※本レビューはネタバレしないように書いているつもりですが、若干内容を示唆する部分が含まれています。未視聴の方はご注意ください。
ホラー好きの後輩に勧められてVODで視聴
視聴後調べてみるとハマる人とハマらない人にはっきり分かれるそうだが、私には全く刺さらなかった。
理由はいくつかあるが、まず怖がらせる要素がお化け屋敷レベルのものでリアル感が全くないという事が挙げられる。
要は「ずいぶん安く作ったな」という印象を強く受けた。
パラノーマルアクティビティやブレアウィッチプロジェクトがヒットして以降、こういった低予算の素人投稿のようなホラーが増えたが、二番煎じ感が強く斬新さはない。
ロケ地、設定などからある程度どんなことが起こるのかが予測できてしまうという点で前者に大きく劣る。
敢えてそういう作品にするのであれば、そういった予測される恐怖を乗り越えて初めて成り立つものだと思うのだが、個人的に本作は全く超えてこなかったと思う。
また本作は生配信の設定で、数字稼ぎという観点からやらせ演出をするシーンがあるのだが、その後想定外の事象が起こり「あれはやらせだが、これはやらせじゃない」と発展するシーンがある。
製作陣の意図としては「どこまでがやらせか線引きがあいまいになる恐怖」を描きたかったのであろうが、そもそもこれはフィクション映画であって全部がやらせなんだから同じ事だろと、ものすごく冷めた感情になってしまった。
もうこうなったら終わりだ。
全てがチープに見えてしまい、一つも怖くないし面白くない。
途中むしろあまりのおかしさから吹き出してしまったほどである。
最後はまだ終わらんのかと時計を見てしまった。
加えて登場人物に全く魅力を感じないのも問題だ。
冒頭部分で数々の迷惑行為を行い、ノリの為なら何でもするという現代の若者像を映したかったのかもしれないが、とにかく不快な連中である。
トドメはシャーロットの落書き(サイン)で、「これまで世界7大心霊スポットのうち3つ行ったが各地で同じように落書きしてきた」と言いながらここにも私のサインをと言って落書きを行っている。
そのうち一か所は青木ヶ原樹海であるとも言っていて、こういう連中のせいで心霊スポットの治安悪化が起こっているのにと怒りさえ覚えた。
マネする奴が増えたらこの監督はどう責任を取るつもりなのか。
私自身様々な心霊スポットへ行ったし、それこそ某所の廃精神病院にも行った事があるが、そういった心無い奴らのせいでゴミは散乱、落書きに破壊された跡など荒れに荒れていたのを思い出した。(私自身も侵入した時点でそいつらと同類であることは否めないが…)
仲間同士で悪態突いたり悪口いったりからかったり、そういう演出も含め登場人物たちに全く感情移入しない非常に困った映画であった。
これを面白いという人否定するつもりはない。
お化け屋敷は私も好きだし起こりうる恐怖を楽しむというのも一つの楽しみ方である。
ただ、いち映画ファンとしてこの映画は評価するに値しないというのが私の結論。
アトラクション的に怖い映像でワーキャーしたい人には良いのではないかと思うが、内容を求める人には全く向かない作品ですね。