グリーンブックのレビュー・感想・評価
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人種差別がテーマ?いやいや、それだけじゃない。だから凄い。
ビゴモーテンセンが四六時中何かを食いまくる映画です。というのは嘘です。凸凹コンビのロードムービー。ドッカンドッカン爆笑するわけじゃないですが、この世界って良いな、と思わず笑みがこぼれました。
あとこれ、クリスマスに観たかったなぁ。。。悔。
この映画は人種問題を扱っているのですが、正直なところ、僕はあまりそのテーマ性を強く感じませんでした。むしろ「万引き家族」に近いテーマ性があるような?気がしました。
1番好きなシーンは、旅の途中、クルマがエンコして農園の横に停車するシーン。ここだけ音響がピタッと止まる。農園の虫の音だけが聞こえる。開かれた視界の先では、黒人労働者が草刈りをしている。黒人労働者とエリート黒人ピアニストであるドクター・シャーリー、両者のコントラスト。
このシーンは凄かった。音楽もアクションも台詞もなく、たった数秒間だけのシーンにも関わらず。
この映画、中盤までは人種問題がテーマっぽいです。しかし終盤「ドクター・シャーリーが南部へのツアーを行った動機」が示され、「あー、そっちが本当のテーマだったのか?」という風に思ったんですよね。
劇中、トニーの家に集まるイタリア人達が超貧乏で、超頭悪そうで、黒人を完全に見下しているんだけど、とても楽しそうだし良い人達なんだよね。(まぁ多分、黒人に対する偏見を持っているだけで、根っからの黒人嫌いという訳ではないらしい。)
反対に、ドクター・シャーリーは、超金持ちで、超頭良くて、人に対する尊敬の念に溢れてるんだけど、すんげーつまんなそうにしてる。
ドクター・シャーリーに無いものは、コミュニティなんだよね。
これが「万引き家族っぽいなぁ」と思った理由です。
「万引き家族」は「コミュニティがない日本の社会構造マジやばいっすよ」という映画だとすると、「グリーンブック」は「たとえ地位・金・名誉があってもコミュニティに属していなければ無意味っすよ」という映画だと思いました。
ご機嫌なリズム
映画そのものが音楽となりリズムとテンポが心地よく奏でる多幸感溢れる作品。『バディ』モノとして完璧に近い関係性が出来上がっていく幾重の問題を上手く取り込みながら知恵を絞りクリアしていく様を痛快に鑑賞できた。
実話を元に描かれているとのことだが、正に差別問題を真っ向から取り組みながらもアメリカならではの多層な人種故の応酬の切り返しが或る意味羨ましくも感じる。
と、ここまでは手放しで今作品を楽しめたのだが、鑑賞後にネットで深掘りしていくと、どうも当事者であるアフロ‐アメリカンの人達はこの作品を快く思っていないらしい。というのも制作に主人公の子息が加わっていて、いわゆる白人目線での『なんちゃって差別撲滅』作品だという評価らしいからだ。こちら側から寄り添ったのだから有難く思え的発想なのだろうが、それ程屈折した捉え方をする程までこの問題は根深いと言うことなのだろう。只、少なくてもこの二人の友情には嘘は無いように感じるさせる作りである。それに、そもそもお互い移民なのだからその根っこは理解し合えるだろうし、だからこそ共通部分を認め合えば、心の深いところで結ばれることを証明できる作品であることは間違いない。例えばそれが人種差別だろうが、性的差別だろうがである。
そして今作の最大のオチは、妻の感謝の言葉であることは紛うことがない。妻は夫からの手紙の劇的な表現の進歩により、夫の成長を喜んだ筈だ。そしてその手助けをしてくれたアーティストに対しても最大の敬意と感謝を伝える。これ程迄の補完な関係を映画に落とし込めたスタッフ・キャストへの惜しみない賛辞を贈りたい。小ネタの全ては理解出来なかったが、細かいフリとオチもアメリカの小気味よいスタンドアップコメディを彷彿させるようで、改めてそのリズム感の真髄を体現できたことに感謝である。クリスマスショーを蹴っ飛ばして、黒人バーでのクラシック曲、そしてロックンロールへの流れは、自然と自分の体も共鳴してきて気が付くと体を揺らしていたことに我ながら驚いてしまった。堅いこと抜きで、人情話として大変愉しめる良作である。
Fantastic
エロくそチキン主演男優賞に決定!
ビゴ・モーテンセンが素晴らし過ぎる。
始まってすぐに気づくトニー(モーテンセン)の嫁さんや二人の子供たちへの深い愛情、そしてこの家族を含むイタリア系移民たちの固い絆。何かいいですね。
時は1962年、南部ではまだ黒人が同じ人間として扱われず、白人によるリンチや殺人がまかり通っていた時代である。そしてJFケネディはまだ生きていた。
NYはカーネギーホールで暮らす黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)はトニーを運転手に雇いディープ・サウスに8週間の演奏旅行に出る。
この旅を続けるなかで二人は深いところで繋がっていく……いわゆる「いい話」なのだが、まったく嫌味がない。アカデミー賞作品賞も納得の感動作だ。
個人的には作品賞よりも脚本賞よりも助演男優賞よりもモーテンセンに主演男優賞をとって欲しかった。
暗い背景でも笑って見られるロードムービー
基本的には「フライドチキンを素手で食べることにすら抵抗がある、上品で意志の強い天才ピアニスト」と「粗野で無教養だが素直で、やたら大食らいのイタリア系ブロンクスっ子」の凸凹コンビによるロードムービー。人種差別に対する真面目な問題意識がある映画だが、コメディチックな二人の掛け合いと、クラシックと60年代の軽快なポップスの両方を活かした音楽のお陰で肩肘張らずに楽しめる。オチもバシッと決めてくれる。
アメリカ(特に南部)での人種差別というのは頭では知ったつもりでも肌感覚ではアメリカにいたわけでもないのでわからない。とはいえ最初は黒人を「黒ナス」呼ばわりしていたトニーと、トニーの粗野さに眉を顰めていたドクが打ち解けていく様は自分の良心にとって心強い。
暴力では何も解決しない
2回目も爆発的幸福感を味わう。
何度も見返したくなる一本となった。
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2019.3.9 TOHOシネマズ西新井にて1回目
最近歳のせいか涙腺が緩くなり
幸福感に浸ると自然と涙が溢れてくる。
この映画もその例に漏れず
ラストに向かうにつれて涙また涙。
ちぐはぐな男二人のロードムービー
珍道中の果てに二人はバディへ
その行程の可笑しさったら…。
ヴィゴとアリの息の合った掛け合いに
シンパシーも増幅していく。
インテリのピアノ奏者として
白人の知識階級にもてはやされ
しかし町中に戻れば
市井の黒人と同じ扱いを受け
黒人からは異端の目を向けられる。
孤高の天才の立ち位置のゆらぎに
計り知れない孤独の闇を感じる。
まるでその答えを出すように
暴力ではない手痛い一発を食らわし
お飾りの演奏家ではない
自分の心からの音楽を奏でる姿。
批判の声は聞いておこう。
でもおいらはこの二人が大好きだ。
笑いと涙に溢れたこんないい話は
差別云々の側面だけではない
必ず誰かを幸せにできる映画だ。
アメリカ映画伝統の味のフライドチキン
さすが作品賞
マハーシャラ・アリは素晴らしい
脚本が素晴らしい
文句なし。
テンポ、展開、テーマ、キャスト全部良かった。
トニーとドクの関係が絶妙でした。
ぶっきら棒で黒人に偏見のあるトニー
天才ピアニストだが黒人への差別に悩むドク
二人でコンサートツアーを回るに連れてトニーは偏見がなくなっていき、ドクはそんなトニーに救われたのだと思います。
偏見がある割に仕事はしっかりするし。
人間味があり、濃すぎない良い作品でした。
ドクは畑を耕す人達を見て何を思ったのでしょうか?
心に残ったのは
やっぱり、中年の友情っていいよね。ベタベタ過ぎず、遠過ぎず、だけど多くは語らずとも通じ合うみたいな。
見終わった後は、爽やかな余韻が残る、そんな映画だった。
心に残ったのは、トニーがシャーリーに放つ「寂しい時は自分から先に手を打たなくちゃ」という言葉。
誰かが構ってくれる、救ってくれるまで待つ悲劇のヒロインになるのではなく、自分からアプローチする。
正直、自分の胸に刺さる。
だけど、最後シャーリーがクリスマスパーティーに自ら赴き、自分の殻を破れたのを見て、勇気をもらった。
余談だけど、ヴィゴ・モーテンセンめちゃくちゃカッコよかったなあ。
デコボココンビのロードムービー
居心地の良い場所
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