グリーンブックのレビュー・感想・評価
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楽しめました
文句なし、素晴らしい傑作
余韻を楽しめる
素晴らしかった
引き込まれっぱなしで気が付くと終わりだった。こんなに没頭できたのは今年初めてかもしれない。クラッシックの演奏家であることで、ポピュラーブラックミュージックを下に見ていて、ゲイでもあるなど、黒人の立場でも差別や区別がないまぜになっていた。パブでおんぼろのピアノを演奏して、地元のミュージシャンとセッションする場面が素晴らしかった。
妻への手紙が、洗練されたポエムになって行くのだが、最初のパンを食べたみたいな内容の方がかわいらしかった。
音楽の力
人格や個性を飛び越えてピアノの才だけで結び付くと言うのは、良し悪しかと。
友情と人種差別と音楽がテーマだと思うけれど、旅を終えて特に何か達成した感はなく、アッサリ終わる。我が家が一番みたいに終わる。
実話を元にしているから、という免罪符に頼っているように思われる。旅情は楽しく非常に美しいが、映画として、エンターテイメントとしてもう少し欲しかった。
人種差別とは
2019-21
この映画をもっと楽しみ、理解するためだけにアメリカ人になりたいとさえ思った。
爽やかに心が温まり、久々に軽やかな気持ちで劇場を後にしました。
ただやはり多民族国家ではなく、白人と黒人の差別の歴史を習ったことがないので、これをアメリカ人が観た時に感じられる感覚の強さが羨ましくなりました。
観終わったあと、そう思うくらいハッピーな気持ちになれたからです。
笑えるシーンも散りばめられていたので、とてもバランスよく楽しめました。
アラゴルン以降のヴィゴ・モーテンセンをあまり見てこなかったのですが、正統派イケメン役じゃない役がこんなに似合うとは。
でもやっぱ太ってても、下ネタ言っても全然やらしくない爽やかさは天性のもの。
クールな秀才気質のマハーシャラとの凸凹コンビのやり取りが心地いい。
そして、マハーシャラがやっと笑ってくれたとき、自然に笑みがこぼれることでしょう。
すごい嫌なことがあったときや悲しいことがあったとき、というよりは、
なんでこんな小さなことに振り回されんだろうって自分が嫌になった時とかにオススメします。
ケンタッキー投げちゃえ。
人の勇気が人の心を動かすんだ
あなたの人生に、
命を燃やす瞬間はありますか。
その勇気に矜持を感じ、
共感してくれる人の暖かさを
経験したことはありますか。
その喜びがどんなものかの片鱗を
貴方に贈ります。
そんなメッセージを
見終えた時に受け取ったように
感じました。
何かを変えようとしたとき、
自分は何ができるのか。
ドンシャーリーによる
命の保証も、対価も不明な旅に、
なにかしなければという使命感や
旅の道中における
非暴力による尊厳で、
プライドを貫く姿勢が
物語に緊張を生んでました。
差別による時代環境のなかで、
優位な暮らしを確立しながらも、
どちらのムラにも
分類されない自分の立ち位置。
同性愛者としての
マイノリティのやるせなさ。
彼が、
それらを告白した時には、
胸がいたくなりました。
さらに、
そんな硬派な面たげでなく、
信頼するパートナーとの
絆が深くなるエピソードに
癒されました。
初チキンや手紙の指導なんか
最高でした。
一番印象的だったのは、
ラストステージ前の
レストランでの決断。
いいきみ。
圧巻は、
場末の酒場での
ショパン と
その後のjazzセッション😆
このシーンでは
思わず高ぶり、
目頭が熱くなりました。
ずっとこの空間に
いたい。
そんな気持ちでいっぱいに
なります。
ここまでで既に、
満足だったんですが
帰省後
トニー家のパーティーに
参加するために
ドンシャーリーが訪ねたのも
良かったし、
彼に、ドロレスがささやいた言葉が
最高‼️
彼女の、すべて
わかっていて、
あえて、
本人にだけ伝える
やさしさがいい。
本作全体に流れる
人に敬意を示すこころの
有り様が心地よくて…
差別がテーマですが、
語られるのは、
そんな社会を払拭してきた
命懸けの勇気。
人の気持ちは変わる。
そして、社会は変わる。
それは、
一人の行動から…
おすすめ。
確かにフィールグッド。だけど実に無頓着。
人種差別の問題があまり身近ではない日本と言う環境でこの映画を見ると「フィールグッド・ムービー」として単純にとても楽しめると思うし、実際私もこの映画を見て確かに気分が良くなるのを感じた。分かりやすくて笑い易い喜劇と、(最終的には)好感の持てる登場人物。ありふれたストーリー展開ながらも、味付けが巧く施されていて、主演俳優二人の演技にも旨味がたっぷりで卒なく美味しい。仮に監督のセクハラ問題が浮上しても、脚本家の過去の差別ツイートが露見しても、主演男優の差別発言があっても、それと作品とは別であると考えるべきだと思うし、少なくとも作品に罪はないと考えるべきだ。ただこの映画を見て、アメリカに住む有色人種(主に黒人)が違和感を覚えても不自然ではないだろうとも思う。この映画は明らかに白人至上主義的で、描かれたのがあくまで白人の目で見た黒人差別に過ぎないからだ。
この映画より前にも、人種問題を扱いながらフィールグッド・ムービーとして成功した作品はあった。「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」や「ドリーム」などはその好例だと思う。だから人種問題をフィールグッド・ムービーにすること自体は悪くないし、フィールグッド・ムービーの形式を取ることでより観る者の心に訴えかけることが出来るということもある。ただ「ヘルプ」も「ドリーム」も黒人が受ける差別の現実をしっかりと描写していたし、その深刻さや過酷さも直視されていた。ただこの「グリーンブック」に関しては、白人がわずか二ヶ月ほど黒人と過ごしたほんの僅か垣間見た差別にしか目を向けておらず、それだけで黒人(と同性愛者)の立場や在り方を知ったようなつもりになるのはあまりにも短絡的と言わずにいられない上に、その差別から白人である主人公が救出するという構図で徹底されている無神経さ。人種問題の現実を捉えた作品とは思えない。不条理な差別を目の当たりにしたその時その場でだけ「なんと気の毒に」と同情を覚えるばかりで、人種問題の根幹には興味を示してさえいないのだから。目を閉じれば気分はいいし、何も知らなければ気持ちのいい映画かもしれない。差別されない環境で生きる者が観ればそれこそ”フィールグッド”かもしれない。でも差別される側の立場で考えれば、些か無頓着な内容であることも否めない。
だけれども、だ。フィールグッド・ムービーとしてのツボを的確に押さえているため、見終わった後の感覚は本当に清々しいのだ。うっかり心が温まってしまうのだ。ヴィゴ・モーテンセンの陽気なイタリア系男の演技も、マハーシャラ・アリの気品ある凛とした演技も実に素晴らしくて二人のことを愛してしまう。単純に男二人の友情の物語だと思えばいいではないか、と一瞬思いが過ぎるが、しかしそれは違う。1960年代という時代背景においてあえて「差別主義の白人」と「差別を受ける黒人」を描く物語となれば人種問題は避けて通れないのだから。
とても巧く作られたフィールグッド・ムービーだと思うけれど、同時に欠点が終始目についてしまう。味はとても美味しいけれど有害な添加物たっぷりの食品を口にしたような罪悪感が付きまとう作品だった。
こころ温まる作品
心があたたかくなるストーリー
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