ソン・ランの響きのレビュー・感想・評価
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リン・フンはユンに嫌悪感を持っていたが、 食事中に数人の男たちに絡まれたところをユンに助けられる。 食堂で自宅の鍵を無くしたリン・フンはユンの部屋に泊めてもらうことになる。
動画配信で映画「ソン・ランの響き」を見た。 劇場公開日 2020年2月22日 2018年製作/102分/ベトナム 原題:Song Lang 配給:ムービー・アクト・プロジェクト Lien Binh Phat Issac Xuan Hiep ベトナムの映画と言えば「漂うがごとく」を見たことがある。 ユンは強面の借金取り立て屋。 強引な取り立ても辞さない。 取り立て先の妻が娘二人と無理心中してしまった。 リン・フンはベトナムのミュージカルスター。 カイルオンというミュージカルだが、 日本の歌舞伎や中国の京劇にも似ていると思った。 ユンはリン・フンの関係先からも借金を取り立てていた。 リン・フンはユンに嫌悪感を持っていたが、 食事中に数人の男たちに絡まれたところをユンに助けられる。 食堂で自宅の鍵を無くしたリン・フンはユンの部屋に泊めてもらうことになる。 ユンの父はソン・ランという民族楽器の奏者だった。 ユンのソン・ランの腕前を聞いたリン・フンはユンを歌劇奏者に誘う。 ユンもその気になって、借金の取り立て家業を辞める気になった。 そして終盤に・・・ 満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
涙するまではいかないが「やはりそうなる宿命だったのか・・・」とうなだれる
40年ほど前のベトナム。 ベトナム古楽器奏者の血を受け継ぎながら超高利貸し借金取り立て人に落ちぶれている青年と、その男から借金を取り立てられている劇団のスター男優とのほんの束の間の友情を描いた物語。 ※借金をしているのはあくまで劇団 演出・映像・音楽、全ての面に渡り監督の理知と情熱が行き届いているかのような雰囲気に、こちらの充足感も満ち足りていく。 ベトナム舞台劇ミュージカルという側面も大きく、それらの響きと歌詞がこれまたじわじわ琴線をかき鳴らしていったのだと思う。 クライマックスは借金取り青年の過去の清算からの新たな希望となるはずが・・・みなまでは書きますまい。 悲劇からのカタルシス(精神浄化)まではいかなかったけれど十分以上の満足。 大変結構な映画でした。
切なさの加減が絶妙です
二人の関係も、言葉による説明も、光の加減さえも、全てが淡く、切ない。でも決して中途半端な訳ではなく、極めて上品で、上質で、洗練された小品です。 何度かある屋上の場面が、それぞれ違う意味を持ちながら、ユンが自分自身でいられる場所はここだけなのだろうな、と思わせ、脚本の完成度の高さが窺えます。見て良かった‼
とても静かで純粋なボーイミーツボーイ
ベトナム映画をたぶん初めて観たのだけど、 まず映像の渋さに驚いた。 めちゃくちゃカッコ良いカットがいくつもあって痺れた。 特に屋上の看板を背に泣くシーンはポストカードで欲しい くらい。 話も不器用な2人が出会い何が起こるわけではないけど、 2人のちょっとした視線や仕草、空気感で感情が分かる 静かで純粋な愛しい映画でした。 2人ともベトナムのイケメンって感じじゃなくて、 日本でもおっとなる親しみやすい男前なのも良かった。 舞台と話がリンクして行くのも、やっぱりかと思うけど 見せ方がとても上手かった。 冒頭のお爺さんの恋したら芝居が良くなると言う台詞が とても効いていた。 コントラで2人の距離が近くなるのも小学生みたいで 親近感が湧きました。
画面の空間や空気が素晴らしく心地が良い。食堂での食事、絡まれる、殴...
画面の空間や空気が素晴らしく心地が良い。食堂での食事、絡まれる、殴り合いの流れが厭な感じでよかった。テーマとして同性愛はあるがどちらかと言えば友情に近いものである。
すき
ラストは容易に想像できる。設定だって目新しいものは感じられない。なのに、なぜこんなに心が動かされるのか。 主演のリエン・ビン・ファット、アイザックの冴え渡る演技、陰影を効果的に使ったノスタルジーな映像美。 言葉少ないゆえに目線やちょっとした仕草さえも見逃せない、集中力の必要な作品ではありますが、これがまた心地よいのです。 時は淡々と進むのに、彼らの心は激しく波打っている。ユンとリンの初恋の行方、たくさんの人に堪能してもらいたいです。
ベトナム作品は「青いパパイヤの香り」 くらいしか観たことが無く...
ベトナム作品は「青いパパイヤの香り」 くらいしか観たことが無くて公開を 楽しみしていた作品。 先程知ったんですが、青いパパイヤ~は、フランスとの合作でフランスで撮影しているんですね。 なので本作が初めてのベトナム作品体験に。 ノスタルジックな映像の美しさ、 歌舞劇と楽器を通して感情の変化を 映し出す演出、 「ボーイ・ミッツ、ボーイ」と ポスターにあるけど、ボーイズ・ラブではない友情以上の感情の描き方が素晴らしく思っていた以上に素敵な作品でした 舞台はサイゴン(今のホーチミン) 時代は1980年代。 高利貸しの取り立て屋で強引な取立てをし日々を送るユン。 そして、ベトナムの伝統歌舞劇 「カイルオン」の花形役者のリン・フン。 対象的な二人があることで出逢い、 孤高の人生を歩むフンの運命を変えてゆく、、 ベトナム歌舞劇を作中でかなりの尺を取って演じているんだけど、ミュージカルが苦手な自分はちょっと不安に。 けれど独特な歌声と旋律が哀愁さを帯びていて演歌を聞いている感じで妙に落ち着いた。 そして歌舞劇に欠かせない民族楽器でありユンとリンを結ぶ役目もはたす“ソン・ラン” 二人の過ごした時間は決して長くない。 交わした言葉も決して多くはない。 けれど“ソン・ラン”の音色が二人を繋ぐ そしてユンの隠れた過去が大きく動き 自分の過去をさえ正すことになる。 ラジオから流れる“ケセラ・セラ” リンも自分の気持ちを知る だからこそ二人の出逢いのタイミングが 今だったことは切ないけど運命なんだね。。 上映後に、レオン・レ監督と ユンを演じリエン・ビン・ファットさんの舞台挨拶がありました。 リエンさん本作が映画初出演と仰ってましたけど、本作での一匹狼的な雰囲気と感情を抑えた目の表情は初出演とは思えないほど。 調べたら、前々回の東京国際映画祭で ジェムストーン賞(新人俳優賞)を受賞されてましたね。 今後も活躍が楽しみな役者さんです
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