グリーンブックのレビュー・感想・評価
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笑って泣ける友情のドラマ
何度も笑って、ラストはほろりと泣いてしまった。
トニーが言った「寂しさには先手を打て」という言葉がドクターの心をきちんと動かしていて、最後にドクターをクリスマスパーティーに向かわせたんだな、と思うと、泣きながら笑顔になってしまった。
影響しあって変化して、成長していく二人の姿がとてもあたたかく、良かった。
観た人をハッピーにする映画。
今のアメリカへの劇薬になるか、、
いわゆるバイブルベルトに演奏ツアーに出る黒人ピアニスト、
というのも実話ながら強烈ですが、
軽口なイタリア系を運転手に雇うってのも、
実話ながら映画的要素が満載、、、
当然、序盤〜中盤は運転手トニーにはムカつきこそすれ、
感情移入はできないんですが、
ドクター・シャーリーに綻びが出始めてからは
マネージャーらしき面が表面化、
2人を後押ししたくなってきます。
そうなるのは脚本の良さもあるでしょうが、
やっぱり役者のうまさだと思います。
見せる・魅せる、退屈させない。
映画の基本だと思いますね。
そしてこのテーマ、
むっかし〜からある人種差別の根っこは、
現代ではさらに世界中に膿のようにジクジクしているのであり、
そのアホ大統領のせいでソレの急先鋒であるアメリカで、
アカデミー作品賞を取らせるのはすごく意義があると
感じたのです。
ラストのトニーの奥さんのセリフで見事にオチがつきました。
いい映画でした(ΦωΦ)/
良き〜
人生で初めて試写会当たっちゃった
試写会ならよくあることなのか偶然なのかお客さんがたくさん笑ってて劇場の空間が暖かかったな〜
って思ったらエンドロールでお喋りしだすからよく分からん。けど映画館でも気にしないで声だして笑うのいいわー
黒人差別系の映画ってひいいいい🔥🔥🔥ってなるのが多いけど、コミカルなシーンが沢山あって重くなりすぎないのが良かったな〜あんな感じのユーモア大好き。けどしっかり差別について考えさせられるっていうか、軽く扱ってるんじゃなくて、けどいい意味でライトな感じ?笑 うーんうまく言えないや笑
トニーがいろんな意味で良くも悪くも真っ直ぐで、ドクちゃんは変に捻くれてて、
黒人差別(固定概念とか無意識の差別とか)の他にも色々沢山この映画には意味っていうか良い所があってきっとテーマは黒人差別がなんちゃらってだけじゃないのよーって私は感じた
差別とかそういうのが割と私の関心のあるトピックだから考えこんじゃうけどね。
黒人白人の色んな権限やら生活水準(?)やら人間力(???)がトニーとドクでごちゃごちゃだったからこそ黒人とは?白人とは?差別とは?って面白いな〜
けどこの映画を黒人差別とか人種差別は良くない!!って言っちゃうのはなんだかもったいなくて、もっとこう、人間の部分っていうか、
女って?男って?国籍って???自分のアイデンティティってなに??的な。答えは相変わらずよく分からないけど考えるの楽しい。人間みんな違うし、けど、みんな人間だし
ドクのI’m not enough BLACK, I’m not enough WHITE. Who I am??
今までの寂しさ孤独さ世間に対しての怒り、疑問が爆発するシーンがもう、、はあ、、、、
おっちゃん二人の掛け合い好き。
お手紙、ケンタッキー、銃、ピアノにウィスキーグラス、、、
音楽と食べ物が最高でした、、
映画前売り券の特典がレターセットだったのはこういうことか〜素敵かよ〜
終わり方も暖かいな〜
好き!!!!
フライドチキンとスパゲッティ
1962年、米国ニューヨーク。
イタリア系移民のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は一流ナイトクラブ・コパカバーナの用心棒。
暴力沙汰の末、店に火を付けられ、改装のため休業と相成った。
そんな折、舞い込んできたのが、運転手の仕事。
ボスは黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)。
彼で回る南部での演奏ツアーの運転手の仕事だった・・・
といったところから始まる物語で、時代はJFK暗殺の1年前、米国にはまだまだ露骨で明確な人種差別が残っていた時代の話。
60年代の黒人差別の話といえば、最近では『ドリーム』や少し前なら『ヘルプ 心がつなぐストーリー』が記憶に新しいところ。
ここんところ頻繁に製作されているように思えます。
いわゆる道中もの、ロードムーヴィで、相棒・バディもの。
アメリカ映画では「鉄板」ともいえるジャンルで、この映画も男ふたりの道中が可笑しい。
大笑いはしないが、「ある、ある」的な、相いれないふたりのやりとりがスマートに描かれていて、なかなか好感。
監督は『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。
お下劣描写で笑わせていた初期から比べると、ダンゼン洗練されていて驚かれます。
役者陣ふたりも好演。
この映画のために増量したヴィゴ・モーテンセンは、イタリア系じゃないはずだけれど、ガサツなイタリアンにピッタリ。
マハーシャラ・アリのスノッブな黒人ピアニスト役も、型どおりとはいえ、これまたドンピシャ。
偏見を持っていた白人男性が、より善き方向に変わり、彼が変わることで、差別を受けていて側の黒人も変化する・・・
普遍的なストーリーを巧みに描いた佳作で、アカデミー賞作品賞に相応しい、嫌味のない作品に仕上がっています。
なお、この映画で一番おもしろかったやりとりは、
「黒人だからといって、フライドチキンが好物だと決めつけるな」
「オレはイタリアンだけれど、毎日、ミートボールスパゲッティを食っていると言われても、腹は立たない。ま、試しに、このフライドチキンを食ってみな」。
観て損はないよ
楽しかったよ。
ロードムービー、バディムービー、音楽映画
いろんな要素があります。
全てが納得するって。
これから、私の特に気に入ったところを書くよ
撮影
難しい近過去を、上手に表現していたよ。
田舎の風景は特に好き!
コントラストが素晴らしい!
演技
主役二人は素晴らしい!
イライラしたり、ホロッとしたり
さりげないけど、名台詞が満載!
皆さんに観てほしいな!
損は無いよ!
少しネタバレするけど、
例のトイレの場面。
まあ、こっちは激怒するが、
ん?
デジャヴ感!
これって、ヘルプやドリームのオクタヴィア
スペンサーじゃん!
エンドロールを観ていてビックリ
製作に関わってるんだね!
この人、まじ凄い!
なんか賞取って欲しいな。
ロングヒットして欲しいな。
役者の知名度上がって欲しいな。
それが、私の願いだ。
マハーシャラの弾くショパンがすごい本物
グリーンブックとは、郵便局に勤めていたビクター ヒューゴ グリーン氏によって書かれた黒人旅行者のためのガイドブック。1936年から1967年まで盛んに利用された、黒人を受け入れるモーテルやレストランの案内書で、このガイドブックなしに黒人が安全に他州へ移動したり旅行することができなかった。
ストーリーは
1962年ニューヨーク
イタリア移民のトニー リップ ヴァレロンガは妻と二人の幼い子供を持ち、ニューヨークのアパートに住む。イタリア人の常で、両親、親戚すべてひと固まりで仲良く暮らす大家族の一員だ。仕事はナイトクラブの用心棒。教養はないが、腕っぷしは強く、イタリアマフィアの目にも留まっている。家族との生活も仕事も順調だったが、勤めていたナイトクラブが改装のため一時閉鎖することになって、しばらく仕事が無くなりあぶれてしまった。そこで、ドクターシャーリーというピアニストが運転手を募集していると聞き及び、トニーは カーネギーホールの階上にあるアパ―トに面接に行く。驚いたことに、ドクターシャーリーは、黒人の紳士だった。このドクターは良家に生まれ、3歳の時からピアノの才能を認められ、10代で黒人で初めてロシアから奨学金を得て留学しヨーロッパで教育を受けた人だった。ホワイトハウスにも2度招かれて演奏をしていた。ニューヨークで演奏活動をしていれば、倍の収入になるにもかかわらず、8週間かけて、アメリカの西部から南部をコンサートツアーに行きたいという。そのために運転手が必要なのだった。8週間後のクリスマスイヴには帰れる約束だ。週に経費抜きで週$125、法外の良い条件で、トニーは雇われる。
1台の大型車には ドクターの音楽仲間、チェリストとコントラバスが乗り、別の1台にトニーの運転するドクターシャーリーが乗車してツアーが始まる。ドクターは、トニーの遠慮のない話し方や、食べ方、平気で店から物をちょろまかしたり、車を止めて立ちションするなどの素行に閉口し、いちいち腹を立ててトニーを「教育」しようとする。トニーは、生まれてから教養人などに会ったこともないからドクターのアドバイスを理解できずに怒るが、最初のコンサート会場で、ドクターが演奏するクラシックピアノの音と、その華麗な姿に感動する。しかしドクターはいったんステージを下りると、コンサート会場の白人専用のバスルームを使わせてもらえなかったり、社交も限られている人種差別の現状を目の当たりにする。
トニーは毎日のように妻に手紙を書く。間違いだらけのスペル、文法も小学生の作文よりひどい。見かねてドクターはスペルを教えながら、誌的で美しい文章を口述して、トニーに書かせる。送られた愛情のこもったロマンテイックな手紙は、家でトニーの帰りを待つ妻を感涙させ、親類一同を感動させた。
またある町ではドクターが、バーに入っただけで、白人の酔ったグループにリンチにされて、飛び込んで助けに入ったトニーは銃を持っているふりをして、その場からドクターを助け出す事態も起きた。またある夜、YMCAのプールで白人男性を会っていたドクターは、警察に逮捕されるところだったが、トニーは機転をきかせて警官を買収してドクターを奪還する。しかし、さらに南部に移動して、ポリスに車を止められたトニーは、人種差別的な警官に侮辱されて思わず警官を殴って、逮捕される。無抵抗だったドクターまで同じ警察署の留置所に入れられて、ドクターは弁護士に電話をかけさせてもらうように要求する。ドクターは警察署から、ロバート ケネデイ司法長官に直接電話をして訳を話す。たちどころに州の知事から警察署に電話があり、二人は釈放される。
トニーはドクターが黒人なのに司法長官を動かすような権力を持っていることに腹を立ててドクターを激しく責めたてる。一方ドクターは警官に暴力を奮ったトニーを責め、二人はいがみ合う。ドクターは黒人であって、黒人でない。彼のアイデンテイテイ、彼の孤独感を誰も理解することができない。そこは、ナット キング コールが演奏しようとしたら、数年前に観客にステージから引きずり下ろされて殴られたような土地柄なのだった。
アラバマ州ビルミガン、ここが最後のコンサート会場だ。コンサート前に音楽仲間たちと会場のホテルレストランで打ち上げの夕食を取ろうとして、ドクターはレストランへの入場を断られる。その夜クリスマスデイナーの主賓であるのも関わらず、レストランは黒人客を拒否する。トニーはレストランマネージャーにつかみかかり、ドクターはコンサートで演奏するのを取りやめにする。ドクターとトニーは、黒人ばかりのバーに入り、飲んだついでにトニーに勧められて、ドクターはステージのピアノで「ショパン」を弾く。われんばかりの拍手。時をおかずステージにバンドメンバーが上がり、ジャズを演奏し始める。ドクターもノリに乗ってジャズを弾いて、愉快な夜を過ごす。すべてのコンサートツアーは終了して、長い帰途につく。
一行はニューヨークを目指して走る。大雪に苦労しながらも運転を続け、とうとうクリスマスの夜に間に合った。ドクターは疲れ切ったトニーをアパートで降ろして、帰っていく。賑やかなトニー家の歓迎。クリスマスの料理、愛する妻と子供達、気の置けない親類と友人たち。食べて飲んで、、、でもトニーの心は何故か沈んでいる。
一方ドクターも自分のアパートに戻り、一時ほっと安心する。でもなぜか孤独感が募る一方だ。やがて、トニーのアパートのチャイムが鳴る。立っていたのはドクターだった。トニーはドクターを心から歓迎して抱きしめる。トニーの妻が駆け寄って来る。「素敵な手紙をたくさん、たくさんありがとう。」ドクターはトニーの妻を抱きしめる。
というお話。
ハートウオーミングなロードムービー。ゴールデングローブでコメデイミュージック賞を取ったが、コメデイと言ってしまうには重すぎる。人種差別をテーマにしている。
南北戦争が18万5千人近くの戦死者を出して終結し、リンカーンが奴隷制廃止に踏み切った後でも、黒人差別は依然として合法だった。「異人種結婚禁止法」は1952年全米48州のうち29州で法制化されていた。「法的」に人種差別が禁止、解消されるまで1969年代のマルチン ルーサーキング牧師などによる公民権運動の高まりを待たなければならなかった。ケネデイが暗殺された後、ジョンソン大統領になって、「公民権法」CIVIL RIGHTS ACTがようやく制定されたのが、1964年7月2日だ。
それまで南部のジョージア州、アラバマ州、ミシシッピー州などでは学校、図書館、交通機関、トイレ、ホテル、レストランなどで、公然と人種分離が行われていた。
公民権法で差別が禁止されたあと、現在でも国勢調査(2017)によると、年収$24858以下の貧困ライン家族は、白人家族に比べ黒人家族は2,4倍を高く、明らかに経済格差が認められ黒人家族の貧困率は高く、犯罪率も高く、教育水準は低く、格差がある。
そういった不合理な社会で異なった皮膚の色、異なった教育背景を持つ二人の人間が、はじめは衝突し憎み合うが、過酷な旅を続けるなかで互いに理解を深め、最後には無くてはならないほどの関係になる、という、感動モノの映画がたくさんある。
古くは「手錠のままの脱獄」のトニー カーチスと、シドニー ポアチエ。「ドライビング ミスデイジー」は何度も芝居にも映画にもリメイクされたが、ジェシス ダンデイとモーガン フリーマン。「48時間」のニック ノルテと、エデイ マフイ。「メン イン ブラック」のトニーリージョンズと、ウィル スミス。「パルプ フィクション」のジョン トラポルタと、サミュエル ジャクソン。「ブラックKKK」のアダム トラバーとジョン デヴィッド ワシントン。この2018年の映画は、ベンゼル ワシントンの息子ジョンデヴィッド ワシントンのデビュー作だ。父親のようにハンサムでなくて、背の高くなくてちょっとがっかりだけど、相手役のアダム トラバーが冴えた演技を見せてくれた。
こうした、二人の人間が肌の色や社会的背景の違いを越えて親友同士になったというストーリーは 美しく納得もしやすく、感動もする。でもそれだけで差別が乗り越えられたと、思い込むのは早とちりというものだ。
現にこの映画でも、実際のドクターシャーリーの姪と言う人が、この映画は白人の側から白人の視点で都合よく作られていると、厳しい批評をしている。実際のドクターシャーリーは、2013年に86歳で亡くなったそうだが、彼の人生は醜い人種差別への挑戦であって、映画で語られた何十倍もの重圧の中で苦しみの多い人生だったと思う。映画でも、音楽仲間がニューヨークでコンサートをしていれば良いものを、人種差別の激しいアメリカ南部にあえて出かけて行ってコンサートをするのは彼の挑戦であって、世界を変えたいと彼が思っているからなんだ、と言うシーンがある。良い意味でも悪い意味でも良家に生まれて、天才ピアニストとして成功した世間知らずの芸術家が「人は変われる」と信じて、自分という例がアメリカ社会の人種差別の根を根絶させることができると夢みた結果、どれだけのバックラッシュを受けなければならなかったか。映画の中でも何度も命の存続危機に襲われる。アラバマ州のあるステージでは、ナットキング コールが観客からステージを引きずり降ろされ殴られたというエピソードでは、人の心の闇を見る想いだ。ドクターシャーリーの姪の映画に対する批判を、しっかり聴くべきだ。映画の中で、ドクターが大雨の中でトニーの車に乗るの拒否して、I ’M NOT ENOUGH BLACK、 I ’M NOT ENOUGH WHITE、WHERE AM I? と叫ぶ姿が忘れられない。黒人でも白人でもない。自分の居場所はどこなんだ。血を吐き出すような、魂の叫びだ。
この映画の良さは二人の役者の優れた演技によるものだ。
粗忽もの、教養のみじんもないイタリア移民を演じたビゴ モータンセンは60歳のオランダ系アメリカ人。「ロード オブ リング」(2001、2003,2005)のアラゴン役でおなじみの顔だ。本人はデニッシュ、フレンチ、スパニッシュ、イタリアン、ノルウェデイアン、スウェデッシュ、カタロニアンまで自由自在に使うことができる人で、役者、プロデユーサーだけでなく作家、詩人、画家、音楽家としても活躍している多才な人なのだそうだ。興味深い。
ドクターシャーリーを演じたマハーシャラ アリは2016年アカデミー作品賞を獲得した映画「ムーンライト」で、アカデミー助演男優賞と、ゴールデングローブで助演男優賞を受賞したばかりの人だった。モスリムで初めてアカデミー賞を受賞したことで話題になった役者だ。この映画で、ピアニストを演じているが、どこからみてもこの人が本当に、ピアノを弾いているとしか見えない。美しい長い指で、本当に弾いている。自分も楽器を弾くから素人の役者が楽器を弾くシーンで弾いている振りをしても、音を出していないのが、すぐ見破れる。メリル ストリープがバイオリンを弾くシーンなど、弾くマネが下手で大笑いしてしまった。でも、今回の映画シーンで、この役者、本当にショパンを弾いている。おまけにジャズまで自在に弾いている。これが役者の数か月の訓練だけで演じていたのだとすると、信じられないけどすごい役者だ。恐れ入る。
ビゴ モータンセンとマハーシャラ アリ二人の熟練役者なしに、この映画に価値は出なかっただろう。アカデミー賞候補として話題になり始めて、監督がセクシャルハラスメントで結構破廉恥なヤツだったとやり玉にあげられたり、ビゴが黒人をさす禁止用語をポロっとインタビューで口を滑らせ、その場が凍り付いたこともあって、一昨年マハーシャラ アリがアカデミー賞を取ったばかりだし、この映画 今年のアカデミーはだめだろう。でも心温まる映画であることは確かだ。見て損はない。サム スミスによるサウンドトラックも素晴らしい。
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