「涙するまではいかないが「やはりそうなる宿命だったのか・・・」とうなだれる」ソン・ランの響き resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
涙するまではいかないが「やはりそうなる宿命だったのか・・・」とうなだれる
40年ほど前のベトナム。
ベトナム古楽器奏者の血を受け継ぎながら超高利貸し借金取り立て人に落ちぶれている青年と、その男から借金を取り立てられている劇団のスター男優とのほんの束の間の友情を描いた物語。
※借金をしているのはあくまで劇団
演出・映像・音楽、全ての面に渡り監督の理知と情熱が行き届いているかのような雰囲気に、こちらの充足感も満ち足りていく。
ベトナム舞台劇ミュージカルという側面も大きく、それらの響きと歌詞がこれまたじわじわ琴線をかき鳴らしていったのだと思う。
クライマックスは借金取り青年の過去の清算からの新たな希望となるはずが・・・みなまでは書きますまい。
悲劇からのカタルシス(精神浄化)まではいかなかったけれど十分以上の満足。
大変結構な映画でした。
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