界を見せてくれるという点で、平凡なファンタジー映画よりもよほど未知の体験を与えてくれる作品だ。海の向こうに見える遠雷に天才たちは何を見たのか。映像でそれをわからせる手腕が見事。
主要な役者はみな素晴らしいが、やはり新人の鈴鹿央士の存在感が素晴らしい。本当にこんな生まれながらの天才に見える少年がいることに驚いた。石川監督の役者を見抜く力を実感した。今年最も心を揺さぶられた日本映画の一本だった。
ギフトと、から破り
見ごたえのある音楽映画になっている。原作のエッセンスだけをきちんと押さえ短いシーンで想像させる手法は秀逸。それでいて、主人公の心象シーンはしっかりと時間をとって、彼女が一つ殻を破って成長する感じを表す。だから、コンチェルトシーンは主人公が完全に超えた演技になっている。
ピアニスト役の皆さんはその人生と性格がよくわかるようなわかりやすい演奏を演じていて素敵だった。いかに音楽音痴でも感じることができるところが良いね。
それにしても、ギフトとか天才の域って恐るべし。圧倒されたのは海岸で足跡がモーツアルト。そんな人なら、雨音も遠雷も音楽になるんだろう。凡人に及ばない世界。
皆川先生の講義で「音楽」と「音学」の違いを聞いた記憶があるような。主人公たちは「音楽」の域も超え、名演奏家になるんだろうな。
シナリオ的な面白さも恩田陸さんの原作により担保されつつ、何よりピア...
シナリオ的な面白さも恩田陸さんの原作により担保されつつ、何よりピアノ演奏のダイナミックな映像がとても良かった。ピアノに向き合う繊細な感情というよりはピアノに向き合う熱量、コンテスト中のアドレナリン全開の表情の美しさが印象に残っている。
クラッシックに全く詳しくないけど一流の音楽の世界に触れてる感じがし...
クラッシックに全く詳しくないけど一流の音楽の世界に触れてる感じがした。
台詞がとても少なくて雰囲気を楽しむ映画って感じ
塵が楽しみという最高のスパイスをプレゼントしてくれた
塵は本当に楽しそうにピアノを弾いているのが印象的だった
世界は音楽で溢れている。
魅力的な登場人物ばかりで、序盤からすごく引き込まれた。
松坂桃李演じる高島が最高。彼の焦りとか悔しさとか憧れはすごく共感できる。生活者の音楽はきっと負けてなんていない。あの音楽がアヤの最初の一歩を踏み出すきっかけをくれた。
最終結果をドラマチックに演出せずに文字だけで終わらせたのが良かった。誰が優勝するかは重要ではなく、主人公アヤが過去を乗り越えていく物語。最後の演奏はすごく楽しそうにやっていたのが印象的。
ピアニスト達の関係性が面白い。強烈なライバルなはずなのに、支え合って励まし合っている。お互いの演奏に素直に感動し、喜んでいることがよく分かる。好演した役者さんの影響もあるかもしれない。
それにしてもピアノのみならず音楽をやっている人ってすごい。極限の領域なんじゃないか。
作者は、才能というのは「続けられる」ことで、 あらゆる仕事に共通し、 ある種の鈍感さ、しぶとさを持った人が才能のある人だと思ったという。
動画配信で映画「蜜蜂と遠雷」を見た。
2019年製作/119分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2019年10月4日
松岡茉優
松坂桃李
森崎ウィン
鈴鹿央士
臼田あさ美
福島リラ
眞島秀和
片桐はいり
光石研
平田満
鹿賀丈史
斉藤由貴
『蜜蜂と遠雷』は恩田陸の小説。
小説の中では「才能とは何か」を問うているらしい。
日本で行われる世界的なピアノコンクールに出場する音楽家たちを描く。
劇中では実際に超一流のピアニストが演奏しているらしい。
元・天才ピアノ少女の亜夜(松岡茉優)は
13歳のとき母の突然の死でショックでピアノが弾けなくなった。
マサル(森崎ウィン)は劇中ではオーケストラの指揮者(鹿賀丈史)と対立する。
塵(鈴鹿央士)は養蜂家の父と旅を続けている。そのため自宅にピアノはない。
高島明石(松坂桃李)は楽器店勤務のサラリーマンで妻子がいる。
音楽の専業者だけではない生活者の音楽があるとの思いがある。
亜夜の母親は生前に言った。
遠くで鳴る雷も雨の音も鳥の鳴き声も音楽に聞こえる。
世界は音楽でも満ちている。
その音楽を亜夜が鳴らしてほしいと。
作者は、才能というのは「続けられる」ことで、
あらゆる仕事に共通し、
ある種の鈍感さ、しぶとさを持った人が才能のある人だと思ったという。
個人的には森崎ウィン、
脇役ではあるが平田満、鹿賀丈史、斉藤由貴の存在感を感じた映画だった。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
ピアノコンクールに参加した4人の若いピアニストが、互いに刺激を受け...
ピアノコンクールに参加した4人の若いピアニストが、互いに刺激を受けながら、
トラウマを抱える主人公が音楽の素晴らしさを再認識して乗り越えるまでが描かれる。
競争の舞台なのに勝者と敗者みたいな描かれ方がなく、誰も悲しまない、誰も取り残さない、今流行りのSDGsライクな映画でした。いい意味で。
蜜蜂と遠雷という一見何の関連もない単語が連なるタイトル。これは何らかの対比を意味するのだろうか。劇中でも、物事を厄災と捉えるかギフトと捉えるかは我々次第、というメッセージが語られている。
主人公の回想シーンでは母親との楽しい連弾シーンが描かれ、深層シーンでは雨と黒馬のシーンが描かれている。これも暗喩的な対比かもしれない。
対比と言えば、劇中ではコンクールに参加する天才と凡人の対比も描かれる。一見、凡人が天才に圧倒されているだけに見えるが、実は凡人が天才に影響を与えているシーンも描かれているのが面白くもあり救いでもある。
原作読んでないので考察は当てずっぽですが、ストーリー云々抜きにして、クラシックの素晴らしさを堪能できる映画だと思います。映画館で観たらもっと感動していただろうな。
ちなみに昔ピアノを習っていて挫折した経験がある身としては、役者さんの当て振りシーンがやたらと気になりました。演技だとしてもここまで運指を再現するのはすごいよなと素直に思いました。声優さんやモノマネ芸人さんは歌も上手い気がしますが、役者さんも普通の人よりピアノとか上達早いのかもしれない。
後日談気になる
昔からコンクールて聞いた事ありましたが、取り立てて意味とか考えたりしなかった。
で「コンクール」て調べてみたら、
なんと❗️、
昨今流行ってる歯磨き剤が出てきました🤣
それは置いといて、
要はコンペと同じ意味ですね。
競技会です。
なので、すごいバチバチの対決もかやるのか❓と期待してましたが、それは一部の方のみで、
話の核となる4人は、寧ろ新たな一歩を踏み出すステップとしてのコンクールでした。
うーん肩透かし😩とは言え、
クラシックピアノの美しい旋律がメインの話なので、こういった描かれ方で正解なんだろうなー🤨
眠くなりましたが😅
寝落ちしちゃいましたが😱
もう少し、個々のバックボーンがあると感情移入し易いかな。小野寺先生は説明多少あったのに、ホフマン先生もどんだけすごい人か、誰か教えてくれー😩
天才
邦画とは思えないクオリティ、
月夜の連弾シーンが良かった。
馬のオマージュ等作者の意図を全て理解することができなかったが、色々と考えさせられたし、良いものを見たという確信があった。
才能とは何か?世に認められるとは何か?天才は孤独であるが、他の天才によって補完しあうこともあるのだろうか?
では風間陣は他者の助けを必要とするのだろうか?
音楽は勝ち負けをつけるべきものではない。
世界は音楽で溢れている、音楽とは生活に根ざしたものである。
この監督の映画は全部見る必要があると感じた。
プロを目指す訳ではなくても ピアノ続ければよかったなと思った。 人...
プロを目指す訳ではなくても
ピアノ続ければよかったなと思った。
人の感情も映像も綺麗に描かれていて
後味すっきり。気持ちが晴れやかになる感じ。
出てくる俳優さんの雰囲気が大好き。
原作の小説も読むしかない。
あめんぼあかいなあいうえお
コンテスタントたちが同じ曲を弾いているにも関わらず、音楽性や曲に対する捉え方がそれぞれ違うため、異なる曲に聞こえてくるのが面白かった。
なるほど解釈によって演奏はこうも変わるのかと思ってたらそもそも全く別の曲だった。あ、別に同じ大会だからと言って全く同じ曲を弾くわけじゃないのねOKOK
ピアノの天才達は音楽を雨や宇宙で喩えて会話をしてるのを見て「何言ってんだこいつら」ってずっと思ってた。
天才達の見えている世界をちょっとだけ覗き見したような体験。天才は音楽をこう感じているんだなあって。
へえ〜。まあ今日も飯食ってクソして寝よ。
大変だったのは役者の声が全体的に小ちゃい。全員夏風邪かなってくらい相当テレビの音量を上げないと聞こえてこない。腹から声出してほしいアメンボ赤いなあいうえお。
でもピアノの音はでかいから、うるせえぇ!!ってなる。2時間通してひたすら音量の15〜40をシャトランみたいに行ったり来たりして疲れた
「蜜蜂と遠雷」原作を読んだついでに、アマプラで映画も鑑賞してみる・...
「蜜蜂と遠雷」原作を読んだついでに、アマプラで映画も鑑賞してみる・・。
小説を映画化するというのは・・困難な仕事なんだなぁ・・と改めて認識。
読んでから観た印象は・・原作者の意図を伝えることができてない感じ・・かなぁ・・
脚本?演出?がクサくて・・。演技もイマイチな方々が多い・・。斉藤由貴はちょっと・・勘弁・・。
意味不明な片桐はいり・・監督の個人的な趣味???コネ?。
鹿賀丈史のリハーサルシーン、観客席に人がいないのに・・何故か、審査員達がそこで議論してるカット・・。こういう、雑な積み重ねのダイジェスト版ぽく出来上がってる感じ・・。
原作本とは別物と思った・・。製作予算もあるのだと思うが・・原作者はこれで良しとしたのかしらん?
昨今の漫画家のこともあるし・・そういう事が気になった作品でした・・。
ピアニストたちへの尊敬と愛情を感じた。
石川慶 脚本・監督による2019年製作(119分/G)の日本映画。
配給:東宝、劇場公開日:2019年10月4日。
原作はとても有名らしいが、漫画も含めて未読。
最近、ピアニストやピアノコンクールに関心が高いこともあってか、とても興味深く見ることが出来た。ライバルとなる登場ピアニスト達もかなり個性的で面白い。
特に、弾けなくなってしまった元天才少女という松岡茉優演ずる亜夜のキャラクター設定は印象に残った。ピアノ代演の河村尚子( ミュンヘン国際音楽コンクール2006年 第2位)による演奏も、とても良かった。特に、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、こういう素晴らしい曲の存在を知ることもできた意味でも嬉しかった。
亜夜と森崎ウィン演じるマサルが同門で、マサルが天才亜夜をずっと追いかけていたという設定も、前回ショパンコンクール準優勝者反田恭平と小林愛実の関係性を、思い起こされた。天才少年と言われていた鈴鹿央士を演していたのが風間塵。みじかにいないので、本当のところわからないが、イメージとしての天才らしさが表現されていた。代演奏がイメージが合致する藤田真央(1998年生まれ、チャイコフスキー国際コンクール2019年第2位)というのも嬉しかった。
全体として、音楽に全てをかける若者たちの葛藤や凄みに光が当たっていたのを嬉しく思った。また、コンクール優勝者マサル(森崎ウィン)に語らせていた様に、クラシック界にピアノ演奏だけでなく、ショパンやリストの様に作曲もできる大音楽家を待望したい。
監督石川慶、原作恩田陸、脚本石川慶、製作市川南、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、プロデューサー佐藤善宏 、石黒裕亮 、加倉井誠人、ラインプロデューサー大西洋志、プロダクション統括佐藤毅、撮影監督ピオトル・ニエミイスキ、照明宗賢次郎、録音久連石由文、美術我妻弘之、装飾篠田公史、スタイリスト高橋さやか、ヘアメイク酒井夢月、スクリプター藤島理恵、VFXスーパーバイザー廣田隼也、編集太田義則、音響効果柴崎憲治、劇中音楽篠田大介、音楽プロデューサー杉田寿宏、「春と修羅」作曲藤倉大、ピアノ演奏河村尚子 、福間洸太朗、 金子三勇士、 藤田真央、オーケストラ演奏東京フィルハーモニー交響楽団、助監督川口浩史、製作担当相良晶。
出演
松岡茉優栄伝亜夜、松坂桃李高島明石、森崎ウィンマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、鈴鹿央士風間塵、臼田あさ美高島満智子、藤原しおり仁科雅美、ブルゾンちえみ、
福島リラジェニファ・チャン、眞島秀和、片桐はいり、光石研菱沼忠明、平田満田久保寛、
アンジェイ・ヒラナサニエル・シルヴァーバーグ、斉藤由貴嵯峨三枝子、鹿賀丈史小野寺昌幸。
小説の方が良いけれど…
恩田陸の「蜜蜂と遠雷」の映画化版。小説を読んでからの視聴だったけれど、やっぱり小説の方が心理描写、音楽の修辞とかが優れていたという記憶がある。しかし、それぞれの審査における演奏を通して、キャラクターを把握できるのは映画ならでは。風間の世俗化されていない純粋さ、母親から、音の原点を学んだ栄伝、栄伝を追いかけたマサル。それぞれが、刺激し合い、自然と高まっていく様子は、天才たちならではの世界だった。音楽映画だけあって、ピアノの音の録音が秀逸で、透明感溢れる世界が表現されていた。映画にして、小説では表せない部分が補われた。
音楽の贈り物:母との思い出とピアノの再会
幼少期、母親との楽しかった演奏の思い出
母との練習の成果もあり、幼少期から才能を認められた少女
しかし、母親の死と、大人のオーケストラたちの鋭い視線でピアノが弾けなくなってしまった
年月が経って久しぶりのコンサート
今でも才能を認められ、コンクールで勝ち上がってる人からも自分には敵わないと憧れられている
ただ、そんな諦めの境地に立たされた人からピアノは好きだと聞かされる
一方で、彼女はピアノが好きでは無くなってしまったと感じている。そして、それを打ち明ける苦しさ。
ただし、このコンサートに送り込まれた1人の青年が、彼女にピアノの楽しさを教えてくれた
そして、久しぶりに出会った幼馴染が、ピアノの自由さを教えてくれた
母親との思い出が蘇る
雨の音でも音楽になる
世界は音楽で溢れている
勇気を出してピアノに向かう
そして、その演奏にみんな心を惹かれ、世界は祝福をあげている
才能に溢れた少女がもがき苦しみながら立ち向かっていく姿と、ピアノの音色に涙が止まらなかった
4人のメインキャストの演技、本物の演奏、その素晴らしさを堪能する作...
4人のメインキャストの演技、本物の演奏、その素晴らしさを堪能する作品。
メインメインキャスト(笑)の松岡茉優の成長譚としての感動ははっきり言ってほぼない。
この題材を小説で感動に繋げているという恩田陸の原作小説に興味がわく。
セリフを多用せずに絵にこだわって作られた良作
自分が見た映画の中ではセリフは少なく、
絵だったり間だったりが非常に良いテンポが心地よく引き込まれていった。
音楽を題材にしているだけあって、とてもきれいな旋律を聞けて満足の行く作品でした
全420件中、1~20件目を表示