グリーンブックのレビュー・感想・評価
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アメリカ映画伝統の味のフライドチキン
バディもの、ロードムービー、クリスマスストーリーと、アメリカ映画の伝統のフレーバーてんこ盛りなんで、お約束的な展開とわかってはいても気分良く観られます。胃もたれしそうな素材をサラッとした味付けにしているけど、ラストはちょい甘過ぎなかな?主役二人は、ドンピシャのはまり役。
さすが作品賞
マハーシャラ・アリは素晴らしい
脚本が素晴らしい
文句なし。
テンポ、展開、テーマ、キャスト全部良かった。
トニーとドクの関係が絶妙でした。
ぶっきら棒で黒人に偏見のあるトニー
天才ピアニストだが黒人への差別に悩むドク
二人でコンサートツアーを回るに連れてトニーは偏見がなくなっていき、ドクはそんなトニーに救われたのだと思います。
偏見がある割に仕事はしっかりするし。
人間味があり、濃すぎない良い作品でした。
ドクは畑を耕す人達を見て何を思ったのでしょうか?
心に残ったのは
やっぱり、中年の友情っていいよね。ベタベタ過ぎず、遠過ぎず、だけど多くは語らずとも通じ合うみたいな。
見終わった後は、爽やかな余韻が残る、そんな映画だった。
心に残ったのは、トニーがシャーリーに放つ「寂しい時は自分から先に手を打たなくちゃ」という言葉。
誰かが構ってくれる、救ってくれるまで待つ悲劇のヒロインになるのではなく、自分からアプローチする。
正直、自分の胸に刺さる。
だけど、最後シャーリーがクリスマスパーティーに自ら赴き、自分の殻を破れたのを見て、勇気をもらった。
余談だけど、ヴィゴ・モーテンセンめちゃくちゃカッコよかったなあ。
デコボココンビのロードムービー
居心地の良い場所
暗い話ではありません! 見て暖かい気持ちになる、素敵な映画
タイトルの意味から、差別を描いた暗い話しかと少し躊躇しましたが、素敵な映画でした。見て良かった!
一方は、教養溢れる天才黒人ピアニスト
他方は、お金の為にそんな黒人にドライバー兼ボディガードとして雇われる立場になった、「粗野な」イタリア系白人
二人が60年代に黒人差別が色濃いディープサウスをコンサートツアーで巡る様子を描いた、一種のロードムービー
差別は描かれますが、それがいちばんのテーマではありません
いろんな状況のなかで対極的な二人が少しずつお互いを受け入れて少し変わっていく、そんな姿を描いた映画です
興味がある方には是非お勧めします!
===== ★以下、個々の話の結末は書かないのでネタバレではないつもりですが、幾つか大まかなプロット展開に触れるので、気にされる方はすみませんが、この先読まないでください★ =====
冒頭、NYの高級クラブで用心棒をしているトニー・リップ
上客が「これは母親から貰った大事な帽子だから命懸けで守れ」とチップを弾んでクロークで帽子を預けるのを見ると、トニーは、それを寄越せと言って係の女性から帽子を取り上げてしまう
いったい何をするつもりなのか??
いきなり話に引き込まれます
彼の世慣れた抜け目なさが印象的に描かれます
その後の、黒人の修理工が家に来たときの彼のさり気ない行動、そしてその後の奥さんのさり気ない行動で、彼と奥さんの黒人全般に対するそれぞれの態度が見られます。こういう人物描写が簡潔で上手いです
陽気で世慣れて現実的で大食いで、愛する妻と子供たちのために生活費を稼ぐ、地元のNYからおそらく外に出たこともないであろう根っからの庶民
もう一人の主人公、ドク・シャーリーは、ロシアの音楽院に黒人として初めて入学を許されたピアニスト。学位を複数持ち、複数のヨーロッパ言語に堪能
服装、立ち居振る舞い、話題や語彙、厳格な道徳観、いつも静かに思索に耽る姿など、凡ゆる面で品格と教養が滲み出てきます。そして孤独でもあります
無学無教養で貧しい黒人というステレオタイプとは対極にある黒人
そんな黒人にドライバーとして雇われる立場になる白人トニーとのデコボココンビ。白人といっても労働者が多い下層であるイタリア系というのもポイントです
公民権運動前夜の時代、旅が南に進むにつれ、いわゆるレッドネック(南部下層白人)や地元警察の差別に会ったりします。そういう地域・時代の有様はいろいろと描かれており、なるほど具体的にこんな扱いを受けたり制約があったりするんだなと、言い方は変ですが、勉強になりました
しかし一番のテーマは差別を描くことではなく、そんな状況のなかで、生い立ちやら境遇やら性格が全く異なる二人が、二ヶ月に及ぶクルマの長旅を通して、少しずつお互いに影響を与えていく、そんな様子を描くことです
先にトニーを「粗野な」と形容しましたが、そうでない彼の人間性がドクとの付き合いのなかで徐々に顕になります
道中、トニーはNYで待つ妻に手紙を書くシーンが何度か出てきますが、それが話のいいアクセントになっており、何度かクスリと笑いました
最後に立ち寄った地元の黒人バーのシーンはいいなあ
そしてトニーの奥さんが可愛くて素敵ですw!
音楽と演技に酔いしれる
アカデミー賞では同性愛や黒人差別といった米国が抱える課題を取り上げた作品が賞を受賞することが多く、作品の質でない部分で評価されていると感じることがあるが、この映画はそのような面を抜きにしても受賞するに相応しい映画作品であると感じた。文句無しのストーリーとは言い難いが、魅力ある登場人物と耳を離れないピアノの音色が作品に深みを与えており深く心に響く作品になっている。ムーンライトでアカデミー助演男優賞を受賞したマハシャーラ・ハリの演技が今作でも飛び抜けて素晴らしい。品格を感じさせながらも愛嬌もあるという人物を見事に演じ切った。再び劇場へ足を運びたくなる映画だった。
鹿、ドロレス。
性格も見た目も真逆な二人のロードムービー。
笑いとシリアスが交互にやってくるけど、案外あっさりと安心して観られた。
計算も含め、人付き合いやコネ作りの上手い運転手トニー・リップ。
ドーンと腹の出た姿に粗野な振る舞いが下品に感じる部分も多く、最初はあまり好きになれなかった。
彼自身の持つ差別意識を序盤で見せられて少し沈む。
どこまでもエレガントなドクター・シャーリー。
創作物や実際の知り合いからなんとなくイメージしている黒人像とは全く異なる彼の言動がすごく綺麗で魅入っていた。
登場シーンのゴスペル衣装みたいな服に教祖様的な要素を感じて笑ってしまった。
というかまずカーネギーホールに人の住まいがあったことに驚き。しかも管理人部屋なんかではなく、あんな豪勢な。知らなかった。
始まる二人の道中はとにかくチグハグで、噛み合わない会話とギャップにハラハラしつつ何回も笑った。
決してトニーほどではないが私もガサツな方なので、ドクがちょいちょい姿勢を崩し始めるのがなんだか嬉しかった。
初めてケンタッキーフライドチキン、恐る恐る食すドクの仕草が可愛い。
骨なんて窓からポイじゃ!とノリ始めたにもかかわらず、ドリンクのカップは絶対に許さない。わかる。
急に真顔に戻るのやめてほんと笑うから。
初めてドクの演奏を聴いたトニーがめちゃくちゃ感激しているのがまた嬉しい。
相手の技を尊敬することから打ち解けが始まる。
結構マメに妻に宛てた手紙の内容からも、粗野だと思っていた彼の内面の感性豊かな部分が見えてくる。
平和なシーンに挟まれる、色濃く残る黒人差別の描写は胸が痛んだ。
上流階級の人がどれだけ振舞っても拭いきれない空気と全然納得のいかないしきたり。
グリーンブックなんて無ければいい。
しかし、毅然とした態度をあまり崩さないドクの姿によって重々しくなりすぎていなかった。
正直もっとズンと地に押し付けられるような表現が出てくるかと予想していたけど、今までの雰囲気の中に急に苦しすぎることが起きても困ってしまうので良かった。
それより小さなことからもチクチク刺してくる差別の痛みの方が大きい。
この扱いを慢性的に受けることがどれだけ辛いかなんて容易く想像できる。肌の色が違うだけなのに。
更にドクの中途半端な立ち位置が追い打ちをかける。
黒人からは異端児と疎まれ白人からは差別され家族のいない孤独な人。
雨の中車を降りて叫んだ彼に積み重なったものを思うとまた辛くなる。
最後の演奏をキャンセルすることで貫いた己の尊厳と人権。
そしてその後の「私だけのショパン」とジャズのシーンの圧巻さ、楽しさ。
あんなに朗らかに笑うドクが見られて心底良かったと思う。
演奏会後の笑顔とは全く違う表情に見える。
そして立場を代わってでも、友人をクリスマスの家族の元に届けられて良かった。ありがとう。
クリスマスの夜に友人の元に訪れることができて良かった。ありがとう。
ドロレスの「手紙をありがとう」のセリフでなぜか急激に込み上げ決壊した。涙腺崩壊。
良い話だと思いつつ「まあ普通だな、」なんて考えていたけど、この言葉で急激に。
文面の主などお見通し。そりゃそうか。
手紙を通してドロレスはドクと対面していた。
もしかしたらドクは自分の元妻への想いを文章に込めていたのかもしれない。
トニーの意外にも思える愛妻っぷりにももちろん感心だけど、ドクとドロレスの繋がりに非常に胸打たれていた。
この後お兄さんに手紙書けるといいな。
間違いなく良作。
ただ、期待していたよりずっと大味に感じた。
最初はウマの合わなかった二人がお互いを尊重し仲良くなる過程として良かったものの、特にインパクトの無いものに思えてしまう。
実話にケチつけるわけではないけど、なんとなくただの美談のような。まあ全然良いけども。
トリオメンバーの存在感の薄さも気になる。
ドクを理解しているとは思うけど静観が強いし、彼らが何を思っているのかよく伝わってこなかった。
最後取り残されてどうしたんだろうか。
テンポは良かったけどわかりにくい点も。
戻したはずの「お守り」こと翡翠石が戻っていたのは何なのか、ドクが一人で出歩いた理由は何なのか。
予想はつくけど確信が持てない。私が集中できていなかっただけかな。見入っていたはずなんだけど。
何にせよ、ドロレスの言葉だけで全てチャラだしまんまと次の日のディナーにケンタッキーフライドチキンとボンゴレビアンコ食べたしティッツバーグ州に巨乳がいなかったことにがっかりしてるし、心に残る良い作品だった。
新たな差別に気がついた
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